JPS5848184B2 - 身体衛生用手持ち式液噴射装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ポンプによって発生した脈流液を、噴射ノズルを備えた
手持ち式装置に可撓管を経て給送するようにした特に歯
の洗浄および歯ぐきのマッサージ用などに使用される身
体衛生用液噴射装置は公知である。

この種の液噴射装置においては洗浄あるいはマッサージ
が終了するまでポンプを作動状態にしたままで、液噴射
装置側で脈流をオン・オフ操作し、噴射ノズルを口腔内
に挿入したり、周囲に液がはねかからないように口腔内
から取出したりできるようにすることが望ましい。

構造が簡単で作用が確実なオン・オフ弁機構を設計する
にあたっては、いくつかの問題がある。

操作者がいつも手で押えていなくても弁がオン位置また
はオフ位置に確実に保たれるように弁を双安定型のもの
にすることが特に望ましい。

さらにはポンプを運転状態にして液噴射装置をオフに操
作した場合にポンプが過負荷を受けないようにすること
も望ましい。

またポンプの電動機の起動トルクは普通その作動トルク
よりも低いので、液噴射装置をオフの状態にしてポンプ
を起動させた時に過犬なトルク要求が起らないようにす
ることが特に有利である。

本発明の目的はそれらの要件を満たし得るばかりでなく
構造が簡単で取扱いの容易な液噴射装置を提供すること
にある。

本発明による液噴射装置は、脈流状の液（普通には水、
時には特別の口腔用洗浄溶液）を可撓管によりポンプか
ら受けいれるようにした入口通路と好適には液噴射装置
の前端部へと伸長している出口通路とを有する細長いケ
ーシングな備えている。

ケーシングの内部の弁室には、上記の出口通路に通じる
片側端部側の出口と、大気に通じる他方の端部側の開口
部と、該出口と開口部との間に設けられ上記の入口通路
に連通している入口とが形成してある。

弁室の内部に配装された双安定型の弁は、弁室の上記の
出口に設けられた封止リングと、上記の開口部を経て弁
室中に進入している長手力向に移動可能な操作棒の一端
に固着した弁部材とを備えている。

この弁部材は上記の操作棒より大径である。

上記の操作棒は閉弁位置と開弁位置間を移動可能であり
、閉弁位置では弁部材が上記封止リングと係合して弁室
出口からの液の流出を阻止し、開弁位置では弁部材が封
止リングから離れて弁室出口からの液の流出を許容する
。

上記の操作棒には手動操作部材が固着してあり、閉弁位
置と開弁位置とを規定するための止め部が形成されてい
る。

封止リングの近辺には弁部材の案内手段が設けてあり、
該案内部材には開弁位置において弁室の上記出口を通る
液の通過を許すための１つまたは１つ以上の貫通孔が形
成してある。

あとで説明するように、開弁位置または閉弁位置にある
弁部材の両端部はポンプからの圧力を受けており、手動
操作部材によって上記の位置に移動したのちは、その圧
力によって同じ位置に安定した状態で保持されるように
なっている。

摺動封止部材は上記弁部材と大気に通じる上記の開口部
との中間で操作棒に摺動可能に取付けてあり、弁室の周
壁と係合している。

この摺動封止部材は上記開口部の周囲の弁室の端壁と係
合可能な弾性を有する環状の唇状部を備えている。

液噴射装置の弁を閉止しポンプが作動している状態では
摺動封止部材は上記の唇状部の弾性屈曲作用によって、
ポンプ・ピストンの圧縮行程の間は弁室の端壁の方向に
移動し、吸入行程の間は上記の唇状部が歪みのない状態
に戻される。

特に弁室内部の圧力が大気圧以下になった時は摺動封止
部材が全体として弁室の端壁から離れる方向に移動する
ため、ポンプの過負荷が防止される。

他方では液噴射装置の弁を閉止した状態でポンプを作動
させると摺動封止部材は唇状都の弾性作用によって弁室
の端部に向かって移動する。

そのため作動の開始に必要な起動トルクが軽減される。

弁室はケーシングの長手方向に延長する大体円筒形状の
ものとし、大気に通じる上記開口部および手動操作部材
は液噴射装置の前端側に設けるのが特に有利である。

第１図において、ピストン型のポンプ１０は貯槽（図示
せず）から液を受入れる入口１１と、可撓管１２に接続
された出口とを備えている。

ピストン１３は電動機と、この電動機に接続された往復
運動機構（いずれも図示せず）とによって往復運動を行
なう。

可撓管１２に送出される脈流の圧力は、つまみ１４を回
動操作することによって調節が可能である。

ポンプ１０の構造は米国特許第３７２０４８６号に記載
されているものと同様であり、ピストン１３の吸入行程
中にポンプ１０の液圧室に液を給送する大口弁と、ピス
トン１３の圧縮行程中に該液圧室の一部の液をポンプ１
００入口室にバイパスさせる機構とを備えている。

