JPS5840969Y2 - パイプベンダ−の曲げビビリ除去装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 パイプベンダーは第１〜５図に示すように三角状とし、
かつ一側面からエンド板２を当てて固定したケース形の
本体１の中心部とエンド板２とに透設した円形孔３に第
３図に示すように回転体４を軸方向への移動不能に嵌め
て支持し、その外周に係合方向を正反対にした第１、第
２ラチエツトホイル６．１をキー５により固定し、ホイ
ル６゜７の間にスペーサリング８を回転可能に嵌めると
共に、本体１のエンド板２の外側に直線縁１１を一部に
設けた円形の回転シュー１０を中心軸９に嵌めかつピン
１２により固定し、直線縁１１を除く外周に回転体４の
回転中心と同心をなす円弧形断面の円形嵌合溝（図示し
ない）を設け、さらに円弧形断面の直線形嵌合溝１４を
設けた固定シュー１３を回転シュー１０の外周に接線状
に対立させて本体１のエンド板２の外側に固定してパイ
プａを通す円形断面孔からなる間隔１５を円形嵌合溝と
直線形嵌合溝１４の対応による最も狭い断面部分により
構成し、さらに回転シュー１０の直線縁１１に前記の間
隔１５に通したパイプａを掛は込む聞込欠溝１７を設け
たフック１６を軸１８によって軸支し、本体１には回転
体４の回転中心の両側に相当させて平行にした第１バン
ドル１９の固定と第２バンドル２０の軸２１による軸支
とを施し、第２バンドル２０には偏心軸２２により第１
ラチエツトホイル６に保合可能に対応する正送り用の送
り爪２３と、第２ラチエツトホイル７に係合可能に対応
する戻し送り用の送゛り爪２４を軸支して、それぞれの
送り爪２３，２４に係合強制ばね２５を封装した構成に
なるものであって、回転シュー１０を矢線Ｘ方向に正送
りするときには送り爪２４を第２ラチエツトホイル７の
係合から退かせ、回転シュー１０を戻り回転するときに
は送り爪２３を第１ラチエツトホイル６の係合から退か
せるようにしてあり、この交代制御を第１バンドル１９
に設けた釦２６の二位置移動によりスペーサリング８を
回転して行うようにしである。

彎曲を示すパイプａは第１図に示すように間隔１５の左
側から緊密に挿通し、その挿通光端方をフック１６の組
込欠溝１７により第１，２図のとおりに掛込んで仮固定
を施し、それから第１図の凡そ二点鎖線位置にされた第
２バンドル２０を同図実線の方向に回転し、第４図に示
すように送り爪２０により第１ラチエツトホイル６、回
転体４、回転シュー１０を矢線Ｘ方向に回転し、続いて
再び二点鎖線の方向に戻しくこのときは送り爪２０が第
１ラチエツトホイル６の周りを滑る）、その繰返えしに
より回転体４、回転シュー１０、フック１６を矢線Ｘ方
向に小角度ずつ間欠的に進角回転してパイプａに１８０
０以内の曲げを施すものである。

然るに前記した間隔１５は回転シュー１０の円形嵌合溝
と固定シュー１３の直線形嵌合溝１４の対向によりパイ
プａを緊密ではあるが移動自由に挿通する円形断面にさ
れており、他方パイプａの間隔１５とフック１６間の曲
げ部分外周は伸延により肉薄になるから当然にパイプａ
の外径が縮小し、しかも前記の伸延は間隔１５より左側
（第１図）にも影響を及ぼして間隔１５を通る部分が緊
密ではなくなる。

このため第６図のように初期の曲げ角度θ１の曲げ作業
の間はほとんど目立たないが、終期の曲げ角度θ２を曲
げるとき、第２バンドル２０を戻す都度、即ち回転シュ
ー１０の回転を停止している間はパイプａが直線形嵌合
溝１４側に弾力によって密着し、第２バンドル２０によ
り回転シュー１０を矢線ａ方向に正送りするとき、再び
円形嵌合溝側に密着するガタ移動を生ずる等により曲げ
部分の全内周を常に必ず回転シュー１０側の円形嵌合溝
に密着させて置ける保証がない。

