JPS5842244B2 - 方向性ケイ素鋼板の製造方法 - Google Patents

方向性ケイ素鋼板の製造方法

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JPS5842244B2
JPS5842244B2 JP50087407A JP8740775A JPS5842244B2 JP S5842244 B2 JPS5842244 B2 JP S5842244B2 JP 50087407 A JP50087407 A JP 50087407A JP 8740775 A JP8740775 A JP 8740775A JP S5842244 B2 JPS5842244 B2 JP S5842244B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は多結晶質の軟質磁性圧延ケイ素鋼製品の製造技
術に関するもので、更に詳しく言えば、少ないが厳密な
量のホウ素を金属の窒素含量に対し厳密な割合で使用し
かつ金属中のマンガン対イオウの比を1.8より小さく
保つことによって高透磁率の一方向性ケイ素鋼板を製造
する新規な方法に関する。
本発明が志向する薄板材料は当業界において通例「転気
鉄板」ないし一層正しくはケイ素鋼板と呼ばれるもので
、一般には約2.2〜4.5%のケイ素、比較的少量の
各種不純物および極めて少量の炭素と合金化された鉄か
ら主として成っている。
かかる薄板材料は「キューブ・オン・エツジ(cube
−on −edge )J型のものであって、ミラー
指数で表わせば、結晶粒組織の約70%以上が(110
)(OQI)集合組織を成す方位をとっている。
このような方向性を持ったケイ素鋼板は、現在のところ
、熱間圧延、熱処理、冷間圧延、熱処理、再び冷間圧延
、そして最後の熱処理という工程系列によって営業的に
製造されている。
先ず、インゴツトが通常の方法によって厚さ0.150
インチ未満のストリップ状またはシート状に熱間加工さ
れるが、これは「熱間圧延鋼帯」と呼ばれる。
次いで、適当な中間焼なまし処理をはさみながら、熱間
圧延鋼帯が少なくとも50%の圧下率に相当する最終厚
さまで冷間圧延され、そして最後に集合組織生成のため
の焼なまし処理が施される。
好適な実施技術によれば、80〜100ミルの厚さを有
する熱間圧延鋼帯が熱処理後に約30ミルの厚さまで冷
間圧延され、中間焼なましのための熱処理を受け、再び
最終厚さく営業的には約10〜14ミル)に冷間圧延さ
れ、そして最後に脱炭および二次再結晶のための焼なま
しを受ける。
このように、現行の実施技術の場合、冷間圧延操作は2
段階に分けて行なわれ、その合間に約900〜950℃
の温度下で中間焼なましが行なわれる。
この中間熱処理こそ、最後の焼なましに際し、「キュー
ブ・オン・エツジ」型の強固な二次再結晶集合組織の生
成を可能にする要因なのである。
ところで、たとえばジョン・イー・メイ (John EoMay )の米国特許第286755
8号明細書中に記載の通り、従来のケイ素鋼合金におい
て強固な集合組織を得るためには、所望の中間結晶粒度
が達成されかつ最終的に生成する集合組織の集合度が制
御されるよつ社ある厳密な量の不純物の存在を必要とす
ることが既に認められていた。
しかしながら、少量のホウ素を金属に添加すれば、最終
製品の二次再結晶集合組織や磁気特性に悪影響を与える
ことなしに冷間圧延操作間における従来の中間焼なまし
を排除できることはまだ知られていなかった。
本発明の新規な方法はこのような基本的発見に基づくと
同時に、所望の成果を得るためには金属中におけるホウ
素と窒素との割合もまた極めて重要であるという追加の
発見にも基づいている。
更に本発明は、集合組織生成のための最終焼なましの際
、硫化マンガンとして存在するもの以外にもイオウが存
在しなげればならないという発見にもまた基づいている
マンガンは市販の鋼中では避は得ない不純物であるが、
もしマンガン対イオウの比が1.8より小さければ、硫
化マンガンとして存在するイオウ以外にも本発明の目的
にとって十分なだけのイオウが存在することになる。
その結果、本発明の新規な利益および成果は約0.00
2〜約0.10%という広い範囲のマンガン含量に対し
て達成できるのである。
本金属のイオウ含量は本発明に従って要求される値すな
わち約0.002〜約0.06%の範囲内の値付近に制
限することが好ましい。
なお、当業者には言うまでもないことだが、イオウ要求
性は最終焼なまし段階においてのみ重要なわけであるか
