JPS5845773Y2 - 粉砕機の刃補強構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、粉砕機の刃補強構造に関し、刃先部に取付け
た超硬チップ近傍の母材側の摩耗を防止し、超硬チップ
の脱落を防ぐことを目的とするものである。

合成樹脂材、ゴム材等を粉砕する粉砕機には、粉砕室内
に固定刃と回転刃とを備え、これら刃の協働作用により
被粉砕物を粉砕するようにしたものがある。

この種の粉砕機では、一般にブレードの刃先部に段部を
形成し、その段部に超硬チップをろう付は等で取付けた
ものを固定刃及び回転刃の双方に使用している。

しかし、ブレード自体は普通鋼であるため、例えば回転
刃側で云えば、そのすくい面及びにげ面のチップ近傍部
位の摩耗が著しく、その摩耗量が大きくなった場合には
、超硬チップがブレードから脱落することがあった。

そこで、ブレード全体を耐摩鋼で作れば、チップ近傍部
位の摩耗は解消できるが、この場合には、ブレードの製
作コストが高くなり、経済性の点で問題がある。

これは、固定刃側でも同様であり、特に固定刃側の場合
、ケーシングの内壁で超硬チップのすくい面側を押える
ような構造にすれば、ケーシングの内壁の摩耗も問題と
なる。

本考案は、このような従来の問題点を解消するものであ
って、その特徴とする処は、粉砕室内に突設された固定
刃と、該粉砕室内に回転自在に設けられた回転刃とを備
え、各月の刃先部に超硬チップを備えて戒る粉砕機にお
いて、超硬チップの近傍でかつ粉砕室内に露出する部位
に耐摩鋼の肉盛り部を設けた点にある。

以下、図示の実施例について本考案を詳述すると、第１
図において、１は下部本体で、この下部本体１は図外の
架台等に載置されると共に、上端に取付部２を有する。

３は上部本体で、取付部４を介して下部本体１の取付部
２にボルト５により締結され、またこの上部本体３は図
外のホッパーに連続する投入口６とケーシング７とを有
する。

８は被粉砕物を篩分けるためのスクリーンであって、円
弧状に形成されており、下部本体１側に取付けられ、ま
た該スクリーン８はケーシング７と共に粉砕室９を形成
する。

１０は固定刃であって、両者本体１，３の取付部２，４
間に挾まれた状態で相対向するように周方向に一対設け
られている。

この固定刃１０は第２図に示すように刃先部に超硬チッ
プ１１をろう付は等で固着した固定ブレード１２を軸心
方向に多数設けて成り、その各々はボルト１３により下
部本体１の取付部２に締結されると共に、ボルト１４に
より径方向の突出量を調整可能である。

各固定ブレード１２のにげ面１５側には、超硬チップ１
１の際に開先部を形威し、そこにステライト鋼等の耐摩
鋼を肉盛り溶接して戊る肉盛り部１６が夫々設けられ、
また各固定刃１０のすくい面１７側は、その超硬チップ
１１が上部本体３或いはスクリ−ン８の一部で押えられ
ているので、その夫々の押え部分の粉砕室９側にも前記
肉盛り部１６と同様の肉盛り部１８．１９が形成されて
いる。

２０は粉砕室９を貫通するように設けられた回転軸で、
これには回転刃取付台２１が套嵌されかつキー２２結合
されている。

回転刃取付台２１は軸心方向に複数個に分割されており
、その各々には周方向に等間隔をおいて３個の回転刃２
４が取付けられている。

各回転刃２４は固定刃１０と同様に、回転フ゛レード２
５の刃先部に超硬チップ２６をろう付は等で固着して戊
り、ボルト２７により取付台２１に締着されると共に、
ボルト２８により突出量を調整可能である。

回転ブレード２５には第２図及び第３図に示すようにす
くい面２９及びにげ面３０側の超硬チップ２６の際に、
固定ブレード１２の肉盛り部１６と同様の肉盛り部３１
．３２が設けられている。

なお肉盛り部１６，３１．３２はブレード１２．２５の
全長にわたり、また肉盛り部１８．１９は粉砕室９の軸
心方向全長にわたって設けられている。

上記横取において、被粉砕物を粉砕する際には、回転軸
２０を駆動して回動刃２４を矢示方向に駆動しておき、
上方のホッパーから投入口６を経て粉砕室９へと投入し
、回転刃２４と固定刃１０との間で被粉砕物を細断して
粉砕するものである。

そして所定の大きさに粉砕されたものは、スクリーン８
から下方に落下し、適宜手段で取出し或いは搬送されて
行く。

固定刃１０と回転刃２４との間で被粉砕物を粉砕する場
合、回転刃２４側ではすくい面２９及びにげ面３０とも
、超硬チップ２６の際が被粉砕物との接触によって摩耗
しようとするが、その部位には耐摩鋼から戊る肉盛り部
３１．３２があるので、その摩耗を防止できる。

また固定刃１０のにげ面１５側についても同様である。

更に被粉砕物を各固定刃１０のすくい面１７側で受止め
て粉砕するため、このすくい面１７側にあるケーシング
７及びスクリーン８の内壁部の摩耗度も大となるが、こ
こにも耐摩鋼から戊る肉盛り部１８．１９があるので、
これらの摩耗も防止できる。

従って、超硬チップｌ ｌ 、 ２６１の際での母材の
摩耗がな・く、それに伴なう超硬チップ１１．２６の脱
落を防止できる。

なお実施例では、超硬チップ１１．２６をブレード１２
．２５に軸心と荒行に固着したものを例示したが、これ
は軸心に対して一定角度だけ傾斜させたものでも同様に
実施できる。

また固定刃１０、回転刃取付台２１及び回転刃２４は軸
心方向の全長にわたって一体に形成しても良い。

本考案では、超硬チップの近傍でかつ粉砕室に露出する
部位に耐摩鋼の肉盛り部を設けているので、その部位の
摩耗を防止でき、超硬チップの脱落等の惧れがなく、耐
久性に優れたものとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す断面図、第２図は要部
の拡大断面図、第３図は回転刃の斜視図である。 １・・・・・・下部本体、３・・・・・・上部本体、７
・・・・・・ケーシング、８・・・・・・スクリーン、
９・・・・・・粉砕室、１０・・・・・・固定刃、１１
．２６・・・・・・超硬チップ、１２・・・・・・固定
ブレード、１６゜１８．１９，３１．３２・・・・・・
肉盛り部、２４・・・・・・回転刃、２５・・・・・・
回転ブレード。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 粉砕室内に突設された固定刃と、該粉砕室内に回転自在
   に設けられた回転刃とを備え、各月の刃先部に超硬チッ
   プを備えて成る粉砕機において、超硬チップの近傍でか
   つ粉砕室内に露出する部位に耐摩鋼の肉盛り部を設けた
   ことを特徴とする粉砕機の刃補強構造。