JPS584838B2 - 高分子圧電体の製造方法 - Google Patents

高分子圧電体の製造方法

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JPS584838B2
JPS584838B2 JP53164702A JP16470278A JPS584838B2 JP S584838 B2 JPS584838 B2 JP S584838B2 JP 53164702 A JP53164702 A JP 53164702A JP 16470278 A JP16470278 A JP 16470278A JP S584838 B2 JPS584838 B2 JP S584838B2
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electrode
piezoelectric material
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JP53164702A
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大東弘二
中西俊晴
鈴木美代
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Toray Industries Inc
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、高分子圧電体の製造方法、特に、ポーリング
処理に先立って熱処理を行なうことによって、フッ素系
高分子フイルム又はシート上に電極を強固に付着せしめ
るとともに、該フイルム又はシートの圧電性を向上せし
めるようにした高分子圧電体の製造方法の改良に関する
ものである。
一般に、ポリフツ化ビニリデン(PVDF)およびこれ
を主成分とする共重合体あるいはブレンド体、またはフ
ッ素系高分子中に強誘電体セラミック粒子を分散させた
複合体は、昇温された状態で高電場を印加するという、
いわゆるポーリング処理を施すことによって圧電性およ
び焦電性となることが知られている。
上記ポリフツ化ビニリデンとの共重合成分は、例えば、
4フツ化エチレン、6フツ化プロピレン、塩化ビニリデ
ン等であり、ブレンド成分は例えば上記共重合成分の重
合体やポリメチルアクリレートなどである。
また、フッ素系高分子を主成分とする高分子に分散され
る強誘電体セラミックは、例えばPZT,BaTiO3
などである。
これらのフッ素系高分子は溶液からあるいは溶融状態か
ら膜あるいはシート状に成形され、必要に応じて1軸、
2軸あるいはロール延伸される(以後、該延伸されたフ
ッ素系高分子膜またはシートをフッ素系高分子フィルム
等と呼ぶ)。
そして該フイルムの両面に金属薄膜を例えば蒸着、スパ
ッタリング等の手段によって被着させて電極を構成した
後、上記ポーリング処理を施して高分子圧電体が得られ
る。
該電気素子を各種用途に応じて使用する場合には上記フ
イルムの両面にもうけられた電極間に生じる電圧または
電流を検出するか、または該電極に電圧を加えて上記フ
イルムを励起せしめるようにされる。
しかしながら、これらのフッ素系高分子フイルムは他の
物質との接着性、付着性が悪く、当該フイルムに付着さ
れた電極は摩擦や曲げによって剥離し易く、また電極か
らリード線(導通線)を堆り出すことが困難であり、実
用上大きな欠点を有していた。
さらに、これらのフッ素系高分子フイルムの上記ポーリ
ング処理によって得られる圧電性は、該ポーリング処理
のための電圧と温度が、ともに高い方が得られる圧電性
が大であることが知られている(例えば、河合平司:応
用物理第38巻1133頁(1969)、N−Mura
ma et al.:J.Polymer Sci,P
hysics Edition13 1033(197
5))。
しかしながらポーリング温度を高くすると絶縁破壊電圧
は低下する。
このため、最大の圧電定数を得るためのポーリング温度
及び、電圧には制限があり、ポリフツ化ビニリデンでは
ポーリング温度はほぼ100ないしl30℃、電圧はほ
ぼ500KV/cmないし1.2MV/cmの範囲にな
ることが、筆者らの研究結果であり、また多くの研究者
らの報告も、上記の範囲でポーリングが行なわれている
すなわちポーリング温度が130℃以上でのポーリング
は、ポーリング電圧の低下をきたすために、結局大きい