ら、所要量のイオウを金属に添加する時期および手段は
任意に選択できる。
更に詳しく言えば、上記のごときマンガンおよびイオウ
含量を有するケイ素鋼溶融体中に約3〜約35ppmの
ホウ素が添加され、しかも該金属の窒素含量が30〜7
0ppmであり且つそれがホウ素1部当り窒素1〜15
部の割合に相当している場合には、本発明の新規な利益
および成果が一貫して達成できることが見出された。
実際には、窒素含量の上限はふくれが避けられる範囲内
ならば融通自在である。
しかし、窒素−ホウ素関係を問題とする本発明において
は、70ppmを越える量の窒素は意図されていない。
本発明者の発見およびそれに基づく本発明方法の記載に
当っては溶融段階における金属の組成が言及されるけれ
ど、言うまでもなく、本発明の新規な利益および成果に
とって重要なのは熱間圧延段階(および冷間圧延段階)
における金属の組成である。
しかし、従来通りの加工操作に従う限り、金属溶融体か
らのホウ素損失あるいはインゴットの均熱工程およびそ
れに続く熱間圧延や冷間圧延や焼なまし工程におけるホ
ウ素損失は(化学分析結果に基づけば)多くない。
もつとも、長時間の高温暴露によりホウ素がかなり排除
されることになるであろうし、集合組織生成のための最
終焼なまし工程においては実際にこれが起る。
このような理由から、ホウ素源物質は取鍋中に添加し、
しかもインゴットが熱間圧延温度に加熱されたら直ちに
通常の熱間圧延スケジュールを開始することが好ましい
同様に、金属のイオウ、マンガンおよび窒素含量も溶融
段階および冷間圧延段階において実質的に同一であるこ
とが好ましい。
しかし、本発明のイオウ要求性だけは所望ならばもつと
後の段階で満たすこともできる。
すなわち、米国特許第3337991.3333992
および3333993号明細書中に記載のごとく、最終
焼なまし工程の一次結晶粒成長段階の直前ないし最中に
イオウを供給することもできる。
その際には、ケイ素鋼のイオウ含量を所望の二次再結晶
集合組織生成効果にとって必要なレベルまで増加させる
のに十分な量のイオウもしくは適当なイオウ化合物を焼
なまし用のセパレーター(隔離剤)に添加すればよい。
さもなげれば、硫化水素もしくはその他の適当なイオウ
化合物ガスを焼なまし雰囲気中に導入してもよいし、あ
るいはかかるガスを最終焼なましに先立つ脱炭焼なまし
時の雰囲気中に導入してもよい。
やはり本発明方法において具体化されている本発明者の
もう1つの発見は、かかる新規な直接冷間圧延方法によ
れば、冷間圧延工程中に中間焼なましを含む従来の方法
によって得られるものよりも優れた磁気特性を有する薄
板材料が一貫して製造できるということである。
このように、本発明は(加工工程の1つを排除すること
によって)ケイ素鋼板製造方法の簡略化を可能にするば
かりでなく、低い製造原価で高品質の製品を得るための
道を開拓することにもなる。
更にまた、本発明に従って要求されるイオウの一部ない
し全部をセレンで代用することも意図されている。
イオウの場合と同様、本発明方法のセレン要求性は各種
のやり方で、しかも初期段階および後期段階のいずれか
において満たすことができる。
とは言え、所要量のセレンを元素もしくはフェロセレン
の形で取鍋中に添加することが好ましい。
更にまた、−貫して優れた成果を得るためには、冷間圧
延作業の開始に先立って熱間圧延鋼帯を熱処理すべきで
あることも見出された。
この熱処理は事実上は再結高燐なましであって、それに
より熱間圧延鋼帯に特有の細長い結晶粒組織が少なくと
も部分的に再結晶することになる。
実際には、水素雰囲気中において熱間圧延鋼帯を800
〜1000℃の温度に1〜3分間暴露すればよい。
本発明方法は、一般に言えば、2.2〜4.5%のケイ
素、マンガン対イオウの比が1.8より小さくなるよう
な量のマンガンおよびイオウ、約3〜約35ppmのホ
ウ素、並びにホウ素1部当り1〜15部の割合に相当す
る約30〜70ppmの窒素を含有するケイ素鋼溶融体
を用意し、かかる溶融体をインゴットに鋳造し、前記イ
ンゴットを熱間圧延し、こうして得られた細長い薄板状
物体を再加熱なしに最終厚さまで冷間圧延し、最後にこ
うして得られた冷間圧延薄板の熱処理によって脱炭およ
び二次再結晶集合組織の生成を達成するという諸工程か
ら成っている。
本発明に従えば、前述の通り、イオウ要求性は溶融段階
ではなくてもつと後の段階で満たすことができる。
その場合の本発明方法は概して上記の通りであるが、溶
融体が0.002〜0.10%のマンガンおよび約0.
