JPS5849778Y2 - 高温ガスの反応容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は高温ガスの反応容器の構造に関するものである
。

炭化水素などの高温ガスの反応容器には従来がら容器壁
の内面に全面または１部に亙ってシュラウド（囲い板）
を取付け、該シュラウドと容器壁の間に断熱材料を充填
した構造になっているものが多い。

このような構造を取ることによって反応容器は断熱が維
持され、また容器内壁は反応性の高温ガスに直接接触す
ることがない。

従って容器には特に耐熱性または耐高温腐蝕性の材料を
使用する必要はなく、比較的安価な材料を使用すること
が出来で経済的である。

また、このような反応器においては断熱材を保護および
支持する働きをなす前記のシュラウドはその１端を容器
内壁に固着して取付けるが、容器が高温ガスを取扱うこ
とから熱膨張により変形しない構造にする必要があり少
なく共１端は伸縮自在の遊離端とする必要がある（図面
参照）。

しかし、このような反応容器を使用して反応を遂行する
場合には、従来しばしば高温ガスを導入したさい、ガス
が前記シュラウドの遊離端の僅がの隙間から断熱材料が
充填されている内部に侵入し、これがシュラウドと断熱
材料の間に滞留して高温によりコークス化し、更に逐次
堆積してシュラウドを膨張変形させ、甚しい場合にはこ
れを破損してしまう。

なお反応容器の温度は休止時の常温から運転時の数百度
に及ぶため、シュラウドの遊離端から僅かの高温ガスが
断熱材が充填された内部に侵入することは、その構造上
からこれを皆無にすることは困難で゛ある。

本考案は、これ等の点を考慮してなされたものであり、
シュラウドの適宜の位置に１個以上のガスの排出孔を穿
設し、前記のようにシュラウドの遊離端より侵入して来
た高温ガスがシュラウドと断熱材との間に滞留してコー
クス化することを防ぎ、速かに再び容器内に排出される
ように工夫されたものである。

以下に炭化水素の変換反応に本考案の反応容器を適用し
た一実施態様を添付の図面に従って説明する。

図面は本考案の反応容器の縦断面図であり、１は器壁、
２は側面シュラウド、２′は天井シュラウド、２″はノ
ズルネックシュラウド、３はシュラウド面に穿設された
高温ガスの排気孔であり、４は天井シュラウド２′とノ
ズルネックシュラウド２″の接合部、５は断熱材、６は
反応容器の入口ノズル、７は聞出ロノズルを示す。

図面において、側面シュラウド２は上端において器壁１
に溶接により固定されており、天井シュラウド２′はそ
の下端において側面シュラウド２の上部に溶着されてい
る。

またノズルネックシュラウド２″は上端が反応容器の入
口ノズルの内壁に溶接固定されている。

天井シュラウド２′の上端とノズルネックシュラウド２
″の下端は、高温による延び代を取って一定の間隙をお
いて重り合って環状の接合部４を形成しているが、共に
容器には固定されず遊離端となっており、また断熱材５
と各シュラウドとの間にも僅かな間隙が設けられている
。

このような構造をなしているため、容器が高温に達した
さいは熱膨張によって接合部４および各シュラウドの断
熱材の間はおおむね密着状態となるが、完全ではなく、
温度の変化によってしばしば僅かな間隙が形成される。

天井シュラウド２′は数枚ないし十数枚の板を溶接して
張合せたものであり、各分割板毎に数個の排気孔３が穿
設されている。

数百度の高温に加熱された炭化水素ガスは反応容器人口
ノズル６より張込まれ、触媒（図示せず）によって変換
反応を受けて出口ノズル７より容器外に流出する。

このさい高温の炭化水素ガスの一部は天井シュラウドと
ノズルネックシュラウドの接合部４の僅かな間隙から充
填材とシュラウドの間に侵入するが、本考案の反応容器
においてはシュラウドにガスの排出孔３が穿設されてい
るため、侵入ガスは速かに再び容器内に戻り、滞留して
コークス化することはない。

以上、本考案にか・る反応容器は、高温反応ガスがシュ
ラウドと断熱材の間に侵入し滞留しコークスの堆積を生
成してシュラウドを変形、破損させるのを防ぐため、シ
ュラウドにガスの排気孔を設けて、その滞留、コークス
化を防いだものであり、その効果は大きい。

なお、シュラウドに穿設する排気孔の大きさ、数、位置
等に関しては断熱材を保護するシュラウドの強度を低下
させない範囲において適宜に選定される。

また反応容器の構造によって天井シュラウドのみならず
他のシュラウドにも穿設される。

また、本考案の反応容器は炭化水素の変換反応のみなら
ず他の化合物の反応容器にも使用することか′出来る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の高温ガスの反応容器の縦断面図である。 １・・・・・・器壁、２・・・・・・側面シュラウド、
２′・・・・・・天井シュラウド、２″・・・・・・ノ
ズルネックシュラウド、３・・・・・・排気孔、４・・
・・・・接合部、５・・・・・・断熱材、６・・・・・
・入口ノズル、７・・・・・・出口ノズル。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ■、容器内面の全部または１部にシュラウド（囲い板）
   を、その１端を容器内面に固定し、他端を遊離した状態
   で取付け、該シュラウドと器壁との間に断熱材を充填し
   てなる反応容器において、該シュラウド面に１個以上の
   ガスの排出孔が穿設されていることを特徴とする高温ガ
   スの反応容器。 ２、反応容器が炭化水素変換用の反応容器である実用新
   案登録請求の範囲第１項記載の高温ガスの反応容器。