JPS5823756Y2 - マスタシリンダ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動二輪車のハンドルパイプに取り付けられる
マスクシリンダ装置に関し、特にブレーキレバーを含む
平面よりも下方に単一のシリンダを有するシリンダ本体
を配置することによって、装置全体がハンドルパイプか
ら上方に突出する部分の高さを低くシ、特に高速時に前
傾姿勢をとる運転者の視界を妨げないようにし、かつ車
体の転倒時装置の損傷を抑えるようにしたものである。

この種のマスクシリンダ装置はハンドルパイプとブレー
キレバーとが同じ高さに配置されることが操作性の点か
ら重要であり、このためブレーキレバーによって作動さ
れるシリンダ及びピストンの高さが、ハンドルパイプと
同じ高さに配置されるのが普通である。

しかし、このような構成にするとシリンダよりも上方に
配置されるリザーバは運転者の視界を妨げ、あるいは車
体の転倒時路面に直接当って損傷することがしばしばあ
る。

本考案の目的はこのような問題に鑑み、ブレーキ操作性
を損うことなく、かつハンドルパイプから上方へ突出す
る部分をできるだけ低くしたマスクシリンダ装置を提案
するものである。

すなわち、本考案はシリンダ本体をハンドルパイプの水
準下に配置したことを特徴とするものである。

以下、本考案の構成を図示の実施例に基づいて説明する
と、マスクシリンダ装置は第１図に示すように、ハンド
ルパイプ１３のほぼ水平に延びる端部に結合支持される
基体５と、該基体５に載置される直方体状のリザーバ１
と、基体５の下方に支持されるシリンダ本体１２と、ブ
レーキレバー９とからなっている。

基体５はこの先端部ないし前半部分５ａに、リザーバ１
を載置する平担な上面と、シリンダ本体１２の上部外周
面に係合する円弧状の長い溝を有する下面とを備えてい
る。

リザーバ１はほぼ直方体状の容器であって、この上部開
口はダイアフラム２１と蓋２とが一緒に４本のボルト１
８（第２図）で固定される。

基体５の基端部分は前記前半部分５ａよりも上方に突出
しており、この頂面にバックミラーの支柱を螺合支持す
るねじ穴１９を備えるボス部３が設けられる。

また、−側壁面にハンドルパイプ１３の外周面と係合す
る断面円弧状をなす水平に延びる溝６が形成され、図示
していない断面半円弧状の溝を備える取付片と協働して
、ねじ穴４，１０に螺合されるボルトによって、互いに
ハンドルパイプ１３を挟持するようになっている。

基体５の基端部分は前半部分５ａよりも下方に突出する
円筒部５ｃを備え、これにシリンダ本体１２の基端部を
嵌合し、溶接などによって結合するようになっている。

また基体５とシリンダ本体１２とは鋳造により一体に構
成することもできる。

第２，３図から明らかなように、基体５の基端部分の他
側壁部には水平な割溝２４が設けられ、垂直方向の軸２
０によってブレーキレバー９が回動可能に支持される。

前記割溝２４は基体５の端壁面にまで延び、さらに円筒
部５ｃから上方に延びる溝２３と連なっている。

ブレーキレバー９は第４図に示すようにほぼ一直線上に
延びる操作部７を備えており、この基端部２２に前記支
軸２０を貫通させるための穴２０ａがあり、この穴２０
ａに隣接して側方に延びる腕１５と、この腕１５の先端
から下方に突出する作動片１６とが設けられ、シリンダ
本体１２に嵌合する図示してないピストンに衝合してこ
れを作動させるようになっている。

シリンダ本体１２はこの先端部にピストンによって密閉
される液室を備えており、この液室にはリザーバ１から
作動液が充填される。

ハンドルパイプ１３の基端部に取付けられる図示してい
ない握り部分とブレーキレバー９の操作部７とを把持す
る時、レバー９が支軸２０を中心として第２図において
時針方向に回動し、作動片１６がピストンをシリンダ本
体１２の内部に押動し、液室の液をブレーキ出力部へ圧
送し、制動力を発生する。