06%未満のイオウな含有する点で異なっている。
とりわけ、マンガン対イオウの比が1.8に等しい時よ
りもやや少な目のイオウが含有されることが好ましい。
その場合には、最後の熱処理工程すなわち脱炭のための
焼なましまたは最終焼なましの一次結晶粒威長段階にお
いて冷間加工ケイ素鋼板のイオウ含量を増加させること
により、マンガン対イオウの比が約1.8より小さく調
整される。
本発明の好適な実施態様によれば、ホウ素の添加量は5
〜25ppmである。
また、ケイ素鋼は約0.03%のマンガン、約0.03
%のイオウ、約0.03%の炭素および通常量の偶発的
不純物を含有する営業的に行なわれている鋼精錬方法か
らの製品である。
同様に、かかる金属は約45ppmの窒素を含有するが
、この窒素含量は任意の簡便な方法(好ましくは空気雰
囲気中における溶融作業の実施)によって達成される。
本発明のホウ素要求性を満たすためには、任意適宜な方
法(たとえば鋳造直前における所要量のフェロボロンの
添加)によって溶融体を処理すればよい。
有害な不純物の導入を許さずかつ最終焼なまし以前にお
ける金属からの顕著なホウ素損失をもたらさないもので
あれば、その他の形態のホウ素もかかる目的のために使
用できる。
とは言え、取鍋中のケイ素鋼溶融体にフェロボロンを添
加することが好ましい。
本発明の主たる利点は、前述の通り、現行の営業的方法
よりも工程数が少なくかつ経費のかからない工程によっ
て圧延方向に高い透磁率を示す方向性ケイ素鋼シート又
はストリップ製品が製造できるという点にある。
本発明の典型的な製品における圧延方向の透磁率は(1
0エルステツドの磁界中において)1850〜1900
の範囲内にある。
これらの製品はまた、15000ガウスの磁束密度およ
び20ミルの厚さの下で1ワット/ポンド未満の鉄損(
ワット損失)を示し、更に11ミルの厚さの下では0.
60ワット/ポンド未満の鉄損(ワット損失)を示す。
このように、本発明に従えば、変圧器、電動機などにお
いて使用すべきストリップ状ないしシート状のケイ素鋼
板が製造される。
そのためには、所要のケイ素、イオウ、マンガン、ホウ
素および窒素含量を有するケイ素鋼の溶融体が用意され
かかる溶融体が鋳造され、こうして得られたインゴット
が適当な厚さに熱間圧延され、こうして得られた薄板が
スケール除去のために酸洗いされ、それから焼なましの
後に少なくとも50%好ましくは85〜90%の圧下率
で冷間圧延される。
その後、冷間圧延薄板の熱処理によって脱炭および所望
の「キューブ・オン・エツジ」型二次再結晶集合組織の
生成が達成される。
金属中のホウ素はかかる最後の熱処理工程中にほとんど
排除されてしまうが、最終焼なましの初期段階において
は金属中の窒素およびイオウとの協力により本発明にと
って極めて重要な二次再結晶促進効果を果すのである。
当業者が本発明の精確な性質および格別の利点を一層明
療に理解し得るよう、以下に実施例が示される。
これらの実施例は本発明の実施を例証するためのもので
あって、本発明の範囲を制限するものではない。
実施例 1 電解鉄および98%フェロシリコンを空気誘導炉内に装
入し、そしてアルゴン被覆下で溶融することにより、下
記の組成を有する溶融体が生成された。
該ケイ素鋼溶融体および後述のケイ素鋼溶融体を調製し
た場合、窒素含量は30ppmから60ppmにまでわ
たったが、上記のものにはそれらの平均値が示されてい
る。
かかる溶融体を用いて鋳造された50ポンドのインゴッ
トから厚さ1.75インチのスライスが切出され、そし
て1225℃から始めて再加熱なしに6回のパスで約9
0ミルの厚さまで熱間圧延された。
こうして得られた熱間圧延鋼帯がスケール除去のために
酸洗いされ、水素雰囲気(露点O℃)中において900
℃で3分間加熱され、それから直接に20.5ミルの最
終厚さまで冷間圧延された。
この冷間圧延薄板からエプスタイン装置用のストリップ
(3crfLX 30.5CrrL)が切出され、水素
雰囲気(露点室温)中において800℃で3分間脱炭さ
