JPS5844799B2 - 紙ウエブの形成時に均一さを得る方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ロール形成機、すなわち近寄るよう関連され
て共に進行する１対の形成ベルトのうちの内側ベルトが
少なくとも１次排水領域の形成ロールの周囲に巻きつい
ている紙ウエブ製造装置にて紙ウェブが形成されるとき
にその均一さを得る方法および手段に関するものである
。

２枚のベルトまたは抄き綿成形機で作られた紙シートは
均一さの点で劣っており、他の形式の紙ウエブ形成機で
作られた紙ウェブよりもでこぼこが多くできてしまう傾
向が高いと一般に認められている。

一方、ロール形成機はなかでも他のタイプの２枚の抄き
網形成機よりも第１の脱水行程における繊維および微粒
子物質の流出が少ないという利点を有している。

ロール形成タイプの装置以外の紙ウエブ形成機の形成区
域における固定要素によって、排水が生じている間形成
区域の圧力パルスが繊維をミクロ的に再分布させうるで
あろうとすでに理論づけがなされている。

ロール形成機において、これまで、排水段階に圧力パル
スを与えることはなく、持ち上げて光に当てると、すな
わち透かしテストをしてみると、でき上った紙ウェブは
でこぼこだったりむらができ易いものであった。

たとえは米国特許第３，５８２，４６７号を見ると本発
明と関係のある一般タイブの２枚の抄き線式ロール形成
機が詳細に述べられている。

製紙用繊維紙料スラリーの射出噴流はインレットまたは
スライス装置から形成ロールのツイン形成抄き網が近づ
く方向へ流出する。

この形成ロールはたとえば内側形成抄き網を介してロー
ルに吸引させるほか外側形成抄き網を介して排水するオ
ープンタイプのものである。

別なタイプのロール形成機においては、形成ロールは中
実とし排水は多孔性外側ベルトまたは抄き網を介して行
なうこともできる。

いずれにしても、どんな場合でも、繊維分布の不均一さ
の問題は依然として残っているのである。

本発明の主目的は製紙用ロール形成機における繊維分布
の均一さに欠ける問題を克服することにある。

本発明によれば、近寄るよう関連されて共に進行する内
側および外側の形成ベルト間に規定された形成区域の１
次排水領域へ製紙用繊維紙料スラリーの射出噴流を導び
くステップを包含しここで前記内側のベルトは相当な周
囲領域に４つたって回転形成ロールの周囲に巻きつくよ
うにし少なくとも外側のベルトは排水のために多孔性の
ものとし１次排水領域を過ぎたところではベルト間で絞
られた紙ウェブと共に前記形成ロールに巻きつくように
し、さらに前記１次排水領域にて１次排水を行なうステ
ップと、前記外側のベルトの全幅に渡ってこの外側のベ
ルトの外側の面から調節可能に間隔を置いて脈動棒装置
を設けることによって前記１次排水領域にて前記紙料ス
ラリー中の懸濁状流動繊維に圧力脈動を与えこれにより
繊維が紙ウエブ中にて固定されてしまう前に前記繊維の
均一分布を十分に行なうステップとを包含することを特
徴とする、紙ウェブの形成時に均一さを得る方法が提供
される。

以下添付図面に例示した本発明の好適な実施例について
詳述する。

ロール型紙ウェブ製造装置（第１図）は、適当な直径を
有し適宜な方法によって所望のウェブ形成速度で駆動さ
れる回転形成ロール５を包含している。

内側形成ベルト７は形成ロール５の周囲を包み、形成ロ
ールの回転と同じ速度で進む。

形成ロール５の周辺速度および内側形成ベルト７の線速
度で進行する外形形成ベルト８はたとえは回転案内ロー
ル９および他の案内ロール（図示しなし））のような手
段によって案内され、ベルト７の方へ寄せられて両ベル
ト間に１次排水領域１１を有する形成区域１０を定めて
いる。

