JPS5838200Y2 - 湯水混合水栓の自動閉止装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はワンバンドルタイプの湯水混合水栓に於て、手
動操作されるカートリッジステムとカートリッジシリン
ダーの間に圧力室を設け、湯水混合水栓に供給される湯
水を上記圧力室内に導き、その湯水圧力を利用して、カ
ートリッジステムのバンドルから手を離した時、自動的
に閉止作用が行なわれるようにした自動閉止装置に関す
る。

通常の単水栓、混合水栓については、大衆浴場、船舶用
等の分野で、スプリングを利用して自動閉止を行なう機
構が一般に採用されている。

しかしモーン水栓の如くワンバンドルタイプのものにつ
いては昔だこの種のものはない。

ワンバンドルタイプのものは通常の一般使用に関しては
手動による開閉作動で問題ばないが、大衆浴場、サウナ
風呂等の業務用としては節水の必要上自動閉止機能のあ
ることが評価の対象となりつつある。

ところがスプリングを牙開した従来の自動閉止機構をワ
ンバンドルタイプに応用する場合は構造が複雑になると
か、装置が嵩張りデザイン的に手際よくまとめることが
困難になる等の不具合を伴なう。

本考案は湯水混合水栓内に導入される湯水の圧力を利用
した、コンパクトで作動の確実な自動閉止装置を提供し
ようとするもので、次に図面により説明する。

先ず現状のモーン混合水栓の構造を第１図により説明す
る。

図中カートリッジシリンダー１は小径部（小径シリンダ
ー面）２と大径部３を同心に備え、カートリッジシリン
ダー１を混合水栓本体４に固定することにより小径部２
の先端（図の左端）は閉塞されている。

シリンダー１は水入口５、浸入口６、混合水出口γを備
え、これらは順次混合水栓本体４内の水導入通路８、湯
導入通路９、混合水通路１０と連通している。

１１〜１４ばＯリングで、Ｏリング１１，１２は混合水
通路１０を他の通路８，９から遮断して釦す、Ｏリング
１３は傾斜したリング溝に装着されて通路８，９を遮断
している。

１５は左端が開いた有底筒形のカートリッジステムで、
右端部には操作用バンドル１６がボルト止めされる。

１７はバンドル取付用のねじ穴である。

カートリッジステム１５は図示の全開時、水入口５、潜
入ロ６．混合水出ロアに対向する位置に水入口１８、浸
入口１９、混合水出口２０を備え、Ｏリング２１．２２
を介してシリンダー小径部２内に嵌合している。

シリンダー大径部３とカートリッジステム１５の間に圧
力室２３を形成するため、大径部３の開口端に段部２４
筐でガイドリング２５が挿入され、スナップリング２６
で固定されている。

ガイドリング２５はカートリッジステム１５に概ね適合
する内径を備え、圧力室２３側のＯリング２７でシール
されている。

２８はステム１５側に固定されたガイドリングで、圧力
室２３側のＯリング２９でシールされている。

３０はスナップリング、３１は圧力室２３とステム１５
内の混合室３２をつなぐ導入口、３３は空気孔である。

第１図は湯側、水側をはマ同量混合し、吐出している全
開状態を示しており、この状態からカートリッジステム
１５を図の左方へ移動することにより閉止状態となり、
カートリッジステム１５をその中心線の回りに一方又は
他方へ回動することにより湯と水の混合割合が変る。

第１図に示す現状のモーン混合水栓は、カートリッジス
テム１５を閉止、全開の中間位置等、即ち任意の吐出量
の位置で自動的に（）・ンドル１６から手を離した場合
にも）停止するように圧力室２３が設けである。

即ちカートリッジステム１５を第１図の状態から若干左
方へ移動した状態で使用する場合に、カートリッジステ
ム１５は混合室３２内の湯水の水圧力をその直径ｄの面
積に受けてＰｌの力で右方に押される。

ステム１５に力Ｐ１のみが作用すると、実際使用時、使
用者は任意の吐出量を維持するためバンドル１６を保持
することが必要となり、問題である。

例えば湯水の圧力が３Ｋｆ／ｃｍである場合その作用力
Ｐ□は２に４度となり、漏れ防止用のＯリング２１．２
２等の抵抗ではステム１５の移動を防止することはでき
ない。

そこで圧力室２３内に導入口３１を経て混合室３２内の
水圧力を供給し、Ｏリング２９でシールされたガイドリ
ング２８により、カートリッジステム１５に逆方向の力
Ｐ２を作用させ、Ｐ□二Ｐ２としている。