れ、次いでアルミナ粉末を軽く振りかげてから積重ねら
れた。
脱炭後のストリップの束がアルゴン中において1000
℃で1時間加熱され、それから水素中において1020
℃で3時間加熱された。
こうして得られた製品の透磁率は10エルステツドの磁
界中で1522であった。
また、鉄損は15000ガウスの磁束密度下で1297
ミリワツト/ポンド(mwpp )であった。
実施例 2 実施例1の場合と同じ溶融体組成および加工手順を用い
た別の試験においては、鋳造の直前に5ppmのホウ素
がフェロボロンの形で溶融体中に添加された。
厚さ20.5ミルの製品は10エルステツドの磁界中で
1849の透磁率を示し、また15000ガウスの磁束
密度下で913ミリワツト/ポンドの鉄損を示した。
実施例 3 溶融体組成をはじめとする個々の細目に関し、実施例2
0手順が繰返された。
ただし、この場合にはストリップが18.2−ルの厚さ
まで冷間圧延され、脱炭後に700℃まで急速加熱して
からアルゴン中において毎時50℃の速度で1020℃
に加熱され、それから水素中に3時間保たれた。
透磁率は10エルステツドの磁界中で1882であり、
また鉄損は15000ガウスの磁束密度下で818ミリ
ワツト/ポンドであった。
実施例 4 実施例1の手順を繰返すことにより、0.011%のイ
オウを含有する点を除けば実施例1の場合と同様な溶融
体が調製され、そして実施例2に記載のごとく鋳造の直
前に3.1 ppmのホウ素が添加された。
1175℃から始めて熱間圧延を行なった後、11.3
ミルの最終厚さへの加工は実施例1に記載の通りであっ
た。
こう1〜で得られた冷間圧延薄板から鉄損測定用のスト
リップが切出され、そして実施例1に記載のごとく脱炭
されかつ積重ねられた。
かかるストリップの束が800℃まで急速加熱され、窒
素中において毎時50℃の速度で1050℃に加熱され
、それから水素中において1150℃で2時間加熱され
た。
こうして得られた製品の透磁率は10エルステツドの磁
界中で1888であり、また鉄損は15000および1
7000ガウスの磁束密度下でそれぞれ549および7
01ミリワツト/ポンドであった。
マンガンは市販の鋼中では避は得ない不純物であって、
現在の精錬技術から見れば0,03%が実際上の下現で
ある。
以下の実施例はマンガンおよびイオウの効果を示すもの
である。
実施例 5 ケイ素鋼が0.034%のマンガンを含有する点を除き
、実施例30手順が繰返された。
最終の焼なまし後に得られた製品の透磁率は10エルス
テツドの磁界中で僅かに1556であり、また鉄損は1
5000ガウスの磁束密度下で1208 ミIJワット
/ポンドであった。
実施例 6 溶融体中に硫化鉄を添加することによってイオウ含量を
0.023%に上昇させた点を除き、実施例50手順が
繰返された。
最終焼なまし後に得られた製品は10エルステツドの磁
界中で1848の透磁率を示し、また15000および
17000ガウスの磁束密度下でそれぞれ837および
1171ミリワツト/ポンドの鉄損を示した。
水素中において1150℃で3時間の再加熱を行なった
ところ、透磁率は1872に増加し、また鉄損は150
00および17000ガウスの磁束密度下でそれぞれ7
73および1007−’ IJクワットポンドに減少し
た。
実施例6のケイ素鋼は完全な二次再結晶を受けたが、イ
オウが少ない点を除けば同じ組成を有するケイ素鋼では
完全な二次再結晶が起らず、従って良好な磁気特性も得
られないことが判明した。
以下の実施例においては、約0.034%のマンガンお
よび約0.03%のイオウを含有するケイ素鋼に対する
ホウ素の添加量の効果が例証される。
実施例 7 実施例■の場合と同じ組成の溶融体を用いて実施例10
手順が繰返された。
ただし、この場合にはマンガンおよびイオウ含量がそれ
ぞれ0.032%および0.033%であり、またケイ
素鋼板の厚さが11ミルとなるまで冷間圧延が継続され
た。
エプスタイン装置用のストリップ(3crrLX 30
.5crrL)が切出され、そして実施例1の場合と同
