JPS5837060B2 - カナガタチユウゾウキ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、それぞれ異なった種類の金型を備えた複数個
の鋳込装置に対して、注湯開始の時間的遅れと注湯量と
を制御しつ＼、各種の鋳物を併合して同時に鋳造するこ
とができるようにした金型鋳造機に関する。

鋳物の多量生産に対応するために、従来は、いわゆるマ
ルチタイプの鋳造装置が使用されていた。

このマルチタイプの鋳造装置は、同種の、あるいはきわ
めて限られた少ない種類の金型を備え、これらの金型に
よってはゾ同時に鋳造するようにしたものであるが、こ
のような従来の鋳造装置においては、すべての金型に対
して同一の冷却時間を設定せざるを得ないようにしてい
るため、多種類の鋳物を同時に鋳造するということには
限界があった。

一般に、鋳造時の冷却時間が短かすぎると、鋳物は未凝
固のま＼、あるいは溶融状態で取り出されること＼なり
、また、鋳造時の冷却時間が長すぎると、鋳物が金型の
壁面に張り付いて離型不能となったり、変形やかじりを
生じ、さらに亀裂が生じて破壊したりする。

したがって、互いに異なった重量や形状を有する鋳物を
鋳造する場合には、それぞれ互いに異なった冷却時間を
設定する必要があり、しかもそれぞれの冷却時間を、最
適な長さに精確に設定する必要がある。

このため、多種多量生産をする場合のように、互いに異
なった重量や形状を有する鋳物を鋳造するときには、前
述のようなマルチタイプの鋳造装置によっては鋳造不可
能で、従来は、非常に効率の悪い単体鋳造機を使用する
ほかなかった。

そこで本発明においては、それぞれ金型を備えた複数個
の鋳込装置を、順次注湯ステーション、冷却ステーショ
ンおよび金型開閉ステーションに沿って移動させ、その
過程で、各金型の種類に対応して、注湯開始の時間的遅
れと注湯量とを予め設定されたプログラムに従って指令
するプログラム指令装置を作動させ、このプログラム指
令装置からの指令に応動ずる自動注湯機により、各鋳込
？置に注湯するようにして、各鋳込装置に対して最適な
長さの冷却時間を互いに独立して設定することができる
と共に、多種少量生産も可能となり、しかも鋳造効率が
高く、金型保有数も最少限となり、多種類の金型の稼働
率がきわめて高い金型鋳造機を提供することを目的とす
るものである。

以下、図面により本発明の一実施例について説明すると
、基台１上には環状ターンテーブル２が周方向に回転自
在に支持されている。

この環状ターンテーブル２の内周面上にはエンドレスロ
ーラチェーン３が一様に張設されており、このエンドレ
スローラチェーン３には、基台１上に設置された油圧モ
ータ４のスプロケット５が噛み合っている。

したがって、油圧モータ４が駆動回転することにより、
環状ターンテーブル２が、スプロケット５およびエンド
レスローラチェーン３を介して、図の矢印ａの方向に回
転されるようになっている。

油圧モータ４は、一定の時間だけ回転した後、予め設定
された一定の時間だけ停止し、再び一定の時間だけ回転
するというように、いわゆるタクト回転をするように制
御されている。

環状ターンテーブル２上には、周方向に一定の間隔を置
いて、それぞれ金型７と補助トリベ８とを備えた複数個
の鋳造装置６が配設されている。

他方では、基台１上には、注湯ステーションＡ１冷却ス
テーションＢ，ＣおよびＤ１金型開閉ステーションＥが
、それぞれ互いに一定間隔を置いて設定されており、図
示の状態においては、注湯ステーションＡの位置には、
金型７１と補助トリベ８とを備えた鋳込装置６１が停止
し、また、各冷却ステーションＢ，Ｃ，Ｄの位置には、
それぞれ金型７２と補助トリベ８を備えた鋳込装置６、
金型７３と補助トリベ８３とを備えた鋳込装置６３、お
よび金型７４と補助トリベ８４とを備えた鋳込装置６４
が停止し、さらに、金型開閉ステーションＥの位置には
、金型７５と補助トリベ８，とを備えた鋳込装置６５が
停止している。

図６６％ Ｓ”’Ｃ／ｔま、各鋳込装置６〜６，は総括
的に鋳込装置６として示され、また各金型７〜Ｔ５は総
括的に金型７として示され、さらに各補助トリベ８１〜
８５は総括的に補助トリベ８として示されている。

