JPS5846643Y2 - 運動靴 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は履用する足のアキレス腓の保護をするとともに
その部分の足当りを快適にするドッグイヤ一部を有する
運動靴に関するものである。

従来、胛被の踵部に上方へ該踵部から連続的に延長した
立上り部が設けられた運動靴が用いられている。

この立上り部はその形状が犬の耳に似ているところから
ドッグイヤ一部と称されるが、このドッグイヤ一部は足
の踵部の上方に位置するアキレス鍵をもつ足首部の後方
表面に沿ってこれを覆い、該アキレス鍵の保護を目的と
して設けられたものである。

ところが、このドッグイヤ一部を有する靴を実際に履い
てみると、その履用中爪先立ちをする等脚とすムを直線
に近くなるように伸展動作をした際、足首部後方が屈曲
するので該ドッグイヤ一部の足のアキレス鍵に突き当る
こととなる。

すなわち、このドッグイヤ一部は足首部に接する側はク
ッション材等により柔軟構造にしたてられてはいるもの
の、その外面はアキレス薦を保護する目的で腰のある硬
い材質のシート材からなる踵部てで足首部の曲面になら
って湾曲状に覆っているため、前記のような胛とすねの
伸展動作時に極端に足首部が屈曲してもこれに応じて該
踵部ては屈曲することがないので、この硬い踵部てによ
って補強されたドッグイヤ一部はその屈曲した足首部の
特にアキレス鍵に対し突出しこれを強く圧迫することと
なる。

このような動作は陸上競技や球技等スポーツをしている
際中に繰り返し行なわれるため、ドッグイヤ一部のもつ
アキレス鍵保護の目的とは全く裏腹に、むしろそのドッ
グイヤ一部によってアキレス鍵の損傷が起こる危険が存
在するものであった。

本考案は上述のような従来の欠点を解消するもので、図
面に基づいて詳細に説明すれば、胛被１の踵部２上方に
立上り状に延設されたドッグイヤ一部３に該ドッグイヤ
一部３の上端４から踵部２の方向へ延びる切開部５を設
けてなる運動靴に係るものである。

本考案において、ドッグイヤ一部３は胛被１の踵部２上
方に、該踵部２を構成する同一材をもって一連に、ある
いは他素材をもって該踵部２の上縁となった履口部６か
ら縫製等の手段で連続させて、立上り状に延設する。

例えばドッグイヤ一部３を踵部２と一連に形成する前者
の場合、これらを構成する素材は、足に接する側に綿布
等の裏地が位置し、その外側にウレタンフオームシート
等のスポンジ材が介在しその更に外側に綿布やビニルレ
ザーや皮革等の外皮を配しこれらを貼り合わせる等によ
り一体化したものを使用する。

勿論、この場合でも踵部２のみに前記裏地の更に内側、
すなわち足の接する側や、これと反対に、外皮の更に外
側、すなわち最外表面に、布、ビニルレザー、皮革、ビ
ニルシート等からなる踵補強シート７を貼着、縫着等に
より設けたり、あるいはドッグイヤ一部３のみにその外
面に、前記踵補強シー１−７と同様素材の踵部て８を貼
着、縫着等により設けたり、あるいはドッグイヤ一部３
を含む履口部６の内側に履口補強片９を貼着、縫着等に
より設けることも可能である。

またドッグイヤ一部３を踵部２とは別途に用意し該踵部
２に縫着等により連続させる後者の場合にあっては、ド
ッグイヤ一部３を構成する素材は前者の場合に較べて自
由に選択でき、勿論、踵補強シート７、踵部て８、履口
補強片９等も自由に、採用し得るが、この後者の場合は
別体同志を接続させるので、その部分が履用中袋は易い
弱点となったり、接続手段としての縫い合わせ目が段差
となって足に接触し、足当りを悪くする等の不安要素も
考えられ、この点で前者のように踵部２とドッグイヤ一
部３とが一連となった構成の方が好適といえる。