様な脱炭工程によって処理された。
脱炭に続く最終焼なましに際しては、アルミナ粉末を軽
く振りかけてからストリップが積重ねられた。
かかる厚さ11ミルのストリップの束が800℃の温度
下に装入され、窒素中において毎時50℃の速度で10
50℃に加熱され、それから水素中において1150℃
で2時間加熱された。
最終製品の透磁率は10エルステツドの磁界中で137
8であり、また鉄損は15000ガウスの磁束密度下で
1240ミリワツト/ポンドであった。
その結果、最終焼なまし時に通常の結晶粒成長しか起ら
なかったことが立証されたわけで、このことはまた視覚
的にも確認された。
実施例 8 5ppmのホウ素がフェロボロンの形で溶融体中に添加
された点を除き、実施例7の手順が繰返された。
こうして得られた最終製品においては、完全な二次再結
晶の起ったことが視覚的に観察された。
磁気特性は良好であって、透磁率は10エルステツドの
磁界中で1868であり、また鉄損は15000および
17000ガウスの磁束密度下でそれぞれ545および
714ミリソツト/ポンドであった。
実施例 9 10ppmのホウ素がフェロボロンの形で溶融体中に添
加された点を除き、実施例70手順が繰返された。
こうして得られた最終製品においては、実施例8の場合
と同様、良好な二次再結晶の視覚的な証拠が見られた。
透磁率は10エルステツドの磁界中で1882であり、
また鉄損は15000および17000ガウスの磁束密
度下でそれぞれ546および704ミリワツト/ポンド
であった。
実施例 10 実施例80手順を用いた別の試験においては、15pp
mのホウ素がケイ素鋼溶融体中に添加された。
こうして得られた最終製品は10エルステツドの磁界中
で1890の透磁率を示し、また15000および17
000ガウスの磁束密度下で541および697ミリワ
ツト/ポンドの鉄損を示した。
実施例 11 前記実施例の手順を用いた別の試験においては、0.0
35%のイオウを含有する点を除けば実施例7の場合と
同じ組成を有するケイ素鋼溶融体中に20ppmのホウ
素が添加された。
こうして得られた最終製品は10エルステツドの磁界中
で1861の透磁率を示し、また15000および17
000ガウスの磁束密度下でそれぞれ583および74
9ミリフツト/ポンドの鉄損を示した。
実施例 12 更に別の試験においては、実施例11の場合と同様にし
て調製されたケイ素鋼溶融体中に25ppmのホウ素が
添加された。
実施例7に従って加工した後に得られた製品はlOエル
ステッドの磁界中で1841の透磁率を示し、また15
000および17000ガウスの磁束密度下でそれぞれ
612および807ミリフツト/ポンドの鉄損を示した
実施例 13 一層多量のホウ素の効果を判定するための試験において
は、0.029%のマンガンおよび0.034%のイオ
ウを含有する点を除けば実施例7の場合と同じ組成を有
するケイ素鋼溶融体中に50ppmのホウ素が添加され
、そして前記実施例の手順が繰返された。
こうして得られた製品は実施例7の場合と同様な磁気特
性を示したのであって、透磁率は10エルステツドの磁
界中で1484であり、また鉄損は15000および1
7000ガウスの磁束密度下でそれぞれ988および1
340ミリワツト/ポンドであった。
実施例 14 本実施例は0.03%を越えるマンガン含量を持ったケ
イ素鋼に関する一連の試験中の最初のものである。
マンガンおよびイオウ含量がそれぞれ0.042%およ
び0.Q37%でありかつ5 ppm0**ホウ素が添
加された点を除き、実施例7の場合と同じ溶融体が調製
された。
実施例7に従って加工した後に得られた最終製品は10
エルステツドの磁界中で1871の透磁率を示し、また
15000および17000ガウスの磁束密度下でそれ
ぞれ550および714ミリワツト/ポンドの鉄損を示
した。
実施例 15 実施例140手順に従った別の試験においては、0.0
41%のマンガンおよび0.044%のイオウを含有す
る溶融体中に15ppmのホウ素が添加された。
