JPS5850584Y2 - クラッパ−形電磁接触器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はクラッパ−形電磁接触器、とくに常時閉路接
点構成をした接触器に関するものである。

周知のように、電磁接触器の導電部分には電源側導体、
固定接触子、可動接触子、負荷側導体があり、これらは
いずれも金属固定部分に絶縁体を介して支持されている
。

従来のものはこれらの絶縁体の形状が異なるため、多種
類の部品を準備をする必要があり、原価高となる欠点が
あり、しかも常時閉路接点方式の電磁接触器は外形寸法
が大きくなり、かつしゃ断能力も低くなっていた。

この考案は上記の欠点を改善することを目的とするもの
で、常時閉路接点方式においても導電部分を一種類の絶
縁体の共用により支持するようにしたクラッパ−形電磁
接触器を提供するものである。

以下、この考案の一実施例を第１図〜第７図により説明
する。

図において１は電源側導体、２は固定接点３を装着した
固定接触子で、中央部に長穴２ａが形成されている。

４は可動接点５を装着した可動接触子、６は負荷側導体
、７は可動接触子４と負荷側導体６とを接続するたわみ
導体、８は電源側導体１を支持する電源側絶縁体、９は
可動接触子４を支持する可動絶縁体、１０は負荷側導体
６を支持する負荷側絶縁体、１１は固定鉄心、１２は固
定鉄心１１に巻回された電磁コイル、１２ ａ 、１２
ｂは電磁コイル１２の端子、１３は固定鉄心１１を支
持するとともに磁気回路を形成する継鉄板、１３ ａは
継鉄板１３を電源側に折曲げて形成した電源側絶縁体８
を支持する電源側支持板、１３ｂは継鉄板１３を負荷側
に折曲げて形成した負荷側絶縁体１０を支持する負荷側
支持板、１４は負荷側支持板１３ ｂに中央の方形支点
部１４ ａを支持された可動鉄心で、電磁コイル１２の
付勢により固定鉄心１１に吸引される。

そして、この可動鉄心１４の端部には可動絶縁体９が取
り付けられ、負荷側支持板１３ｂに形成された切起し舌
片１３Ｃと可動鉄心１４を延長して形成された折曲げ部
１４ｂ間に挿入された引きばずしばね１５のばね圧によ
り、可動鉄心１４は方形支点部１４ａを支点として第１
図に示す如く時計方向に回転し、負荷側支持板１３ｂに
形成されたストッパー１３ｄに当接して接点３，５間を
閉路する。

１６は可動接触子４を先端部に固着した可動腕、１７は
可動接触子４を第１図において時計方向に押圧し、接点
３，５間に所定の接触圧下を与える押しばね、１８は可
動絶縁体９に掛止され、押しばね１７の下端部と係合す
る受は部１８ ａを有するばね受は板である。

可動接触子４および可動腕１６は第１図に示す如く、固
定接触子２の長穴２ａの中に絶縁して配置されている。

また電源側絶縁体８、可動絶縁体９および負荷側絶縁体
１０の形状ならびに構成は全く同一に形成された合成樹
脂による成形品で、第５図に構成の詳細を示す。

１９は充電部分と接地部間の沿面距離を十分に保つため
の隔壁、２０は貫通穴、２１は凹部、２２は取付穴、２
３は側壁、２４は凹溝からなる座である。

以上のように構成された電源側絶縁体８は、取付穴２２
を貫通するねじ２５により電源側支持板１３ａに取付け
られ、貫通穴２０を貫通するねじ２６により、電源側導
体上を上部に固定する。

また可動絶縁体９は、取付穴２２を貫通するねじ２５に
より可動鉄心１４に取付けられ、座２４には可動腕１６
を押圧する押しばね１７の下端部を装着するばね受は板
１８が掛止される。

また、凹部２１には可動腕１６の端部を挿入し、接点３
，５の開閉時の支点とする。

さらに負荷側絶縁体１０は、取付穴２２を貫通するねじ
２５により負荷側支持板１３ｂに取り付けられ、貫通孔
２０を貫通するねじ２６により負荷側導体６を上部に固
定する。

また、負荷側絶縁体１０の側壁２３下端は引きはずしば
ね１５の水平方向のばね正分力による可動鉄心１４の方
形支点部１４ ａの第１図において右方向への移動を阻
止する。

