JPS5850866Y2 - 魚釣用リ−ルのドラグ制動装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 魚釣用リールにおいて釣糸捲取装置とクランクとを摩擦
接手で連結し、釣糸捲取を専用のドラグ調整螺子によっ
て調整された一定の摩擦力で駆動する方式は周知であり
、さらにクランク自体でドラダ調整を行なうものが実公
昭３４−２０３８８号明細書で知られている。

しかしながらこのような方式は、クランクの回転による
ドラグ調整範囲が非常に狭く、微妙なドラグ制動力の調
整が困難となり、さらに摩擦板等の摩損によりドラグ制
動範囲が変化した場合にドラグ制動範囲を容易に調整す
ることができないばかりか、調節量を目で確認すること
ができない等の欠陥があった。

本考案はこれらの欠陥を改善したもので、クランクの回
転だけで広範囲のドラグ制動範囲を調整でき、そして前
もって想定される最小のドラグ制動力だけを調整するド
ラグ調整螺子を設けた。

更に該クランクと該ドラグ調整補助螺子の間に目盛を付
した円板を介在させるだけで、クランクの回転変位角、
所謂ドラグ制動範囲を知るよう簡単な構成としたもので
、スプール軸に設けた歯車に噛合する駆動歯車を、逆転
防止歯車を有する回転軸に摩擦板を介して嵌装し、該回
転軸の螺子部に弾発部材をはさ、んで前記摩擦板に衝接
したクランクに一体的に設けたドラグ調整螺子部を螺合
し、該回転軸の先端螺子部に緩み止め機構を有する最小
時のドラグ制動力を調整するドラグ調整補助螺子を螺着
し、該クランクとドラグ調整補助螺子の間に、回転軸と
一体回動し、軸方向のみ摺動自在な円板を係着し、該円
板に、クランクに設けた指標に対応する目盛を設けたこ
とを要旨とするものである。

本考案の実施例を図面第１図乃至第３図によって説明す
ると、スプール軸１はスプール２を固定し、その一端に
は歯車３が固定され、該歯車３は駆動歯車４と噛合して
いる。

回転軸５は筐体６に固定支承される固定軸７に回転自在
に嵌着され固定ピン８によって軸方向の移動が阻止され
ている。

該回転軸５の外周面は欠円軸部５′に形成されると共に
、前記駆動歯車４が回動自在に嵌装され、該駆動歯車４
の空胴部内における回転軸５には軸方向自在に欠円軸部
５′に係着した金属ワッシャー９、駆動歯車４の内周部
に形成した溝孔４′に係合する金属ワッシャー９、樹脂
または革のワッシャー９′よりなる摩擦板１０が重合嵌
装され、これら摩擦板１０の外側における回転軸５には
、押圧板１１を嵌合させ、さらに発条１２を介してクラ
ンク１３を一体的に形成したドラグ調整螺子１４が螺合
され、該クランク１３を捲取方向（第１図において右回
り方向）に回動すると、発条１２と押圧板１１を介して
摩擦板１０を押圧する方向に移動し、逆方向（第１図に
おいて左回り方向）に回動すると摩擦板１０に対して減
圧する方向に移動し、該クランク１３の回動進退によっ
て摩擦板１０の駆動動歯車４に対する圧着度を調整し、
ドラグ制動するように形成されている。

さらに該回転軸５の先端螺子部には、最小時のドラグ制
動力を調整するドラグ調整補助螺子１５が該回転軸５の
段状の孔部端面１６と補助螺子１５の内底部１２との間
に緩み止め発条１８を弾発装着し回転軸５と補助螺子１
５の螺合に対する緩み止めの役割をなして螺着され、該
クランク１３と一体的なドラグ調整螺子１４と、ドラグ
調整補助螺子１５の間には、クランク１３に螺子２３に
よって固定された保持板２０と緩み止め突起２２を有す
る取付板２１に保持され、回転軸５の欠円軸５′に係着
されて軸方向のみ自在に移動可能にそしてクランク１３
と相対的な回転が可能な円板１９が嵌合される。

該円板１９は、クランク１３が捲取方向と反対方向に回
転し、最小のドラグ制動位置に達してドラグ調整補助螺
子１５の端面に接触した場合、クランク１３との接触摩
擦で共にドラグ調整補助螺子１５が回転しないようにク
ランク１３とドラグ調整補助螺子１５との中間に介在し
、回転軸５に不回動に嵌合したことにより共回りを阻止
する。

さらに円板１９の面上へ目盛２５を設け、該緩み止め突
起２２に指標２６を設けて、クランク１３の回転軸５に
対する相対的な回転度合（いわゆるドラグ制動力）を視
認できるように形成した。

第４図にはドラグ調整補助螺子１５ａの内底部に貫通孔
２８を設け、該回転軸５の孔部の雌螺子部２９に該貫通
孔２８を貫通して緩み止め螺子２７を螺合し、該ドラグ
調整補助螺子１５ ａの外端面に緩み止め螺子２７０頭
部３０を圧接させ、ドラグ調整補助螺子１５ ａの緩み
止めをなす実施例を示す。

