JPS584247B2 - コウシユウハカネツソウチ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は高周波加熱装置、特に被加熱物が加熱室内で燃
焼した時、その炎が外部に達しないようにするための安
全装置に関するものである。

従来例の構成とその問題点 従来の高周波加熱装置の加熱室内に置かれた被加熱物を
加熱するのに、一般にタイマ（図示せず）によって加熱
時間を制御するようにしているが、このタイマの故障あ
るいは、加熱時間の設定ミス、もしくは被加熱物の種類
などによって、加熱室内に収められた被加熱物の温度が
異常に上昇し、発火燃焼を生じることがあった。

この発火燃焼が発生すると、一般に高周波加熱装置は、
強制通風を行っており、また、この通気は例えばガス燃
焼器の場合だと加熱室に送られる熱気が炭素ガスＣＯ２
を多量に含んでいるため、被加熱風の温度が上昇しても
発火燃焼しにくいが、このような加熱器とは異なり、外
部の自然な空気を送っていること、さらに高周波エネル
ギーも供給され続けることから、一たん発火燃焼が発生
すると、この燃焼は急速に進み炎は加熱室内にとどまら
ず、排気口から外へ伸びて出てしまい、火災等の危険が
あった。

そこで、従来このような被加熱物の発火燃焼の際の安全
装置として、第１図に示すように排気ガイド８の中に温
度スイッチ２１を設けることにより、加熱室２内の被加
熱物１が発火燃焼を起こしても、その排気の異常温度を
検知してその炎が排気筒１１の外部排気口１２に達する
までに、高周波出力および、送風機３の運転を停止する
ことが考えられていた。

しかし、一たん被加熱物１が発火燃焼すると、前述のよ
うに自然な燃焼を促進する空気が供給され続け、かつ高
周波エネルギーが供給されるので、炎は急速に伸び、実
験によると、被加熱物１の発火後約、１０数秒で、炎が
、外部排気口１２から外へ出たのに対し、温度スイッチ
２１が動作するまで約３０秒近くもかかり、その間炎が
出続け、まだまだ安全装置としては不充分であった。

一般に気体を含む流体は炎等で加熱されると密度が小さ
くなり、加熱されていない周囲の流体よりも軽くなって
上昇する作用が生ずる。

そして、この上昇する作用は、周囲との温度差が大きけ
れば大きい程、上昇力も大きくなる現象がある。

すなわち、第１図に示す従来例の場合、被加熱物１が何
らかの原因で燃焼を始めたとすると、その燃焼熱で周囲
の空気は異常に熱せられ、大きな上昇力を有することに
なる。

しかるに従来の高周波加熱装置の排気路をみると、被加
熱物１の後方の水平な排気ガイド８を除けば、すべて排
気流が上昇する構造となっている。

従って一たん被加熱物１が燃焼するとその排気路はいわ
ゆる煙突の作用を果たし、燃焼が急激に進んで、炎は流
速の大きくなった排気路中に留まることができず外部排
気口１２より出てしまうという欠点があった。

発明の目的 本発明は上記従来の欠点を解消するもので、加熱室内の
被加熱物が発火燃焼しても、その炎が外部排気口より出
ることを、確実に防止することにより、極めて安全性の
高い高周波加熱装置を提供することを目的とするもので
ある。

発明の構成 上記目的を達成するため、本発明の高周波加熱装置は、
加熱室内の空気を外部へ排気するだめの排気路の少なく
とも一部で下降させるごとく構成し、かつ排気流の降下
する上記排気路の一部には、排気流の異常温度を検知し
、高周波出力を制御する温度検知素子を設ける構成であ
り、万が一温度検知素子が故障して被加熱物が燃焼して
も、炎が外部排気口から出ることがなく安全性の高い高
周波加熱装置を得ることができるという効果を有するも
のである。

実施例の説明 以下、本発明の一実施例を第２図に基づいて説明する。

第２図において、被加熱物１を収容した加熱室２内には
送風機３によりマグネトロン４を冷却した風が加熱室２
前方上面より、扉５に沿って送り込まれる。

一方、加熱室２後方の仕切板６は誘電損失の少ない耐熱
性のガラス等で構成され、上部には複数個の孔で形成さ
れた排気口７が設けられており、この排気口７から出だ
加熱室２内の排気流は、排気口７から下降させる如く構
成された排気ガイド８の下降部９に沿って下降した後、
中間排気口１０を通り排気筒１１に沿って外部排気口１
２より排出される構成となっており、このように排気流
を下降させることにより、炎が外部に到達するのを防ぐ
ものである。

