JPS5832487B2 - 高分子エレクトレツト素子の製造方法 - Google Patents
高分子エレクトレツト素子の製造方法Info
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- JPS5832487B2 JPS5832487B2 JP52025672A JP2567277A JPS5832487B2 JP S5832487 B2 JPS5832487 B2 JP S5832487B2 JP 52025672 A JP52025672 A JP 52025672A JP 2567277 A JP2567277 A JP 2567277A JP S5832487 B2 JPS5832487 B2 JP S5832487B2
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- Japan
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- pvdf
- manufacturing
- crystals
- piezoelectricity
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Description
【発明の詳細な説明】
本発明は配向I型(β型)結晶を含むポリフッ化ビニリ
デン(PVDF)または配向I型(β型)結晶を含むフ
ッ化ビニリデン系共重合体(以下PVDF等という)を
高静水圧下の融点近傍において熱処理して得られる高い
圧電性、焦電性をもつ高分子エレクトレット素子の製造
方法に関するものである。
デン(PVDF)または配向I型(β型)結晶を含むフ
ッ化ビニリデン系共重合体(以下PVDF等という)を
高静水圧下の融点近傍において熱処理して得られる高い
圧電性、焦電性をもつ高分子エレクトレット素子の製造
方法に関するものである。
高分子物質は一般にフィルム、繊維等への成形が容易で
あり、これに圧電性、焦電性等のエネルギー変換機能が
付与されるとその応用範囲は飛躍的に拡大されるものと
考えられる。
あり、これに圧電性、焦電性等のエネルギー変換機能が
付与されるとその応用範囲は飛躍的に拡大されるものと
考えられる。
圧電性、焦電性等のエネルギー変換機能を有する高分子
は数多く発表されているが、I型(β型)結晶のポリフ
ッ化ビニリデン(PVDF)等は他の高分子物質と比較
して非常に大きい圧電性を示すことが河合氏等により報
告されている。
は数多く発表されているが、I型(β型)結晶のポリフ
ッ化ビニリデン(PVDF)等は他の高分子物質と比較
して非常に大きい圧電性を示すことが河合氏等により報
告されている。
〔河合;「ポリフッ化ビニリデンの圧電性」ジャパン・
ジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス、8巻9
75頁(1969)) またPVDFの圧電性を電気音響変換素子として利用し
うろことも報告されている。
ジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス、8巻9
75頁(1969)) またPVDFの圧電性を電気音響変換素子として利用し
うろことも報告されている。
〔田村外;「圧電高分子フィルムによる電気音響変換素
子」アン・オージオ・エンジニアリング・ソサイエテイ
、986巻、G−4(1974)) このI型(β型)結晶を含むPVDFの製造方法は次の
とおりである。
子」アン・オージオ・エンジニアリング・ソサイエテイ
、986巻、G−4(1974)) このI型(β型)結晶を含むPVDFの製造方法は次の
とおりである。
まず、PVDFを溶融結晶化して得られる■型(α型)
結晶を常圧で60℃〜100℃の温度域において約4倍
はど延伸してたとえばPVDFフィルムを作る。
結晶を常圧で60℃〜100℃の温度域において約4倍
はど延伸してたとえばPVDFフィルムを作る。
この延伸操作中に結晶は■型から1型へと転換すると同
時に配向する。
時に配向する。
次に直流高電界下、たとえば100KV/cIrL〜1
000KV/cIrLの電界を印加してポーリング(分
極処理)を行ない、圧電素子としたものである。
000KV/cIrLの電界を印加してポーリング(分
極処理)を行ない、圧電素子としたものである。
圧電性はこの配向I型(β型)結晶に起因するものと考
えられているが、上述の製造方法ではPVDFフィルム
中に含まれる■型(β型)結晶の含有量は最大でも50
%以下である。
えられているが、上述の製造方法ではPVDFフィルム
中に含まれる■型(β型)結晶の含有量は最大でも50
%以下である。
そのため、PVDFフィルム全体としては圧電率が十分
とれないから応用に際して余り高い圧電特性は期待でき
ない。
とれないから応用に際して余り高い圧電特性は期待でき
ない。
またこのPVDFフィルムで高い圧電率を得るために、
かなり高電界たとえば800KV、4程度を加えようと
すると絶縁破壊が起り、その製造上歩留りが悪いという
欠点があった。
かなり高電界たとえば800KV、4程度を加えようと
すると絶縁破壊が起り、その製造上歩留りが悪いという
欠点があった。
本発明の目的は高い圧電性、焦電性とくに低電界ポーリ
ングにより得られるPVDF等より成る高分子エレクト
レット素子の製造方法を提供することである。
ングにより得られるPVDF等より成る高分子エレクト
レット素子の製造方法を提供することである。
前記目的を達成するため、本発明の高分子エレクトレッ
ト素子の製造方法は成形し延伸された配向■型(β型)
結晶を含むポリフッ化ビニリデン(PVDF)または配
向I型(β型)結晶を含むフッ化ビニリデン系共重合体
を静水圧1〜4000気圧(ゲージ圧)に加圧し、該加