注湯ステーションＡの位置に鋳込装置６が停止すると、
その金型７に対応した時間だけ遅延して？ら補助トリベ
８を通して注湯されるようになっている。

また、各冷却ステーションＢ，Ｃ，Ｄの位置に鋳込装置
６が停止している間は、各鋳込装置はそのま＼の状態で
冷却状態に置かれる。

さらに、金型開閉ステーションＥの位置に鋳込装置６が
停止すると、金型Ｔが開かれ、続いて鋳物が離型して鋳
物取り出し台１６上に取り出される。

そして、その後に続く注湯工程のために、金型７内に中
子が設定されてから、金型７が再び閉じられる。

各鋳込装置６は、矢印ａの方向に間歇的に回転しつＮ１
各ステーションの位置で、予め設定された時間だけ停止
する。

このような運動は、環状ターンテーブル２を回転駆動す
る油圧モータ４のタクト回転によって行われる。

注湯ステーションＡの外周部に近接した位置から各冷却
ステーションＢ，Ｃ，Ｄの外周部に近接した位置にわた
って弧状の走行レール９が配設されており、この走行レ
ール９には、注湯トリヘ１１、オートローダ１２、注湯
トリベ１１を支持する支持腕１３、および支持腕１３上
に設定されたストレーンゲージ１４を有する自動注湯機
１０が走行自在に吊下されている。

走行レール９の外周側で、注湯ステーションＡに最寄り
の位置には、溶湯保持炉１５が配設されており、自動注
湯機１０は、この溶湯保持炉１５から溶湯を汲み上げて
注湯トリベ１１に送り込むようになっている。

注湯トリベ１１に溶湯が送り込まれると、支持腕１３が
歪むので、この支持腕１３の歪みをストレーンゲージ１
４により検出し、その歪み量を測定することにより、注
湯トリベ１１内への溶湯の量を間接的に察知し、それを
自動的に調節するようになされている。

環状ターンテーブル２の外周壁面上には、各鋳込装置６
１〜６，にそれぞれ近接してリミットドッグ１７〜１７
５が互いに高さを違えて突設されている。

これらの互いに高さの異なる各リミットドツク１７、〜
１７，に接触して作動するように、固定壁面上には、互
いに高さの異なる複数個のリミットスイッチからなる一
連のリミットスイッチ群１８が設けられている。

リミットスイッチ群１８は高さ方向に直列状態で配列さ
れているため、図においては単一のリミットスイッチの
みしか図示されていない。

かくして、リミットドッグ１７１〜１７，のうちの１つ
がリミットスイッチ群１８のうちの１つと接触すること
により、対応する鋳込装置６が注湯ステーションＡの位
置にきたことを察知することができ、そのときのリミッ
トスイッチ群１８からの指令信号により、対応する鋳込
装置６に最適の遅延時間を置いて、すなわち、対応する
鋳込装置６が注湯ステーションＡの位置に到達した瞬間
からの予め設定された経過時間の後に、注湯トリベ１１
から、予め設定された量の溶湯を補助トリベ８に注入す
るようになっている。

そして、このような遅延時間と注湯量とは、それぞれの
鋳込装置６ごとに互いに独立して設定されている。

而して前記リミットドッグ１７１〜１７，およびリミッ
トスイッチ群１８は、各鋳込装置６の金型７の種類に対
応して、注湯開始の時間的遅れと注湯量とを予め設定さ
れたプログラムに従って指令する、本発明のプログラム
指令装置２０を構成している。

鋳込装置６のうち、冷却時間が特に短いものがあって、
注湯ステーションＡの位置で注湯することができない場
合には、自動注湯機１０のオートローダ１２を駆動して
、自動注湯機１０を走行レール９に沿って移動させ、図
の点線で示されるように、冷却ステーションＢ１また、
さらには冷却ステーションＣあるいはＤの位置で注湯す
ることができる。

以上のように構成されているので、油圧モータ４の駆動
回転に伴って環状ターンテーブル２が矢印ａの方向に回
転し、図示のようにリミットドツク１７、が、これと同
じ高さに設定されたリミットスイッチ群１８のうもＤ１
つのリミットスイッチに接触すると、鋳込装置６１は注
湯ステーションＡの位置で停止し、また鋳込装置６２，
６３および６４は、それぞれ冷却ステーションＢ，Ｃお
よびＤの位置で停止すると共に、鋳込装置６，は金型開
閉ステーションＥの位置で停止する。