１３は排気路を構成する排気ガイド９に設けられた温度
検知素子で、排気流の異常温度を検出し、マグネトロン
４からの高周波出力を制御するものである。

１４は高周波加熱装置の外装である。

以下上記構成における作用及び効果について説明する。

本実施例の高周波加熱装置の排気路は、その排気ガイド
８の一部に排気流が下降する下降部９を設け、これによ
り炎が外部排気口１２から外に出ない構造すなわち、通
常の使用状態では排気口７を出た排気流はそれ程熱せら
れていないので、下降部９の部分でも抵抗なく下降して
外部排気口１２から排気されるが、一たび被加熱物１が
燃焼すると、排気口７を出た排気流は異常に熱せられて
いるので、上昇する力が強くなる。

しかし排気流は下降部９に沿って下降しなければならな
いので、ここに大きな流体抵抗が生ずる。

その結果、排気口７を出た排気流の速度はかなり遅くな
り、炎が排気口７より出だとしても、下降部９に沿って
下方に向って炎が伸びることがないため、極めて安全な
高周波加熱装置となる。

また本実施例において、下降部９を１個所だけの場合を
示したが、複数個設ければさらに効果は大きくなるのは
明白である。

また排気ガイド８の下降部９を耐熱性材料で構成したた
めに、異常温度上昇時でも変形することがなく安全性の
強化に有効である。

さらに下降部９は加熱室２内に位置し、外装１４と隔て
て設けているので、異常温度上昇時でも直接外装１０に
は熱が伝わらず、外装１４をビニール鋼板のような表面
での耐熱性に欠ける材料で構成した場合でも問題になる
ことがない等の利点がある。

また排気筒１１はこの高周波加熱装置の設置位置を規制
するもので、排気ガイド８よりの排気流が安全に放出さ
れるのに必要な空間を確保するのに効果があるが、この
外部排気口１２の位置が排気口７よりも低い位置になる
ように、排気筒１１を設けた方が、下降部９を設けた効
果が、大きく生かされることは明白である。

また万一被加熱物１が燃焼しても中間排気口１０まで炎
が到達することは殆んどないから、排気ガイド８を耐熱
性を有する材料（例えば、ファイバー等）でさえあれば
、特に金属で構成する必要がない。

なお排気ガイド８を金属で構成すると、中間排気口１０
より洩れ出る微少な電波に対し導波管の役目を果たして
、外部排気口１２まで導出されてくる危険性がある。

また、マグネトロン４には一般に、マグネトロン自体の
異常温度上昇を検知する温度検知素子１３が設けられて
いるが、排気流の下降する排気ガイド８部分に設けたた
め、マグネトロン４自体の温度上昇のみでなく、被加熱
物１の燃焼時にもその異常温度上昇を検知して高周波出
力を制御して安全を確保することができる。

すなわち、排気流の異常温度上昇検知専用の温度検知素
子を設ける必要がなくなり、低コストの高周波加熱装置
を提供することができる。

発明の効果 以上のように本発明の高周波加熱装置によれば従来単に
温度スイッチを設けても防止できなかった炎の伸出によ
る火災等の危険性が温度検知素子を設ける排気路を一部
降下する構成としたので、万が一被加熱物が燃焼しても
降下部で確実に止めることができ、この間に排気路が十
分に加熱されるので、温度検知素子の精度が比較的低く
ても高周波出力を確実に制御できるという効果を有する
。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の高周波加熱装置の断面図、第２図は本発
明の一実施例を示す高周波加熱装置の縦断面図である。 ２・・・・・・加熱室、８・・・・・・排気ガイド（排
気路）、９・・・・・・降下部、１３・・・・・・温度
検知素子。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 被加熱物を収容する加熱室と、上記加熱室内の空気
   を外部に排気するだめの排気路とを有し、この排気路は
   、その排気流を少くとも一部で下降させる如く構成し、
   かつ上記排気流の下降する排気路の一部には、上記排気
   流の異常温度上昇を検知し、高周波出力を制御する温度
   検知素子を設けた高周波加熱装置。