混合室３２内の湯水の圧力をＰとすると、Ｐｌ−！Ｆ−
ｄ２ ・２％ Ｐ２−今（Ｄ２ ａ２ ）・Ｐ、即
ちＤ２−２ｄ２となるように各部の寸法が定められてい
る。

本考案はカートリッジステムが湯水の圧力で自動的に閉
止方向に動き、しかも確実に閉止状態が得られるように
したもので、第２図に実施例を示す。

第２図に於て第１図中の符号と同一符号は対応部分を示
している。

第２図の構造が第１図と相違している点は、先ずＰＩ＜
Ｐ２となるよう圧力室２３の寸法が決定されている。

−π ２ 即ちＰｌ−７ｄ−Ｐ Ｐ２二、ｉ （Ｄ２ ＤＩ ）・Ｐ 従ってｄ２〈（Ｄ２−Ｄｌ）としている。

更にカートリッジステム１５の入口側閉止ストロークｔ
１、吐出側閉止ストロークｔ２の関係を、ｔｌ〉ｔ２と
して、吐出側を入口側よりも先に閉止し、以後湯水の供
給圧力そのものを利用して入口側を閉止する構造として
いる。

即ち第２図の全開状態からカートリッジステム１５を閉
止方向（左方）に移動させる際、混合水出口２０がＯリ
ング２２を通過して吐出側が完全に閉止した時、まだ水
入口１８，５及び導入口１９，６が互に一部重複連通し
て、圧力室２３に混合室３２内の湯水圧が作用し、ステ
ム１５が引続き左方へ移動する。

閉止ストロークｔ１．ｔ２を上述の如く定める理由は、
若し両ストロークが等して場合、閉止直前の圧力関係か
ら完全に閉止できない場合があるため、少なくとも吐出
側の閉止作用を完全に行なわせる為である。

水入口側の閉止ストロークｔ１を導入口側の閉止ストロ
ークｔ′１より僅かに犬きく（但しｔ’＋＞ｔ２ ）と
すると、入口側の閉止直前に、水入口５と導入口６を確
実に遮断し、実質的に完全な閉止状態が得られる。

第２図の湯水混合水栓を所望開度で使用した後、バンド
ル１６から手を離すと、圧力室２３で得られる力Ｐ２が
Ｐｌより大きいためカートリッジステム１５は自動的に
左方へ移動し、水入口５、導入口６が閉じる前に混合水
出口γが閉じ、閉止状態となり、更に混合室３２内の圧
力が圧力室２３に作用してカートリッジステム１５は自
動的に閉止位置へ収斂する。

別の実施例を示す第３図中、３３は圧力室２３内に縮設
されたスプリングで、次のような場合、即ちカートリッ
ジステム１５の入口側が閉止直前の圧力関係から完全閉
止ができず、しかも混合室３２内が水入口、導入口と部
分的に連通して湯水の混合状態にあり、以後湯側、水側
の供給圧力が互に作用を及ぼし、これが問題となる場合
に、スプリング３３の弾力によりこの問題を解決するこ
とができる。

スプリング３３は入口側の完全な閉止状態を確保するこ
とができる範囲で、できるだけコンパクトなものが適し
ている。

本考案を具体化する時、圧力室２３を除き、スプリング
のみで自動的に閉止状態とすることも可能であるが、圧
力室２３を上述の寸法関係で設け、スプリング作用はカ
ートリッジステム１５がバランス状態となった最終閉止
期間のめに作用する如く、弱いスプリング３３を採用す
ると、閉止動作が確実になるばかりでなく、装置は最も
コンパクトに昔とする。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の油水混合水栓の水平断面図、第２図は本
考案を適用した油水混合水栓の水平断面図、第３図は別
の実施例を示す水平断面部分図である。 １・・・カートリッジシリンダー（２段シリンダー）、
２・・・小径部、３・・・大径部、４・・・混合水栓本
体、５゜１８・・・水入口、６，１９・・・油入口、７
，２０・・・混合水出口、１５・・・カートリッジステ
ム、２３・・・圧力室、２５．２８・・・ガイドリング
、３１・・・導入口、Ｄ １ ｔ Ｄ ２・・・圧力室
内外径、’１ｓ１２・・・入口側及び出口側の閉止スト
ローク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 小径部の先端が閉塞した２段シリンダーに、これと逆方
   向に開いた有底筒形のカートリッジステムを嵌挿し、シ
   リンダー小径部とカートリッジステム筒状部に互に対向
   する水入口、浸入口、混合水出口を設け、シリンダーの
   大径部先端内面に増付けたガイドリングと、カートリッ
   ジステムに取付けたガイドリングにより大径部内に圧力
   室を形成し、上記圧力室とカートリッジステム内を連結
   した湯水混合水栓に於て、圧力室に導入されたカートリ
   ッジステム内の湯水圧によりカートリッジステムが閉止
   方向に移動する如く圧力室断面の寸法を定めると共に、
   全開時からの入口側閉止ストロークを出口側閉止ストロ
   ークより大きく定めたことを特徴とする湯水混合水栓の
   自動閉止装置。