JPS5849186B2 - グラビア輪転印刷機の版胴支持装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はグラビア輪転印刷機の版胴支持装置に関し、
版胴が印刷材料に接する高さを版胴が変っても変らない
ようにする事、またドクターの上下調整を不要とし、そ
の角度調整を簡易化する事を目的とするものである。

従来の輪転印刷機の版胴支持装置は固定式であるため、
大径、小径の版胴をかけ替えた場合、版胴と印刷材料の
接する高さが変り、ドクター修正が面倒である。

ドクター修正機構として、その上下調整装置、角度変更
装置がついているが、装置も操作も複雑になり、また犬
形で、ドクター稼動中、振動等の問題も出やすい。

この発明はこれ等を改善するもので、以下、図示したー
実施例によって、これを説明する。

この発明の主たる目的はドクターの上下調整を不要にす
る事である。

そのため、この発明を適用するグラビア輪転印刷機のド
クター修正機構は、円弧軌道つき左右案内板１４，１４
に係合したドクター刃支持部１３が、版胴１に接するド
クター刃１２先端を中心として旋回するようにしたドク
ター角度調節機構及びその調節機構全体を版胴上部へ向
けて水平に前後進させる機構だけ有すればよい。

そして、この発明の版胴支持装置の特徴は、原則として
定位置、定寸法の圧胴１６の下の版胴１の直径変化に合
わせて上下調節可能なように、左右機枠３，３の垂直案
内摺動部１５，１５にはめられた左右の版胴支持軸２の
軸受４，４と、これら軸受夫々の垂下ネジ棒５に螺合す
るメネジ付ウオーム車６を同時駆動する共軸ウオーム７
及びその軸を回すハンドル８と、左右軸受４，４の一方
と共に上下動する版胴駆動ギアボックス９と、このギア
ボックス９を、定位置に垂下した伝動軸１０下端につな
ぐスプライン・スリーブ１１つきカップリングｌｌａ，
１ｌｂとを備えることである。

まず、その版胴支持装置を第２，３図を参照して説明す
ると、従来、左右機枠３に固定されていた版胴支持軸２
の軸受４，４は前述のように機枠３に設けた垂直案内摺
動部１５に嵌まって上下動可能となり、軸受４下方に垂
下した角ネジ棒５とメネジ付ウオーム車６、ウオーム１
とその駆動ハンドル８により昇降する。

第２図に示すようにハンドル８を回すと共通のウオーム
軸γａにより左右機枠３，３内ウオームγ，７が一体的
に駆動されるから左右軸受４，４は常に等高を保って昇
降する。

版胴１の上下移動を許すには従来、固定的であった版胴
駆動機構にも融通性が必要になる。

これは従来の伝動軸１０に伸縮継手を加える事により満
たされるのであって、図に外観のみ示すスリーブ１１は
内面に伝動軸１０側に加えたスプラインシャフＮＯａに
嵌合するスプライン溝をもち、下端にカップリングの片
側１１ａを付けている。

図ではわざと浮かして画いているが、その１１ａはギア
ボックス９の入力軸につけたカップリングの他側１ｌｂ
と噛合っている。

なお版胴１の上に圧胴１６やその加圧用シリンダ１γも
画いている。

Ｓは被印刷体のシートである。

１８は幅寄せハンドル、１９はインキパンで従来と変り
ない。

インキパン１９は版胴１の上下にあわせて上下調整を要
するが、従来のインキパン支持機構にも上下調整機能が
あるので支障ない。

図の実施例は二重筒スタンド２０とし適当な高さでネジ
止めするようにしている。

次に、ドクター装置について説明する。

このドクター装置は原則として上下調節機構を要しない
。

ドクター刃１２の前後進と、その角度調節機構だけであ
る。

即ちドクター刃１２の支持部１３は左右の案内板１４．
１４に可動的に係合し、案内板１４．１４は夫々、下端
を受台２１に軸支され流体圧シリンダ２２により起立さ
せられ、稼動時は版胴１側へ加圧される。