バイパスされる液の量は任意に選定でき、つまみ１４を
操作することによってその量が調節できるようになって
いる。

出口側の調節弁は設けられていない。

可撓管１２は手持ち式液噴射装置１５の入口側に接続さ
れている。

手動操作される操作部材１６を前方に引くと液噴射装置
１５の弁（図示せず）が開放されて脈流状の液が噴射ユ
ニット１７に供給され、操作部材１６を後方に引くと上
記の弁が閉止する。

弁を閉止しポンプ１０が作動している状態では該ポンプ
の往復運動に伴なって液が可撓管１２中で往復運動をす
る。

第２図ないし第４図において、液噴射装置１５はハンド
ルを形成する細長いケーシング２１として形成され、双
安定型の弁はケーシング２１の前方部分に設置されてい
る。

可撓管１２は弁室２４の両端部の間で該弁室２４の側面
に通じる入口通路２３を備えた取付具２２に装着してあ
る。

弁室２４の後端の出口は噴射ユニット１γに通じる出口
通路２５と連通している。

噴射ユニット１７を所定の取付位置で手動で回動操作で
きるようにするため、ケーシング２１に固定した取付具
には環状突起２６が形戒してあり、この突起２６を噴射
ユニット１７の弾性延長部２７に係合させてある。

この取付方式は本発明の要旨には含まれないので、詳細
な説明は省略する。

弾性材料製のＯリング２８は長手方向に延長する円筒形
の弁室２４の後端部に取付けてあり、操作棒３１の先端
部に取付けられ該操作棒３１よりも大径の弁部材２９と
閉弁位置で係合する。

弁部材２９は金属製のものでも、合成材料製のものでも
よい。

弁室２４の前方の端壁には大気に通じる開口部３２が設
けてあり、操作棒３１はその開口部３２０周壁から所定
の間隔を保ってその開口部３２を通過している。

操作部材１６は操作棒３１の前端部に取付けてあり、長
手方向に移動可能になっており、それによって操作棒３
１の位置を制御できるようにしてある。

操作部材１６の環状溝３３はケーシング２１の環状部３
４と係合し操作部材１６および操作棒３１の前方の端部
の案内部としての役目をしている。

各部材には普通、製造公差があるため、開口部３２内の
圧力は大気圧に保持されている。

案内部材３５は弁室２４に固定して取付けてあり、弁部
材２９と操作棒３１の後端部の案内部としての役目をす
るとともに、Ｏリング２８を所定の位置に保持している
。

案内部材３５には貫通孔３６（第４図参照）が形或して
あり、開弁位置（第３図参照）では液がそれらの貫通孔
３６によりＯリング２８を通過するようにしてある。

本実施例では貫通孔３６は案内部材３５の前方延長部３
５′の間に形成してある。

ケーシング２１には止め部３７が設けてあり、操作部材
１６従って操作棒３１および弁部材２９の後方への移動
を制限し、閉弁位置を規定している。

止め部３８は上記の各部材の前方への移動を制限し、弁
部材２９が弁室２４中に後退する開弁位置を規定してい
る。

摺動封止部材４１は弁部材２９と開口部３２との中間で
操作棒３１に摺動可能に取付けてあり、弁室２４の周壁
と係合している。

摺動封止部材４１はネオプレンその他の弾性材料製であ
る。

摺動封止部材４１の前端部は図示のように好適には前方
に延長する環状の唇状部４２となっており、開口部３２
０周りの弁室２４の端壁と係合する。

摺動封止部材４１は環状溝４３，４４によって両端部が
撓み、環状溝４３が案内部材３５の延長部３５′を部分
的に受入れて摺動封止部材４１の後方への移動が制限さ
れるようにしてある。

唇状部４２は図示のように環状溝４４の外側にある摺動
部材４１の部分から前方内側へ突出するように形成して
おくのが特に有利である。

次に本発明装置の作用について説明する。

第２図に示した双安定型弁の閉弁位置では弁部材２９は
Ｏリング２８と係合して封止し、入口通路２３から出口
通路２５への液の脈流を阻止している。

弁室２４に圧力が発生すると操作棒３１から外方に延長
する弁部材２９の前方部分にその圧力が加わるので、操
作部材１６から手を離しても閉弁状態が維持される。

弁部材２９の後端部は通路２５を経て大気圧に開放され
ている。

双安定型の弁を開弁して液噴射装置を作動させるには操
作部材１６を第３図のように前方に引くと脈流状の液は
入口通路２３から０ １Ｊング２８を経て出口通路２５
へと向かう。

この位置では弁室２４の後部が操作棒３１の横断面積の
分だげ該室２４の前部より広いため、弁室２４のうしろ
側には前側よりも、強い圧力が作用し、操作部材１６か
ら手を離しても開弁状態に保持される。

