JPS5828809Y2 - 椀物用回転カッタ− - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、半球状、円錐状等の回頭面部材いわゆる椀
物の外周面を削成する木工用カッターに関するものであ
る。

従来、椀物の切削加工は、外周面、中ぐり共にろくろを
用いた手加工によるものが普通であり、作業が非能率的
であるとともに充分の熟練を必要とする不利があった。

このため、椀物の外周面切削を自動化する装置として刃
物取付板に２個の彎曲刃体を長孔を介してネジ止めし、
刃物の取付板を回転するとともにその中心に設けた孔に
向けて材料を送り出して先端を彎曲刃体間で切削する装
置があるが、２個の刃体を正しく同一円周上に位置させ
るのに大きな調整手間を要し、またネジ止め部分の磨耗
によりガタを生じやすく、さらに刃体は一体の彎曲体で
あるから研磨に手数を要する等の不利がある。

これに対し、この考案は被加工材料を固定し、取付板が
切削に応じて下降するように形成するとともに、単なる
周面接触と異なり刃先を数個の分割刃金で構成して刃先
にかかる切削負荷を減少させ、かつ精度の高い製品が得
られるようにしたものであって、この実施例を図面につ
いて説明すると、１は取付板であって、厚肉のリング状
に形成され、所定の回転軸２の一端に螺合固定できるよ
うになっている。

この取付板１の刃体取付面３には回転中心と同心の円輪
に形成された係合隆条４、取付ネジ孔５が設けられてい
る。

次に、６，６は、上記取付板１の取付面３に固定される
べき分割刃体であって、切削すべき所要の椀物の外面形
状に沿う円容器を縦にほぼ４等分し、その対向する２個
を残して他の２個を除去した形状に作られ、その一部に
張り出して形成された取付縁部７は前記取付ネジ孔５と
同ピツチで取付孔８ならびに裏面に前記係合隆条４に合
致する円弧状の係合凹溝９を有し、取付に当っては取付
縁部７に設けた取付孔８、係合凹溝９を上記取付板１の
取付ネジ孔５、係合隆状４に一致させて取付板１に重合
し、ネジ１０・・・・・・で固着される。

なお、この分割刃体６，６が各個に分離可能であること
は、刃金の研磨に有利であるほか、他の椀状物外面に応
じた任意の形状例えば円錐分割体として作ったものとネ
ジ１０をはずしてつけ替えることができる。

この分割刃体６，６は内面−側縁には側縁に沿って数個
の刃金１１・・・・・・が−列に植設され、前記したよ
うに、これら刃金１１・・・・・・を介して各独立的に
切削が行われるようになっている。

この考案は上記の構造により、第１図のように取付板１
を回転軸２に固着して回転し、分割刃体６．６の刃金１
１・・・・・・、１１・・・・・・を介して基台上の木
材ａを分割刃体６，６内面に一致する円頭面に削成する
ことができる。

なお、図面において１２は木材ａを基台上に押しつけて
固定する押え杆であって、この木材ａが基端（下端）を
基台に挾持されているような場合は使用しなくてもよい
。

このようにして両頭状に削成された被加工材料は必要に
より中ぐりを施すが、この場合光に出願人が開発した中
ぐり用回転カッター（実願昭５３１５６５７号）を用い
ると同じ回転軸２により極めて容易に行うことができる
。

この考案は以上述べたように、被加工材料に対し、予め
所要外形に適合した刃体で全面切削を行うため、被加工
材料の供給、取出し等が容易であり着脱を自動化できる
とともに、機械的操作で一定の製品が得られるが、この
場合、前記したように数個の刃金１１・・・・・・が各
独立して切削を行うため細断屑は細条物として各別に排
出され、このことは切削負荷を軽減して無理を生ずるこ
とがない上に、切削屑の排出が容易であって刃体間にか
み込むおそれがない。

さらに分割刃体６，６は、その係合凹溝９を介して取付
板１に所定状態にセットできることはもちろん外面も内
面に沿う分割容器状であるため、切削屑の滞溜部分いわ
ゆるチップポケットがなく上記排出をより助長すること
ができる等多くの利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の断面側面図、第２図は第１図を下面
よりみた図、第３図は取付面を上方として各部を分解的
に示した斜面図である。 図中の符号 １は取付板、２は回転軸、６は分割刃体、
１０はネジ、１１は刃金を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 所定の回転軸下端に止着固定されるリング状の取付板の
   下面に、別に所要の切削面に外接する輪郭の円容器を縦
   にほぼ４等分し、その対向する２個を残して他を除去し
   た形状の２個一組の分割刃体を垂下固定したものにおい
   て、取付板１は周縁に沿って取付ネジ孔５・・・・・・
   、ならびに下面にその回転中心と同心の円輪に形成され
   た係合隆状４を有し、また分割刃体６，６は、その取付
   縁部７に上記取付ネジ孔５と同ピツチで取付孔８・・・
   ・・・ならびに係合隆条４に合致する円弧状の係合凹溝
   ９を有し、かつ刃体内面の一側縁に側縁に沿って数個の
   刃金１１・・・・・・が−列に植設されている椀物用回
   転カッター。