JPS5824920Y2 - キンゾクザイレイキヤクヨウセイリユウバンツキヘツダ− - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は高温度に加熱された金属材を冷却するための整
流板付ヘッダーに関するものである。

一般に、金属材の冷却用として用いられる冷却ヘッダー
としては、スリットまたはその他の任意のタイプの多数
のノズル（以下噴射ノズルという）を設けた直線状およ
び環状へラダーが知られている。

この直線状および環状ヘッダーに、単数あるいは複数の
供給口より冷却流体を供給し、噴射ノズルより流体を噴
射させる場合、ヘッダーの長手方向（直線状ヘッダー）
あるいは円周方向（環状もしくは円弧状ヘッダー）の流
体噴射圧分布は不均一である。

この噴射圧分布の不均一を解決する対策として従来では
、ヘッダーを大きくしたり、多数の孔を設けた遮流板を
ヘッダー断面内に設けたり、あるいは環状ヘッダーでは
複数の供給口から環外周接線に沿って流体吹き込みを行
ない流体をヘッダー内で回転噴射させたりしている。

しかし、これらの方法でも完全に噴射圧分布を均一にす
ることは困難であると共に、ヘッダー構造が複雑となり
設備的に不利であるという問題点が残る。

本考案は上記した従来のヘッダー構造を一層単純化した
もので、しかも流体の整流効果が得られるとともに実用
上充分な噴射圧分布の均一性が得られ、金属材をむらな
く均一に冷却することができる冷却用ヘッダーを提供す
ることを目的とする。

しかしてこの目的を達成するための本考案ヘッダーは、
噴射ノズルを設けたヘッダ一本体の軸方向に垂直な断面
内の中央部昔たはその付近に、ヘッダー管内壁面との間
の総面積が前記噴射ノズルの総開口面積の５倍を越えな
いようにして整流板を挿入したことを特徴とする。

以下本考案を図面に示す具体例に基いて説明する。

第１図は冷却用ヘッダーの断面を示すもので、例えば帯
状の薄い整流板１をヘッダ一本体８の軸方向に垂直な断
面内の中央部捷たはその付近でかつ流体の噴射方向に対
し垂直な面内に設け、ヘッダ一本体８の側壁内面と該整
流板１の両側端との間にヘッダー長手方向（直線状ヘッ
ダーの場合）あるいは円周方向（環状もしくは円弧状ヘ
ソダーの場合）に連続した隙間４を形成している。

この隙間４の総面積を本考案では噴射ノズル７の開口総
面積の５倍を越えないようにしている。

なお、図において、２は整流板１によって区分されたヘ
ッダー久側室、３Ｉ／ｉ、ヘッダー出側室、５は冷却流
体供給口、６は供給口５より導入される流体であるＯ 本考案では上記のように良好な整流効果を得るために整
流板１をヘッダー内の所定位置に設けたが、その隙間４
の面積を噴射ノズル１（またはスリット）の開口面積と
の関連において規定し、これにより流体噴射圧分布の均
一性を図っている。

すなわち、この隙間面積は、第２図（第３図および第４
図で測定した結果を噴射流量分布と面積の比の関係を示
している）Ｋ示す如く、噴射ノズル開口総面積の５倍寸
でとするならば、噴射ノズルから噴射される流量分布の
その平均値に対するばらつきは約±５％以内であり、は
ぼ均一性は確保されているが、隙間面積が大きくなるに
したがって、そのばらつきが大きくなるのが認められる
。

この理由によって隙間面積をノズル開口面積の５倍を越
えないようにしたのである。

第１図の冷却用ヘッダーにおいて供給口５より供給され
た流体６は、ヘッダ一本体８内のヘッダー人側室２に入
り、整流板１に衝突し、次いで流体は矢印の如くヘッダ
ー管内壁面と整流板１の両側の隙間４を通過してヘッダ
ー出側室３に入る。

このとき流体は、ヘッダー長手方向（直線状ヘッダーの
場合）あるいは円周方向（環状もしくは円弧状ヘッダー
の場合）に亘って均一な流れとなるとともに、整流され
た流体は噴射ノズル７から金属材へ向って噴射される。

次に本考案の実施例を挙げる。

筐ず、比較例として第３図ａに示すような４ｍｍのスリ
ットリングノズルを持った内容４１０ｗｎφの環状ヘッ
ダーＨで、内部に整流板を設けずに環状ヘッダー外側よ
り６方向の供給口（供給管）５から空気を供給し、ノズ
ル７より噴射させ、その噴射圧分布を測定した結果を第
４図ａに示す。

第４図ａから明らかな如く噴射圧分布は非常に大きな不
均一を示している。

これに対し本考案例として第３図ａと同一サイズのスリ
ットリングノズルおよび同一内径の環状ヘッダーＨ的中
央部に、第３図すに示すように、ヘッダー側壁と整流板
両側との隙間４をノズル総開口面積の３．５倍（隙間巾
７胴）になるようにして、整流板１を挿入し、空気を６
方向の供給管５より供給しノズルＴから噴射させ、その
噴射圧分布を測定した結果を第４図すに示す。

第４図すから明らかな如く本考案例の噴射圧分布は充分
均一な分布で整流が行なわれていることが認められる。

本考案は、以上詳述したように簡単な構造の整流板をヘ
ッダーの軸方向に垂直な断面円中央部に挿入することで
実用上十分に均一な噴射圧分布が得られるため、高温度
に加熱された金属材を各々巾方向あるいは円周方向で均
一にむらなく冷却することができ、金属材冷却用ヘッダ
ーとして最適なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案冷却用ヘッダーの一例を示すその軸方向
に垂直な断面図、第２図は噴射流量ばらつきと隙間総面
積／ノズル総開口面積との関係を示す図表、第３図ａ、
ｂは整流板を設けない場合と整流板を設ける場合とをそ
れぞれ示す環状ヘッダー図、第４図ａ、ｂは第３図ａ、
ｔ）に対応した噴射圧分布測定結果をそれぞれ示す図で
ある。 １・・・・・・整流板、２・・・・・・ヘッダー人側室
、３・・・・・・ヘッダー出側室、４・・・・・・隙間
、５・・・・・・流体供給口（供給管）、６・・・・・
・流体、Ｉ・・・・・噴射ノズル、８・・・・・・ヘッ
ダ一本体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. スリンＢたはその他の任意のタイプの多数のノズルが取
   付けられたヘッダーの軸方向に垂直な断面内の中央部あ
   るいはその近傍に、ヘッダー軸方向に垂直な断面におけ
   る、ヘッダー内壁との間の隙間の総面積が該スリットあ
   るいはノズルの総開口面積の５倍を超えないようにして
   整流板を挿入し、前記スリットあるいはノズルから放出
   される流体の流れを整え噴射圧分布を均一化せしめるよ
   うにしてなる金属材冷却用整流板付ヘッダー。