JPS5824304Y2 - テ−プカセツト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はテープカセットに係り、特にカセットケーシン
グ内に一対のリールを上下に重ねて配するようにしたテ
ープカセットに関する。

カセット式ＶＴＲの内で特に、テープカセットから引出
した磁気テープをヘッドドラムの外周部に約３６０°に
亘って巻付けるようにしたΩ型のＶＴＲにおいては、ヘ
ッドドラムへの導入部と導出部とで、磁気テープがほぼ
その巾に等しい長さだけ巾方向にずれることになる。

そこでこのようなＶＴＲにおいては、カセットケーシン
グ内に一対のリールを重ねて配するようにしたテープカ
セットを用いると、走行路中において磁気テープに不自
然な力が加わることがなく好都合である。

このようなテープカセットにおいては、スラスト方向に
２段になっている一対のリール軸をそれぞれ一対のリー
ルに嵌合させ、これによって一対のリールを別々に駆動
している。

そしてリール軸からリールに駆動力を伝達するための保
合部の形状を工夫することによって、スラスト方向の分
力を得、これによってリールをリール軸に押圧してリー
ルがスラスト方向に釦いて所定の位置を維持するように
している。

しかしこのような方法によると、リールをリール台から
抜去するために大きな力が必要となり、カセットのエジ
ェクトに大きな戻し力を要することになる。

また上記スラスト方向の分力は回転力の伝達過程で生ず
るものであるから、テープ走行が停止している間はスラ
スト方向の分力が働かず、このためにリールの位置が不
安定となるという欠陥がある。

本考案はこのような問題点に鑑みてなされたものであっ
て、カセットケーシング内に一対のリールを上下に重ね
て配し、これらのリールによってテープを巻装するよう
にしたテープカセットにかいて、前記一対のリールの間
にスラスト軸受を介装するとともに、ばねによって一方
のリールを他方のリールに対して押圧するようにしたこ
とを特徴とするテープカセットに係るものである。

従って本考案によると、リールは常にスラスト軸受に正
しい位置を保持することになり、またリール台からリー
ルを抜去するのに要する力も小さくてすむことになる。

以下本考案の一実施例を図面につき説明する。

第１図はこの実施例のテープカセット１を用いｋＶＴＲ
の要部を示すものであって、カセットケーシング２内に
配されている上下一対のり−ル３４にそれぞれ両端を止
着されている磁気テープ、５は、ヘッドドラム６の外周
に沿って移動するテープ引出し７ピン７によって引出さ
れ、ヘッドドラム６の外周部のほぼ全周に亘ってヘリカ
ル状に巻付けられることになる。

そしてこの状態でピンチローラ８がキャプスタン９に対
して磁気テープ５を圧：着すると、磁気テープ５は定速
走行することになる。

走行する磁気テープ５は回転するヘントドラム６に設け
られているビデオヘッドによってヘリカルスキャンされ
るとともに。

オーデ、イオヘッド１０および消去ヘッド１１と摺接し
、これによって所定の記録再生が行なわれるようになっ
ている。

次にカセットケーシング２内に配されているリール３，
４について説明すると、第２図および第３図に示すよう
に、上側のリール３はリールハブ１２の両端にフランジ
１３，１４を取付けて構成したものである。

同様に下側のり−ル４もリールハブ１５０両端に７ラン
ジ１６，１７を取付けた構造となっている。

そして上側のリール・・ブ１２には、上方が開放されて
いる円環状の凹部１８が形成されており、この凹部１８
内にコイルバネ１９が介装されている。

このコイルはね１９の上端は円板状をなすばね受け２０
と当接しており、さらにこのはね受け２０は７ランジ１
３に形成されている円形の開口２１に遊嵌されるととも
に、カセットケーシング２の土壁の下面に形成されてい
る突起２２と当接している。