この受台２１は摺動台２３上を前後調整ハンドル２４と
そのネジ棒により前後動ずる。

また左右の摺動台２３は連結材２５によ”り一体化され
、揺動装置２６により稼動中、左右に揺動を繰返す。

２７はその摺動台２３のベッドである。

ドクター刃１２の角度調整は、この実施例ではその支持
部１３端に出たハンドル２８により行われる。

即ち、ハンドル２８を回すと軸２８ａにより一体として
回る左右の小歯車２９が夫々案内板１４下面の歯に噛合
い、軸２８ａの軸受をもつ支持部１３の両端が案内板１
４の円弧軌道（この場合、案内板１４下面及び円弧溝１
４ａ）に係合しつＸ旋回する。

この旋回運動は前述のようにドクター刃１２先端を中心
として動くので、予め前後調整ハンドル２４により刃先
を版胴１の所要位置に合わせておけば、刃先のその位置
を変えることなく刃の角度だけが変るのである。

もし版胴１の所要位置にドクター刃１２先端を合わせる
ため、ドクター刃の上下調整もできる方が好ましければ
、ベッド２７を機枠３に対し上下動する等、適宜の機構
を加えてよい。

しかし、その場合も適当に上下調整した後は版胴交換の
つどこれを行う必要はない。

以上、一実施例によって説明したが、この発明は版胴と
被印刷体との接する高さを常に一定にし、ドクターの上
下調節を不要ならしめ、しかも、ドクターの角度調整は
その刃先を所要位置に保持して行えるようにしたもので
、実施に当る設計者が公知技術により変化、応用を行う
自由度は大きい。

例えば伝動軸１０が水平方向から来る場合、可変継手の
スプライン・スリーブ１１は仲介軸と自在接手を加える
事になる。

版胴支持軸の軸受昇降機構や、ドクターの角度調節機構
も、その具体的構造は機械技術者の周知技術により、設
計条件に応じて多様に設計できる。

この発明によればドクター刃先を水平に前進させて圧胴
と版胴との間へ入れられるので、その刃先と圧胴接触点
との距離を短く設定するのが容易で、インキの乾きを最
小限にする事ができる。

また従来のように、その距離の変動により印刷品質にム
ラを生ずる恐れがない。

版胴支持軸両端の軸受は、案内摺動部に嵌合し、夫々の
角ネジ、ウオーム車と共軸ウオームにより、上下位置を
調整するため最高の精度を保持できる。

圧胴の圧力に対して、共軸ウオームが軸受の移動を確実
に止める。

そして、これらとスプライン・スリーブつきカップリン
グにより実用上、すべての寸法の版胴を所要高さに調整
でき、版胴変更時のドクター調整を簡易化した。

即ち、この発明はグラビア輪転印刷機の運転に少なから
ぬ比重をもつドクター関係作業を平易で、す速く行える
よう改善したもので、これによる印刷能率、品質の向上
効果は大である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例説明図、第２，３図はその
版胴支持装置の正面及び側面図、第４，５図はそのドク
ター装置関連部分の平面及び背面図で、図中、１は版胴
、２はその支持軸、３は機枠、４は軸受、５は上下調節
用角ネジ棒、８はその上下動ハンドル、９はギアボック
ス、１１は可変継手のカップリング付スプラインスリー
ブ、１２はドクター刃、１４は案内板を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 円弧軌道つき左右案内板に係合したドクター刃支持
   部が、版胴に接するドクター刃先端を中心として旋回す
   るようにしたドクター角度調節機構及びその調節機構全
   体を版胴上部へ向けて水平に前後進させる機構をもつ輪
   転印刷機において、定位置定寸法の圧胴の下の版胴の直
   径変化に合わせて上下調節可能なように、左右機枠の垂
   直案内摺動部にはめられた左右の版胴支持軸軸受とこれ
   ら軸受夫々の垂下ネジ棒に螺合するメネジ付ウオーム車
   を同時駆動する共軸ウオーム及びその軸を回すハンドル
   と、上記左右軸受の一方と共に上下動する版胴駆動ギア
   ボックスと、このギアボックスを、定位置に垂下した伝
   動軸下端につなぐスプライン・スリーブつきカップリン
   グとを備えることを特徴とするグラビア輪転印刷機の版
   胴支持装置。