JPS5823990Y2 - カイテンポンプ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は可撓性の羽根を有する回転ポンプの改良に関す
る。

円筒状の空洞を有するケーシングに設けた吸入口と吐出
口との間の壁面にカムを設け、可撓性の羽根を有する羽
根車を前記ケーシング内に挿入して回転させ、この羽根
の撓みによる容積変化を利用して吸入、吐出を行なう回
転ポンプが潤滑用、油圧機器用に多く使用されるように
なっている。

この回転ポンプの羽根車は、軸に固定するボス部□放射
状に羽根を設け、この羽根の先端に円筒状の膨出部をケ
ーシングの幅方向に形成し７たもので、この膨出部がケ
ーシングの内面を摺動するように構成されている。

この羽根車の羽根は、ケーシングの内面に設けられたカ
ムによって撓められて２枚の羽根によって囲１れる容積
の変化によって吸入吐出の動作をするわけであるが、こ
の動作において従来の羽根には下記のように大きな問題
がある。

例えばある一定の厚みを有するゴム板を曲げるとその曲
げた個所の表面に張力が、また裏面に圧縮力が作用する
。

その結果的げの中心線よシ圧縮力が作用している部分の
ゴム板の側面に隆起が生ずるが、このような現象が前記
回転ポンプの羽根車の羽根にも生ずる。

前記現象によって、回転ポンプの羽根に隆起が生ずると
、この隆起部分がケーシングの側板を強く押圧すること
になシ負荷抵抗を増大する。

従って、この回転ポンプを運転すると羽根がカムに接触
して隆起する部分および側板の一部（カムが設けられて
いる区間）が異常に摩耗し、その結果ポンプの吐出量に
変動を来したり、吐出圧力が低下するという現象を生じ
でいた。

この欠点を防止する１手段として、羽根とケーシングを
構成する側板との間の間隙を大きくするということが考
えられるが、この方法にすると羽根と側板の異常摩耗を
防ぎ得ても機密性保持の点でポンプの性能が著しく低下
してしまうという欠点があった。

そこで、本考案は、羽根車の羽根とケーシングを構成す
る側板の異常摩耗を防止して、羽根車の耐久性を増大さ
せるものであシながら、羽根車と側板との機密性を保っ
て、ポンプの性能を著しく向上させた回転ポンプを提供
することを目的とするものである。

この目的を達成するために、本考案は、殊に、羽根車の
羽根中途部の、両側板に対向する両側方部分に、少なく
とも側板に摺接する部分を残して、曲げ中心に沿い、且
つ内側に向かうくぼみを設けたことを特徴とするもので
ある。

以下図面を参照して本考案の実施例を説明するが、本考
案はこれのみに限定されるものではなく、その技術的思
想の及ぶ範囲内で細部を変更してもよい。

第１図は回転ポンプの側断面図である。

ケーシング１の両端にベアリング２が設けらへこれによ
って軸３が支持されている。

この軸３には例えばゴムあるいはポリウレタン等の弾性
体で形成された羽根車４が取付けである。

この羽根車４の中心部には鋼製のインサート５が嵌入さ
れ、このインサート溝にキー６を圧入すると共に、羽根
車４の両側方にライナー５ａ、５ａを装着して、羽根車
４と軸３を固定する。

本実施例においては、ケーシング１は２つに分れており
、側板１とガスケット８を介してボルト９で締付けられ
て１体化されるようになっている。

ケーシング１の円筒壁面の１部（吸入管と吐出管の間）
には、カム１０が設けられ、これによって羽根車４の羽
根に屈曲作用を与える。

１１は側板で、カム１０によって位置決めされている。

また、この側板１１に近接してオイルシール１２が設け
られている。

１３は軸３の脱抜防止用のピン、１４は防水、防泥用カ
バー、１５はポンプ駆動用のスプロケットで、ビン１６
で固定されている。

第２図は本考案の主要部を構成する回転羽根車４の斜視
図で、ボス部４Ａとこれの周囲に一定の厚みを有する羽
根４Ｂが放射状に設けられ、この羽根４Ｂの先端にはケ
ーシングと接触する幅方向に円筒状の膨出部４ｃが設け
られている。

２０は羽根４Ｂ′中途部の両側方に曲げ中心に沿い、内
側に向かって設けたくぼみであって、これによって羽根
４Ｂが屈曲した際に、隆起して両側板７．１１側に突出
するのを防止する。