このように双安定型の弁は閉弁位置でも開弁位置でも安
定した状態で動作する。

次に摺動封止部材４１０作用について説明する。

双安定型の弁が閉弁位置（第２図）にありポンプが作動
している時には弁室２４中の液圧はピストン１３の往復
運動に伴なって最大値から最小値に周期的に変動する。

その最小値は大気圧以下となることがあり、その場合に
は僅かな吸引力が働ら《。

最大圧力が発生すると摺動封止部材４１はそのつど、図
面でみて右方に押され、唇状部４２は開口部３２の周囲
の弁室２４の端壁に圧着して屈曲する。

圧力が減少すると摺動封止部材４１は唇状部４２の弾性
によって、図面でみて左方に押戻され、唇状部４２は歪
みを受けない状態になる。

弁室２４内の圧力が大気圧以下になると摺動封止部材４
１は吸引力と摩擦力の相対値に依存して、第２ａ図に示
したように、開口部３２から、やや後方に移動する。

そのため液噴射装置を不作動にしたまま、ポンプ１０の
電動機を運転しても電動機の負荷が過大になることがな
く、電動機の加熱やポンプ１０の騒音の発生が防止でき
る。

ポンプ１０は不作動にすると普通には圧縮位置で停止し
、摺動封止部材４１は前方に押され、唇状部４２が弁室
２４の端壁に圧着する。

ポンフ１０には普通、大口弁を通って多少の漏れが存在
するため、弁室２４内の圧力は徐々に減少し、摺動封止
部材４１は後方に移動する。

従ってポンプ１０を再び起動させると唇状部４２が再び
屈曲するため、作動の開始に必要な起動トルクが軽減で
きる。

ポンプ１０を作動させた状態で開弁位置（第３図）にし
た場合にはＯリング２８と出口通路２５を通る液流に対
する抵抗は小さい。

弁室２４内の圧力は周期的に変動するが普通には大気圧
以下には低下せず、連続した脈流の間に間隙が存在する
場合もある。

摺動封止部材４１の唇状部４２は圧力のピーク時には多
少屈曲するが、それによって正常な作動に支障が起きる
ようなことはない。

唇状都４２の弾力は圧力ピークを過度に平坦にする程度
には強くしないことが望ましい。

以上において本発明装置の好適な１実施例を説明したが
本発明はこの特定実施例には限定されず、当業者によっ
て他にもいろいろと設計変更をして実施することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はポンプとそれに接続した液噴射装置とを示した
全体図、第２図は双安定型の弁装置が閉止位置にあると
きの液噴射装置の軸方向断面図、第２ａ図は閉弁時の摺
動封止部材の作用説明図、第３図は双安定型の弁装置が
開弁位置にある時の液噴射装置を示す第２図と同様の軸
方向断面図、第４図は第３図の４−４線に沿って切断し
て示した断面図である。 １６・・・・・・操作部材、２１・・・・・・ケーシン
グ、２３・・・・・・入口通路、２４・・・・・・弁室
、２５・・・・・・出口通路、２８・・・・・・封止リ
ング、２９・・・・・・弁部材、３１・・・・・・操作
棒、３２・・・・・・開口、４１・・・・・・摺動封止
部材、４２・・・・・・唇状部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ポンプ１０から可撓管１２を介して脈流状の液を受
   取るようにした身体衛生用手持ち式液噴射装置において
   、 （ａ） 脈流状の液を受取るための入口通路２３と、
   液噴射用の出口通路２５とを有する細長いケーシング２
   １と、 （ｂ） 該ケーシング２１内に形成され、一端部に上
   記出口通路２５と通じる出口を有し、また他端に大気と
   連通ずる開口部３２を有し、更に上記出口と開口部との
   中間部において上記入口通路２３に通じる入口を有する
   弁室２４と、 （ｅ） 上記弁室２４の出口に設げられた封止リング
   ２８と、上記開口部３２を貫通して上記弁室２４内に挿
   入されている操作棒３１とを有し、該操作棒３１の一端
   部にはこれよりも直径の大きい弁部材２９が固定されて
   おり、また上記操作棒３１は閉弁位置と開弁位置間を長
   手方向へ移動可能であり、その閉弁位置では弁部材２９
   が封止リング２８と係合して上記弁室出口からの液の流
   出を阻止し、またその開弁位置では弁部材２９が封止リ
   ング２８から離れて弁室出口からの液の流出を許容する
   ように構成された双安定型の弁と、 （ｄ） 上記操作棒３１を上記閉弁位置及び開弁位置
   に移動させるため該操作棒に固定した手動操作部材１６
   と、 （ｅ） 上記弁部材２９と上記開口部３２との間にお
   いて上記操作棒３１に摺動可能に取り付けられて上記弁
   室２４の周壁と係合しており、また上記弁室２４の他端
   に上記開口部３２の周囲において係合可能な環状の弾性
   唇状部４２を有する摺動封止部材４１と、 を具備して成る身体衛生用手持ち式液噴射装置。