圧電定数を持つ圧電体を得ることができないという関係
にあり、この意味で、ポーリング温度を高めての絶縁破
壊電圧の低下のない、換言すれば、大きい圧電定数を有
する改良された高分子圧電体の製法を確立する必要があ
った。
本発明は、上記の如き欠点を解決することを目的とし、
鋭意研究を重ねた結果なされたものであり、フッ素系高
分子フイルム又はシート上に電極を形成した後熱処理を
施し、しかる後に該熱処理における温度よりも低い温度
で電場を印加するポーリング処理を施すことを特徴とす
る高分子圧電体の製造方法である。
上記本発明によれば、電極を形成した後熱処理を施すこ
とによって、電極が上記フッ素系高分子フイルム等の面
に強固に付着せしめられるとともに、絶縁破壊電圧が向
上するので、ひきつづいて行なうポーリング処理の電圧
を上げることができるため、高分子圧電体としてさらに
重要な大きい圧眠定数をもつ圧電膜が得られるのである
以下本発明について説明する。本発明における本願明細
書冒頭に説明したフッ素系高分子フィルムに被着される
電極は、該フィルム面に蒸着、スパッタリング、電気メ
ッキ、化学メッキ等で付着された金属や導電性酸化物、
例えばAl,Cu,Ni,Cr,Au,Pd,Ag,I
n2O3,SnO2などのあるいはこれらの合金の薄膜
、あるいはAg,Cu,C等を導電性粒子として高分子
中に分散された導電ペーストを塗布したものである。
上記蒸着、スパッタリング等で電極を付着させる場合、
該蒸着、スパッタリングの過程中で、当該高分子膜を高
い温度に上昇させることも可能であって、電極付着強度
に好ましい結果をもたらす。
しかし、これらの過程中で高分子膜温度を均一に保つこ
とは実際上かなり困難である。
従って電極を被着せしめた後に、適切な温度で熱処理を
行なうことが望ましい。
本発明の電極付着後の熱処理温度は可能な限り高温であ
ることが望ましく、少くとも140℃以上かつ融点以下
、あるいは被着高分子によっては融点以上でもよい。
すなわちPVDFおよび該PVDFを主成分とする共重
合体あるいはブレンド高分子の膜状成形物では一般に1
40℃から融点以下の温度で、また強誘電体セラミック
粒子を混入したフッ素系高分子のシート状成形物では1
40℃以上で融点を超えることも可能である。
なぜなら、後者では融点以上でも形状の自己保持性があ
るため、融点以上の温度でもその形状を著しるしく変形
を受けることはないからである。
前者のシート状成形物では温度上昇に伴って変形が大き
くなるので(特に延伸された膜では)、枠、ローラー等
で架張された状態即ち張力を加えた状態で熱処理を行な
うことが適切である。
張力を加えながら熱処理を行なうことは、張力によって
融点が上昇し、より高温での加熱が可能となるため有効
である。
さらに、高圧下で融点を上昇させ、常温では溶融する温
度よりも高い温度で熱処理を行うこともできる。
高温での熱処理と同時に、ポーリングを目的とする電圧
よりも低く、且つ(当然のことではあるが)絶縁破壊電
圧よりも低い電圧を印加することは電極の付着強度を増
加させることに効果的である。
これはおそらく電極間の電気的引力によって、電極が高
分子膜(シート)に押し付けられること、および一部の
金属が電気分解によって溶け込むことに起因すると考え
られる。
ここでポーリング処理のための電場EPと温度TPと本
発明における電極の付着強度を増加させるための電場と
の関係について述べておく。
上記ポーリングのための電圧と温度は、それぞれ高い方
が得られる圧電性が大であることを前述した。
また、ポーリング温度を高くすると絶縁破壊電圧が低下
するため、ポリフツ化ビニリデンでは130℃以上での
ポーリングは上記ポーリング電圧の低下をきたすために
、大きい圧電定数を持つ圧電体を得ることができないこ
とも前述したとおりであり、この意味から本発明におけ
る別の態様として上記140℃以上の熱処理と同時にポ
ーリングを目的とする電圧よりも低く、且つ(当然のこ
とではあるが)絶縁破壊電圧よりも低い電圧を印加する
ことは、圧電性の向上には役立たないが、電極の付着力
の向上にとって有効であり、この目的で実行されること
に意味を持つ。
本発明において、電極を被着後、高温で熱処理を行なう
ことにより、絶縁破壊電圧が向上するので、ひきつづい
て行なうポーリング処理の温度および電圧をともに引き
上げることができる。
したがって、高分子圧電体として重要な圧電性が、ポー
リング処理のみを行なう従来の場合より著しく高められ
、一方、この高温熱処理によって電極の付着強度が向上
