JPS583799B2 - 廃棄物圧縮固化装置の運転方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は廃棄物の圧縮固化装置の運転方法に関する。

廃水処理汚泥や焼却灰、集塵ダクト等には、有害な重金
属類やシアン等が含まれる場合が多い。

これら廃棄物は、公害防止のため、無害化処理を行った
後、最終処分地で埋立て等に供される。

固化する際、圧縮力を加えて行うが、これは、固形化を
より完全にすると共に、バインダの量を節約する為であ
る。

圧縮固化する装置として、２つの手段が知られている。

ひとつは造粒機によるものである。

これは、一度の圧縮操作で、多数の粒塊を作り出す事が
できる。

しかし、粒塊は小さい。今ひとつは、油圧プレスによる
ものである。

これは、大きい塊状物を形成する事ができる。

無害化という点からいえば、重金属等を含む廃棄物を固
化する場合、大きい塊状物にする方が望ましい。

法的にも、粒塊の一辺が５ｃｍ以上であるよう規定され
ている。

しかし、逆に粒塊が大きすぎると、運搬に不便であり、
埋立てに不向きとなる。

すなわち、最終処分地で埋立てに用いた場合、空隙が多
く、埋立効率が悪い。

また凹凸が甚しいので、埋立地の利用が困難になる。

以上の理由で、固化物の大きさは、１辺が１０〜２０ｃ
ｍの範囲にするのが好ましい、と考えられる。

前記の造粒機によると、粒塊が小さくなりすぎ重金属類
の溶出する危険性がある。

そこで本発明は、油圧プレス法の応用にかかる圧縮固化
装置を採用し、その定量性に於て優れた新規な装置を与
え、特に圧縮固化時間はタイマーで規定し、また混練物
の不足をリミットスイッチによって検出することができ
るようにしてある。

以下実施例を示す図面によって説明する。

第１図は、本発明の実施例に係る廃棄物圧縮固化装置の
縦断正面図である。

１は横摺動筒で、この前方には、竪摺動筒４が交叉する
よう設けられる。

横摺動筒１の後部には、ホツパ５が連続する。

横摺動筒１の断面形状は、四角、円等任意であるが、こ
の例では四角形にしてある。

横摺動筒１の内部にはオス型枠２が内装され、油圧シリ
ンダ１０により水平に摺動する。

竪摺動筒４の中には、前型枠３が懸架され、油圧シリン
ダ１１により上下に往復運動する。

オス型枠２と前型枠３を一定の順序で往復運動させ、固
化物を形成するのであるバそれは以下のように行う。

まずホツパーより、廃棄物とバインダーとの混練物を供
給する。

オス型枠２を前進させ、これを圧縮固化する。

次に前型枠３をひき上け、オス型枠２を更に前進させて
、固化物を押出し、前方の穴部から落下させる。

ホッパ５の中に、容量調整板６をピン１７により上端を
枢着し、容量調整を行う。

ボルト７は、調整板６の背面に当接し、容量調整板６の
傾斜角を変ずる。

オス型枠２が、後退位置にあるとき、ストライカー１３
は、リミットスイッチＬＳ１に衝合している。

この時、オス型枠２の前端面は、容量調整板６の下端部
とほぼ同一の位置にあるよう工夫されている。

この為には、種々の手段が用いられる。

例えば、容量調整板６とリミットスイッチＬＳ１をロン
ド等で結合し、常に一体となって、前後進させるように
する。

オス型枠２は、リミットスイッチＬＳ１の端子をストラ
イカー１３により開閉するので、オス型枠２の停止位置
に於ける前端面は、容量調整板６と同一変位する。

或は、ボルト７をモーターにより駆動し、リミットスイ
ッチＬＳ１の前後進もモーターにより行うこととすれば
、別に容量制御装置を設けて、同一速度でリミットスイ
ッチＬＳ１と、容量調整板６とを動かす事ができる。

