JPS5823754Y2 - 自転車用サイドプル式キヤリパ−ブレ−キ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自転車の前輪又は後輪に備えつけられるサイ
ドプル式のキャリパ−ブレーキに関する。

一般のサイドプル式キャリパ−ブレーキは、Ｃ型の第１
アームとＹ型の第２アームとを備え、この両者を固定支
軸回りに揺動自在としてあり、各アームにはインナー、
アウターの各ワイヤーを接続しインナーワイヤーの牽引
によって制動動作をすべく構成されている。

この場合インナーワイヤーを牽引操作すれば第１アーム
が制動方向に動作し、これと逆にアウターワイヤーによ
って第２アームが押圧されることによって第１アームと
同調して制動されるようにしである。

しかし乍らこの同調状態は、ワイヤー双方の種種関連に
て設定されるのであり一般に完全に同調させることは困
難で又当初は同調的であっても経時的にみれば両者間に
力のアンバランスを生じるため一方のシューが片残りし
たりして一方的に摩耗しかつ走行にも支障を与えること
となっていたものである。

この考案は上記問題を解決するためになされたもので、
両ブレーキシューが常に同調して動作すべく連動するよ
うに構成することによって片残り、片効き等の不都合を
なくし且つ全てのアームが単純な棒状材から簡易成形さ
れるようにすることによって安価に製作できるようにし
たキャリパ−ブレーキを提供することを目的とし、従っ
てその特徴とする処は、ブレーキ上部の幅方向略中央部
に位置して車体フレーム側に取付けられる固定支軸；固
定支軸に固定状態として突設されかつ該突端部にアウタ
ーワイヤが接続される固定アームニ一端にブレーキシュ
ーを備えかつ他端にインナーワイヤが接続され固定支軸
回りに回動自在に略中央部で支持されたＣ字型の第１ア
ーム；一端にブレーキシューを備えた第２アーム；とを
有し、前記固定アームに、第２アームが連動支軸を介し
て回動自在に支持され、第１・第２両アームの固定支軸
と連動支軸間に、第１・第２両アームを連動させて同調
的に制動操作させる連動機構が備えられ、該連動機構が
、第１・第２両アームの一方に備えられた連動片と、他
方に形成されて連動片が係合する長孔とされた受カムと
から構成され、前記固定アーム、第１アーム及び第２ア
ームの何れもが鍛造成形されかつ分岐部分を有しない形
状とされている点にある。

以下、図面を参照して本考案の実施例を詳述する。

第１図から第５図に示すものは、自転車の後輪或いは前
輪を制動するためのサイドプル式キャリパ−ブレーキに
ついての第１実施例であり、１は軸前後端に螺子を形成
した固定支軸である。

同支軸１は、前後一対の抱持駒２，２によって車体フレ
ーム３に固定される。

同支軸１の軸方向中途個所には、バネ挿通溝４を横方向
として形成した固定子５が一対的に突設され、該固定子
５の前側に固定状態の固定アーム６が側方へと突設され
ている。

この固定のために固定子５の前端部に半円切欠状の回り
止め受溝７を凹設し、一方固定アーム６の固定側基端に
も前記受溝７と適合する凹状の回り止め口８を形成し、
これによって固定状態としである。

この固定アーム６は、略々Ｌ型に層成されてはいるもの
のアルミ系バー材からの鍛造を介して作製されたもので
従来の如くＹ字をなさないので板材から特殊枝形状のも
のを板取りすると云う手数も要らず又これに伴なう材料
の無駄も省けるものである。

この固定アーム６の先端にはアウターワイヤ９が取着接
続されている。

１０は、前記固定アーム６の略々中途個所に前向きに突
出すべく備えた連動支軸であり、この支軸の前端に、ブ
レーキシュー１１付きの第２アーム１２を揺動自在に枢
支しである。

この第２アーム１２は、従来のＹアームの上端分岐部を
除いて前記固定アーム６に移した分岐部分を有しない形
状でこれもバー材から鍛造成形される。

１３は、固定アーム６の前寄りの位置において固定支軸
１に嵌装されたスペーサであり、同スペーサ１３は丁度
第２アーム１２と同列に位置する。

１４は、Ｃ字型の第１アームで該下端にブレーキシュー
１１を備え、且つ他端にはインナーワイヤ１５が接続さ
れており、バー材から鍛造成形されて分岐部分を有しな
い形状である。

この第１アーム１４は、中央ボス１４ａにて固定支軸１
に揺動自在とされ、該ボス１４ａの近傍基部にピン状連
動片１６を突設しである。

一方策２アーム１２の上端には、前記連動片１６と適合
しかつ摺動する長孔状の連動用受カムが形成されている
。

尚、第６図及び第７図示の第２実施例の如く、第２アー
ム１２の内端に一体的なボス１２ａを形成してこのボス
１２ａの長孔状ガイトロ１８が固定支軸１に嵌合するよ
うに構成してもよく、この場合第２アーム１２が安定に
揺動でき且つ前記スペーサ１３としても兼用されるもの
である。

