JPS5839401Y2 - エンジン冷却水温度調節装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はエンジン冷却水温度調節装置に係り、特にエン
ジン性能試験の外乱を抑えるために使用して有用なもの
である。

Ｊ ｌ５Ｄ１００３．１００４の自動車用水冷ガソリン
エンジン性能試験方法、ディーゼルエンジン性能試験方
法などにおいては、エンジン性能に重大な影響を及ぼす
エンジン冷却水の温度変化が外乱となって試験結果に悪
影響を及ぼすために、エンジン冷却水の温度を一定にす
ることが条件とされる。

このための装置としては、エンジン冷却水温ｉ調節装置
があり、エンジンの冷却装置に接続されて冷却は水道水
の供給および加熱水の抜きとりにより行ない加熱は熱容
量の大きな蒸気により行なうものが例として挙げられる
。

特に加熱に際しては従来より第１図に示すようにタンク
１内に銅パイプよりなる蛇管２を配置しこの蛇管２に蒸
気を通してタンク１内のエンジン冷却水を加熱する方式
を採っていた。

ところがこの場合、蛇管２を巻く工数およびその技術が
必要で、蒸気の出入口の配管が必要でありかつ蛇管２の
効率が長年使用による汚れで下り定期的な掃除が必要と
なり、さらに急速加熱に対しては効率悪くしかも蛇管２
の配置によりタンク１が大形となるなどの欠点が存在す
るので、第２図に示す消音器３を第３図に示すようにタ
ンク１内に配置しこの消音器３からエンジン冷却水中に
蒸気を直接噴出させるとともにタンク１内のエンジン冷
却水の温度が均一になるよう攪拌すべく空気を噴出させ
る方式に変りつつある。

しかしながら、この第３図に示す方式の場合エンジンへ
エンジン冷却水を導出する送水パイプ５に消音器３より
噴出される空気により生ずる気泡が入り込み、このため
送水パイプを通ってエンジンに湧かれるエンジン冷却水
の温度が不安定で熱交換効率が悪くなるなどの欠点を有
する。

そこで、本考案は上述の欠点に鑑み消音器から噴出され
る気泡が送水パイプに入らないようにしてエンジン冷却
水の温度を安定化させかつ熱交換効率を良くするような
エンジン冷却水温度調節装置の提供を目的とし、新規な
着想に基づき案出されたものである。

かかる目的を達成するため本考案としては底に近いタン
クの側壁にエンジンからエンジン冷却水を導入する注水
パイプを備えると共に、この注水パイプより上方の上記
側壁に上記エンジンへエンジン冷却水を導出する送水パ
イプを備え、これら注水パイプ及び送水パイプを上記タ
ンクに集水されたエンジン冷却水の水面下に存在させ、
上記タンクの底近くに空気又は蒸気を噴出する消音器を
備えたものにおいて、上記消音器から上記エンジン冷却
水中に噴出する気泡が上記送水パイプ内に入らずに水面
に抜は出すよう上記消音器と上記送水パイプとの間に仕
切りとなるバッフルを備えたことを特徴とする。

ここで、第４図ないし第６図を参照しつつ本考案の実施
例を説明する。

なお、第３図と同一部分には同一符号を付し説明の便宜
に供する。

第４図において、タンク１にはその底に近い部分にエン
ジンからエンジン冷却水を導入する注水パイプ４および
この注水パイプ４より上方でエンジンへエンジン冷却水
を導出する送水パイプ５が備えられており、しかもタン
ク１内には蒸気または空気を噴出する消音器３が配置さ
れている。

消音器３の配管はタンク１の底を貫いて蒸気用配管６お
よび空気用配管７に連通されている。

さらに、タンク１内にはいわゆるらっは状のバッフル８
が備えられ、このバッフル８は広口部８ａがタンク１の
内壁に固定され狭口部８ｂがタンク１の上方に向って開
いているよう配置され、かつ消音器３および注水パイプ
４はこのバッフル８より下方にあり送水パイプ５はバッ
フル８の側方にある如くタンク１内にバッフル８が固定
されている。

