JPS583886Y2 - マンホ−ルの足掛装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はマンホールの出入口に設けられている昇降通路
の足掛装置に関するものである。

一般にマンホールは管渠内の検査、掃除等の出入口であ
ると共に管渠内の通風換気を行なうためのもので、管渠
の管径、勾配の変化点や屈折合流点などに設けられ、そ
の構造は、通常、断面が円形状の既製のコンクリート枠
を積み重ねて構成され、その内壁には人が容易に出入で
きるように足掛金具が植設されている。

而して、従来の最もよく知られているマンホールは、第
１図に示すように、管渠１の上部に断面円形状の鉄筋コ
ンクリート製の直壁２を複数個積重してその上部に円錐
台形状の鉄筋コンクリート製の斜壁３を積重固定し、こ
の斜壁３の上部に鋳鉄製又は鉄筋コンクリート製の蓋板
４を装着して開口部を閉塞するようにする一方、直壁２
及び斜壁３の内壁には、管渠１内の検査や掃除等に際し
、作業員が出入し易いように足掛金具５，６を植設して
構成されている。

このマンホールは勿論、マンホールとしての機能を充分
発揮するものであるが、斜壁３の上、下部の径差が大き
いと、折角足掛金具６が植設されていても、作業員が出
入に際して足を踏み外し易く、極めて不便であるところ
から、第２図に示すように、前記斜壁３を片面斜壁３１
に形成してその直状面３１′に足掛金具６を植設し、足
掛金具５，６が一直線上に並ぶように構成したものが提
案され、実用に供されている。

この片面斜壁３１を具えたマンホールは実公昭４７−１
８７６９号公報に記載されているもので、足掛金具６が
同５と一直線上に位置するので、斜壁３を具えたもの比
し、作業員が出入する際に足を踏み外すおそれは少なく
なったが、作業員がマンホールへの出入に際しての昇降
時に、足掛金具６に足を掛ける場合、手掛りとなるもの
がないため、上方開口部の縁に手を掛けて昇降している
。

然し乍ら、マンホールの上方開口部の縁は地上面である
ため、手掛りになるべきものがないので、滑り易いばか
りでなく、両腕への負担が大きくなって、不便且つ危険
でもある。

本考案は上記のようなマンホールの現状に鑑み、作業員
がマンホールに容易且つ安全に出入りできる足掛装置を
提供することを目的としてなされたもので、その構成は
、内壁の一側に足掛金具を植設した複数個の直壁を積重
し、その上に、断面の一側又は全周側が直状で下方開口
部の内壁が前記直壁の内壁と同−又は略同−の円周形状
をなす土壁を、その直状面を直壁の足掛金具の上方に位
置させて積重固定すると共に該土壁の上部に蓋板を着脱
自在に載置して成るマンホールにおいて、土壁の直状面
における前記足掛金具の真上で該金具の洞内側に当る部
位に左右１対の梯子案内保持金具を２対上下に植設し、
該梯子案内保持金具に梯子を昇降固定自在且つその降下
時に上端部が土壁内に収まるように装着したことを特徴
とするものである。

次に本考案の実施の一例を図に拠り説明する。

３２は本考案における土壁で、前記公知技術における斜
壁３１と同じ形状をなすものであるが、その直状面３２
′に、直壁２の足掛金具５の直上に位置させて、２個１
組の梯子案内保持金具Ａを上下二段植設しである。

而して、前記金具Ａは取附杆ａに平面Ｕ字状の保持部材
すを定着し、該保持部材すの開口側を対向させると共に
足掛金具５の幅より狭く離隔させて取附杆ａを直状面に
植設、固定する。

Ｂは前記保持金具Ａに保持させる梯子で、前記保持部材
すに挿通し得る太さの２本の丸棒がら成る手掛杆ｃ、ｃ
を保持部材す、ｂの間隔分離隔して足掛杆ｄを数個横架
固定すると共にその上端に把持杆ｅを両側を突出させて
固定し、手掛杆ｃ、ｃに１又は複数のピン挿通孔ｆ、ｆ
を設けて構成され、手掛杆Ｃ９Ｃを保持部材す、ｂに昇
降自在に嵌挿させて、マンホールの閉塞時には梯子Ｂが
下降していてその把持杆ｅが上方の保持部材す、ｂに保
持されてマンホール内にあり、管渠１内の検査等に際し
ては、蓋板４を取外し、把持杆ｅを持って梯子Ｂを引き
上げ、保持部材すの上方で手掛杆ｃ、ｃのピン挿通孔ｆ
、ｆにピンｐを挿入して梯子Ｂを下降させれば、ピンｐ
が保持部材すに係止されて梯子Ｂが第５図々示の位置の
高さに保持されるようになっている。

