JPS5849886Y2 - パツシブベルト装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はドアの開閉に応動してダイヤゴナルベルトを拘
束位置と解放位置との間で転位させるパッシブベルト装
置の改良に関する。

車輛中央側の座席近傍位置に緊急ロック式巻取装置を固
定し、該巻取装置より引き出したベルト端をドア開放側
上部に向かって延出させた所謂ダイヤゴナルベルトをド
アの開閉に応じ拘束位置と解放位置との間で転位させる
型式のパッシブベルト装置は肩、腰連続ベルトを使用し
てこのベルトをドアの開閉に応動させて転位させる型式
のパンシブベルト装置に比し、その機構が簡単で、実際
的であるところから極めて好評を得ている。

ところが、このダイヤゴナル型式のパッシブベルトは前
方にニーパットを設けて安全の確保を図り、通常の場合
には充分な乗員安全確保性能を保有しているが、走行地
面が凹凸のはげしい地面である場合には乗員によってそ
の機構が簡単であるが故にもの足りなさを感じ、より強
固なベルト拘束状態を欲することがある。

又、かかる強力なベルト拘束を欲する人間心理は凹凸の
はげしい走行面でない場合にも乗員の性質により千差万
別であって一部の人にはや（はり同様な希望がもたらさ
れる。

本考案は、かかる乗員の心理に対応し、ダイヤゴナルベ
ルトの特長を維持しつつ、より安全を望む、需要者の要
求に応ずべく提案されるに至ったもので、公知のダイヤ
ゴナルベルトを備えてなるパッシブベルト装置にかいて
、前記ダイヤゴナルベルトに係着時、三点式拘束ベルト
を形成する腰ベルトを着脱自在なる如く設けたことを主
たる特徴とするものである。

以下、本考案装置の具体的構成例を更に添付図面にもと
づいて説明する。

先ず、第１図及び第２図においては車体１中央側の座席
３側部に設けた緊急ロック式巻取装置４に一端を巻着、
収納すしめたベルト５の引出し端をドア２開放側上部に
止着したバックル７に対して係脱可能に係着したトング
６に縫着した連続一本ダイヤゴナル形式のベルト装置が
示されており、ベルト５はその中間部インナー側におい
て座席３の座部側部にその下方端に支点８ａを有して回
動可能に枢支されたアーム８の上端に取着形成されたベ
ルト挿通案内用のガイドリング９に挿通されている。

このアーム８には更に屈曲せる回動長溝１０が穿設され
ていて、その内部に回転自在のローラーが嵌着され、好
寸しい態様としてこのローラーは座席側部のガイドレー
ルに沿って摺動し、軌道の安定化を図ってその軸ピンに
ワイヤー又はワイヤーを主材とする線状駆動部材１１の
一端を止着して後述する所定のドア応動に伴なう摺動を
行なうようになっている。

一方、線状駆動部材１１の他方端は前方に延び、座席側
部の取付位置１３とドアヒンヂ部近傍の車体取付装置１
５との間に亘設された可撓性アウターチューブ１２内に
貫挿されてドアヒンヂ部近傍のドア側下端１４において
止着されている。

従って、ドアの開放に応動し線状駆動部材１１による前
方への牽引によってアーム８の回動長溝１０内のローラ
ーはその屈曲した溝に沿って前方へ移動し、ドアの略半
開状態でアーム８を第２図における拘束位置より第１図
の解放位置へ転位させ、以後はローラーの回動長溝１０
の直線横溝部分でドアの開放を保障しつつアーム８の転
位を止めてパッシブベルトとしての機能を発揮する。

勿論、このパッシブベルトとしてのドア開閉に応動する
機構は上記図示例に限らず、同効的機構による代替が随
時可能であり、任意に改変することができる。

又、線状駆動部材１１、アウターチューブ１２、アーム
８等に関し軽快性を求めてこれに適合した素材構成が選
定されることも当然の設計である。

しかして、上記の如きパッシブベルト構成において本考
案の重要な特徴はダイヤゴナルベルト５の中間部に添っ
てバックル１７を配し、縫着固定したことであり、更に
ドア開放側下部に緊急ロック式巻取装置１８を取着し、
これに腰ベルト１９を巻着収納し、その引出し端にトン
グ２０を取り付け、必要に応じ腰ベルト１９を引き出し
、トング２０を以て前記ダイヤゴナルベルト５のバック
ル１７に連結可能となしたことである。

なお、上記連結手段において、図示例はダイヤゴナルベ
ルト側にバックル１７、腰ベルト側１９側にトング２０
を示しているが、これは逆の場合、即ちダイヤゴナルベ
ルト側をトングとし、腰ベルト１９側をバックルとして
両者の係脱可能構成を形成しても何等、差支えない。

又、前記連結手段の外、腰ベルト１９側の緊急ロック式
巻取装置１８の取付位置についてもドア開放側下端に限
らず、車輛の側方であれば第３図の如く座席の座部外方
側側部又は該側部近傍位置の車床でも容易に取り付けて
適用することができる。

しかしドア開放側下部に巻取装置１８を取り付けた場合
にはドア開放時においてダイヤゴナルベルト５の解放位
置への転位と共に乗員の乗降空間を広くすることができ
るが、ドア側でなく、座席の外方側又は車床に取り付け
た場合にはパッシブベルトとしての機能が一部減殺され
ることになるので、前者の場合が、より有効であること
は勿論である。

図中、１６はシート前方の車体１に設けられた乗員の下
半身保護用ニーパット、２１．２２はドア２を閉鎖した
際、凹凸嵌合し、ドア２開放側上部と車体との連結を強
化する補強結合部材で図示の場合、２２は連結凹部、２
１は連結凸部である。

