JPS582713Y2 - ランプマスト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 小型船または小型漁船においては、夜間の航行、漁労、
或は停泊のために両色灯、前部灯をランプマストに設置
し、甲板上より所定の高さに位置せしめる必要がある。

この場合ランプマストの構造として１本の支柱（主に金
属製パイプ）によりマスト本体を構成する場合が多い。

こうした場合、問題となるのは構造強度より船体振動に
よりマスト下端部を節点としマスト先端を最大振巾とす
る一次共振である。

この−次共振を起こすと、ランプの寿命が短くなること
は勿論、マストの下端部で破断することもある。

この共振の回避策としては、マストに支持索を張ればよ
いが、索を張れば、漁労の邪魔になるとか、工費が嵩む
とかいずれにしても不経済で美的な観点からもあまり良
くない。

本考案は、簡単な構造によりこうした問題点を解決した
ランプマストに関する。

以下添付した図面に示す実施例にもとづき内容を説明す
る。

第１図は本考案にかかるランプマストの全体を示す正面
図、第２図はその側面図である。

図において、１はアルミニウム等の軽金属で作られたマ
スト柱体、２は灯具取付座、３は柱体支持金具、３ｂは
その底板で船体に固定される。

これらは外観的には従来の船用マストと変るところはな
い。

第３あは本考案の要部を示す部分断面図、第４図は第３
図の平面図である。

図において、１ａはマスト下端部で、その下縁は１部に
凹入部を有する係合部１ｂとなっている。

３ａは柱体支持金具３の内側下部に挿入固設された係合
片で、その上縁には前記係合部１ｂに嵌合する凸部を有
する接合縁３Ｃが設けられている。

マスト柱体１はその端部１ａを柱体支持金具３内に挿入
し、係合部１ｂを係合片３ａの凸部を有する接合縁３ｃ
上に嵌入載置することで支持され、かつ、その回動も阻
止されるようになっている。

マスト柱体１は、その下端部１ａの外径と柱体支持金具
３の内径との間に一定の微少間隙を保つように遊嵌挿さ
れる。

本考案は、以上で構成されるが、使用にあたっては、柱
体支持金具３の底板３ｂを操舵室等の屋根に設置する。

エンジンより伝わる振動はこの操舵室等の屋根を通じ支
持金具３の底板３ｂを振動させマスト柱体１に対してい
わゆる一端固定他端自由の振動体を形成する。

エンジンの回転数は通常の小型船では２０００ｒ、ｐ、
ｍから６００Ｏｒ、ｐ、ｍ位になることが多い。

マスト下端部１ａと柱体の支持金具３が完全に固定され
た場合は所定マスト長において共振がこの範囲で起こる
ことが多い。

その為に灯具、電球を破損あるいは寿命が短くなる。

本考案においては、マスト下端部１ａの外径と柱体支持
金具３の内径との間に微少間隙を設けてあり、且つ、マ
スト下端部１ａを係合片３ａの接合縁３ｃ上に載置して
いるだけであるので、船体よりの振動は伝わらず、従っ
て、船体よりの振動に共振することはない。

この結果、マスト下端部にかかる応力および灯具への影
響は著しく緩和される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかるランプマストの外観を示す正面
図、第２図は第１図の側面図、第３図は要部を示す部分
断面図、第４図は第３図の平面図である。 １・・・・・・マスト柱体、１ａ・・・・・・マスト下
端部、１ｂ・・・・・・係合部、２・・・・・・灯具取
付座、３・・・・・・柱体支持金具、３ａ・・・・・・
係合片、３ｂ・・・・・・底板、３ｃ・・・・・・接合
縁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 標識灯を支持する舶用マストにおいて、マスト下端部１
   ａを、船体に固着した柱体支持金具３に挿入し、該支持
   金具内に設けた保合片３ａの曲縁を有する接合縁３ｃ上
   にマスト下端部の凹入縁を有する係合部１ｂを嵌入載置
   し、かつ、マスト下端部１ａの外面と柱体支持金具３の
   内面との間に微少間隙を存せしめ、マストに伝わる振動
   を緩和せしめたことを特徴とするランプマスト。