JPS5846256Y2 - 動圧形スラスト軸受の支持機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、軸端に台形状、円柱状、球面状、平面状な
どの受面をもった軸側部材と、前記受側部材の受面と対
向して共働する受面をもった受側部材を備えた動圧形ス
ラスト軸受の支持機構の改良に関するものである。

一般にこの種の軸受は、軸側部材のもつ受面とこれと対
向して共働する受側部材の受面との側に微少のすきまを
有し、該すきまに送り込まれた圧力流体の膜を介して軸
側部材を浮上支持する構造となっているため軸受の回転
性能、負荷能力、高速回転限界数、寿命などの点から見
た場合、前記すきまを均一に維持するとともに両受面の
中心を互に一致させることが必要であり、しかも軸側部
材（または受側部材）の傾きに対し受部材が容易に追従
でき、同時にダンパー支持されることが必要である。

このような要求のうち、前者の軸側部材と受側部材の互
の軸心の不一致を修正する支持構造には、例えば、特開
昭５２−１５４９４８号公報に記載のように、受部材を
ハウジングに対して放射方向のあらゆる方向に動き得る
ように、前記両部材の互の受面間に鋼球とか、低摩擦部
材を介在させてハウジング内に保持せしめ、回転側部材
と受部材との間に生じる互の心ずれを修正する構造のも
のが知られているが、この構造にあっては、軸心の傾き
が修正できないという欠点があった。

また後者の軸側部材の傾きに対し受側部材を追従させて
これを修正すると〜もにこれをダンパー支持する支持構
造には、例えば、実開昭５３−２５６４２号公報に記載
されているように、弾性支持体を介して宙吊り状態に受
部材を・・ウジング内に弾性支持し、これによって受側
部材をダンパー支持するとへもに軸側部材の傾きに対し
受部材が追従して前記傾きを修正する構造のものが知ら
れているが、この支持構造にあっては、前述の心ずれの
修正ができないという欠点があった。

すなわち、従来の支持構造にあっては、１つの支持構造
（支持機構）によって、前述の心ずれや傾きを同時に修
正できるものがなかった。

この考案は、１つの支持機構によって上記のような欠点
を除去し、もって、前述の回転性能、負荷性能、高速回
転限界数、寿命などの向上を計ったもので、具体的には
、回転側部材と受側部材との心ずれや回転側部材の傾き
に対し受側部材が追従して修正方向に移動したり傾いた
りできる支持機構を提供するものである。

次にこの考案の支持機構を第１図ないし第３図に示す各
実施例をもとに説明すると、図中１は軸１１の端部に軸
受部を構成する受面１２をもった軸側部材、２は前記軸
側部材のもつ受面１２と対向して共働するほぼ同形の受
面２１をもった受側部材、３は前記両部材よりなる軸受
を保持しているハウジング、４は前記受側部材２とノ・
ウジングとの間の平面部間に配列されている弾性ボール
であって、該弾性ボールはころがり機能とダンパー機能
をもったゴム、合成樹脂、合成ゴムなどの材料によって
形成されている。

はじめに第１図に示す第１実施例において、受側部材２
は、受面２１をもった軸受部材２０とこれと一体的に結
合された支持部材２０１より形成されており、また弾性
ボール４，４・・・は保持器４１を介して支持部材２０
１の下面２２とハウジングの底壁３１との間に配列され
ている。

従って、前記第１図に示す取付は状態にあって、例えば
第２図に示すように、回転側部材１が垂直軸に対しαだ
げ傾いて回転した場合には、弾性ボール４が４のように
変形して受側部材２も前記回転側部材１の傾きに追従し
て傾き、回転側部材１と受側部材２の軸心は常に一致し
正常な回転を続けることができる。

第３図は、第２実施例を示したもので、受側部材２は、
受面２１をもった部材（第１図における軸受部材）２に
よって形成されており、その下面２２には、弾性ボール
４，４・・・の動きを拘束することのない周溝２３をも
って形成されている。

第４図は、第３実施例を示すもので、特に受側部材２は
、弾性ボール４，４・・・のボール列が受側部材２の平
面部の上下の両面に配列されており、これによって受部
材２が挾持的に支持されている。

図中２４．２５はボールの動きを拘束しない周溝である
。

以上述べたようにこの考案の支持機構は、特に受側部材
が所望のころがり機能と吸振機能をもった弾性ボールを
介してハウジングに支持されているので、例えば、装置
への組付けにあたり軸側部材と受側部材との間に心ずれ
が生じた場合には、前記ボールのころがり運動によって
受側部材が任意の半径方に容易に移動して前記心ずれが
修正されることは勿論のこと、軸側部材の傾きや軸受に
加わる衝撃荷重に対しては、前述の説明の通り前記ボー
ルの弾性変形によって修正あるいは減衰され機能の低下
を最小限に押えることができるなどの効果を有する。

すなわち、弾性ボールの配列という１つの機構によって
軸受の心ずれ、傾き、振動などの不都合をすべてカバー
することができる。

なお当然のことであるが、実施例はこの考案の代表例を
示しているにすぎないもので、受側部材が前述のような
弾性ボールによって支持された構造のものは、その細部
構造に関係なくこの考案の実施の範囲に入るものである
。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は、それぞれこの考案の実施例を示
す要部断面図であって、第１図および第２図は第１実施
例、第３図は第２実施例、第４図は第３実施例を示すも
のである。 実施例の符号中、１は軸側部材、２は受側部材、３はハ
ウジング、４は弾性ボールである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 軸端に軸受部を構成する一方の受面を有する軸側部材と
   、該軸側部材の受面と対向して共働する他方の受面な有
   する受側部材とを備えた動圧形スラスト軸受の支持機構
   において、前記受側部材がゴム、合成ゴム、プラスチッ
   クなどの弾性ボールを介して支持されていることを特徴
   とした動圧形スラスト軸受の支持機構。