JPS5841876Y2 - 業務用煮炊装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は煮炊用の釜を囲壁に対して水平方向に出入れす
る構成の業務用煮炊装置に関し、その目的は、釜の底部
に圧接する煮炊完了検知用の検知部が釜の出入れ時には
釜から離反して、釜の出入れを支障なく行い得る業務用
煮炊装置を提供するにある。

以下本考案の一実施例を図面を参照して説明する。

１は箱形に構成した囲壁で、これの背面壁（図示せず）
及び左右の側壁１ａ、ｌａには断熱材２を介して外壁３
を設けて二重壁とし、前面壁にはその横幅一杯に矩形の
開口部４を形成している。

５は囲壁１内の略中央部に設けた加熱装置たる環状のガ
スバーナーで、これは図示しないガス供給源に連結され
ている。

６はこのガスバーナの上方に配設される煮炊用の釜で、
これは外嵌部中央に円形の凹部７を形成している。

８，８は左右の側壁１ａ、１ａの所定高さ位置に互いに
対向して水平方向に固定した二本の支持レールで、断面
略コ字状をなしてその上方の横辺部に複数個のローラ９
を備えており、このローラ９上に同じく断面略コ字状の
移動レール１０の上方の横辺部を載置すると共に支持レ
ール８の下方の横辺部には移動レール１０の下方の横辺
部に設けたローラ１１を載置し、もって移動レール１０
を支持レール９上に前後方向にスライド自在に支持して
いる。

而して、前記釜６はそのフランジ部６ａの左右の移動レ
ール１０゜１０上に載置することによって移動レール１
０．１０と共に前後方向に移動自在とされ、前記囲壁１
内に対し開口部４から出入可能になっている。

１２は開口部４を開閉する扉で、外側に把手１３を取着
すると共に下端両側部をヒンジピン１４．１４により囲
壁１の前面壁に枢支して、上下方向に開閉回動可能とし
ている。

１５．１５は連動部材たる二本の連動アームで、これは
略円弧状をなし、その一端部を扉１２の両側に夫々ピン
１６を介して回動自在に枢支せしめており、これら両連
動アーム１５．１５の他端部間には連動軸１７を挿通し
てこれを回転可能に支持している。

１８はこの連動軸１７の両端部に回転可能に設けた一対
のローラで、これは前記開口部４の下方に位置するよう
に左右の側壁１ａ、１ａの内側面に固定した案内部材た
るガ・イドレール１９．１９に嵌め込まれ、前記扉１２
の開閉作動に連動して前記連動軸１７と共に力゛イドレ
ール１９に沿って斜めに上下動変位するものである。

２０は囲壁１内の略中央部に立設固定した支持枠、２１
はこの支持枠２０の上方にこれを覆うよう上下動可能に
設けた昇降部材たる遮熱筒である。

この遮熱筒２１の上端部に透孔２２を備えた蓋板２３を
固定すると共にこの蓋板２３の下面に短尺な保持筒２４
を固着している。

２５は保持筒２４の下端部に固定した底板２６と前記支
持枠２０の上端面との間に設けた圧縮スプリングで、こ
れにより底板２６ひいては遮熱筒２１全体を常に上方に
付勢して遮熱筒２１の上端周縁部を前記釜６の凹部７に
圧接せしめ、また、底板２６の下面には前記圧縮スプリ
ング２５内を挿通して前記支持枠２０内にまで延びる径
小の連結筒２７を取着してその先端部にストップピン２
８を貫通状態にした連結筒２７が支持枠２０から抜は出
ることを防いでいる。

２９は円錐台状に形成した検知部で、下面部に煮炊完了
検知用の検知素子としてサーミスタ３０を埋設すると共
に前記保持筒２４の底板２６との間に圧縮スプリング３
１を介在させ、この圧縮スプリング３１０弾発力によっ
て検知部２９の上半部を蓋板２３の透孔２２から突出さ
せて釜６の凹部７に圧接せしめ、もって釜６の熱をサー
ミスタ３０に伝達し得るようにしている。

尚、このサーミスタ３０は図示しない煮炊完了報知回路
に接続され、煮炊完了と共に釜６の温度が所定温度以上
に上昇することを検知して煮炊完了を報知すると共にガ
スバーナー５へのガス供給を停止させるものである。

また、サーミスタ３０への熱伝達は釜６からのみなされ
るようにするため、圧縮スプリング２５の弾発力を圧縮
スプリング３１のそれより大きく定めて遮熱筒２１の上
端部が釜６の凹部７に圧接して隙間を生じないようにす
ると共に、保持筒２４と遮熱筒２１との間に断熱材３２
を設けてガスバーナー５で発生する熱が遮熱筒２１を介
して保持筒２４内（二極力伝達しないようにしている。

３３はステンレスワイヤで、これはその一端を前記遮熱
筒２１の連結筒２７のストップピン２８に連結し、更に
これの途中を支持枠２０の内に設けた方向変換部たる固
定滑車３４に掛けて支持枠２０の下部位に形成した導出
口３５から前方に導出して他端を前記連動軸１７の略中
央部位に連結している。