本考案は取上の如き構成からなり、従って、通常の場合
においては腰ベルト１９を第１図又は第３図の如く巻取
装置１８内に収納した渣ま、ダイヤゴナルベルト５のみ
を使用しドア２の開閉によって線状駆動部材１１を介し
、アーム８を前後に往復回動させて第１図又は第３図の
解放位置と、第２図の拘束位置との間でダイヤゴナルベ
ルトを転位させパッシブベルトとしての使用を行なうが
車輛走行地面が凹凸に富み車輛走行時の震動、揺れが激
しい場合、あるいはより慎重に安全を確保しておく際に
はダイヤゴナ用ベルト５中間位置に固定されたバックル
１７に対し、腰ベルト１９を巻取装置１８より引出し、
その先端のトング２０を係着することによって肩、腰三
点拘束式ベルトとして使用する。

そしてこの場合にはドアの開閉によって応動するアーム
８の前後往復回動によってダイヤゴナルベルトの転位が
あることは勿論であるが、腰ベルト１９はドア開放に先
立って手動操作を加え、あるいは電気的連動作用を以て
係合連結を解除し、巻取装置１８に巻込み終了した後、
降車等としてもよい。

殊に第３図にかける場合、即ち腰ベルト側の巻取装置１
８が座席３外方側部に取着されているときは、ドアの開
放によっても腰ベルト１９の拘束は接続されるので予め
、係合連結を解除してドアの開放を行なうことが好まし
い。

しかし、第１図及び第２図の如く巻取装置１８がドア側
に設けられているときは、ドア２の開放と共に腰ベルト
１９側も乗員拘束位置より離れる傾向にあるため、特に
予め、係合連結を解除する必要はなく、腰ベルトをダイ
ヤゴナルベルトに連結したままドアの開閉を行なえばよ
い。

かくして、通常の場合、地悪の場合を問わず、本考案に
より充分、安全ベルトの効果を乗員に対し与えることが
できる。

以上のように本考案によれば従来のダイヤゴナルベルト
形式のパッシブベルト装置に対し、より安全を確保する
ための腰ベルトを連結したものであり、一般の三点式ベ
ルトと同様の高度の安全性ヲ有シてパッシブベルトシス
テムを形成することができると共に通常時においては簡
易なダイヤゴナルベルト形式としてのシステム利用もで
き、しかも走行地面が道悪の場合にはダイヤゴナルベル
トは腰部拘束を比較的強化しないことから不安定性をも
つ懸念があるとしても、腰ベルトを連結して、その懸念
を一掃し充分な拘束下で運転することができる等、種々
の効果があり、腰ベルトの使用をその状況に応じて使い
分ける効用は大きくダイヤゴナル形式のパッシブベルト
の改良として極めて汎用性豊かな装置である。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案装置の１例に係る概観斜視図
で第１図はドア開放時、第２図はドア閉鎖時で示す。 又、第３図は本考案装置の他の例を示す概観斜視図であ
る。 １・・・車体、２・・・ドア、３・・・座席、４，１８
・・・緊急ロンク式巻取装置、５・・・ダイヤゴナルベ
ルト、８・・・アーム、８ａ・・・アーム支点、９・・
・ガイドリング、１１・・・線状駆動部材、１６・・・
ニーパット、１７・・・バックル（第１の連結手段）、
１９・・・腰ベルト、２０・・・トング（第２の連結部
材）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. １．車輛中央側の座席近傍に設けた緊急ロック式巻取装
   置から引き出すベルトを、ドアの開閉に応動して前後進
   する案内アームの先端に挿通し、その引き出し端をドア
   開放側上部にむいて係脱可能にして張設した連続一本の
   ダイヤゴナルベルトを、ドアの開閉に応動して乗員拘束
   位置と解放位置との間で転移可能となすパッシブベルト
   装置において、該ベルト５の中間部インナー側に添えて
   第１の連結手段を設け、一方、車輛側方に取着した緊急
   ロック式巻取装置１８に巻着した腰ベルト１９の引出し
   端に第２の連結手段を設け、該第２連結手段と前記第１
   連結手段とを選択的に連結可能となしたことを特徴とす
   ルハッシブベルト装置。 ２、ダイヤゴナルベルトラ側の第１連結手段がダイヤゴ
   ナルベルトの中間部に縫着固定したバックル１７であり
   、腰ベルト１９引出し端の第２連結手段がトング２０で
   ある実用新案登録請求の範囲第１項記載のパッシブベル
   ト装置。 ３、ダイヤゴナルベルトラ側の第１連結手段がダイヤゴ
   ナルベルトの中間部に縫着固定したトング２０であり、
   腰ベルト１９側引出し端の第２連結手段がバックル１７
   である実用新案登録請求の範囲第１項記載のパッシブベ
   ルト装置。 ４、腰ベルト１９の巻取装置１８がドア２開放側下端に
   取着されている実用新案登録請求の範囲第１項記載のパ
   ッシブベルト装置。 ５、腰ベルト１９の巻取装置１８が座席外方側側部又は
   その近傍の車床に取着されている実用新案登録請求の範
   囲第１項記載のパッシブベルト装置。 ６、腰ベルト１９が荷重時、エネルギ・−吸収性能を有
   している実用新案登録請求の範囲第１項記載のパッシブ
   ベルト装置。 ７、座席３の前方に乗員の下半身を衝突時、保護するニ
   ーパット１６を備えている実用新案登録請求の範囲第１
   項記載のパッシブベルト装置。