ドッグイヤ一部３に設けられた切開部５は外観上で第１
図のような四角状、第２図ａに示すようなＵ字状、同図
すに示すようなＶ字状、あるいは同図Ｃに示すような細
隙をもつスリット、あるいは同様のスリットを２つ以」
―設けた同図ｄのように、多くの態様が考えられる。

この切開部５は、ドックイヤ一部３の上端４から踵部２
への方向、すなわち下方向へ延びているが、その切開部
５の最下限１０は履用時定のアキレス鍵の最下部付近に
位置するよう設計するのが好ましい。

該切開部５の周縁はドッグイヤ一部３の周縁に含められ
、該ドッグイヤ一部３の周縁は履口部６の周縁と一連と
なっている。

これら周縁における裏地や外皮の端末は、バイヤステー
プを被覆縫着して露出しないようにしたり、あるいは該
端末において裏地と外皮とに裏側同志で縫着した後反転
して両者を表側にしてその縫着部を裏側へ配置して、露
出しないようにしてもよい。

本考案における靴を履用している際は、アキレス鍵はド
ッグイヤ一部３の切開部５の両側に位置する屹立部３′
で被覆して保護し、胛とすｈとを伸展する動作をする際
は、その切開部５にアキレス鍵をもつ屈曲した足首部が
入り込んで足首部がドッグイヤ一部３により突き当るこ
とが避けられる。

それ故ドッグイヤ一部３は従来のドッグイヤ一部よりも
更に硬度をもった素材で硬く構成し、保護効果を高める
ことができる。

このような硬い素材として、例えばクッション性をもた
せるための軟質ウレタンフオーム等のスポンジ材として
発泡度の低いものを採用したり、踵部て８として厚いも
のや剛性の高いもの、あるいは２重３重に積層したもの
、あるいはこれらを相互に組み合わせたもの等を採用し
たり、任意に選択することができる。

第２図ａ、ｌ）のようにアキレス鍵を有する足首部が後
方で切開部５から通常でも露出する場合に比して、第２
図ｃ、ｄの場合では通常の履用時においては足首部が全
面的にドッグイヤ一部３により覆われているので、この
部分の保護機能に優れるものである。

尚、第２図ｃ、ｄの場合で、たとえドッグイヤ一部３を
ある程度硬い構成としても、スノットからなる切開部５
により各屹立部３′は足の曲面に沿う湾曲範囲が狭いの
で胛とすねを伸展して足首部が屈曲しても、この屈曲に
追随して曲がるので、このドッグイヤ一部３による足首
部への突き当りを避は得る。

本考案によれば、靴の履用時爪先立ち等をして胛とすね
とを一直線状に伸展するような動作は勿論のことどのよ
うな動作をしてもアキレス鍵をもつ足首部の存在によっ
て突き当ることがなく、履用時の足当りを・決適なもの
とし、足首部、特にアキレス鍵の損傷の心配がない。

したがって常に足首部が屈曲伸展し、インバク１〜、セ
ーブ等を繰り返す運動、特にテニス競技等の球技や各種
陸上競技等に好適に履用でき、これらの運動を安全に行
なうことができる。

また、ドッグイヤ一部は切開部が開いていてもその両側
の屹立部が足首部の後部を左右から支え、ぴったり被覆
するので、この部分のアキレス鍵をしつかりおさえ、こ
れの保護をすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案品１例の後方から見た斜視図、第２図ａ
、ｌ）、ｃ、ｄはそれぞれ本考案における靴のドッグイ
ヤ一部の後方から見た外形の態様を示す説明図である。 １・・・・・・胛被、２・・・・・・踵部、３・・・・
・・ドッグイヤ一部、４・・・・・・上端、５・・・・
・・切開部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 胛被の踵部上方に立上り状に延設されだドッグイヤ一部
   に該ドッグイヤ一部の上端から踵部の方向へ延びる切開
   部を設けてなる運動靴。