さて、上記構成において煮炊完了後、釜６を取り出すべ
く把手１３を引いて扉１２を開放すると、この開動作に
連動して連動アーム１５の他端部がガイドレール１９．
１９内のローラ１８，１８に導かれて斜め上方の作用位
置（第１固型点鎖線参照）に変位する。

すると、ステンレスワイヤ３３が前方に引張られ、圧縮
スプリング２５の弾発力に抗して連結筒２７ひいては遮
熱筒２１が下方に引き下げられこれによすｆｒ熱筒２１
の上端周縁部及び検知部２９が釜６の凹部７から離反す
る。

この状態で、釜６を前方に引き出せば釜６は移動レール
１０．１０と伴に固定レール９，９上を滑って底部が前
記伝熱板２９や遮熱筒２１に触れることなく囲壁１外に
移動される。

また、逆に釜６を収納する場合には、扉１２を開放して
移動レール１０．１０を所定長さ引き出し、これに釜６
のフランジ部６ａを載置して囲壁１内にスライドさせて
収納する。

斯る後、扉１２を閉鎖すれば、連動アーム１５の他端部
がガイドレール１９に案内されて復帰位置に戻り（第１
図実線参照）、これに伴いステンレスワイヤ３３が弛み
圧縮スプリング２５の弾発力によって連結筒２７ひいて
は遮熱筒２１が上昇し、遮熱筒２１の上端周縁部及び検
知部２９が釜６の凹部７に圧接するようになる。

このように本実施例によれば、釜６を出入れするために
扉１２を開動作すれば、これに連動して連動アーム１５
が作用位置に変位し更にステンレスワイヤ３３を介して
連結筒２７ひいては検知部２９及び遮熱筒２１が下方に
移動して釜６から離反する位置に変位するから、これら
が水平方向に移動する釜６に接触することはない。

従って、従来のように、釜の底部に伝熱的に接触させね
ばならないサーミスタ等の煮炊完了検知用の検知素子が
釜の出入れに際しても釜の底部に圧接していたため釜の
出入れ操作の妨げになったり、釜の出入れによって検知
素子を損壊したりするような虞れはない。

また、釜６を床等の上に置いた場合に、釜６底部に異物
が付着してこれが釜６と検知部２９との間に挾まれ、釜
６の熱が検知部２９ひいてはサーミスタ３０に良好に伝
達せず煮炊完了を正確に検知し得なくなることを防ぐた
め、本実施例では釜６の底部に凹部７を形成して検知部
２９が圧接する部分に異物が付着しないようにしている
が、このようにしても本実施例では扉１２の開放に連動
して遮熱筒２１及び検知部２９が釜６の底部から離反す
るから釜６の出入れに際しこの凹部７が障害となること
はない。

本考案は以上説明したように、釜を囲壁内に対し横方向
に出入れするものにおいて、扉の開動作に連動して煮炊
完了検知用の検知部を釜の底部から離反する位置に変位
させるよう構成したから、検知部が釜の出入れ時に釜に
接触せず、釜の出入れを支障なく行うことができ、しか
も扉の開動作に連動して変位する連動部材の他端部と検
知部を備えた昇降部材とをワイヤで連結するという極め
て簡単な構造で所期の目的を達成でき安価に製作できる
業務用煮炊装置を提供し得る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は一部切除して
示す縦断側面図、第２図は縦断正面図、第３図は一部切
除して示す横断面図である。 図中、１は囲壁、４は開口部、５はガスバーナー（加熱
装置）、６は釜、８は支持レール、１２は扉、１５は連
動アーム（連動部材）、１９はガイドレール（案内部材
）、２１は遮熱筒（昇降部材）、２５及び３１は圧縮ス
プリング、２９は検知部、３０はサーミスタ、３３はス
テンレスワイヤ、３４は固定滑車（方向変換部）である
。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 開口部を有する囲壁と、前記開口部を開閉する扉と、前
   記囲壁内において加熱装置により加熱され煮炊終了後横
   方向に移送されて前記開口部から囲壁外に取出される釜
   と、前記囲壁内に上下動可能に支持されスプリングによ
   り常時上方に付勢された昇降部材と、この昇降部材に設
   けられ常には前記釜の底部に圧接された煮炊完了検知用
   の検知部と、一端部が前記扉に枢支され且つ他端部が前
   記囲壁側に設けられた案内部材に沿って移動可能に支持
   され扉の開動作に連動して復帰位置から作用位置に変位
   する連動部材と、この連動部材の他端部と前記昇降部材
   とを連結し且つ途中が方向変換部に掛は渡され連動部材
   の作用位置方向への変位により引張られて前記検知部が
   前記釜の底部から離反するように前記昇降部材を引き下
   げるワイヤとを具備したことを特徴とする業務用煮炊装
   置。