JPS5834272Y2 - 内燃機関の調速装置の駆動力軽減装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はＶ形内燃機関に釦いて、燃料噴射バルブを連動
させるラック（調整桿）力咄重により、一方向にのみ移
動勝手な力を、釣合い重錘により相殺して調速装置の、
駆動力を燃料の増減に敏感に働かせる伝導装置部に関す
る。

Ｖ形内燃機関においては、各シリンダーを傾斜させて、
二列に配置し、これに伴なって、シリンダーヘッド、弁
腕室、燃料噴射ポンプ等の付随する装置も傾斜して配置
されている。

例えば、第２図に示す如く、Ｖ形の角度が４ｆの内燃機
関では、左右夫々のシリンダーが２２．ｅづつ傾斜して
いる。

燃料噴射ポンプも傾斜しているから燃料噴射バルブに連
動するラック９も傾斜して常時Ａ方向に力が働いている
。

燃料噴射ポンプはラックがＡ方向に働けば、燃料は減じ
、Ａの逆方向では燃料が増力口する。

従ってＶ形内燃機関では燃料減には僅かの力でよく回転
が減少するが、反対に燃料増の方向には重力に抗するか
ら多くの駆動力を必要とし、回転増にはなかなか反応し
ない。

しかし調速装置のリンク機構が外れたような場合にも定
格回転数を超さぬよう引き戻しバネが用いられているか
ら、上記重力の点と相俟って回転域にするには殆んど力
を必要とせず、回転増には大きな力を必要とする。

第３図は当社の１２Ｚ形デイ一ゼル機関の１駆動力計測
結果のグラフであるが、増方向には１７ｋｇの、駆動力
を必要とするのに、減方向には殆んどＯｋｇで反応する
ように１駆動力にアンバランスがある。

そこで釣合い重錘を取付けて駆動力を計測したところ、
１２個の場合増方向に８ｋｇ、減方向に６ｋｇとはｊマ
平均した力で増方向或いは減力向への駆動ができる結果
であった。

捷た、引戻しバネなしの場合も同傾行の結果であった。

このことから、釣合い重錘なしの場合、増方向に駆動さ
せるには、１７ｋｇの力を必要としたものが釣合い重錘
で釣合せた場合８ｋｇの力で駆動し、約１／２以下しか
必要としなくなった。

この事から、釣合い重錘は駆動力に顕著な効果があるこ
とが認められる。

次に本考案の実施例を第１図に従って説明する。

燃料噴射ポンプ５に内蔵されたバルブはラック９に連動
し、ラック９は調速伝導軸１１にアーム１０を介して接
続する。

燃料噴射ポンプ５は手前に傾斜しているから、ラック９
はＡ方向に移動し易く、また更に引戻しバネ１２により
引張られた状態である。

本考案の特徴は、調速伝導軸１１に固定具１４によりネ
ジ部１５をは！水平に固定し、釣合い重錘１６を取付け
る。

釣合い重錘１６は微動調節可能とし、ランク９０Ａ方向
への力を相殺する。

これによって、ラック９は増方向或いは減方向に僅かな
力によって移動することができる。

以上詳細説明したように、本考案は、■形内燃機関にあ
−いて、ラックが自重により外方向に移動勝手になる力
を釣合い重錘により相殺して、ラックの増或いは減の方
向に移動させる力を平均化させることを特徴とする内燃
機関の調速装置の駆動力軽減装置であるから、調速装置
の僅かの駆動力の変化が敏感に伝達されるので燃料の噴
射の増減が迅速に行われる。

また、小さい駆動力により燃料噴射ポンプを作動するこ
とができるから調速装置の容量の小さいものを装備させ
ることが可能となり、価格を低減することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の釣合い重錘取付斜視図、第２図
はＶ形内燃゛機関の正面断面図、第３図は駆動力計測結
果のグラフ。 １・・・シリンダー、２・・・ピストン、３・・・シリ
ンダーヘッド、４・・・弁腕室、５・・・燃料噴射ポン
プ、６・・・連接棒、７・・−クランク軸、８・・・ク
ランクケース、９・・・ラック、１０・・・アーム、１
１・・・調速伝導軸、１２・・・引戻しバネ、１４・・
・固定具、１５・・・ネジ部、１６・・・釣合い重錘、
１γ・・・微調節ナツト、グラフの枠内数字は、釣合い
重錘個数。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 調速装置を装備したＶ形内燃機関にむいて、各シリンダ
   ーの傾斜に伴ないラックが自重により外方向に移動勝手
   になる力を相殺する釣合い重錘を調速伝導軸に働くよう
   に設け、燃料の増減を行うラックを増或いは減の方向に
   移動させる力を平均化させることを特徴とする内燃機関
   の調速装置の駆動力軽減装置。