JPS5844776B2 - シジヨウブツノセイゾウホウホウ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本特許は糸状物を合理的にかつ連続的に製造する方法に
関するものである。

従来より、糸状物を製造する方法は多種多様存在し綿あ
るいは連続繊維から衣料あるいはインテリア製品等の製
造に供するに満足すべき糸状物を製造するには多くの工
程と時間及び労力とを要していた。

これらの問題を解決する一つとして連続繊維から糸状物
を製造する方法はいわゆる分織糸製造方法として公知で
あるが従来のいずれの方法によって得られる糸状物も各
種製品化に供するに充分な糸状構造を有していない。

即ち従来の連続繊維から得られる糸状物は単に連続繊維
を分割して得られたものにすぎない故、糸状物を構成し
ている繊維相互が分離しやすいために糸状構造が不安定
であるとともに、連続繊維からなるため繊維軸方向への
配向が高度になっていることによりその糸状物の嵩高性
が小さくなりやすい欠点を有していた。

又糸状構造を安定化させるために撚を施す必要もあった
。

本発明者等は、かかる欠点を解決すべく鋭意研究した結
果安定な構造を有し嵩高性に優れかつ紡績糸状の外観の
糸状物を合理的にかつ連続的に製造する本発明に到達し
た。

以下本発明を図に従って詳細に説明する。

第一図は本発明の製造方法の概略図を示す。

低融点を有する連続繊維１と高融点を有する連続繊維２
とを同時に２対の溝付ローラーからなる開繊装置３に供
給しこれら２種の連続繊維を巾方向、厚さ方向に開繊交
絡させる。

この時、これら２種の連続繊維は巾、厚さ方向にて相互
Ｑこ交絡し合い。

ネット状構造を形成する。

この時の２種の連続繊維の巾、長き方向の交絡程度は、
これによって得ようとする、糸状物の構造状態によって
決定される。

即ち得られる糸状物の構造を、２種の繊維からなる、よ
り嵩高なネット構造にする場合には開繊、交絡効果を犬
ならしめる作用を施す。

例えば開繊ローラ装置による開繊、交絡后の連続繊維に
空気噴射装置４により圧縮空気を施し、２種の連続繊維
の開繊、交絡効果を高める。

ここに於て一般に高融点繊維としては、ナイロン、ポリ
エチレンテレフタレート、アクリロニトリル、ポリ塩化
ビニルおよびアセテート、レーヨンなどあり低融点繊維
としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビ
ニリデン等が例示されるが本発明に於ては２種の繊維の
融点差が３０℃以上あることが好ましい。

次に、かかるして得られる２種の繊維からなる交絡状態
の連続繊維５を加熱装置６に連続的Ｉこ供給し、低融点
連続繊維１以上、高融点連続繊維２以下の温度にて熱処
理を施す。

熱処理を施した交絡状態の連続繊維の構造は低融点繊維
と低融点繊維そして低融点繊維と高融点繊維とが熱接着
され連続繊維の巾、長さ方向ともに２種の繊維の交絡か
つ接着状態となり嵩高いネット状繊維シート７となる。

ネット状繊維シート７の嵩高さは前述の開繊、交絡の程
度により決定される。

前述の如くして連続的に得られるネット状繊維シート７
を連続に分割装置８に供給し巾方向に所望の巾に多分割
し、捲取り装置９にて捲取り糸状物を得る。

分割装置としては回転刃方式あるいは熱切断方式のいづ
れの方式によるものでも良い。

以上の如くして２種の連続繊維から連続的にかつ合理的
に得られる糸状物の構造拡大図を第２図に示す。

糸状物の長さ軸方向（Ｘ−Ｘ’）、軸直角方向（ｙ−ｙ
’ 、 ｚ−ｚ’）に於て２種の繊維の多数の交絡点１
０の熱接着により安定な構造であるとともに開繊、交絡
作用により２種の繊維の長さ軸方向（ｘ−ｘ’）へ配向
が少なるため、嵩高い構造となっている。

又、糸状物の表面は、前述の分割作用による繊維の末端
１１を有しておりあたかも紡績糸の毛羽の如き外観風合
となる。

かかる糸状物をもってパイル状製品例えばカットパイル
カーペットを製造した場合嵩高性に富むと同時に毛羽抜
けの少ない優れた製品となる。

以上の如く、本発明によれば、２種の融点の異なる連続
繊維から連続的に、かつ合理的に嵩高性に富み、紡績糸
の如き外観風合を有し、かつ安定な構造の糸状物を得る
ことができる。

次に本発明の実施例について説明する。

実施例 融点２２５℃なるポリテトラメチレンテレフタレート（
以下ＰＴＭＴ、：！：略す）の連続繊維（単繊維デニー
ル：３デニール、全デニール：３０万デニール）１と、
融点２６０’Ｃなるポリエチレンテレフタレート（以下
Ｐ、Ｅ、Ｔと略す）の連続繊維（単繊維デニール：３デ
ニール、全テニール：３０万デニール）２とを２対の溝
付ローラからなる開繊装置３に連続供給し２種の繊維を
巾、厚さ方向に充分に開繊、交絡させ次いで一対の２５
０℃に加熱された加熱板装置６に供給しＰＴＭＴ繊維を
熱融着させ、ネット状繊維シートを形成し、次いで高速
回転刃装置８にて巾方向に６０分割し。

糸状物を形成せしめた。

得られた糸状物は単繊デニール：３デニール、全デニー
ル１ｏｏｏｏデニールからなりＰ ＴＭＴ繊維とＰＴＭ
Ｔ繊維そしてＰＴＭＴ繊維とＰ、Ｅ、Ｔ繊維との交絡点
に於ける熱接着により、ネット状構造を形成していると
ともに嵩高性に富んでいた。

又糸状物の外観はＰＴＭＴ繊維及びＰ、Ｅ、Ｔ繊維の切
断末端１１を有しており、あたかも紡績糸の毛羽の如き
優れた風合を有していた。

得られた糸状物により、カントパイルカーペットを製造
し実用に供したところ優れた外観と毛羽抜けが少なく形
態変化の少ない等良好な結果が得られた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の製造方法の説明図である。 第２図は本発明によって得られる糸状物の部分拡大説明
図であり、図中符号は、次のとおりである。 １・・・低融点繊維、２・・・高融点繊維、３・・・開
繊装置、４・・・空気噴射装置、５・・・交絡状態の連
続繊維、６・・・加熱装置、１・・・ネット状繊維シー
ト、８・・・分割装置、９・・・捲取装置、１０・・・
繊維の交絡点、１１・・・繊維の末端。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 低融点連続繊維と高融点連続繊維とを巾方向厚さ方
   向に開繊交絡させたのち低融点連続繊維の融点以上、高
   融点連続繊維の融点以下で熱融着処理層、得られたネッ
   ト状繊維シートを巾方向に連続に多分割して糸状物を形
   成することを特徴とする糸状物の製造方法。