従って、作業員がマンホールに入る場合には、前記のよ
うにして梯子Ｂを高位に保持せしめた状態にし、作業員
が手掛杆Ｃに手を掛け、足掛杆ｄに足を掛けて降りて行
き、足掛金具５に到れば、以下は従来と同じように下位
の足掛金具５に足を掛け、上位のそれに手を掛けて降り
ていくようにし、また、マンホールから出る場合は、足
掛金具５を使って昇って行き、梯子Ｂに到れば、手掛杆
Ｃに手を掛けると共に順次足掛金具５、足掛杆ｄに足を
掛けて昇り、マンホール外に出るようにすることにより
、作業具は身体をかがめたり手を地上についたりしない
で容易且つ安全にマンホールを出入することができるの
である。

尚、管渠１の検査等の作業が終了して作業員がマンホー
ルがら出たら、ピンｐをその挿通孔ｆから外し、梯子Ｂ
を下降させて把持杆ｅを上位の保持部材すに保持させて
蓋板４を施せばよい。

上記実施例においては、上壁３２が公知技術における斜
壁３１と同じ形状のものについて述べたが、本考案の土
壁はそれに限られるものではない。

即ち、第８図及び第９図に示すように、上壁３３を直壁
２と同形状に形成して、その上に蓋板４を装着できる円
形板７を固定し、上壁３３と円形板７の内壁に梯子案内
保持金具Ａを植設したり、第１０図に示すように、上壁
３４を、その内周が直壁２の内径より小さい直状で下方
開口部の内壁が直壁２の内壁と略同−の円周形状をなす
ように形成し、直壁２の足掛金具５を設けた側の直上に
当る上壁３４の内壁に梯子案内保持金具Ａを植設しても
よい。

本考案は上述の通りであるから、マンホールに作業員等
が出入する際の足掛装置として好適であり、その構造は
簡単で容易且つ低廉に実施することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は従来公知のマンホールの縦断側面図
、第３図は本考案において用いる梯子の一例の正面図、
第４図は梯子の上昇固定時における本考案の一例の縦断
側面図、第５図は同じく縦断正面図、第６図は第４図の
平面図、第７図は梯子の筒定手段の一例を示す部分拡大
斜視図、第８図は梯子の上昇固定時における別例の縦断
側面図、第９図は同じく縦断正面図、第１０図は他の別
例の縦断側面図である。 １・・・・・・管渠、２・・・・・・直壁、３２，３３
．３４・・・・・・上壁、４・・・・・・蓋板、５・・
・・・・足掛金具、７・・・・・・円形板、Ａ・・・・
・・梯子案内保持金具、Ｂ・・・・・・梯子、ａ・・・
・・・取附杆、ｂ・・・・・・保持部材、Ｃ・・・・・
・手掛杆、ｄ・・・・・・足掛杆、ｅ・・・・・・把持
杆、ｆ・・・・・・ピン挿通孔、ｐ・・・・・・ピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内壁の一側に足掛金具を植設した複数個の直壁を積重し
   、その上に、断面の一側又は全周側が直状で下方開口部
   の内壁が前記直壁と内壁と同−又は略同−の円周形状を
   なす土壁を、その直状面を直壁の足掛金具の上方に位置
   させて積重固定すると共に該土壁の上部に蓋板を着脱自
   在に載置して成るマンホールにおいて、土壁の直状面に
   おける前記足掛金具の直上で該金具の面内側に当る部位
   に左右ｌ対の梯子案内保持金具を２対上下に植設し、該
   梯子案内保持金具に梯子を昇降固定自在且つその降下時
   に上端部が土壁内に収まるように装着したことを特徴と
   するマンホールの足掛装置。