上側のリール３のリールハブ１２と下側のＩＪ−ル４の
リールハブ１５との間にはスラストベアリング３５が介
装されている。

このベアリング３５のボールはり−ルハブ１２の下面お
よびリールハブ１５の上面にそれぞれ形成されている円
形の溝３６．３７にそれぞれ嵌合されている。

またリールハブ１２の中心部にはリール軸２３を受入れ
るための凹部２４が形成されており、この凹部２４には
スラスト方向に延びるスリット２５が形成されている。

このスリット２５はリール軸２３の外周面に形成されて
いる突条２６と係合するためのものである。

同様にリールハブ１５の中心部にもリール軸２７を受入
れる凹部２８が形成されており、この凹部２８にはスラ
スト方向に延びるスリット２９が形成されている。

このスリット２９□はリール軸２７の外周面に形成され
ている突条３０と係合するためのものである。

なお上記上側のリール軸２３と乍仙すのリール軸２７と
は同軸状に配されて釦り、しかも下側のリール軸２７の
直径が上側のリール軸２３のそれよりも犬きく構成され
ている。

そしてこれに対応してハブ１５の凹部２８の直径の方が
ハブ１２の凹部２４のそれよりも犬きくなっている。

次に以上のように構成されているテープカセット１を箱
状のカセットホルダ３１に挿入してＶＴＲ本体に装着す
ると、第３図に示すように、カセットケーシング２はＶ
ＴＲ本体のカセット装着位置の下部に配設されている位
置決めピン３２と係合し、しかもカセットホルダ３１の
上部に設けられている抑圧ピン３３によって位置決めピ
ン３２に対して押圧されることになる。

これによってカセットケーシング２の下面はカセットホ
ルダ３１の下面から浮上った状態で保持されることにな
る。

さらにカセットケーシング２内の一対のリール３．４に
それぞれリール軸２３，２７と係合し、これによってこ
れらのり−ル３，４がリール軸２３．２７によって駆動
され得る状態となる。

そしてリール４の下面はリール軸２７に設けられている
フランジ３４の上面と接触し、この７ランジ３４によっ
てスラスト方向に位置決めされることになる。

さらにリール４の上部にはスラストベアリング３５を介
してリール３が配されており、このリール３は、カセッ
トケーシング２の突起３２と接触しているはね受け２０
とその上端が接触しているコイルばね１９によって下方
に押圧されているために、リール４に対してスラスト方
向に位置決めされることになる。

すなわち一対のリール３．４はそれぞれコイルはね１９
の押圧力によってリール軸２７の７ランジ３４に対して
位置決めされることになる。

すなわちリール軸２３．２７によってリール３，４が駆
動力を受けるか否かにかかわらず、リール３，４がスラ
スト方向に正しく位置決めされることになる。

従ってリール３゜４から引出される磁気テープ５の高さ
および傾きが一定になり、テープ走行が安定して画質の
安定にもつながる。

またリール軸２３．２７に形成されている突条２６，３
０およびこれらの突条２６゜３０と係合するスリン）２
５，２９が軸線方向と平行になっているために、テープ
カセット１を取出すときに、リール軸２３，２７からリ
ール３゜４が容易に抜けることになり、カセットアンプ
の操作力を小さくすることかり能となる。

従ってこれに伴ってカセットアンプを行うための機構を
より柔構造とすることができる。

以上に述べたように本考案は、カセットケーシング内に
上下に重ねて配されている一対のリール間にスラスト軸
受を介装するとともに、ばねによって一方のリールを他
方のリールに対して押圧するようにしたものであるから
、一対のリールのスラスト方向の位置決めを駆動力を用
いて行う必要がなくなり、常に一定の状態に維持でき、
またカセットのエジェクト時の操作に要する力を小さく
することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案をカセット式ＶＴＲにおけるテープカセッ
トに適用した一実施例を示すものであって、第１図はこ
のＶＴＲの要部斜視図、第２図はテープカセットの内部
ムリールの組立てを示す分解斜視図、第３図は同テープ
カセットの縦断面図である。 なお図面に用いた符号において、１・・・テープカセッ
ト、２・・・カセットケーシンク、３・・・リール、４
・・・リール、５・・・磁気テープ、１９・・・コイル
ばね、３５・・・スラストベアリングである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. カセットケーシング内に一対のリールを上下に重ねて配
   し、これらのリールによってテープを巻装するようにし
   たテープカセットにおいて、前記一対のリールの間にス
   ラスト軸受を介装するとともに、ばねによって一方のリ
   ールを他方のリールに対して押圧するようにしたことを
   特徴とするテープカセット。