圧下におけるポリフッ化ビニリデンまたはフッ化ビニリ
デン系共重合体の融解温度に対して+5°C〜−10℃
の範囲の温度において熱処理し、次いで分極処理するこ
とを特徴とするものである。
ト素子の製造方法は成形し延伸された配向■型(β型)
結晶を含むポリフッ化ビニリデン(PVDF)または配
向I型(β型)結晶を含むフッ化ビニリデン系共重合体
を静水圧1〜4000気圧(ゲージ圧)に加圧し、該加
圧下におけるポリフッ化ビニリデンまたはフッ化ビニリ
デン系共重合体の融解温度に対して+5°C〜−10℃
の範囲の温度において熱処理し、次いで分極処理するこ
とを特徴とするものである。
以下本発明を実施例につき詳述する。
高分子の圧電性の発現は高分子結晶構造における質に依
存する。
存する。
しかし圧電率の値の大小は結晶の完全度、結晶化度、結
晶の配向度およびポーリング条件等により大きく影響を
受ける。
晶の配向度およびポーリング条件等により大きく影響を
受ける。
本発明者等はこれらの条件を制御するため、前述の製造
方法による延伸PVDF等を土台にして高静水圧下の融
点近傍で熱処理を施すことにより、■型結晶の完全度お
よび結晶化度を増加せしめ、圧電性、焦電性の向上を図
りうろことを見出した。
方法による延伸PVDF等を土台にして高静水圧下の融
点近傍で熱処理を施すことにより、■型結晶の完全度お
よび結晶化度を増加せしめ、圧電性、焦電性の向上を図
りうろことを見出した。
従って、まず■型(β型)結晶を含むPVDF等を前述
した公知の製造方法により製造する。
した公知の製造方法により製造する。
すなわち、PVDF等を溶融結晶化して得られる■型(
α型)結晶を常圧で60℃〜100℃の温度域において
約4倍はど延伸してPVDFフィルムを作る。
α型)結晶を常圧で60℃〜100℃の温度域において
約4倍はど延伸してPVDFフィルムを作る。
前述のように、この延伸操作中にその1部が■型から1
型に転換し同時に配向する。
型に転換し同時に配向する。
次にこの延伸PVDFフィルムを固定し、たとえば易融
合金を用いて静水圧1〜4000気圧(ゲージ圧)、好
ましくは50〜4000気圧(ゲージ圧)に加圧し、加
えた圧力下におけるPVDFの融解温度に対し+5°C
〜−10℃の範囲の温度で熱処理を行なう。
合金を用いて静水圧1〜4000気圧(ゲージ圧)、好
ましくは50〜4000気圧(ゲージ圧)に加圧し、加
えた圧力下におけるPVDFの融解温度に対し+5°C
〜−10℃の範囲の温度で熱処理を行なう。
熱処理を行なったPVDFフィルムは、従来法と同様に
直流高電界下、たとえば100 KV/crrL〜10
00 KV/crrLの電界を印加して分極処理を行な
うことにより高分子エレクトレット素子を得る。
直流高電界下、たとえば100 KV/crrL〜10
00 KV/crrLの電界を印加して分極処理を行な
うことにより高分子エレクトレット素子を得る。
第1図はPVDFを用いた場合の静水圧1気圧〜400
0気圧の間の熱処理温度の範囲をハツチングにより示し
たものである。
0気圧の間の熱処理温度の範囲をハツチングにより示し
たものである。
フッ化ビニリデン系共重合体の場合には融解温度はこれ
より若干低下する。
より若干低下する。
なお静水圧4000気圧以上では融解温度が270°以
上となり分解を起すことにより制限される。
上となり分解を起すことにより制限される。
熱処理時間の最適値の1例はPVDFの場合につき第3
図で示される。
図で示される。
すなわち、静水圧従って処理温度を高めることにより熱
処理時間が急激に減少することを示している。
処理時間が急激に減少することを示している。
このような熱処理を実施した結果、■型(β型)結晶の
含有率が著るしく増大することは、赤外吸収スペクトル
、X線回折、そしてポーリングして得られる圧電率の測
定により明らかに示される。
含有率が著るしく増大することは、赤外吸収スペクトル
、X線回折、そしてポーリングして得られる圧電率の測
定により明らかに示される。
第2図は分極電圧(KV/cIIL)に対する圧電定数
d3. (X 10 ” cgsesu)を本発明の実
施例Aと従来例Bにつき比較して示したものである。
d3. (X 10 ” cgsesu)を本発明の実
施例Aと従来例Bにつき比較して示したものである。
すなわち本発明の実施例Aは常圧の融解温度175℃〜
178℃のPVDFを用い、熱処理条件は第1図のとお
り静水圧2000気圧で温度240℃とし、熱処理時間
は第3図に示すように2〜3分程度行なったものである
。
178℃のPVDFを用い、熱処理条件は第1図のとお
り静水圧2000気圧で温度240℃とし、熱処理時間
は第3図に示すように2〜3分程度行なったものである
。
従来例Bは本発明の熱処理前の延伸PVDFを用いた。
同図より明らかなように、実施例Aではたとえば分極電
圧400KV/(1771においてポーリングした場合
、常温における圧電定数d31として10 ’ cgs
esu以上が得られ従来例Bの約2倍の値を示す。
圧400KV/(1771においてポーリングした場合
、常温における圧電定数d31として10 ’ cgs
esu以上が得られ従来例Bの約2倍の値を示す。
現在使用されている圧電フィルムの圧電定数d3.は5
X10−7cgse su程度であるから、本発明を適
用すればこの程度の圧電定数d3]は分極電圧200
KV/cIrLのポーリングで容易に可能である。
X10−7cgse su程度であるから、本発明を適
用すればこの程度の圧電定数d3]は分極電圧200
KV/cIrLのポーリングで容易に可能である。
以上の実施例の説明においてはPVDF等の圧電性の向
上について述べたが焦電性についても同様の特性傾向を
示す。
上について述べたが焦電性についても同様の特性傾向を
示す。