するという効果をも奏する。
また、上記の他次の利点をもたらすことが本願発明者の
実験結果によって明らかになった。
即ち、(i) 融点が上昇する。
このことは、例えば電極にリード線をハンダ付けの際に
、高い温度が使用できることにつながり、都合がよい。
(ii) 同一条件のポーリングでは、本発明の処理を
受けたものは、処理を受けないものよりも圧電定数が大
きい(特に二軸延伸膜において著じるしい)。
次に、本発明の製造方法による実施例を下記に示す。
実施例 1 厚さ50μmのポリフツ化ビニリデンの二軸延伸膜(ク
レハ化学製KFポリマー)の両面に、市販の導電性銀ペ
ースト(デュポン製No.7292)を醋酸エチルで粘
度調整してバーコーターで乾燥後の電極の厚さが5μm
になるように塗布した。
次いで、常温で乾燥後、金属枠に架張し、180℃,1
70℃,160℃,l50℃,140℃,130℃,1
20℃,90℃で、それぞれ30分間熱処理を行った。
これらを常温に冷却後、120℃で1hr、電王250
0Vを印加してポーリングを行った。
これらの試料の電極付着強度測定を下記(A)ないし(
D)の手段によって行なった結果を第1表に示している
(A) 電極を研磨紙(1500番)で研磨(1.5k
g/cm2の荷重を加えて)して地膜(PVDF膜)が
露出するまでの往復回数を測定。
(B) アセトンをしみ込ませた脱脂綿で電極を研磨(
1.5kg/cm2の荷重を加えて)して地膜が露出す
るまでの往復回数を測定。
(C)幅1cm、長さ6cmの短冊形試料の中央部まで
を鋼板(厚さ250μm)で挾持し、他端に1kgの引
張力を加えつつ該他端を上記鋼板を中心として240°
の回転角で折り曲げ往復運動をさせたときの電極の抵抗
値と上記往復運動回数との関係。
(D)幅1cm、長さ6cmの試験片2片を互いにエポ
キシ樹脂で接着し、一片を他片から角度90°で剥離し
た場合の剥離強度。
なお、上記第1表C欄に示した折り曲げテスト前におけ
る抵抗値は何れも1Ω以下であった。
実施例 2 ポリフツ化ビニリデンの未延伸シート(クレハ化学製2
00μm厚)を70℃の温度以下で4倍に1軸延伸した
のち80℃の温度下においてAl蒸着を行ない約300
Å厚の電極を形成した(10−5torrにおいて)。
第2表に記載された条件で30分間熱処理および熱処理
と同時に電場印加した試料について、蒸着Al電極の付
着強度測定を行った。
即ちアルコールをしみ込ませた脱脂綿で電極を研磨(1
.5kg/cm2の荷重を加えて)して地膜が露出する
までの往復回数を測定した。
該測定結果を第2表に示している。
上記実施例1およぴ2によって明らかなように、140
℃より高い温度(特に160℃以上)での熱処理によっ
て電極の付着強度を高くすることが出来る。
特に、該熱処理中に電場を印加すると更にその効果が顕
著に表われる。
なお、本実施例1に示したように、導電ペーストを10
μm以下の厚みに塗布することは、電極の可撓性を保ち
ながら強い被着力を得ることができ、変形の大きい用途
に用いられる圧電性および焦電性高分子の電極形成法と
して有用である。
この場合、導電ペーストはアクリル系、エポキシ系(二
液混合型)等いずれの高分子をベースとするものでも適
用できる。
以上説明した如く、本発明によれば、ポーリング処理に
先立って高温の熱処理を行なうことにより、電極の付着
強度が増大するのみならず、絶縁破壊電圧が向上するの
で、高分子圧電体としてより重要な圧電性が著しく高め
られた圧電膜を製造することができる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 フッ素系高分子フイルム又はシート上に電極を形成
    した後熱処理を施し、しかる後に該熱処理における温度
    よりも低い温度で電場を印加するポーリング処理を施す
    ことを特徴とする高分子圧電体の製造方法。 2 上記熱処理における温度は140℃以上とし且つ上
    記ポーリング処理における温度は100ないし130℃
    としたことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の高
    分子圧電体の製造方法。
JP53164702A 1978-12-28 1978-12-28 高分子圧電体の製造方法 Expired JPS584838B2 (ja)

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