こうして得られた最終製品は10エルステツドの磁界中
で1887の透磁率を示し、また15000および17
000ガウスの磁束密度下でそれぞれ549および69
3ミリワツト/ポンドの鉄損を示した。
実施例 16 やはり実施例140手順に従い、0.054%のマンガ
ンおよび0.047%のイオウを含有する溶融体中に5
ppmのホウ素が添加された。
こうして得られた製品は10エルステツドの磁界中で1
892の透磁率を示し、また15000および1700
0ガウスの磁束密度下でそれぞれ549および701ミ
リワツト/ポンドの鉄損を示した。
実施例 17 やはり実施例140手順に従い、0.054%のマンガ
ンおよび0.033・%のイオウを含有する溶融体中に
10ppmのホウ素が添加された。
こうして得られた製品の磁気特性は不良であって、透磁
率は10エルステツドの磁界中で1493であり、また
鉄損は15000ガウスの磁束密度下で961ミリワツ
ト/ポンドであった。
なお、このケイ素鋼におけるマンガン対イオウの比を1
.63であった。
本発明方法におけるセレンの有用性が実験室内での試験
によって証明された。
すなわち、電解鉄および98%フェロシリコンが大気誘
導炉内に装入され、そしてアルゴン被覆下で溶融された
そこへ5ppmのホウ素および0.025%のセレンが
添加された。
かかるケイ素鋼の化学分析結果は下記の通りであった。
こうして得られたインゴットから厚さ1.75インチの
スライスが切出され、そして1200℃から始めて再加
熱なしに6回のパスで約90ミルの厚さまで熱間圧延さ
れた。
熱間圧延および酸洗いに続き、熱間圧延鋼帯が水素中に
おいて900℃で3分間加熱され、それから直接に10
.8ミルの最終厚さまで冷間圧延された。
エプスタイン装置用のストリップが湿性水素中での3分
間加熱によって脱炭され、アルミナ粉末で隔離され、そ
れから最終焼なましを施された。
この最終焼なましは、窒素中において毎時50℃の速度
で800℃から1050℃まで加熱し、それから水素中
において1175℃で3時間加熱するというものであっ
た。
こうして得られた製品の磁気特性は下記の通りであった
鉄損(ミリワット/ポンド) 実施例 18 実施例1の場合と同じ組成の溶融体を用いて実施例10
手順が繰返された。
ただし、この場合にはマンガンおよびイオウ含量がそれ
ぞれ0.023%および0.013%(マンガン対イオ
ウの比は1.8)であった。
また、溶融体は0.040%の炭素および10ppmの
ホウ素を含有し、熱間圧延は1200℃から開始され、
かつ熱間圧延鋼帯は水素(露点O℃)中において950
℃で3分間加熱され、それから11ミルの最終厚さまで
冷間圧延された。
こうして得られた最終製品の透磁率は10エルステツド
の磁界中で1865であった。
実施例 19 溶融体が0.024%のマンガンおよび0.009%の
イオウを含有する点を除き、実施例180手順が繰返さ
れた。
こうして得られた最終製品は10エルステツドの磁界中
で1650の透磁率を示した。
実施例 20 溶融体が0.024%のマンガンおよび0.016%の
イオウを含有する点を除き、実施例180手順が繰返さ
れた。
こうして得られた最終製品は10エルステツドの磁界中
で1890の透磁率を示した。
実施例 21 実施例10手順を繰返すことにより、0.024%のマ
ンガン、0.005%のイオウ、50ppmの窒素およ
び10ppmのホウ素を含有する点を除けば実施例1の
場合と同様な溶融体が調製鋳造された。
こうして得られたインゴットからスライスが切出され、
そして1200℃から始めて再加熱なしに6回のパスで
90ミルの厚さまで熱間圧延された。
酸洗いの後、熱間圧延鋼帯が950℃で2分間加熱され
、それから中間熱処理なしに10.8ミルの最終厚さま
で冷間圧延された。
かかる冷間圧延薄板の一部からエプスタイン装置用のス
トリップの束が作製され、水素(露点室温)中において
800℃で3分間脱炭され、マグネシアで被覆され、そ
れから水素中において1175℃に加熱された。