このため曲げ内周に図示のビビリ曲げｂを生じ、これが
曲げ半径を一定にできないとか、パイプ曲げ部分の所要
の長さを幾分でも増加する等の欠陥となる。

本考案は前記した欠陥がパイプａを通す間隔１５を曲げ
作業の終了まで不変にしているによることを多くの実験
によって確め、回転シュー１０の外周に形成する断面円
弧形の円形嵌合溝３１を回転体４及び回転シュー１０の
回転中心０１から僅かに偏心した微偏心の中心０２を中
心にして形威し、回転シュー１０を矢線Ｘ方向に正回転
するに従って間隔１５が誇張して第１図に示しているよ
うに左方向へ１５ａ 、１５ｂと少しずつ狭めながら約
１８００回転し、それにより間隔１５に緊密に通したパ
イプａは引出し抵抗及び曲げ抵抗を順次に増加するよう
にしたものである。

この構成によりパイプａの曲げ部分が延伸のため外径を
前記のように縮小しても、円形嵌合溝３１が回転シュー
１０の初発からの回転と共に固定シュー１３の直線形嵌
合溝１４に対する間隔１５が例えば１５ａ。

１５ｂと狭めながら移動し、パイプａに対する引出し抵
抗を順次に増大するため該パイプａが延伸により外径を
縮小しても、外周部分を直線形嵌合溝１４に密着しかつ
内周部分を円形嵌合溝３１に密着して従前の如きガタを
生じなくなる。

このため第７図に示すように初期の曲げ角度θ１の部分
は勿論のこと、終期の曲げ角度θ２の部分でも曲げビビ
リｂを全く発生させることがなく、このことは第６図と
の対比により明瞭になる。

本考案は前記の説明により明らかにしたように、従前の
パイプベンダーにおいて発生していたパイプの曲げビビ
リを殆んど完全に除去できるから、従前のパイプベンダ
ーでは、前記曲げビビリの発生のためパイプ外径に対応
した一定半径以上の曲率を施すことができなかったが、
その制限を取り除いて彎曲部の曲げ半径を可及的に小さ
くすることができ、配管スペースの減少や、必要パイプ
長の短縮を図り得る等の優れた効果が生ずる。

【図面の簡単な説明】

第１図は一部切欠正面図、第２図は右側面図、第３図は
第１図Ａ−Ａ線断面図、第４図は第３図Ｂ−Ｂ線断面図
、第５図は同Ｃ−Ｃ線断面図、第６図は従来のベンダー
によるパイプの曲げを示し、第７図は本考案装置による
パイプの曲げを示す０１・・・・・・本体、４・・・・
・・回転体、９・・・・・・中心軸、１０・・・・・・
回転シュー １３・・・・・・固定シュー、１４・・・
・・・直線形嵌合溝、１６・・・・・・フック、１９・
・・・・・第１バンドル、２０・・・・・・第２バンド
ル、３１・・・・・・円形嵌合溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. バンドルによって約１８０°の範囲で一方向に小角度ず
   つ間欠的に進角回転する回転シューと、固定シューとを
   接線状に対立し、彎曲用のパイプを回転シューの外周の
   円弧断面形の円形嵌合溝と固定シューの円弧形断面の直
   線嵌合溝とによって構成する最狭部の間隔に緊密に通し
   、かつ該パイプの挿入矢端方をフックにより回転シュー
   側に仮固定し、回転シューの間欠回転とともに前記の円
   形嵌合溝に倣ってパイプを曲げるようにしたパイプベン
   ダにおいて、前記回転シュー１０の円形嵌合溝３１の中
   心０２を、固定シュー１３の直線形嵌合溝１４との間隔
   １５が回転シュー１０の１８００以内の回転に従って順
   次に狭められるように該シュー１０の回転中心Ｏ１から
   微偏心させ、回転シュー１０の進角回転と共にパイプの
   引出移動抵抗を順次に増大することを特徴とするパイプ
   ベンダーの曲げビビリ除去装置。