JP3001638U - ドラム形除じん機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 スクリーンの流水通過面積の増大、上流側水
位の異常上昇の防止、除じん効率の向上を図る。 【構成】 略多角筒又は円筒状に枠組みされたドラムフ
レーム１５の外周に、ネット状のスクリーン体２２を軸
線と直交する面内における断面形状が複数の山形、半円
形又は台形が連続するように外向突状に設けたドラム形
スクリーン１を、その下流側を閉塞した状態で水路２に
設けたピット４等にその軸線が流水方向と平行でかつ開
口が上流側になるように回転自在に配設し、該スクリー
ン１内上部にじん芥受搬出トラフ３１をスクリーン軸線
と平行に設け、前記スクリーン１の上方に洗浄水管３０
を設け、前記スクリーン１を駆動手段２５により回転さ
せ、上流水を開口からスクリーン１内に導入し各スクリ
ーン体２２から放射方向外方に導出し流下させ、各スク
リーン体２２に捕捉したじん芥を前記トラフ３１に落下
させて回収するようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、道路融雪用水路、ダムへの流入河川、農業用水路、養魚場水路、小 規模下水流入口などの水路等に幅広く使用されるドラム形除じん機に関するもの である。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種除じん機としては、胴部にネット状スクリーンが張設されたすり 鉢形除じんドラムが、その軸線が流水方向と平行でかつ開口が上流側に位置する ように、水路等に回転可能に支持され、駆動モータにより回転せられるようにし たものが知られている（実開昭６０−１４８３３１号公報参照）。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、上記従来技術では、ネット状スクリーンの流水通過面積が小さく、 上流側水位が大幅に高くなり、しかも除じん効率が悪いという問題がある。 本考案は、上述のような実状に着目してなされたもので、その目的とするとこ ろは、スクリーンの流水通過面積を可及的に大きくし、上流側水位の上昇を少な くして、除じん効率を高めうるドラム形除じん機を提供するにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案では、上記目的を達成するために、次の技術的手段を講じた。 即ち、本考案は、略多角筒又は円筒状に枠組みされたドラムフレームの外周に 、スクリーン体を軸線と直交する面内における断面形状が複数の山形、半円形又 は台形が連続するように外向突状に設けたドラム形スクリーンを、水路等にその 軸線が流水方向と平行でかつ開口が上流側になるように回転自在に配設し、該ス クリーン内上部にじん芥受搬出トラフをスクリーン軸線と平行に設け、前記スク リーンの上方に洗浄水管を設け、前記スクリーンを駆動手段により回転させ、上 流水を開口からスクリーン内に導入し、各スクリーン体から放射方向外方に導出 し流下させ、各スクリーン体に捕捉したじん芥を前記トラフに落下させて回収す るようにしたことを特徴としている。

【０００５】 また、本考案は、前記スクリーンの下流側を閉塞板により閉鎖し、これに保安 用通水開口を設け、該開口にフラップゲートを設けたことを特徴としている。 さらに、本考案は、前記ドラムスクリーンが複数のローラを介して回転自在に 水路等の構築体に支持されていることを特徴としている。

【０００６】

【作用】

本考案によれば、ドラムフレームに対して、スクリーン体が外向膨出状に形成 されているので、流水通過面積が大幅に増加し、じん芥を捕捉しても流水を十分 に流過させることができ、したがって、上流側水位の大幅な上昇を避けることが でき、除じんが円滑となり、効率が向上する。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づき説明する。 図面において、１は除じん機スクリーンで、上流側水路２と下流側水路３の間 に設けたピット４内に、流水方向と平行な水平軸線回りに回転可能に設置されて いる。そして、前記上流側水路２と下流側水路３は、バイパス管５により連通さ れ、該バイパス管５の入口と出口には角落し（木材製）６，７が開閉可能に設け られている。

【０００８】 前記上流側水路２のバイパス管５入口下流側に、通水口８を備えた隔壁９が設 けられ、該通水口８の側壁９Ａには角落し用戸溝１０が凹設され、メンテナンス 時に図外の木材製角落しにより締切ってピット４内をドライにすることができる ようにしてある。

【０００９】 前記ピット４の上流側壁４Ａには、通水口１１が設けられ、その下流側壁面に 除じん機支持リング１２Ａ，１２Ｂが取付けられている。また、ピット４の下流 側壁４Ｂには、下流側水路３に通じる通水開口１３が設けられ、該開口側壁面に 角落し用戸溝１４が設けられており、メンテナンス時に図外の木材製角落しによ り締切ってピット４内に下流側の水が流入しないようにして、ピット４内を完全 にドライにできるようにしてある。

