JPS5823691Y2 - 車輌用空調機の加湿装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、車輌用空調機の加湿装置に関する。

従来、車輌用空調機においては、特にヒータ・モード時
において湿度を制御することが必要であるとされている
。

しかし、車輌では、空間容積が小さい上に空間の形状が
複雑であるため、住宅用加湿器の如き、制御方式が単純
な加湿器を用いたのでは、加湿器周辺は高湿度となり、
加湿器から離れた所では低湿度となってしまう。

このため、電気系統の配線が多数本配設されている車輌
空間にあっては電気系統の事故を引起す大きな原因とな
るので、車輛用空調機の使用にあたって、加湿を行なっ
ていないのが現状である。

更に、加湿の制御を行なうためには、湿度センサが必要
であるが、湿度は物理量のうちで測定が極めて困難なも
のの１つである上に湿度センサは水蒸気だけでなく、様
々な成分を含んだ雰囲気中に露出されて使用されるため
、劣化しやすいという問題点を有していることも、また
、車輛用空調機において現在加湿を行なっていないこと
の理由の１つである。

本考案の目的は、良好な加湿制御を行なうことができる
車輌用空調機の加湿装置を提供することにある。

以下、図示の実施例により、本考案を詳細に説明する。

第１図には、本考案による加湿装置を備えた車輌用空調
機の一実施例が示されている。

空調機１は、ブロア２と、エバポレータ３と、ヒータコ
ア４とが図示の如くダクト５内に配設されて成り、ダク
ト５の吸気口部６には、車輌内に連通している開口部１
と、車輌外に連通している開口部８とが設けられている
。

吸気口部６には、開口部７と開口部８とのいずれか一方
を選択的に閉じることができるシャッタ９が設けられて
おり、このシャッタ９を操作することによって、車輛内
の空気又は車輌外の空気をプロア２によってダクト５内
に吸気することができる。

同、シャッタ９を、第１図中、実線で示す位置と、点線
で示す位置の中間に位置させれば、車輌内の空気と、車
輌外の空気とを混合してダクト５内に取込むことができ
る。

第１図中、符号１０で示されるのは、暖房冷房の切換を
行う場合にダクト内の空気流路の切換を行うためのシャ
ッタである。

この空調機１には、車室内の湿度調節を行うことができ
るように、加湿装置１１が設けられている。

加湿装置１１は、ダクト５内の空気に湿度を与えるため
、ダクト５内に水を噴霧する加湿器本体１２と、車室内
の湿度が所望の値に維持されるように加湿器本体１２の
駆動を制御する制御装置１３とを備えている。

加湿器本体１２は、水タンク１４と、送風用モータ１５
と、水タンク１４内の水１６を供給する給水パイプ１７
と送風用モータ１５からの送風パイプ１８とに接続され
ている噴霧ノズル１９とから成り、この噴霧ノズル１９
はエバポレータ３の前段部、即°ち、エバポレータ３よ
り風上側に配置される。

図示の例では、噴霧ノズル１９は、ブロア２とエバポレ
ータ３との間のダクト壁に取付けられており、モータ１
５からの送風により水タンク１４内の水１６をダクト５
内に噴霧することができる。

このように、噴霧ノズル１９をエバポレータ３の前段部
に配置すると、粒径の大きい水滴はエバポレータ３にあ
たってそのままドレインパイプ２０から流出し、粒径の
小さな噴霧成分のみが車室内に送り出されることになり
、ダクト５の吹出口２１から水滴が床に落ちる状態を有
効に防止することができる。

車室内の湿度を所定の値に保つため、車室内の適宜の箇
所には湿度センサ２２が配置されており、湿度センサ２
２と制御装置１３とにより、モータ１５の駆動を以下に
詳述するようにオン・オフ制御する。

第２図には、これらの湿度センサ２２を含む、加湿装置
１１の電気回路の回路図が示されている。

制御装置１３は、湿度センサ２２と、演算増幅器Ａ１．
Ａ２とを主体に構成され、湿度センサ２２が設けられた
箇所の湿度が所定値以上となったか否かを検出する湿度
検出回路２４を備えている。

湿度検出回路２４においては、センサ２２と抵抗器Ｒ１
との直列回路が直流電源２３に並列に接続されており、
センサの設置箇所の湿度に従ってセンサ２２の抵抗値が
変化し、これにより、センサ２２と抵抗器Ｒ１との接続
点Ｍの電位ＶＭが変化する。

この電位変化は、演算増幅器Ａ１により増幅され、コン
パレータとして働く演算増幅器Ａ２の一入力端子に印加
される。

センサ２２としては、金属酸化物セラミックの孔に付着
した湿分による導電性の変化を利用するセラミック湿度
センサが用いられており、従って電位ｖＭは相対湿度の
上昇に伴って上昇する。