こうして得られた製品の透磁率は10エルステツドの磁
界中で1504であり、また鉄損は17000ガウスの
磁束密度下で1293であった。
同じ脱炭熱処理の後、単一のストリップがマグネシア乳
とニブツム塩との混合物で被覆された。
水和水を除去すれば、かかる被膜は25%のイオウおよ
び75%のマグネシアから成っていた。
上記のごとき集合組織生成のための最終焼なまし後に得
られた製品の透磁率は10エルステツドの磁界中で18
92であり、また鉄損は17000ガウスの磁束密度下
で756ミリワツト/ポンドであった。
実施例 22 溶融体が0,036%のマンガンおよび0.013%の
イオウを含有する点を除けば実施例21の場合と同様な
別の試験においては、マグネシア被膜中に存在する昇華
イオウの効果が判定された。
なお、イオウ含有マグネシア被膜を有しないエプスタイ
ン装置用ストリップの透磁率は10エルステツドの磁界
中で1491であり、また鉄損は17000ガウスの磁
束密度下で1335ミリワツト/ポンドであった。
別のストリップがマグネシア乳と昇華イオウとの混合物
で被覆された。
水和水を除去すればかかる被膜は45%のイオウおよび
55%のマグネシアから成っていた。
上記のごとき熱処理の後に得られた製品は10エルステ
ツドの磁界中で1878の透磁率を示し、また1700
0ガウスの磁束密度下で735ミリワット/ポンドの鉄
損を示した。
なお、本明細書中において量、比、パーセントおよび割
合が述べられている場合には、特に記載のない限り重量
が基礎となっている。
また、本明細書中に使用されている「インゴット」とい
う術語は任意適宜な製鋼方法によって製造された溶鋼を
任意の鋳造方法により凝固させて得られる物体を意味す
るもので、その中には連続鋳造方法によって得られるス
ラブ様のインゴットも包含される。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 12.2〜4.5%のケイ素、3〜35ppmのホウ素
    、ホウ素1部当り1〜15部の割合に相当する30〜7
    0ppmの窒素、並にマンガン対イオウの比が1.8よ
    り小さくなるような量のマンガンおよびイオウを含有す
    る中間厚さの熱間圧延鋼帯を用意し、前記熱間圧延鋼帯
    を水素雰囲気中において1〜3分間800〜1000℃
    の温度で熱処理することにより熱間圧延鋼帯に特有の細
    長い結晶粒組織を少なくとも部分的に再結晶させ、前記
    熱間圧延鋼帯を冷間圧延によって再加熱なしに最終厚さ
    まで圧下し、次いでこうして得られた冷間加工薄板に最
    後の熱処理を施して(110)〔001〕二次再結晶集
    合組織を生成させることを特徴とする、方向性ケイ素鋼
    板の製造方法。 22.2〜4.5%のケイ素、3〜35ppmのホウ素
    、ホウ素1部当り1〜15部の割合に相当する30〜7
    0ppmの窒素、0.002〜0.05%のイオウもし
    くは0.002〜0.05%のセレンもしくは合計して
    0.002〜0.05のイオウ及びセレンを含み、附加
    的にマンガンを、イオウもしくはセレンもしくはイオウ
    にセレンを加えたものに対する割合が1.8より少なく
    なるような割合において0.002〜0.09%含んで
    いる中間厚さの熱間圧延鋼帯を用意し、前記熱間圧延鋼
    帯を水素雰囲気中において1〜3分間800〜1ooo
    ℃の温度で熱処理することにより熱間圧延鋼帯に特有の
    細長い結晶粒組織を少なくとも部分的に再結晶させ、前
    記熱間圧延鋼帯を冷間圧延によって再加熱なしに最終厚
    さまで圧下し、次いでこうして得られた冷間加工薄板に
    最後の熱処理を施して (110)(001)二次再結晶集合組織を生成させる
    ことを特徴とする、方向性ケイ素鋼板の製造方法。
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