少なくとも外側形成ベルト８はこれを通して脱水させる
ため多孔性のものとしである。

１次排水領域１１にわたり、外側ベルト８は内側ベルト
７のロール巻きつき領域の方へ次第に近寄って、ベルト
間にて絞り出された紙ウェブと共に形成ロールに巻きつ
く。

しばしはスライスと呼ばれている装置１２は製紙用繊維
の紙料スラリーの射出噴流１３を、矢印１４で示したよ
うに少なくとも外側ベルト８を介して１次排水するため
に１次排水領域１１の方へ向けている。

繊維紙料スラリーは通常設けられているヘッドボックス
またはこの種の容器（図示しない）のような適当な供給
源から適当な射出圧力をもってスライスに与えられるこ
とは理解されよう。

紙ウェブの形成において均一なものを得るために、圧力
パルスが１次排水領域１１の中の紙料スラリーの懸濁状
の流動繊維にかけられ、これは繊維が紙ウェブの中で固
められる前に行なわれる。

水は形成区域１０の１次排水領域１１における紙料スラ
リーからなり急速に排水されるとはいえ、排水が行なわ
れている間に、全てではないが一部の繊維はまだ懸濁状
態で最小限に流動してミクロ的な再構成ができる期間が
１次排水領域１１にあることが利用されている。

１つの望ましい形では、１次排水領域１１の紙料スラリ
ー中の懸濁状態流動繊維に圧力パルスをかける装置は、
１つ以上のパルス発生要素１５を包含している。

このような要素の１つとして示したパルス発生要素１５
は、実質的に外側ベルト８の幅で横に延びてベルト８の
外側面または排水面から適当量隔隔てられ１次排水領域
１１の長さに沿った中（よどの点に合せられた棒構成体
を包含することができる。

パルス発生要素１５は、たとえば、実際の範囲内で調節
の幅を制限するピンおよびスロット装置２１付調節ねじ
２０によって往復動的に調節できるよう支持体１９のト
ラック１８に装着された支持キャリア構造体１７にパル
ス化要素棒を設けるような適宜な方法で、ベルト８の１
次形成区域に関する可調整固定位置に設けられる。

圧力パルスは固定装置１５によってベルト８を介して１
次排水領域から自由に流出している排水を瞬間的にさえ
ぎることにより発生される。

すなわち、細い端のところで、棒１５は自由な排水の上
流の間隔と自由な排水の下流の続きとの間の排水の自由
な流れを中断するもので、排水曲線２３によって示した
ように、そこには１次排水領域１１の幅にわたって生じ
た有効パルス２４があり、そこで排水の自由さは進行す
る繊維紙料懸濁液において時々刻々中断される。

このパルス２４はまだ懸濁状の流動繊維に十分な瞬間的
かく拌を生じさせて個々の繊維を再分布し繊維の実質的
に均一な分布をもたらすのである。

これは排水によって繊維が紙ウェブの中に固定されてし
まう前に行なわれる。

要素１５によって生じさせられる圧力パルスの大きさは
多孔性形成ベルト８から端２２までの距離を調節するこ
とによって制御することができる。

外形、すなわち端２２の幅は圧力パルスの長さを調節し
ている。

これによって、繊維および微粒子物質の流出損が調節さ
れ、同時に改善された紙ウェブの形成が得られる。

変形した脈動装置２５（第２図）は、外部形成ベルト８
に関して横に、実質的にはこのベルトの幅全体に張り渡
りかつ外側ベルトの外面近くに間隔を置かれて１次排水
領域１１の長さの中はどに位置された棒を包含している
。

この実施例において、脈動装置２５は部分半円柱形脈動
端２７を有している。

この装置２５の調整能力は矢印２９によって示したよう
に、脈動端２７の前後調整のためピボット２８を中心と
して揺動もできる。

さらに、装置２５は、矢印３０によって示したように、
ベルト８の方向へあるいはベルトから離れる方向へ調整
できるよう設けられている。

結果として広範囲の製紙紙料特性が予定された最良の脈
動結果を得るよう装置２５を適当に調節することによっ
て適合され、紙ウェブに加工される特別な製紙紙料スラ
リーによって実質的に均一なものを得ることができる。