第３の方法は、リミットスイッチＬＳ１は固定しておき
、タイマーを用いるものである。

これはより洗練された方法に属する。

ストライカー１３がリミットスイッチＬＳ１に衝突した
後、Ｔ秒後にオス型枠２を停止するようにタイマーを設
ける。

このタイマーの遅延時間Ｔを、容量調整板６の変位に従
って増減するのである。

オス型枠の後退速度■は一定であるから、容量調整板６
の変位を１とし、 ｌ＝ｌｏ−Ｔｖ が成りたつよう遅延時間を与えればよい。

混練物Ｕは適度の流動性を有するから、ホツパ５と容量
調整板６の間を降下し、横摺動筒１の中ヘ入る。

そして、横摺動筒１の前型枠３と、オス型枠２により仕
切られた空間を充填する。

つまり、この空間Ａは計量空間をなす。

混練物Ｕは適当の流動性を呈し、又、粘度もあるから、
オス型枠２を前進させると、計量空間Ａにあった混練物
Ｕの殆んど全てが、圧縮固化される。

装置の外に計重装置を設けて混練物を計重するのに比し
て、工程を省略できる。

また重量ではなく、体積を測定するから、圧縮固化した
後の塊状物の寸法のバラツキが少ない、等の利点がある
。

次に、前型枠３を引上げ、固化物Ｓを、固化物受具１２
の上へ押し出す。

つづいて、前型枠３が降下し、固化物量は押し下げられ
ずり落ち、コンベヤ（図示せず）等で集められる。

第２図〜第４図は、圧縮固化工程を順に示すものである
。

リミットスイッチＬＳ１は、前述のように、オス型忰２
の後退停止位置を規定する。

またリミットスイッチＬＳ１は、容量調整板６と連動す
る等して、容量調整板６とオス型枠２の後退停止位置と
を常に対応させる。

リミットスイッチＬＳ３は、オス型枠２の前進停止位置
を規定する。

第４図に示すように、固化物Ｓを受具１２の上へ押し出
した際、オス型が最適位置に停止するようリミットスイ
ッチＬＳ３を取付ける。

リミットスイッチＬＳ２は、リミットスイッチＬＳ３の
後方にある。

これは、固化物Ｓ′が薄過ぎる事、すなわち、ホッパ５
内に混練物が不足している事を検出する。

油圧シリンダ１０は、タイマーによって一定時間τだけ
圧縮工程をするようにしてある。

混練物Ａが充分あれば、第３図に示すように、τ時間後
でもストライカーはＬＳ２に接触しない。

しかし、混練物が不足していると、オス型枠２は、異常
な速さで前進し、τ時間内に、ストライカーがＬＳ２に
衝接する（第５図）のである。

従ってリミットスイッチＬＳ２が閉じたというのは、固
化物Ｓ′が薄過ぎる事、混練物洪給の不足に等しい。

例えば、固化物Ｓ′の最小厚さを５ｃｍとすると、リミ
ットスイッチＬＳ２は、Ｓ′の厚さが５ｃｍになるよう
な位置に設定しておく。

ストライカー１３がリミットスイッチＬＳ２に衝突すれ
ば、オス型２は直ちに停止する。

この時、ホッパ５へ充分な混練物を補給し、オス型枠２
を後退させ、再び圧縮固化する。

こうして出来た固化物は、通常の場合より僅に厚くなっ
てしまうが、これはやむを得ない。

規定寸法以下の固化物の発生を検知すると、混練物を補
給して、圧縮のやり直しをするので、常に所定寸法の固
化物を作る事ができる。

第６図はタイマーとＬＳ２との関係の一例を示す回路図
である。

スタート条件があり、オス型枠２がＬＳ１を押すと、タ
イマーＴが閉じる。

前進用ソレノイド弁ＳＶＦも閉じてオス型枠は前進する
。

オス型枠がＬＳ２に触れることなくタイマーの時定数τ
だけ経過すると、タイマーＴ、リレーＲ１が開きＳＶＦ
も開く。

タイマーの定数τが過ぎるまえに、オス型枠のストライ
カーがＬＳ２を押すと、リレーＲ４が閉じ、ＳＶＦが開
き、逆に逆進用ソレノイド弁ＳＶＲが閉じる。

オス型枠は後退する。この回路図の他に様々な組合わせ
が可能であるのは勿論である。

本発明に係る廃棄物圧縮固化装置の運転方法は、最低寸
法に対応する位置に、検出用潟 ッチＬＳ２を設け、混練物量の不足を検出するようにし
たから、規定寸法以下の固化物ができる惧れはなく、常
に一定範囲の厚さの固化物を形成できる。

このように本発明は極めて有用である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例に係る廃棄物圧縮固化装置の縦
断正面図、第２図〜第５図は各工程を示す略断面図で、
第２図は送込み、第３図は圧縮固化、第４図は押出し、
第５図は混練物不足の場合の圧縮固化工程に夫々対応す
る。 第６図はタイマー、リミットスイッチの回路例図である
。 １は横摺動筒、２はオス型枠、３は前型枠、４は竪摺動
筒、５はホッパ、６は容量調整板、７は調整ボルト、１
０，１１は油圧シリンダ、１３はストライカー、ＬＳ１
，ＬＳ２，ＬＳ３はリミットスイッチ、Ｕは混練物、Ｓ
は固化物、Ａは計量空間。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 横摺動筒１の上方にホッパ５、前端に竪摺動筒４を
   連設し、横摺動筒１、竪摺動筒４の中には摺動自在にオ
   ス型枠２、前型伜３を夫々設け、ホツパ５から送入され
   た混練物Ｕをオス型枠２により圧縮固化し、前型枠３で
   固化物Ｓを排出するようにした圧縮固化装置に於て、オ
   ス型枠２の圧縮固化時間をタイマで規定し、かつ固化物
   Ｓが最低寸法以下に圧縮される時にリミットスイッチＬ
   Ｓ２がオス型枠２に取付けたストライカ−１３に衝接す
   るよう設け、タイマが作動中にリミットスイッチＬＳ２
   が作動することによりホツバ５内の混練物不足を検出す
   るよう構成した事を特徴とする廃棄物圧縮固化装置の運
   転方法。