【００１０】 本考案に係わる除じん機のスクリーン１はドラム形で、そのドラムフレーム１ ５が略多角筒状（１０角）に縦・横枠材により枠組みされ、軸方向両端には回転 リング１６，１７が同心状に固着されており、該回転リング１６には図４に示す ように、内周端縁近傍の両外側面に、少なくとも夫々３個の支持ローラ１８，１ ９が軸２０，２１を介して同心円上に回転自在に取付けられ、各支持ローラ１８ ，１９が前記支持リング１２Ａ，１２Ｂの外周面上を転動し支持されるようにな っている。

【００１１】 また、ドラムフレーム１５には、その外周にネット状スクリーン体２２が図３ に示すように、軸線と直交する面内における断面形状が、複数の山形が連続して 略丸鋸刃状になるように外向突状に設けられており、スクリーン体２２の流水通 過面積が、スクリーン体を円筒状に張設した場合の約１．４倍となっている。な お、スクリーン体２２は、図５，図６に示すように、断面形状を台形又は半円形 が連続するように外向突状に設けることができる。

【００１２】 下流側の回転リング１７の外側面には、無端状チェンラック２３が取付リング ２４を介して回転リング１７と同心円状に取付けられており、該ラック２３に前 記支持リング１２Ｂ上に設置された減速機付駆動モータ２５の出力軸に固着され ている駆動ピニオン２６が噛合している。なお、前記ラック２３はチェンを利用 しているがリングギヤを使用してもよい。

【００１３】 また、前記支持ローラ１８，１９は、支持リング１２Ａ，１２Ｂの外周に取付 け、前記取付リング２４の内周面及び取付リング２４と同じリングを回転リング １６の外側面に固着してその内周面を支持することができる。 そして、前記支持リング１２Ｂの下流側端面には、閉塞板２７を設けて前記回 転リング１７の開口を閉塞して、流水がスクリーン体２２を通過して放射方向外 方に流出し、下流側水路３へと流れるようにしてある。

【００１４】 前記閉塞板２７には、保安用通水開口２８が設けられ、該開口２８がウエイト 付フラップゲート２９により開閉可能とされ、スクリーン１内の水圧力が所定設 計値以上に上昇すると、前記フラップゲート２９が開いてスクリーン１内の水を 開口２８から下流に流し、スクリーン１が破損しないようにしてある。

【００１５】 前記スクリーン１の上部には、これと平行に洗浄水管３０が配設され、ピット ４内のスクリーン１を通った水をポンプ（図示省略）により汲み上げて、スクリ ーン１の上方から散水して、スクリーン体２２に付着したじん芥を落下させるよ うにしてある。また、スクリーン１内上部には、じん芥受搬出トラフ３１がスク リーン１の軸線と平行に設けられ、各スクリーン体２２から落下するじん芥及び 洗浄水を受けてスクリーン１外に搬出するようになっている。

【００１６】 ３２はじん芥搬送トラフで、一端が前記トラフ３１の外端直下に位置するよう に前記トラフ３１と直交状に設けられ、他端が上流側水路２の側方に設けたじん 芥受ピット３３内のじん芥回収かご３４の直上に位置している。なお、３５は前 記ピット４のカバーである。

【００１７】 上記実施例において、上流側水路２の水は、バイパス管５の入口及び出口が常 時角落し６，７により閉塞されているので、通水口８，１１を通ってスクリーン １内に流入し、回転中のスクリーン体２２を通過してピット４内に出た後、通水 口１３から下流側水路３へと流下する。このとき、流水中のじん芥はスクリーン 体２２により捕捉され、スクリーン１の回転によって上方に持ち上げられた後、 前記トラフ３１内に落下し、トラフ３２からじん芥回収かご３４内に回収される 。

【００１８】 そして、スクリーン体２２は、洗浄水管３０から散水される洗浄水によりクリ ーニングされる。万一、スクリーン１内の水圧が上昇し、所定圧力以上になると 、フラップゲート２９が自動的に開いて、スクリーン１内の水が通水開口２８を 通って流下し、スクリーン１が保護されている。スクリーン１内の水圧が所定値 以下になると、フラップゲート２９が自動的に閉じて、スクリーン１内の水はス クリーン体２２を通って流出する。