第３図は隆起を防止するための羽根の屈曲部の各親の断
面（第５図のＡ−Ａ断面）形状を示すものである。

イ図及び第４図は、くぼみ２０Ｃを両端部よシ曲げ内側
に向かって形成したものを示している。

０図は羽根４Ｂの両側方部分に曲げ中心線上に沿い、且
つ内側に向かうくぼみ２０Ｄを形成へへ図は０図の２個
のくぼみの間を連通孔２１で連通したものを小し、これ
らのものは何れの例も側板ＩＡ、ＩＢに摺接する部分が
それぞれ残しである。

次に本考案に係る回転ポンプの動作につｂて説明する。

第５図は回転ポンプの主要部を示す断面図で、ケーシン
グ１の中央部には羽根車４が設けらへ矢印Ｅの方向に回
転する。

ケーシング１の周面には、吸入管１７．吐出管１８と、
これらの間にカム１０が設けられている。

羽根車４が矢印Ｅの方向に回転すると、一定の厚みを有
する羽根４Ｂの膨出部４Ｃがカム１０に押されて回転方
向と逆方向に屈曲し、吐出管１８の位置に釦いては２枚
の羽根の間の容積が小さくなって矢印Ｆの方向に流体を
吐出する。

カム１０の区間は２枚の羽根４Ｂの間の容積は小さい１
１保たれ、次に吸入管１７の位置において羽根４Ｂの膨
出部４Ｃがカム１０から開放されて伸長し、この間にあ
る２枚の羽根４Ｂの容積が増大して吸入管１１より矢印
Ｇの方向に流体を吸入する。

前記吸入、吐出動作において羽根４Ｂはカム１０によっ
て屈曲するが、本考案にかいては、殊に、羽根車４の羽
根４Ｂ中途部の、両側板Ｉ、１１に対向する両側方部分
に、少なくとも側板７，１１に摺接する部分を残して、
曲げ中心に沿い、且つ内側に向かうくぼみ２０を設けた
ので、ケーシングと羽根の側端部の接触部の気密を十分
に保ちながら、羽根が屈曲した際に、屈曲部の一部が側
板側に膨出するのを防止し、ケーシングの内側面あるい
は側板の内面に接触する羽根の側端面は羽根の屈曲に拘
わらず前記ケーシング等の接触面に平行の状態を保つこ
とができるのである。

又、前記により羽根車とケーシングの側板との間の摩擦
力を極力低く保つことができるので損失トルクを極小に
保つことができる。

更に、羽根の摩擦力が増大しないので、羽根やケーシン
グの側板の局部的な摩耗を防止することができる。

そのために、耐久性が向上すると共に、ポンプ性能が低
下することを防止する・ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は回転ポンプの縦断面図、第２図は本考案に係る
羽根車の１例を示す斜視図、第３図は曲げ中心（第５図
の線ＢＣ）よ多切断した羽根の各種断面を示す図で、羽
根には逃げやくぼみが形成されている。 第４図は第３図のイ図に示した羽根の斜視図、第５図は
回転ポンプの主要部を示す横断面図である。 １・・・・・・ケーシング、４・・・・・・羽根車、４
Ａ・・・・・・ボス部、４Ｂ・・曲羽根、４ｃｍ・・・
・・膨出部、１ｏ・・曲カム、１１・・・・・・吸入管
、１８・曲・吐出管、２ｏ・・・・・・羽根に設けたく
ぼみ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 円筒状の空洞を有するケーシング１０局面に設けた吸入
   口と吐出口との間の壁面にカム１０を設けると共に、ケ
   ーシング１の両側方を側板７，１１で覆い、弾性体から
   なシ、側方よシ見て一定の厚みを有する放射状の羽根４
   Ｂの先端に円筒状の膨出部４Ｃをケーシング１の幅方向
   に備えた羽根車４を、上記ケーシング１の中心部に挿入
   して回転させ、この羽根４Ｂの撓みによる変化を利用し
   て吸入、吐出を行うポンプにおいて、上記羽根車４の羽
   根４Ｂ中途部の、両側板Ｔ、１１に対向する両側方部分
   に、少なくとも側板７．１１に摺接する部分を残して、
   曲げ中心に沿い、且つ内側に向かうくぼみ２０を設けた
   ことを特徴とする回転ポンプ。