換言すれば、排水曲線３２のパルス３１の高さは矢印３
０の方向に脈動装置２５を位置決めすることによって調
整することができ、パルス３１の幅および円周位置は矢
印２９に従って最適結果が得られるよう装置２５を調整
することによって調整することができる。

第３図のさらに変形した脈動装置は、円柱または半円柱
とすることができベルト８に関して横に配置された曲線
の周囲を有しこのベルトの幅と実質的に同じ長さを有し
このベルトの外面から適当な距離を隔てた棒を包含して
紙ウェブに加工される製紙スラリーの特性に関して最適
結果を得ている。

この意図に適した円筒または円柱の棒の長、い支間に優
れた強さを与えている。

脈動装置３３の装着は好適には、矢印３５によって示し
たように装置の脈動面３４とベルト８との間の間隔を適
当に調整できるようにされる。

一方、装置３３は排水曲線３８においてかなり均一な幅
の繊維分布パルス３７が生じ、パルスの高さはベルト８
に関する装置３３の距離を調整することによって特別な
要求に合うよう容易に調整することができる。

上述から、本発明がロール形成機上に作られる紙の形成
物において実質的な改善を与えていることが明らかとな
ろう。

形成ロールに巻きつく１対の形成ベルトまたは抄き網間
に正規に生ずる均一な圧力の代りに、実際には重ね合せ
の圧力変化または脈動が繊維懸濁液に変形を生じさせて
組織を強めている。

脈動装置の形状や数およびその制御パラメータを選択す
ることによって、最適な脈動結果を保証することができ
る。

たとえば、多くの変流装置または脈動装置が見られ、そ
れぞれは形成区域の排水領域において異なった形や長さ
の圧力パルスを生じている。

以上本発明をその好適な実施例について詳述したが、本
発明はこの特定の実施例に限定されるものではなく、本
発明の精神を逸脱しないで幾多の変化変形が可能なこと
はもちろんである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を実施したロール形成機を示す図、第２
図は本発明の変形を実施したロール形成機を示す図、第
３図は本発明の別な変形を実施したロール形成機を示す
図である。 ５・・・形成ロール、７，８・・・ベルト、９・・・案
内ロール、１０・・・形成区域、１１・・・１次排水領
域、１２・・・スライス、１３・・・射出噴流、１５・
・・パルス発生要素、１７・・・支持キャリア構造体、
１８・・・トラック、１９・・・支持体、２０・・・調
節ねじ、２１・・・ピンおよびスロット装置、２３・・
・排水曲線、２５・・・脈動装置、３２・・・排水曲線
、３３・・・脈動装置、３４・・・脈動面、３８・・・
排水曲線。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 近寄るよう関連されて共に進行する内側および外側
   の形成ベルト間に規定された形成区域の１次排水領域へ
   製紙用繊維紙料スラリーの射出噴流を導ひくステップを
   包含しここで前記内側のベルトは相当な周囲領域にわた
   って回転形成ロールの周囲に巻きつくようにし少なくと
   も外側のベルトは排水のために多孔性のものとし１次排
   水領域を過ぎたところではベルト間で絞られた紙ウェブ
   と共に前記形成ロールに巻きつくようにし、さらに前記
   １次排水領域にて１次排水を行なうステップと、前記外
   側のベルトの全幅に渡ってこの外側のベルトの外側の面
   から調節可能に間隔を置いて脈動棒装置を設けることに
   よって前記１次排水領域にて前記紙料スラリー中の懸濁
   状流動繊維に圧力脈動を与えこれにより繊維が紙ウエブ
   中にて固定されてしまう前に前記繊維の均一分布を十分
   に行なうステップとを包含することを特徴とする、紙ウ
   ェブの形成時に均一さを得る方法。