すなわち、PvDF等の圧電性と焦電性の相関について
は直線関係を有することが報告されている。
は直線関係を有することが報告されている。
〔小笠原外ニレポート・オン・プログレス・イン・ポリ
マ・フィジックス・ジャパン19巻313頁(1976
))従って第2図の特性比較はその数値を入替えて無電
性に適用することができる。
マ・フィジックス・ジャパン19巻313頁(1976
))従って第2図の特性比較はその数値を入替えて無電
性に適用することができる。
以上説明したように、本発明によれば、従来の延伸PV
DF等に本発明の範囲の熱処理を施すことにより、従来
の圧電性または無電性の2倍以上の特性が得られ、その
結果、現在使用されている圧電フィルムの圧電定数d3
□の5 X 10−7c10−7cを得るのに、絶縁破
壊等耐圧上の懸念の全くない低い分極電圧200 KV
/4程度でポーリング可能となるから、製品の歩留りが
大幅に向上し、生産価格が安くなるという利点がある。
DF等に本発明の範囲の熱処理を施すことにより、従来
の圧電性または無電性の2倍以上の特性が得られ、その
結果、現在使用されている圧電フィルムの圧電定数d3
□の5 X 10−7c10−7cを得るのに、絶縁破
壊等耐圧上の懸念の全くない低い分極電圧200 KV
/4程度でポーリング可能となるから、製品の歩留りが
大幅に向上し、生産価格が安くなるという利点がある。
また圧電性においても焦電性においても従来の2倍以上
の最高値を実現しうろことは新しい応用分野の拡大に寄
与する所が大きいものと思われる。
の最高値を実現しうろことは新しい応用分野の拡大に寄
与する所が大きいものと思われる。
第1図および第3図は本発明の製造方法における熱処理
工程の実施例説明図、第2図は本発明の実施例の効果を
示す説明図である。
工程の実施例説明図、第2図は本発明の実施例の効果を
示す説明図である。
Claims (1)
- 1 成形し延伸された配向I型(β型)結晶を含むポリ
フッ化ビニリデン(PVDF)または配向■型(β型)
結晶を含むフッ化ビニリデン系共重合体を静水圧1〜4
000気圧(ゲージ圧)に加圧し、該圧力下におけるポ
リフッ化ビニリデンまたはフッ化ビニリデン系共重合体
の融解温度に対して+5℃〜−10°Cの範囲の温度に
おいて熱処理し、次いで分極処理することを特徴とする
高分子エレクトレット素子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP52025672A JPS5832487B2 (ja) | 1977-03-09 | 1977-03-09 | 高分子エレクトレツト素子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP52025672A JPS5832487B2 (ja) | 1977-03-09 | 1977-03-09 | 高分子エレクトレツト素子の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS53111500A JPS53111500A (en) | 1978-09-29 |
JPS5832487B2 true JPS5832487B2 (ja) | 1983-07-13 |
Family
ID=12172265
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP52025672A Expired JPS5832487B2 (ja) | 1977-03-09 | 1977-03-09 | 高分子エレクトレツト素子の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5832487B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE3426472A1 (de) * | 1984-07-18 | 1986-01-30 | Hartmann & Braun Ag, 6000 Frankfurt | Fotometer |
PT103318B (pt) * | 2005-07-19 | 2009-01-22 | Univ Do Minho | Filmes não porosos na fase beta de poli(fluoreto de vinilideno) (pvdf) e método para o seu processamento |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4832877A (ja) * | 1971-08-28 | 1973-05-02 | ||
JPS497959A (ja) * | 1972-05-12 | 1974-01-24 | ||
JPS5035235A (ja) * | 1972-08-04 | 1975-04-03 |
-
1977
- 1977-03-09 JP JP52025672A patent/JPS5832487B2/ja not_active Expired
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4832877A (ja) * | 1971-08-28 | 1973-05-02 | ||
JPS497959A (ja) * | 1972-05-12 | 1974-01-24 | ||
JPS5035235A (ja) * | 1972-08-04 | 1975-04-03 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS53111500A (en) | 1978-09-29 |
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