JPS5846436B2 - 昇降装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、乗客の安全を特に考慮した昇降装置に関する
ものである。

現在、乗客を運搬する昇降装置であるエレベータは、乗
かごとつり合いおもりをシーブを介してつるべ式に昇降
駆動させるエレベータが最も多く使用されている。

この種のエレベータの最大の弱点は、エレベータの走行
時地震等の災害が発生した場合、乗かととつり合いおも
りが衝突する危険があることである。

この点につき第１図により詳細に説明すると１は昇降路
、２はガイドレール３に沿って昇降される乗かご、４は
ガイドレール５に沿って前記束かご２の昇降に応じ上下
されるつり合いおもりで、これら乗かご２およびつり合
いおもり４はロープ６を介して奏上機７により駆動され
る主シーブ８に吊り下げられている。

いま地震が発生し、つり合いおもり４がガイドレール５
より外れそのままの状態で走行すると、図示破線で示す
如くつり合いおもり４′は乗かと２に衝突し、乗かと２
を破損するばかりでなく乗かご２内の乗客にも被害を及
ぼし人身事故にもなる可能性がある。

このような危険を回避するために、従来様々の提案がな
されていたが、そのすべてが乗かごとつり合いおもりを
つるべ式に駆動させるという基本構成に付加的に改良を
加えたものであり、乗かごとつり合いおもりの衝突を回
避し、乗客の安全を守るためにはなお充分ではなかった
。

本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、地震等に
より発生する乗かととつり合いおもりの衝突を皆無にな
しうる昇降装置を提供するものである。

以下、本発明の一実施例を第１図と同一部分には同一符
号を付して示した第２図及び第３図に従い説明する。

昇降路の上部に設けられた主シーブ８には、一端を乗か
と２の上部に取付けられたロープ６が巻き掛けられ、昇
降路の下部に設けられたスプロケット９には、一端を乗
かご２の下部に取付けられたチェーン１１が巻き掛けら
れ、上記ロープ６と上記チェーン１１の他端は連結器２
０にて連結されている。

尚、主シーブ８には常にロープ６がスプロケット９には
常にチェーン１１が巻き掛けられる様に構成されている
。

このように第１図に示すつり合いおもり４をもたない構
成であるため主シーブ８には乗かと２側の全トルクが作
用し、トラクション能力不足となってロープスリップを
発生する。

従って、これを防ぐため第１図のつり合いおもりに相当
する反力、すなわち乗かご２本体の重量に定員（定格積
載重量）の４５％又は５０％の重量を加えた重量に相当
する反力をスプロケット９に取り付けた油圧モータ１０
により常時保持させるようにしたものである。

尚、前記の反力は前記の大きさに限定されることはなく
、トラクション能力等に応じて適当な値に設定すること
ができる。

また、スプロケット９とチェーン１１を用いることによ
り動力伝達効率をほぼ１００％とすることができ、主シ
ーブ８とロープ６のスリップはない。

次に油圧回路の詳細について説明する。

第３図（第２図の油圧装置Ａの詳細図）に於て電動機１
２により駆動される油圧ポンプ１９は油槽１３中の作動
油を吸入し、電磁弁１４、逆止弁１５を経て油圧モータ
１０に圧送しこれを正転させてスプロケット９を駆動し
、前記奏上機７による主シーブ８の駆動と相俟って乗か
と２を上昇させる。

油圧モータ１０の入口圧力は電磁弁１７を介して圧力制
御弁１８により制御されるため油圧モータ１０がスプロ
ケット９に与えるトルクは一定値に保たれる。

油圧モータ１０の出口からの作動油は背圧弁１６を経て
油槽１３に戻る。

電磁弁１４は乗かご停止中及び下降中、油圧ポンプ１９
の吐出油を油槽１３に戻し電動機１２をアンロードさせ
、一方、逆止弁１５は油圧ポンプ１９のアンロード中に
油圧モータ１０側圧力を高圧に保持するものである。

乗かと２の下降時油圧モータ１０はスプロケット９によ
り逆転方向に駆動されるが油圧モータ１０の出入口作動
油は逆止弁１５、背圧弁１６により封止されているため
電磁弁１７、圧力制御弁１８、油圧モータ１０から成る
閉回路内を循環する。

この時油圧モータ１０は、出口圧力が前記圧力制御弁１
８で一定に保たれるためスプロケット９に対し一定の制
動トルクを与える。

電磁弁１７は通常開となっているが、閉位置に操作する
ことにより前記閉回路が断たれるため油圧モータ１０は
回転不能となりスプロケット９の回転は停止する。

尚、停電が発生してもバッテリにより巻上機７のブレー
キ（図示しない）を開けると共に、電磁弁１７をも遠隔
操作によって開けることにより乗かとを徐々に下降運行
させることができる利点をも有する。

本発明は以上のような横取であるため、従来のつるべ式
エレベータのように乗かごに平衡するつり合いおもりを
もつことなく、スプロケットに取り付けた油圧モータで
つり合いおもりに相当する反力をもたせ乗かとを走行す
るようにしたので、地震等の災害によりつり合いおもり
が案内レールから脱落し乗かとに衝突するという重大事
故を完全に防止できる。

更に、乗かご側重量に対する油圧モータからの反力をス
プロケットを介してチェーンに伝達しているため、伝達
効率が極めて良いものとなる。

また停電によってエレベータが停止した場合においても
巻上機のブレーキをバッテリーにて開放し、前述の如く
油圧モータの制動作用により乗かとを運行させることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のエレベータ装置を示す側面図。 第２図は本発明の昇降装置を示す側面図である。 第３図は第２図の油圧装置Ａの詳細図である。 ６・・・・・・ロープ、７・・・・・・巻上機、８・・
・・・・主シーブ、９・・・・・・スプロケット、１０
・・・・・・油圧モータ、１１・・・・・・チェーン、
１２・・・・・・電動機、１３・・・・・・油槽、２０
・・・・・・連結器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 昇降路上部に設けられた巻上機により駆動される主
   シーブと昇降路下部に設けられたスプロケットを介して
   エンドレス状に張架されたロープとチェ７よりなる装置
   により吊持された昇降路を上下動する乗かとを有し、前
   記束かご側の重量に対する所定の反力を前記スプロケッ
   トに設けた油圧モータにより保持させることを特徴とす
   る昇降装置。