JPS5829836Y2 - 循環形穀物乾燥機における操出バルブの駆動装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、籾・麦等の穀物を循環させながら熱風を浴
びせて、所定の含水率に乾燥させるようにした循環形穀
物乾燥機に関し、殊にその繰出バルブの駆動装置に関す
るものである。

この種繰出バルブは、通風乾燥槽内の穀物を定量に繰出
すことにより、該穀物の浴びる熱風量を規制し、乾燥性
能を設定値に維持するものである。

従って上記繰出バルブは、通風乾燥槽内の穀物を均等に
繰出せるようにする必要があり、この機能を満足させる
ために、通風乾燥槽あるいは繰出バルブの形状等によっ
ては、該繰出バルブを交互に正・逆回転させる手段を講
じる必要がある。

ところで、従来の繰出バルブを正・逆回転させる駆動装
置として、実開昭４８−７６１４７号公報に記載された
技術、つまりクランクと揺振杆との組合わせからなる回
転−揺振運動機構を使用しているものがあった。

このものは、繰出バルブが間断なく交互に正逆回転する
ために、そのま・で゛は繰出量が多くなるので、減速比
を大きく、従って繰出バルブの回転速度が極めて遅くな
ること、および回転−揺振運動機構は、繰出バルブの回
転角度を大きくすることが困難であり、必然的に流出口
が小さくなること、等に起困してブリッジ現象等を起こ
し易く通風乾燥槽からの穀物の繰出が均等に行なわれ難
くなる傾向があった。

この考案は回転−揺振運動機構に代え、チェーンとスプ
ロケットを使用することにより、繰出バルブの正逆回転
角度の増大とその回転速度の増大を容易に行なえるよう
にし、通風乾燥槽からの穀物の繰出しを良好に行なうよ
うにすることを目的とする。

この考案は、上記目的を達成するために、熱風を浴びる
通風乾燥槽の下部に繰出バルブを配設し、該繰出バルブ
の軸には、該軸に遊嵌および固定された一対の遊動スプ
ロケットおよび固定スプロケットを設け、上記軸と平行
に配設した補助軸には、該補助軸にそれぞれ遊嵌された
一対の補助スプロケットを設け、上記遊動スプロケット
と上記一方の補助ズブロケットとは駆動スプロケットに
捲回した無端チェーンに常時捲回させ、該無端チェーン
の一部には、該無端チェーンの回動時に上記固定スプロ
ケットと上記他方の補助スプロケットとに交互に噛合す
る噛合体を設け、上記固定スプロケットと上記他方の補
助スプロケットとは、連結体を介して被駆動側が無端チ
ェーンの回動方向と逆方向に回転される如く連結する構
成にしたものである。

以下この考案による構成が具体化された実施例を図面に
基づいて説明する。

循環形穀物乾燥機Ａは、その概略を第１図に示す構成か
らなる。

即ち、上部貯留槽１の下部に、内部に火炉２１を備えた
略菱形の熱風室２を形成する。

該熱風室２の左右の下板２２は多孔板製にし、上記下板
２２の下方にはこれと平行に多孔板製の流穀板２３を設
置して上記下板２２および流穀板２３によりＶ字状の通
風乾燥槽３を形成する。

通風乾燥槽３の下端には流出口３１を形成し、該流出口
３１の下部には放射状の羽根を有する繰出バルブ４を軸
装する。

繰出バルブ４の下部には下部スクリューコンベア５を配
置して、その流出側一端を昇降機６に接続する。

昇降機６の上部は、貯留室１の上部に設置した上部スク
リューコンベア（図示せず）の流入口側一端に接続する
。

上記流穀板２３の下部はケースＡ１により囲繞して排風
室７を形成し、該排風室７の側壁には排風機８を設置す
る。

次に、この考案の要部となる繰出バルブ４の駆動装置Ｂ
について第２〜第３図により説明する。

繰出バルブ４の一端、即ちケースＡ１から外方に突出し
た軸４１には、該軸に固定した外側の固定スプロケット
９と、遊嵌した内側の遊動スプロケット１０とを互いに
近接配置する。