このようにして各鋳込装置６は予め設定された時間だけ
停止しているが、この停止時間中に、鋳込装置６，の金
型７，が型開きされて、中の鋳物が、離型された後、鋳
物取り出し台１６上へ取り出される。

そして、中子を必要とする鋳物の場合には、再び金型７
５内に中子が設定されてから金型７５が閉じられ、次に
続く注湯工程のための準備がなされる。

これと同時に、 注湯ステーションＡにおいては、 ？込装置６、に注湯されるが、このときの注湯開始の時
間は、鋳込装置６が金型開閉ステーションＥに至って型
開きされる瞬間から逆算して、金型７１にとっての最適
冷却時間が、丁度注湯完了したときに等しくなるように
、予めプログラムとして設定されており、このプログラ
ムに従って、鋳込装置６が注湯ステーションＡの位置で
停止した瞬間から一定の遅延時間を置いた後に、自動注
湯機１０は、注湯トリベ１１から、補助トリベ８を介し
て金型７１内へ注湯する。

そして、このときの注湯量は、予めプログラムとして設
定されており、ストレーンゲージ１４により実際の注湯
量を自動的に読み取りつＳ１設定量だけ注湯するように
、自動注湯機１０は鋳込装置６、に対して注湯する。

前記の遅延時間と注湯量とは、それぞれ鋳込装置６ごと
に設定されており、すべての鋳込装置６に対して必ずし
も同一の遅延時間、同一の注湯量とはならない。

そして、これらの遅延時間および注湯量は、リミットス
イッチ群１８のうちのいずれか１つのリミットスイッチ
が作動されることによりプログラム制御される。

予め設定された停止時間が経過すると、再び油圧モータ
４が駆動回転しはじめ、それに伴なって各鋳込装置６は
それぞれ１つずつ次のステーションへ移動する。

以上のように本発明によれば、それぞれ金型を備えた複
数個の鋳込装置を設け、これらの各鋳込装置を順次注湯
ステーション、冷却ステーションおよび金型開閉ステー
ションにおいて予め設定された時間間隔で停止させつＳ
移動するように構成したので、各鋳込装置に対して最適
な長さの冷却時間を互いに独立して設定することができ
ると共に、鋳造効率が高く、金型保有数も最少限となり
、多種類の金型の稼働率もきわめて高いものとなる。

また、各鋳込装置の金型の種類に対応して注湯開始の時
間的遅れと注湯量とを、予め設定されたプログラムに従
って指令するプログラム指令装置と、このプログラム指
令装置からの指令に応動して、注湯開始の時間的遅れと
注湯量とを制御しつ＼各鋳込装置に注湯する自動注湯機
とを設けたので、多種少量生産が可能となり、しかも多
種少量生産においても少種多量生産の場合における鋳造
効率と同程度の高い鋳造効率を得ることができる。

そして、各鋳造装置に対して最適な長さの冷却時間を互
いに独立して、各鋳込装置ごとに設定することができる
ので、金型の交換を随時行なうことができ、多種類の金
型の稼働率をきわめて高く保つことができる。

なお、図示の実施例においては、環状ターンテーブル２
、エンドレスローラチェーン３、油圧モータ４、および
スプロケット５は互いに協働して移動装置を構成してい
る。

【図面の簡単な説明】

図は、本発明の一実施例を示す平面概略図である。 ２，３，４．５は移動装置、６は鋳込装置、７は金型、
１０は自動注湯機、２０はプログラム指令装置、Ａは注
湯ステーション、Ｂ，Ｃ，Ｄは冷却ステーション、Ｅは
金型開閉ステーションである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ それぞれ金型７を備えた複数個の鋳込装置６と；こ
   れらの各鋳込装置６を順次注湯ステーションＡ１冷却ス
   テーションＢ−Ｄおよび金型開閉ステーションＥにおい
   て予め設定された時間間隔で停止させつつ移動するため
   の移動装置２〜５と；前記各鋳込装置６の金型７の種類
   に対応して、注湯開始の時間的遅れと注湯量とを、予め
   設定されたプログラムに従って指令するプログラム指令
   装置２０と；前記注湯ステーションＡおよび各冷却ステ
   ーションＢ−Ｄに沿って配設された走行レール９と；こ
   の走行レール９に誘導されて自動的に走行することがで
   き、前記プログラム指令装置２０からの指令に応動して
   、注湯開始の時間的遅れと注湯量とを制御しつつ前記各
   鋳込装置６に注湯する自動注湯機１０と；よりなる金型
   鋳造機。