かかる構造において、エンジン冷却水温度を一定温度上
昇させるときエンジン冷却水内に消音器３から直接蒸気
を噴出させまたタンク１内のエンジン冷却水の温度の不
均一をなくすよう消音器３から空気を噴出させ攪拌させ
ている。

このときエンジン冷却水が温度上昇することはもちろん
のことであるが、空気により生ずる気泡はバッフル８に
て捕捉されてタンク１の上方に導かれ送水パイプ５内に
入り込むおそれはない。

厳密にいえばエンジン冷却水の流れが送水パイプ５に向
うこととともに気泡も送水パイプ５の方向に向いがちで
あるが、狭口部８ｂによる気泡の誘導の結果送水パイプ
５に気泡が至る前に気泡はタンク１の上方に抜は出てし
まう。

かくして、気泡は送水パイプ５内に入り込まずよって気
泡がエンジンに至ることもない。

第５図では第４図に示したらっは状のバッフル８の代り
に円筒状のバッフル９をタンク１内に配置した例を示し
、注水パイプ４よりのエンジン冷却水をバッフル９内に
至らしめるためバッフル９とタンク１の底とは離間され
ている。

この場合もバッフル９の側方に送水パイプ５が備えられ
バッフル９内の消音器３からの気泡がバッフル９内を導
かれるので、気泡はタンク１の上方に抜は出てしまい気
泡が送水パイプ５に入り込むおそれはない０ 第６図では注水パイプ４からのエンジン冷却水についた
て状のバッフル１０で渦を生じさせ、バッフル１０によ
る強制的な渦形成の間に消音器３からの気泡をタンク１
の上方へ抜は出させるようにしたものである。

このため、バッフル１０は消音器３および注水パイプ４
と送水パイプ５とを区画する位置にありかつバッフル１
０の一側端がタンク１の内側壁に固着される構造を壱す
る。

上記実施例では三種のバッフルにつき説明したが、本考
案ではバッフルの形状はその配置状態とともに種々考え
られる。

すなわち、気泡を博きエンジン冷却水が送水パイプに入
り込む前にタンク上方に気泡を抜は出させる仕切りであ
ればよい。

以上実施例にて具体化した如く本考案によるエンジン冷
却水温度調節装置によれば、消音器からエンジン冷却水
中に噴出される空気により生ずる気泡が送水パイプ内に
入り込むのを防止するよう上記タンク内に上記気泡を導
くバッフルを備えたことにより、気泡はタンク上方へ抜
は出てしまい送水パイプに入り込むことがなくなりよっ
て気泡がエンジン内に至ることがないので、エンジン冷
却水の熱交換効率が非常に良くなりエンジン冷却水の温
度が一定化して安定ししかも温度検出に当り気泡による
誤差すなわちばらつきがなくなるなど多大な効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は従来の温ｉ調節装置の説明のため
の図で、第１図はエンジン冷却水温度調節装置の一例を
示す簡略構成図、第２図は消音器の断面図、第３図はエ
ンジン冷却水温度調節装置の他の例を示す断面図、第４
図ないし第６図は本考案によるエンジン冷却水温度調節
装置の実施例を示し、第４図は一例の断面図、第５図は
他の例のの断面図、第６図はその他の例の断面図である
。 図面中、１はタンク、３は消音器、４は注水バイブ、 ５昧送水パイプ、 ０はバッフル である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 底に近いタンクの側壁にエンジンからエンジン冷却水を
   導入する注水パイプを備えると共に、この注水パイプよ
   り上方の上記側壁に上記エンジンへエンジン冷却水を導
   出する送水パイプを備え、これら注水パイプ及び送水パ
   イプを上記タンクに集水されたエンジン冷却水の水面下
   に存在させ、上記タンクの底近くに空気又は蒸気を噴出
   する消音器を備えたものにおいて、上記消音器から上記
   エンジン冷却水中に噴出する気泡が上記送水パイプ内に
   入らずに水面に抜は出すよう上記消音器と上記送水パイ
   プとの間に仕切りとなるバッフルを備えたことを特徴と
   するエンジン冷却水温度調節装置。