次にこの考案の動作を第１図、第２図により説明する。

第１図は常時閉路接点方式のクラッパ−形電磁接触器の
接点閉路状態を示しており、引きはずしばね１５−によ
り、可動鉄心１４は、その方形支点部１４ａを支点とし
て時計方向へ押圧され、可動腕１６に係合した押しばね
１７の圧力（可動接点５と固定接点３間の接点圧力用）
に打ち勝って回転し、負荷側支持板１３ｂのストッパー
１３ｄに当って停止している。

今、電磁コイル１２に電圧を印加すると、可動鉄心１４
が固定鉄心１１に吸着されて反時計方向へ回転し、第２
図に示す如く、可動接点５と固定接点３が開離し、主回
路電流をしゃ断する。

電磁コイル１２を消磁すると、前述の場合と反対の動作
を行ない可動接点５と固定接点３が閉路する。

第８図はこの考案を常時開路接点方式に改造した場合の
構成を示す断面図で、可動接点５と固定接点３が閉路し
た状態を示しており、上述した常時閉路接点方式と比べ
て、可動絶縁体９が１８０°反転した状態で可動鉄心１
４に取り付けられていること、および固定接触子２の形
状が異なっているだけである。

また、アークの駆動力について考えて見ると、可動接触
子４と固定接触子２の配置は自己電流磁界によるアーク
駆動力が有効に働くような形状となっている。

一般に、二つの導体に互いに反対方向に電流が流れると
き、その導体間には反発しあうような力が作用すること
はよく知られているが、この考案の場合もこれと同様で
、第９図に示すように、アークｉａと可動接触子４、固
定接触子２に流れる電流ｉｂ ： ｉｂ’の間に反発力
が働き、従ってアークは左方向にｆ、ｆ’の駆動力が生
じ、アークｉａが伸ばされてしゃ断が完了することとな
る。

以上のように、この考案によるクラッパ−形電磁継電器
は、固定接触子に長穴を形成し、この長穴に可動接触子
を通すことにより、しゃ断能力を常時開路接点方式と同
一となし、しがも導電部分を支持する絶縁体を形状・構
成とも同一の１種類の成形部品により共通化しかつ固定
接触子を除く全ての部品を共通化したので、容易に常時
閉路接点方式から常時開路方式への改造または逆の改造
が可能であり、生産ロフトの増大と在庫費用の縮減とに
より、製品原価を低減することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図はこの考案によるクラッパ−形電磁
接触器の一実施例を示し、第１図は閉路状態の構成を示
す断面図、第２図は開路状態の構成を示す断面図、第３
図は平面図、第４図は固定接触子の斜視図、第５図は絶
縁体の斜視図、第６図は継鉄板の斜視図、第７図は可動
鉄心の斜視図、第８図はこの考案を常時開路接点方式へ
改造した場合の構成を示す断面図、第９図は可動接触子
と固定接触子間に働くアーク駆動力の原理図である。 図において、同一符号は同一または相当部分を示し、２
は固定接触子、２ａは長穴、３は固定接点、４は可動接
触子、５は可動接点、８は電源側絶縁体、９は可動絶縁
体、１０は負荷側絶縁体、１４は可動鉄心、１６は可動
腕、１７は押しばね、１８ばばね受は板、１９は隔壁、
２０は貫通穴、２１は凹部、２２は取付穴、２４は座で
ある。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 固定接触子に長穴を形成し、この長穴に可動接触子を挿
   通させて可動接続子と固定接触子が互いに相対するよう
   に構成した常時閉路接点方式のクラッパ形電磁接触器に
   おいて、並列に形成された隔壁の間に貫通穴と凹部およ
   び座を設けると共に、上記隔壁の側部に取付穴を設けた
   同一形状の絶縁体を複数個備え、これらの絶縁体を電源
   側絶縁体、可動絶縁体および負荷側絶縁体とし、上記可
   動絶縁体をその取付穴を用いて可動鉄心に固定し、かつ
   上記凹部により可動接触子の一端を支持し、さらに上記
   塵にはばね受は板を装着し、このばね受は板と上記可動
   接触子との間にばねを介在させたことを特徴とするクラ
   ッパ−形電磁接触器。