【００１９】 そこで、スクリーン１のメンテナンス、ピット４内清掃を行なう場合は、角落 し６，７を除いてバイパス管５を開路し、通水口１１，１３の角落し溝１０，１ ４に、木材製角落し（図示省略）を挿入して通水口１１，１３を閉鎖した後、ピ ット４内の水を排出して空にする。そして、メンテナンス或いはピット４内の清 掃が完了すれば、角落しを除去して通水口１１，１３を開き、除じん作業を開始 すると共に、バイパス管５を角落し６，７により閉塞する。

【００２０】 本考案は、上記実施例に限定されるものではなく、例えば、角落し６，７及び 角落し戸溝１０，１４に設ける図外の角落しに代えて、スライドゲート等を設け ることができ、適宜設計変更することができ、沢からのダム貯水池入口に設けて 木の葉等の回収を行ない、或いはダム放流水出口にも設けることができる。

【００２１】

【考案の効果】

本考案は、上述のように、略多角筒又は円筒状に枠組みされたドラムフレーム の外周に、スクリーン体を軸線と直交する面内における断面形状が複数の山形、 半円形又は台形が連続するように外向突状に設けたドラム形スクリーンを、水路 等にその軸線が流水方向と平行でかつ開口が上流側になるように回転自在に配設 し、該スクリーン内上部にじん芥搬出トラフをスクリーン軸線と平行に設け、前 記スクリーンの上方に洗浄水管を設け、前記スクリーンを駆動手段により回転さ せ、上流水を開口からスクリーン内に導入し各スクリーン体から放射方向外方に 導出し流下させ、各スクリーン体に捕捉したじん芥を前記トラフに落下させて回 収するようにしたことを特徴とするものであるから、スクリーンの流水通過面積 を可及的に増大させることができ、上流側水位の上昇を少なくして、除じん作業 を効率的に行なうことができる。

【００２２】 また、本考案は、前記スクリーンの下流側を閉塞板により閉鎖しこれに保安用 通水開口を設け、該開口をフラップゲートにより開閉可能にしたことを特徴とす るものであるから、スクリーン内の水圧が上昇すると自動的にフラップゲートが 開いて、スクリーンの破損を防止でき、除じん機の保護を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す縦断側面図である。

【図２】同実施例の一部破断平面図である。

【図３】図１のＡ−Ａ線断面図である。

【図４】スクリーンの要部拡大断面図である。

【図５】同実施例におけるスクリーン体の他の形状例を
示す断面図である。

【図６】同スクリーン体のさらに他の形状例を示す断面
図である。

【符号の説明】

１ スクリーン ２ 上流側水路 ３ 下流側水路 ４ ピット ８ 通水口 １１ 通水口 １３ 通水口 １５ ドラムフレーム １６ 回転リング １７ 回転リング ２２ スクリーン体 ２５ 駆動手段（モータ） ２７ 閉塞板 ２８ 保安用通水開口 ２９ フラップゲート ３０ 洗浄水管 ３１ じん芥受搬出トラフ

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 略多角筒又は円筒状に枠組みされたドラ
   ムフレームの外周に、スクリーン体を軸線と直交する面
   内における断面形状が複数の山形、半円形又は台形が連
   続するように外向突状に設けたドラム形スクリーンを、
   水路等にその軸線が流水方向と平行でかつ開口が上流側
   になるように回転自在に配設し、該スクリーン内上部に
   じん芥受搬出トラフをスクリーン軸線と平行に設け、前
   記スクリーンの上方に洗浄水管を設け、前記スクリーン
   を駆動手段により回転させ、上流水を開口からスクリー
   ン内に導入し、各スクリーン体から放射方向外方に導出
   し流下させ、各スクリーン体に捕捉したじん芥を前記ト
   ラフに落下させて回収するようにしたことを特徴とする
   ドラム形除じん機。
2. 【請求項２】 前記スクリーンの下流側を閉塞板により
   閉鎖しこれに保安用通水開口を設け、該開口をフラット
   ゲート等により開閉可能にしたことを特徴とする請求項
   １のドラム形除じん機。
3. 【請求項３】 前記ドラムスクリーンが複数のローラを
   介して回転自在に水路等の構築体に支持されていること
   を特徴とする請求項１又は２のドラム形除じん機。