JPS5833598Y2 - 放射性廃液の排出処理装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は放射性廃液、特に固形分を含んだ放射性廃液を
貯蔵タンクから排出処理する装置に関する。

原子力発電所の廃液ホールドアツプタンクは、−次冷却
系の種々の異物を含んだ放射性廃液が集められ、定期的
に清掃されるがタンク底部に放射性物質が沈積し放射線
量が高くなるため作業員による作業が危険であり、日数
を要する欠点がある。

第１図は、従来の放射性廃液を貯蔵するタンク及ヒその
関連装置を示したものである。

図において、０１は１次冷却系に連絡したタンク、０２
はタンク０１に連通した排出管、０３はポンプ、０４は
濾過器である。

図において排出管０２を通してタンク０１内の廃液０６
を異物を除去しながら排出するが、水位変化に対応する
適当な攪拌手段がないため底部に沈積した金属性の異物
０７が排除されない欠点があった。

このためある獣間放置し、放射線量が低下した頃を見は
からっである程度放射線が残留した状態で人間がタンク
０１内に入り、異物０７をかき集めたり、めぐり取つこ
りするが作業員の放射線被曝量が過大になるのを防止す
るため、多数の作業員を要し、ひいては多大の時間と費
用を費やすという不具合を招来していた。

又、異物０７を除去するため布片や別の洗浄水を使用す
ると、処理が困難な放射性廃棄物が更に増大するという
不具合もあった。

本考案は、前記した従来のものの欠点に鑑みなされたも
ので、放射性廃棄物の量を増大せず作業員の放射線被曝
量の増大を防止しつつ沈積しやすい固形異物を含んだ放
射性廃液をすみやかに排出処理する装置を提供すること
を目的とする。

以下本考案を図示の実施例に基づいて説明する。

第２図において、廃液を集めて貯蔵するタンク（ホール
ドアンプタンク）１には、図示しない原子炉の１次冷却
系の廃液を集める注水管２に連通し、タンク１は建屋の
床３に架台４を介して支持されている。

タンク１の内部に突設されたノズル６は、外殻等の適所
に設けられた軸受７を介して支持される（第３図参照）
と共に、タンク１の底部に開口した循環管８に図示しな
い回転接手を介して連絡している。

ノズル６には、半径方向に開口した噴出孔９が複数適所
に配設されているが、図面を簡潔にするため第３図には
２個のみを示す。

循環管８には、ポンプ１１及び弁１２が図の如く設けら
れ、ポンプ１１と弁１２０間の循環管８に接続した分岐
管１４は固液分離器すなわちサイクロン１５に連結し、
濾過器すなわちフィルタ１７はサイクロン１５の排液孔
に連結している。

フィルタ１７の出口は分岐し、一方は戻り管１９を経由
してタンク１に連結し、他方は弁２１を具備した排出管
２２を介して図示しない液体処理装置等に連絡している
。

２４及び２５は１分岐管１４及び戻り管１９に夫々設け
られた弁であり、又ノズル６のタンク１の外に設けられ
たハンドル２６は、往復駆動装置すなわち油圧シリンダ
２７のピストンに連結リンク２９に連接されている。

サイクロン１５、フィルタ１７け放射線遮蔽壁３１に囲
まれた室内に設置され、分岐管１４及び戻り管１９は遮
蔽壁３１を貫ぬいている。

前記した構成を有する本実施例において、注水管２から
入る固形異物を含んだ放射性廃液３３がタンク１内に所
定量たするまで弁１２，２１゜２４．２５は閉じられて
いる。

廃液３３が所定量た１つた抜弁１２，２４゜２５が開け
られる。

弁２１は閉じたままである。弁１２，２４０開度は、噴
出孔９より噴出される液体の量及び速度が所定値になる
ようにタンク１の大きさ、廃液３３の量、ポンプ１１の
吐出性能等を考慮して調節される。

ポンプ１１を駆動すると、タンク１内の廃液３３がポン
プ１１に吸込まれ弁１２を通ってノズル６に至り、噴出
孔９から第２図の矢印に示されるようにタンク１内に噴
出される。

噴出された廃液は、タンク１の底部に至り或いは廃液３
３に局所流を起してタンク１の底部に沈積した異物を再
浮上させ廃液３３内に拡散される。

ポンプ１１ｒＫ、吸込１れ吐出された廃液の一部は、分
岐管１４を流れてサイクロン１５に至りここで粗大異物
が分離される。

微細異物を含んだ廃液は更にフィルタ１７に送られて、
ここで微細異物が除去された廃液は戻り管１９を介して
タンク１に戻される。

前記サイクル運転を廃液内異物がある程度なくなる迄続
けるが、その間油圧シリンダ２７に作動油を給排し、連
結リンク２９．ノ・ンドル２６を介して第４図に示す回
動角αの範囲でノズル６を回動させ、廃液がタンク１の
内部全域に向って噴出され沈積した異物を十分浮上拡散
させる。

しかる後、弁２５を閉じ、弁２１を開はフィルタ１７を
出た廃液を排出管２２を経由して液体処理装置へ導き、
通常の処理を行なう。

前記した構成及び作用を有する本実施例によれば、廃液
自体をノズル６に戻してタンク１内に噴出させて沈積し
た異物を浮上拡散させるので、放射性廃棄物（固体、液
体）の量を増大させることなくかつ作業員が放射線被曝
を受けることなく、タンク１内の廃液をすみやかに排出
させ、その内部を清掃することができる。

更に戻り管１９かも固形異物が除去された廃液をタンク
１に戻すので、タンク１内の水位がそれ程度化せず、か
つノズル６からの噴出廃液量を十分確保しえて前記浮上
拡散を促進することができる。

以上、実施例について説明したが、本考案によればタン
ク内に貯蔵された廃液自体をタンク内に噴出させて沈積
異物を廃液内に浮上拡散すると共に異物が除去された廃
液をタンク内に戻して常に十分な噴出廃液量が確保され
るので、放射線廃棄物の量を増大させることなく固形異
物を含んだ放射性廃物をタンクからすみやかに排出、清
掃することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来装置の系統説明図、第２図は本考案の実施
例を示す系統説明図、第３図は第２図の部分拡大図、第
４図は前記実施例の作動説明図である。 １・・・・・・タンク、２・・・・・・注水管、３・・
・・・・床、４・・・・・・架台、６・・・・・ノズル
、７・・・・・・軸受、８・・・・・・循環管、９・・
・・・・噴出孔、１１・・−・・・ポンプ、１２・・・
・・・弁、１４・・・・・・分岐管、１５・・・・・・
サイクロン、１７・・・・・・フィルタ、１９・・・・
・・戻り管、２１・・−・−弁、２２・・・・・・排出
管、２４，２５・・・・・・弁、２６・・−・・ハンド
ル、２７・・−・・・油上シリンダ、２９・・・・・・
連結リング、３３・・・・・・廃液。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 廃液貯蔵タンク、同タンク内に突設された回動自在の液
   体噴射ノズル、前記タンクの底部に開口し前記ノズルに
   連通した循環管、同循環管のポンプ吐出側に連絡した固
   液分離器、同固液分離器の排液孔に連絡した濾過器及び
   同濾過器と前記タンクとを連絡した戻り配管を有してな
   ることを特徴とする放射性廃液の排出処理装置。