また軸４１と平行配置してケースＡ１に固定した補助軸
１１には、該軸に遊嵌した一対の補助スプロケット１２
，１３を互いに近接配置する。

この場合、補助スプロケット１３を補助軸１１に固定し
、該補助軸１１を回転可能にしてもよい。

なお上記各スプロケツｌ−９，１０，１２，１３は歯数
及び歯のピッチとも同一にする。

遊動スプロケット１０と外側の補助スプロケット１２と
は互いに軸と直交方向に対向させ、これら両者には駆動
スプロケット１４に捲回した一本の無端チェーン１５を
捲回する。

この無端チェーン１５の外側と内側には、部分チェーン
からなる噛合体１５１，１５２をチェーンの長手方向に
間隔をおいて装着し、噛合体１５１は固定スプロケット
９と、噛合体１５２は内側の補助スプロケット１３とに
それぞれ噛合自在とする。

さらに、上記固定スプロケット９と内側の補助スプロケ
ット１３とは、連結体１６により常時連結する。

この連結体１６は、特に第３図に示すように、軸４１に
固定した固定ギア１６１と、補助軸１１に遊嵌するとと
もに、内側の補助スプロケット１３を固定支持し、かつ
上記固定ギヤ１６１に常時噛合するバックギア１６２と
からなる。

上記駆動スプロケット１４は、これを係止するプーリ１
７および減速プーリ１８を介してモータ１９に連結する
。

なお、２０はガイドプーリ、２０１は下部スクリューコ
ンベア５を駆動するプーリ、２０２は排風機８を駆動す
るプーリ、２０３は■ベルトである。

ここで、上記駆動装置Ｂは第４〜第５図に示す第２実施
例の構造にしてもよい。

即ち、繰出バルブ４の軸４１に固定する固定スプロケッ
ト９を遊動スプロケツ）１０の内側に配置して、これを
補助軸１１の内側に軸装された補助スプロケット１３と
対向させる。

これに伴ない、無端チェーン１５の外側の噛合体１５１
（第３図）は省略するとともに、内側の噛合体１５２を
上記固定スプロケット９と内側の補助スプロケット１３
とに交互に噛合自在とする。

さらに、連結体１６は、軸４１に固定した固定ギア１６
１と、内側の補助スプロケット１３に固定したバックギ
ア１６２とを離間するとともに、上記各ギア１６１ 、
１６２に歯付ベルト１６３を捲回する。

また無端チェーン１５は、遊動スプロケット１０が側面
視反時計方向に、補助スプロケット１２が側面視時計方
向にそれぞれ回転するように、上記両スプロケットに捲
回する。

なおその他、第４〜第５図において、第１〜第３図と同
じ部品および実質的に同じ機能を有する部品は、第１〜
第３図に付した符号と同じ符号を記して、その説明は省
略する。

次に上記構成の作用について説明する。

モータ１９を駆動するとともにクラッチ（図示せず）を
入れれば、■ベルト２０３を介して、各プーリ１７．２
０１．２０２が駆動され、これにより駆動スプロケット
１４、下部スクリューコンベア５、および排風機８が回
転する。

上記駆動スプロケット１４の回転により、第２〜第３図
においては、無端チェーン１５、遊動スプロケツ） １
０、外側の補助スプロケット１２が回転する。

また上記無端チェーンとともに各噛合体１５１ 、１５
２が回動し、噛合体１５１は固定スプロケツト９に、噛
合体１５２は内側の補助スプロケット１３に、それぞれ
所定時間をおいて交互に噛合する。

噛合体１５１が固定スプロケット９に噛合した際には、
繰出バルブ４を図中左回転させ、これにより通風乾燥槽
３内の穀物を所定量繰出し、下部スクリューコンベア５
側に流下させる。

この際、軸４１に固定した固定ギア１６１も回転し、こ
れと噛合しているバックギア１６２および内側の補助ス
プロケット１３が回転することになるが、この時点にお
いては内側の補助スプロケット１３には噛合体１５２が
噛合していないので、上記両者は補助軸１１上を空転し
、ロックすることはない。