なお、図中３１は回転軸に固着された逆転防止歯車で、
３２は逆転防止歯車３１に噛合い、逆転を阻止する逆転
防止爪である。

本考案は上記のように構成されているからドラグ調整補
助螺子１５を調整してクランク１３を回転軸５に対し相
対的にドラグ調整補助螺子１５の端面に突き当るまで逆
転させて得られる適宜の最小ドラグ制動力を予め設定し
、クランク１３と一体的なドラグ調整螺子１４を対称点
等により想定される必要なドラグ制動力を得られる位置
に指標２６および目盛２５を参考にして調整しておき、
この状態よりスプール２をスリップ転させたい場合には
クランク１３を逆転させるだけで、回転軸５に固着され
た逆転防止歯車３１に逆転防止爪３２が噛合い、回転軸
５が逆転防止される為、ドラグ調整螺子１４が回転軸５
と相対的に逆転され、摩擦板１０に対する摩擦抵抗を減
じ、スプール２はスリップ転する。

また目盛２５と指標２６との間にも相対的な回転移動が
生ずるので、予め最大ドラグ制動力の目盛を読みとって
おけば、ドラグ制動力が緩和され、フリー状態になるま
での変位量を目盛２５で視認できる。

所謂、回転軸５に対するクランク１３の回動方向の変位
量の度合を目盛２５と指標２６とで確認することができ
る。

また、一定のドラグ制動力下においてさらにドラグ制動
力を増加したい場合、いわゆる魚を取り込み中にドラグ
制動力を上回る力で゛引かれた場合、その魚の引く力に
応じて回転軸５とドラグ調整螺子１４の相対的な正転方
向（摩擦板１０を押圧する方向）の回転が生じるのでク
ランク１３を回転するだけで必要なドラグ制動力が自動
的に得られる。

さらに本考案によれば、ドラグ調整補助螺子１５の調整
によってスプール２の回転を最大限に強いドラグ制動力
からドラグ制動力が全く働かないフリーなスプール回転
をクランク１３の回転操作のみによって行うことも可能
である。

このように本考案においては部品点数が少なく簡単な構
造で最大のドラグ制動力からスプールのフリー回転まで
非常に広範囲かつ微調整が可能となり、さらに魚の引き
の強さに応じて迅速かつ適確なドラグ制動力をクランク
の回転操作だけで可能とし、従来のごとくその都度捲き
上げハンドルから手をはなしてドラグ調整螺子を調整す
る必要もなく、ドラグ制動力の調整の誤りによってドラ
グ制動力が強すぎて糸を切られたり、また逆にドラグ制
動力か弱すぎて青板に入られて魚を逃すこともなくなる
。

特に回転軸とドラグ調整螺子の回動量、即ちドラグ制動
力の変化と度合を指標と目盛によって釣人が正確に視認
し得ることができる等、優れた特徴と実用性を有するも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一部切欠正面図、第２図は最大限のド
ラグ制動力を加えた一部省略断面図、第３図は第２図の
一部省略Ａ−Ａ断面図、第４図は他の実施例の主要部断
面図。 １・・・・・・スプール軸、２・・・・・・スプール、
３・・・・・・歯車、４・・・・・・駆動歯車、５．５
ａ・・・・・・回転軸、６・・・・・・筐体、７・・・
・・・固定軸、８・・・・・・固定ピン、９・・・・・
・ワッシャー１０・・・・・・摩擦板、１１・・・・・
・押圧板、１２・・・・・・発条、１３・・・・・・ク
ランク、１４・・・・・・ドラグ調整螺子、１５，１５
ａ・・・・・・ドラグ調整補助螺子、１６・・・・・
・段状孔部端面、１７・・・・・・内底部、１８・・・
・・・緩み止め発条、１９・・・・・・円板、２０・・
・・・・保持板、２１・・・・・・取付板、２２・・・
・・・緩み止め突起、２３・・・・・・螺子、２４・・
・・・・噛合凹部、２５・・・・・・目盛、２６・・・
・・・指標、２７・・・・・・緩み止め螺子、２８・・
・・・・貫通孔、２９・・・・・・雌螺子部、３０・・
・・・・頭部、３１・・・・・・逆転防止歯車、３２・
・・・・・逆転防止爪。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. スプール軸に設けた歯車に噛合する駆動歯車を、逆転防
   止歯車を有する回転軸に摩擦板を介して嵌装し、該回転
   軸の螺子部に弾発部材をはさんで前記摩擦板に衝接した
   クランクに一体的に設けたドラグ調節螺子部を螺合し、
   該回転軸の先端螺子部に緩み止め機構を有する最小時の
   ドラグ制動力を調整するドラグ調整補助螺子を螺着し、
   該クランクとドラグ調整補助螺子の間に、回転軸と一体
   回動し、軸方向のみ摺動自在な円板を係着し、該円板に
   、クランクに設けた指標に対応する目盛を設けたことを
   特徴とする魚釣用リールのドラグ制動装置。