演算増幅器Ａ２の＋入力端子には、抵抗器Ｒ４とＲ５と
の接続点Ｎの電位ｖＮが印加されているので、センサ設
置箇所の湿度が低い場合には演算増幅器Ａ１の出力の電
位は電位ｖＮより低く、従って、演算増幅器Ａ２の出力
、即ち検知信号Ｓ１のレベルは高レベルとなっている。

一方、センサ２２を設置した箇所の湿度が高くなると、
演算増幅器Ａ１の出力の電位は上昇して電位ｖＮより高
くなり、検知信号Ｓ１のレベルは低レベルとなる。

従って、電位ＶＮＯ値を適宜の値に選択することにより
、センサ２２の設置場所の湿度が所望の値になったこと
に応答して検知信号Ｓ１のレベルを低レベルとすること
ができる。

この検知信号Ｓ１はアンド・ゲート２５の一方の入力に
印加される。

アンド・ゲート２５の他方の入力には、パルス発生器２
６から供給される所定の周期で所定のデユーティ比を有
するパルス信号Ｓ２が印加されており、アンド・ゲート
２５はこのパルス信号Ｓ２が高レベルのトキにのみ開か
れ、アンド・ゲート２５から検知信号Ｓ１をとり出すこ
とができる。

この実施例では、パルス信号Ｓ２は、第３図に示される
ように、周期Ｔが３０秒で、高レベル期間τが５秒のく
り返しパルス信号となっている。

従って、アンド・ゲート２５の出力Ｓ３は、検知信号Ｓ
１のレベルが低レベルであれば、低レベルのままである
が、検知信号Ｓ１のレベルが高レベルとなると、アンド
・ゲート２５の出力Ｓ３は検知信号Ｓ１のレベルが高レ
ベルを維持している期間中、３０秒かきに５秒間だけ高
レベルとなる。

出力Ｓ３はモータ１５の駆動回路２７にオン・オフ制御
信号として印加され、出力Ｓ３が高レベルの期間だけモ
ータ１５が駆動されるように制御される。

従って、このような構成によれば、センサ２２の設置場
所における湿度が所定値以下になると、検知信号Ｓ１の
レベルが高レベルとなり、パルス信号Ｓ２の繰返し周期
及びデユーティ比で定まるところにより加湿器本体１２
が間歇的に駆動される。

従って吹出口２１から吐出される空気に対して間歇的に
湿気が与えられるので、従来のように、加湿中吹出口近
傍の湿度が吹出口より離れた所の湿度より著しく高くな
ることがなく、車室内を均一に加湿することができる。

尚、第３図に示す如きパルス信号を得るには、例えば第
４図に示すように、矩形波発振器３０によって周期が３
０秒の矩形波信号Ｓ１ｏを発生させ、信号ＳＩＯを微分
回路３１によって微分したのち、微分回路３１からの出
力Ｓ１□ をダイオード３２によって整流し、整流微分
信号Ｓ１□を単安定マルチバイブレータ３３にトリガ信
号として印加することにより容易に得ることができる。

本考案によれば、上述の如く、１つの湿度センサを用い
るだけで車室内の湿度を均一に保ちつつ所定の湿度に制
御することができるので、車室内の特定の箇所が高湿と
なることを有効に防止することができる実益を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の概略図、第２図は第１図に
示す実施例の電気系統の回路図、第３図は第２図中のパ
ルス信号Ｓ２の波形図、第４図は第２図に示すパルス発
生器の具体的な構成を示すブロック図である。 １・・・空調機、３・・・エバポレータ、５・・・ダク
ト、１１・・・加湿装置、１２・・・加湿器本体、１３
・・・制御装置、１５・・・モータ、１９・・・噴霧ノ
ズル、２２・・・湿度センサ、２４・・・湿度検出回路
、２５・・・アンド・ゲート、２６・・・パルス発生器
、Ｓｌ・・・検知信号、Ｓ２・・・パルス信号。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 車室内の所定の位置に設けられた湿度センサを含み
   前記所定の位置の湿度が所定の設定湿度に達した場合に
   検知信号を出力する湿度検出回路と、くり返しパルス信
   号を発生するパルス発生器と、前記パルス信号により開
   閉され前記検知信号を所定の時間間隔で所定時間だけ通
   過させるゲート回路と、車輛用空調機のエバポレータの
   前段部に設けられ該空調機のダクト内の空気に湿気を与
   える噴射ノズルを含み前記ゲート回路を介して得られる
   前記検知信号によりオン・オフ制御される加湿器本体と
   を備えたことを特徴とする車輌用空調機の加湿装置。 ２ 前記湿度センサがセラミック湿度センサであること
   を特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載の車輌
   用空調機の加湿装置。