JPS5833822Y2 - 超音波霧化装置の圧電振動子駆動回路 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、超音波振動子として圧電振動子を用いた場合
における超音波霧化装置の圧電振動子駆動回路の改良に
係るものである。

超音波霧化装置は、霧化液下部に取付けられた圧電振動
子を発振回路によって駆動し、超音波を液面上に向けて
放射することにより、液体を微粒子状に霧化させるもの
である。

ここで、圧電振動子より放射された超音波は液面に噴水
状の水柱を形成するが、振動子駆動用発振回路が動作を
開始する時液面は水平であり、振動子から放射された最
初の超音波は水平な液面で全反射されて圧電振動子を逆
に励振する。

この動作開始の瞬間に発生する反射超音波による振動子
励振現象は振動子に言わゆる大きな突入電流を発生させ
るため、振動子の寿命を劣化させる原因となり得るもの
である。

そして、一旦液面に水柱が形成され霧化動作が始まると
、超音波エネルギーは霧化エネルギーとして消費される
とともに水面が波打つため液面反射は乱反射となり、エ
ネルギーが分散するため振動子に大きな影響を与えるこ
とはない。

本考案はこのような動作開始時における圧電振動子の突
入電流を低減するための圧電振動子駆動回路を提供する
ものである。

従来における超音波霧化装置の圧電振動子駆動回路を第
１図に示している。

この第１図の従来例は圧電振動子を発振子として利用し
たコルピッツ形の自励発振回路である。

第１図において、１は電源端子、２は電源スィッチ、３
は整流ブリッジ回路、４は平滑用コンデンサ、５〜７は
バイアス抵抗、８は空だき防止用のフロートスイッチ、
９は霧化量調整用ボリューム、１０〜１２は発振用コン
テ゛ンサ、１３は圧電振動子、１４はチョークコイル、
１５はパワートランジスタである。

この従来回路ではスイッチ２とフロートスイッチ８の両
者がＯＮした瞬間からバイアス抵抗５〜７を通じて定常
のバイアス電流が供給され、定常の発振を開始しようと
する。

しかし、動作開始の瞬間、振動子１３に流れる電流は上
述の反射超音波による振動子励振現象の電流が定常電流
に加わるため、第３図ａに振動子電流の時間的変化を示
すように大きな突入電流となってしまうものであった。

本考案はこのような従来回路のもつ問題点を除去すべく
創案されたものであり、以下その一実施例について第２
図とともに上記と同一個所には同一番号を付して説明す
る。

第２図で１６はトランジスタ１５のベースバイアス回路
の途中にアノードを接続したダイオードであり、１７は
この夕゛イオードのカソードとアースとの間に接続した
大容量のコンテ゛ンサである。

また、１８はコンデンサ１７に並列に接続した抵抗であ
る。

今、電源スィッチ２とフロートスイッチ８の両者がＯＮ
ｊだ瞬間、電源ラインよりバイアス回路（抵抗５〜７お
よびボリューム９を通じてトランジスタ１５のベースに
至る回路）に流れ込む電流はダイオード１６を通じてコ
ンテ゛ンサ１７の充電電流となるため、抵抗６を通じて
トランジスタ１５側にはあまり流れない。

そして、コンテ゛ンサ１７が充電されるにしたがいトラ
ンジスタ１５側に流れる電流が徐々に多くなり、コンテ
゛ンサ１７の充電が完了した定常状態にはほとんど全て
トランジスタ１５側に流れ、第１図の従来回路と同一の
動作をする。

このように本考案による圧電振動子駆動回路はスイッチ
２，８をＯＮした瞬間、トランジスタ１５のベースバイ
アス電流は一気に定常電流にはならず、徐々に増加して
行くため発振パワーも徐々に増加し、振動子１３に流れ
る電流も第３図すに示すように徐々に増加し、言わゆる
スロースタート回路となる。

この起動時の立上り時間を長くすることにより、起動の
瞬間に反射超音波による振動子励振現象の電流が流れて
も発振パワーがまだ小さいため、振動子電流は大きくな
らず突入電流を抑えることができる。

第２図で上記ダイオード１６はコンデンサ１７の放電経
路を充電経路と分離し、放電時間と充電時間（起動立上
り時間）を別々にコントロールするためのものである。

また、抵抗１８はスイッチＯＦＦ時にコンテ゛ンサ１７
を放電させるためのものであり、充電時間より放電時間
が長くなるように設定される。

以上のように本考案に係る駆動回路を用いれば起動時に
振動子電流が徐々に増加するため、突入電流を小さくす
ることができ、大きな突入電流により振動子を劣化させ
寿命を損なうといったことはなくなるものである。

なお、第３図の振動子電流が間欠的となっているのは、
第１図および第２図の駆動回路とも電源整流回路の平滑
を充分行っていないためで、電源電圧の平滑化を図れば
連続電流となるのはもちろんである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来における超音波霧化装置の圧電振動子駆動
回路の電気的回路図、第２図は本考案に係る超音波霧化
装置の圧電振動子駆動回路の一実施例を示す電気的回路
図、第３図ａ、ｌ）は従来回路および本考案回路におい
て圧電振動子に流れる電流の起動時における時間的変化
を示す説明図である。 ５．６．７・・・・・・バイアス経路の抵抗、１３・・
・・・・圧電振動子、１５・・・・・・トランジスタ、
１６・・・・・・ダイオード、１７・・・・・・大容量
コンデンサ、１８・・・・・・抵抗。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電源より抵抗を通じてトランジスタにバイアス電流を供
   給するバイアス経路の途中のアースとの間にダイオード
   と大容量コンデンサを直列に接続するとともに上記コン
   デンサと並列に抵抗を接続し、超音波振動子として圧電
   振動子を用いたことを特徴とする超音波霧化装置の圧電
   振動子駆動回路。