上述の構成から明らかなように、本考案は基体５の前半
部分５ａに備えた、ハンドルパイプ１３の周面よりも下
方に位置する平担部に、はぼ直方体状のリザーバ１を載
置するとともに、平担部の下面にシリンダ本体１２を配
置したものであるから、ハンドルパイプ１３よりも上方
に突出する部分の高さが低くなり、運転者に広い視界を
提供し得る効果がある。

すなわち、第３図から明らかなように、シリンダ本体１
２をハンドルパイプ１３よりも寸法Ｈだけ低く配置した
ので、鎖線で示す従来のリザーバ１′を大幅に低くする
ことができる。

また、基体５の基端部分において、−側壁にハンドルパ
イプ１３に基体を結合するためのブラケット部５ｂを、
他側壁にブレーキレバー９の支軸の支持部を設けたもの
であるから、ハンドルパイプ１３の基端部に備えられる
握り部とブし・−キレパー９とが操作性の優れた同水準
に配置される。

そして、ハンドルパイプ１３よりも下方に配置されるシ
リンダに嵌合するピストンを操作する作動片１６が、ブ
レーキレバー９の腕１５から下方に突出して設けられ、
このブレーキレバーの腕１５は基体５の基端部に設けた
割溝２４に沿って案内されるから、がた付きがなく、作
動片１６とピストンとの作動が安定確実である。

リザーバ１はシリンダ本体の全長にほぼ等しい奥行とブ
ラケット部５ｂとブレーキレバー支持部５ｄとの間隔に
ほぼ等しい間口とにより十分な容量を備えている。

第５〜７図に示す第２の実施例では、ブレーキレバー９
の基端部に、穴２０ａを有しかつ下方に長く延びるボス
２５を一体に形成して、さらにこのボス２５の下端から
作動片１６を横に延出させである。

すなわち、操作部７と作動片１６とは、ボス２５におい
て上下方向に間隔を存して構成され、ボス２５に挿通し
た支軸２０が基体５の軸支持部５ｄに支持される。

また、第８〜１０図に示す第３の実施例では、ブレーキ
レバー９はこの基端に支軸２７を一体に備えており、こ
の下端に作動片１６が取付けられるようになっている。

このため、支軸２７の下端周面に１対の溝２８が削設さ
れ、これに作動片１６の基端部に構成した二股片２９が
係合され、かつボルト２６によって締付けられる。

支軸２７は基体５の軸支持部５ｄに穿設した穴３０に、
上方から挿通して、基体５の下面から突出する下端に、
作動片１６が結合される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るマスクシリンダ装置の正面図、第
２図は同平面図、第３図は同側面図、第４図はマスクシ
リンダ装置に塊付けられるブレーキレバーについての斜
視図、第５図は本考案の第２実施例に係るマスクシリン
ダ装置の平面図、第６図は同正面図、第７図は同装置に
取付けられるブレーキレバーの斜視図、第８図は本考案
の第３実施例に係るマスクシリンダ装置の平面図、第９
図は同正面図、第１０図は同装置に取付けられるブレー
キレバーの斜視図である。 １：リザーバ、２：蓋、５：基体、５ａ：前半部分、５
ｂニブラケット部、５ｄ：軸支持部、９ニブレーキレバ
ー、１２ニジリンダ本体、１３：ハンドルパイプ、１５
：腕、１６：作動片、２０：支軸、２３：割溝、２４：
割溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ハンドルパイプに取り付けられる自動二輪車用液圧ブレ
   ーキのマスクシリンダ装置において、単一のシリンダを
   有するシリンダ本体と、基体５と、リザーバと、ブレー
   キレバーとからなり、前記基体の先端側は前記シリンダ
   本体の上に跨がりかつ前記リザーバを支持し、前記基体
   の基端側は後側壁に前記ハンドルパイプと結合するブラ
   ケット部５ｂを、前側壁にブレーキレバーを回転可能に
   支持するための支持部をそれぞれ備えており、前記ブレ
   ーキレバーの端部には下方に突出しかつ前記シリンダ本
   体に嵌装したピストンと衝合する作動片１６を有する腕
   を備えており、前記シリンダ本体が前記ブレーキレバー
   を含む水平面よりも下方に、前記リザーバが前記ハンド
   ルパイプとほぼ同一の水平面にそれぞれ配置されている
   ことを特徴とする自動二輪車用液圧ブレーキのマスクシ
   リンダ装置。