JPS583275Y2 - 電気炉ライニングの異常検出装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は電気炉ライニングの異常検出装置に関するも
のである。

電気炉における溶湯を収容する容器は、天然シ１力また
はマグネシア等の高耐火性材料からなるライニングによ
り構成されているが、長期間使用した場合、ライニング
部内壁が溶湯の対流等の影響により溶損するか、または
膨張、収縮の繰返しにより材料が疲労して湯差しく亀裂
）を生ずる危険があり、このような異状状態を放置して
使用すれば電気炉を破損する結果となる。

従来、このような溶損または湯差し等によるライニング
の異常状態を検知するには、第１図に示すように電気炉
Ｆの最外周壁、すなわちライニング土の外側を包囲する
炉殻Ｓの表面における特定の数個所乃至１０数個所に熱
電対Ｔの先端部を固定部材Ｋにより固定し、これらの特
定個所の温度を熱電対温度計Ｍにより、夫々切換スイッ
チを切換えて測定するか、または監視員が可搬形接触式
表面温度計の感温部を炉殻Ｓの表面上の多数の測定個所
に個別に当接して温度測定を行なっている。

このうち、前者の熱電対による場合は、測温個所が比較
的少数の感温部付設点に限定され、広範囲な電気炉表面
を監視することができないという欠点がある。

さらに、後者の接触表面温度計による場合は、監視員が
広範囲な電気炉表面を短い時間間隔で監視する必要があ
り、温度作業が極めて煩雑であると共に監視に要する人
件費が著しく嵩むという欠点があった。

そこで、本考案者等は鋭意研究並びに工夫を重ねた結果
、ライニングの内層部に抵抗式温度測定計器の線状また
は帯状の複数の感温素子を縦方向及び横方向に格子状に
交差して埋設し、夫々の感温素子の両端部を抵抗式温度
測定計器の接続端子に接続することにより、電気炉ライ
ニングの全域に亙り異常状態の有無を容易かつ迅速に検
知することができると共に異常を生じた場合は縦方向お
よび横方向の感温素子の検出温度により異常点を座標的
に精密に検知することができ、前記欠点を一挙に解消で
きることを突き止めた。

従って、本考案の一般的な目的は、電気炉ライニング全
域の異常状態の有無を容易に検知することができ、しか
も異常を生じた場合、その異常個所を精密に容易に検知
することができる電気炉ライニングの異常検知装置を提
供するにある。

この目的を達成するため、本考案においては、電気炉ラ
イニングの内層部に抵抗式温度測定器の線状または帯状
の感温素子を相互の絶縁を保って格子状に交差して埋設
し、夫々の感温素子の両端部を抵抗式温度測定計器の接
続端子に接続して前記ライニングの縦方向および横方向
の温度異常個所からほぼ点としての異常個所を検出する
よう構成することを特徴とする。

また、抵抗式温度測定計器は、自動多点切換式の抵抗式
自動温度記録計としたり、異常信号送出機能を備えた抵
抗式自動温度記録計とすれば好適である。

次に、本考案に係る電気炉ライニングの異常検出装置の
実施例につき添付図面を参照しながら以下詳細に説明す
る。

第２図および゛第３図は円筒状電気炉のライニング側壁
に適用した本考案装置の構成を示すものであって、参照
符号１０はライニングを示し、このライニング１０内の
朴層部に縦方向感温素子用抵抗式自動温度記録計１２の
帯状感温素子１４を円周方向に一定のピッチで縦方向に
埋設し、これらの縦方向感温素子１４のそれぞれの下端
部を共通に接続して温度記録計１２の共通端子Ｃ１に接
続すると共に、縦方向感温素子１４のそれぞれの上端部
を温度記録計１２の切換接続端子ａ１．ａ２・・・・・
・ａｏに接続する。

ライニング１０の内層部に横方向感温素子用抵抗式自動
温度記録計１６の帯状感温素子１８を垂直方向に一定の
ピッチで横方向にリング状に埋設し、これらの横方向感
温素子１８のそれぞれの一方の端部を共通に接続して温
度記録計１６の共通端子Ｃ２に接続すると共に横方向感
温素子１８のそれぞれの他方の端部を温度記録計１６の
切換接続端子す、、ｂ２・・・・・・ｂｎに接続する。

縦方向感温素子用および横方向感温素子用の温度記録計
１２および１６の異常信号出力端子Ｅ８およびＥｂをそ
れぞれ警報ベル２０および警報ブザ−２２に接続する。

−Ｌ述の本装置の接続は、円筒状ライニングを平面状に
展開して示した第４図から容易に理解することができる
。

次に、このように構成した本考案装置の作用について説
明する。

縦方向感温素子１４用および横方向感温素子１８用の自
動温度記録計１２および１６は切換接点ａ１．ａ２・・
・・・・ａ、およびｂｌ、ｂ２・・・・・・ｂ。

を絶えず自動的に切換え、縦方向感温素子１４および横
方向感温素子１８から供給された入力情報に基づき、そ
れぞれの温度を記録してライニング１０の異常状態の有
無を監視する。

ライニング１０に溶損または湯差しを生し、内部の高温
の溶湯により感温素子１４．１８が過熱した場合、その
感温素子１４．１８の抵抗値が異常に増加し自動温度記
録計１２．１６は異常温度を記録すると共に、異常信号
出力端ＴＥａ、Ｅｂから縦方向監視用警報ベル２０およ
び横方向監視用警報ブザ−２２に異常信号を供給して警
報を発せしめる。

この場合、ライニング１０における異常個所は、異常高
温を記録した縦方向および横方向の感温素子１４および
１８の交差部に相当するため、異常個所を容易に精密に
検出することができる。

一上述のように構成したライニング側壁に対する異常検
出装置と同様に、ライニング底面に対しても感温素子を
交差配置することによりライニングの総体的な異常検出
装置を構成することができる。

本考案装置によれば電気炉ライニング全域の異常の有無
を容易に検知することができ、しかも異常を生じた場合
、その異常個所を精密に容易に検知することができ、保
守の省力化、並びに保守に要する人件費の節減に資する
効果が極めて大きい。

以上本考案の好適な実施例について説明したが、例えば
縦方向または横方向の各感温素子の両端を切換切続端子
に接続してそれぞれ選択的に抵抗式温度測定計器に接続
するようにしたり、縦方向と横方向の各感温素子と接続
する抵抗式温度測定計器を単一のものとする等、その伐
木考案の精神を逸脱しない範囲内において種々の改良並
びに変更を施すことができることは勿論である。

【図面の簡単な説明】

第１図は熱電対を使用した従来の電気炉ライニング異常
検出装置の構成を示す説明図、第２図は本考案に係る電
気炉ライニングの異常検出装置の縦方向感温素子と抵抗
式自動温度記録計との接続を示す側面断面図、第３図は
横方向感温素子と抵抗式自動温度記録計との接続を示す
平面断面図、第４図は本考案装置を適用した電気炉ライ
ニング側壁を展開した状態における縦方向および横方向
の感温素子とそれぞれの抵抗式自動温度記録計との接続
を示す回路図である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電気炉ライニングの内層部に抵抗式温度測定計器の線状
   または帯状の感温素子を相互の絶縁を保って格子状に交
   差して埋設し、夫々の感温素子の両端部を抵抗式温度測
   定器の接続端子に接続して前記ライニングの縦方向およ
   び横方向の温度異常個所からほぼ点としての異常個所を
   検出するよう構成することを特徴とする電気炉ライニン
   グの異常検出装置。