従って上記構成では、第１図示の状態でインナーワイヤ
１５が牽引されると第１アーム１４が制動方向に揺動さ
れ、これと同時に連動片１６が第２アーム１２を蹴り上
げることによって同アーム１２が制動方向に同行し同調
的に一対のブレーキシュー１１．１１が応動する。

戻り動作も同じく同調する。

この考案は以上の如くであり、従って左右の第１・第２
アームが同調して制動動作されるので片残りもなく、片
効きとか片減りとかの問題も少なくなり走行に際しても
不都合を生じないものであり、特に各アームは板材を特
殊複雑形状に板取りすると云った手数と材料ロスも要ら
ず、単純形状のバー材から容易に鍛造成形される利点が
あり、例えば板取りを一切省き、単なる丸棒・角材等を
そのまま利用して屈曲しかつ鍛造することによって簡単
にブレーキを作製できるものでこの種片効き防止用ブレ
ーキに伴ない勝ちな構造の複雑化を極力避は最もシンプ
ルな形のブレーキを安価にして提供できる処に本案の一
大利点がある。

逆に云えば材料的に最も有利な条件となることにより充
分太く剛強なブレーキ装置を得ることも自在となった訳
であり、これが確実な連動性を確保しブレーキの同時か
つ強力な制動を有効化するために機能するものである。

特に、本考案では、ブレーキを車体フレーム側に取付け
る固定支軸に第１アームを回動自在に支持して、ブレー
キを車体フレーム側に取付ける固定支軸と、第１アーム
を支持する支軸とを兼用化したので、ブレーキの構成部
材の個数を従来より少なくできる。

又ζ第１・第２両アームを連動させて同調的に制動操作
させる連動機構を、第１・第２両アームにおいて、ブレ
ーキ上部の幅方向略中央部に位置する固定支軸と連動支
軸との間に備えたので、第２アームの連動機構側端部を
連動機構まで延設すればよく、ブレーキの幅方向中央部
まで延設しなくてもよいので第２アームの長さを短かく
でき、第２アームの材料費を削減できる。

更に、上記連動機構において、連動片が係合する受カム
を長孔としたので、連動機構において、連動片と受カム
との係合が不慮に解除される惧れがなく、連動機構の作
動が確実で且つ安定している。

尚、前記連動支軸１０と第２アーム１２間に遊びを設け
、一方連動片１６と第２アーム１２とを枢結状態として
構成することもある。

又、前記バネ挿通溝４からは第１アーム１４に亘って半
メガネ状のバネ１９が弾架されているが、勿論第１図示
の如くメガネ形状として第２アーム１２にまでも亘るべ
く構成しても良い。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の第１実施例を示すブレーキの背面図
、第２図はその左側面図、第３図はその平面図、第４図
は第１図示の状態から制動操作された状態の中間過程を
示すブレーキ背面図、第５図はブレーキの分解斜視図、
第６図は第２実施例を示すブレーキの平面図、第７図は
その■−■線断面図である。 １・・・・・・固定支軸、３・・・・・・車体フレーム
、６・・・・・・固定アーム、９・・・・・・アウター
ワイヤ、１０・・・・・・連動支軸、１１・・・・・・
ブレーキシュー、１２・・・・・・第２アーム、１４・
・・・・・第１アーム、１５・・・・・・インナーワイ
ヤ、１６・・・・・・連動片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ブレーキ上部の幅方向略中央部に位置して車体フレーム
   側に取付けられる固定支軸；固定支軸に固定状態として
   突設されかつ該突端部にアウターワイヤが接続される固
   定アームニ一端にブレーキシューを備えかつ他端にイン
   ナーワイヤが接続され固定支軸回りに回動自在に略中央
   部で支持されたＣ字型の第１アーム；一端にブレーキシ
   ューを備えた第２アーム；とを有し、前記固定アームに
   、第２アームが連動支軸を介して回動自在に支持され、
   第１・第２両アームの固定支軸と連動支軸間に、第１・
   第２両アームを連動させて同調的に制動操作させる連動
   機構が備えられ、該連動機構が、第１・第２両アームの
   一方に備えられた連動片と、他方に形成されて連動片が
   係合する長孔とされた受カムとから構成され、前記固定
   アーム、第１アーム及び第２アームの倒れもが鍛造成形
   されかつ分岐部分を有しない形状とされていることを特
   徴とする自転車用サイドプル式キャリパ−ブレーキ。