外側の噛合体１５１と固定スプロケット９との噛合状態
が解除されたのち、次に内側の噛合体１５２が内側の補
助スプロケット１３に噛合した際には、バックギア１６
２、固定ギア１６１を介して繰出バルブを図中右回転従
って前述と逆回転させ、前述と同様に通風乾燥槽３内の
穀物を所定量繰出し、下部スクリューコンベア５側に流
下させる。

また、第２実施例においては、第。

〜第５図に示すように、無端チェーン１５により遊動ス
プロケット１０は反時計方向に、補助スプロケット１２
は時計方向に回転し、噛合体１５２が固定スプロケット
９に噛合した際には繰出バルブ４を反時計方向に、噛合
体１５２が補助スプロケット１３に噛合した際にはバッ
クギア１６２、歯付ベルト１６３、固定ギア１６１を介
して繰出バルブ４を時計方向にそれぞれ駆動して、通風
乾燥槽３内の穀物を所定量繰出し、下部スクリューコン
ベア５側に流下させる。

ここで、第１実施例においては両噛合体１５１゜１５２
の長手方向ρ間隔を設定することにより、また第２実施
例においては遊動スプロケット１０と補助スプロケット
１２との間の無端チェーン１５の長さを設定することに
より、繰出バルブ４の時計方向と反時計方向との回転期
間即ち繰出バルブ４の回転体止時間を適宜設定すること
ができる。

また、噛合体１５１，１５２の長さとこれが噛合するス
プロケツ） ９．１３の歯数との設定により、繰出バル
ブ４の回転角度従って繰出量を適宜設定することができ
る。

この考案は、以上のような構成および作用を有するもの
であるから、例えば、繰出バルブ４の上記回転体止時間
を長くして、その代わりに一度に集中させて駆動させる
ことにより、単位時間当りの穀物繰出量は従来と同程度
にしながら、繰出バルブの回転速度およびその回転角度
の増大、これらに伴なって穀物の流出口の増大を計るこ
とができ、該流出口部で穀物のブリッジ現象が発生し難
くなる。

以上説明したように、この考案は、繰出バルブの時計方
向、反時計方向即ち正、逆回転を必要とするものであっ
て、通風乾燥槽内の穀物の均等な繰出しが良好に行なえ
る効果ガある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案を適用した循環形穀物乾燥の一部断面
側面図、第２図はその駆壌装置部を示す拡大側面図、第
３図は第２図の１ＩＩ−ＩＩＩ断面拡大図、第４図は他
の実施例を示す第２図相当の側面図、第５図は第４図の
■−■断面拡大図である。 Ａ：循環形穀物乾燥機、Ａ１：ケース、１：貯留室、２
：熱風室、２２：下板、２３：流穀板、３：通風乾燥槽
、３１：流出口、４：繰出バルブ、４１：軸、５：下部
スクリューコンベア、６：昇降機、７：排風室、８：排
風機、９：固定スプロケット、１０：遊動スプロケット
、１１：補助軸、１２．１３ ：補助スプロケット、１
４：駆動スプロケット、１５：無端チェーン、１５１
、１５２ ／／噛合体、１６：連結体、１６１：固定ギ
ア、１６２：バックギア、１６３：歯付ベルト、１７：
プーリ、１８：減速プーリ、１９：モータ、２０ニガイ
ドプーリ、２０１．２０２ ：プーリ、２０３ ： Ｖ
ベルト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 熱風を沿びる通風乾燥槽の下部に繰出バルブを配設し、
   該繰出バルブの軸には、該軸に遊嵌および固定された一
   対の遊動スプロケットおよび固定スプロケットを設け、
   上記軸と平行に配設した補助軸には、該補助軸にそれぞ
   れ遊嵌された一対の補助スプロケットを設け、上記遊動
   スプロケットと上、記一方の補助スプロケットとは駆動
   スプロケットに捲回した無端チェーンに常時捲回させ、
   該無端チェーンの一部には、該無端チェーンの回動時に
   上記固定スプロケットと上記他方の補助スプロケットと
   に交互に噛合する噛合体を設け、上記固定スプロケット
   と上記他方の補助スプロケットとは、連結体を介して被
   駆動側が無端チェーンの回動方向と逆方向に回転するよ
   うに連結されてなる循環形穀物乾燥機における繰出バル
   ブの駆動装置。