JPS5823468Y2 - 鋳造用パツド - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は鋳造用バンドに係り、特にこのバンドが付設さ
れる鋳造品の鋳肌に欠陥が発生するのを防止できるよう
にしたものを提供する。

鋳物を鋳造するに当っては、引は巣のない健全なものを
得るため方案的に指向性凝固の促進を図るのが通例であ
り、この場合鋳造品の所要部分に余肉を設けて、この余
肉の保温効果により押湯方向への指向性凝固を促進する
場合があり、これを一般にメタルバンドと呼称している
。

例えば、第１図に示すような棒状の鋳造品１を鋳造する
場合では、その上端の押湯２と連なって鋳造品１の一側
中途部に１でテーパ状のメタルバンド３が設けられる。

処が、このメタルバンドを利用する場合では、鋳仕上工
程でこれを除去して鋳肌を仕上げる必要があり、また鋳
造歩留りも低下する欠点があって、この点に鑑みて、最
近鋳鋼品鋳物については発熱または断熱保温材から成る
バンドが用いられるようになりつつある。

然し乍ら、この発熱普たは断熱保温材は、その素材とし
て多孔質の耐火物を用い、フェロシリコンやアルミニュ
ームの溶湯との発熱反応を利用するものが多く、これら
低融点の耐火物、金属等を含むものであるため、鋳込時
にこれらが反応して鋳造品の鋳肌にブローホール、ピン
ホール、アラワレ等の欠陥を発生させるという新たな問
題を生じている。

本考案はこのようなパッドによる鋳肌欠陥発生の問題を
解消すべくなされたものであり、本考案の鋳造用バンド
は、発熱または断熱保温材から成る鋳造用バンドにおい
て、その鋳造品と接する側に遮断材としてシリカ繊維か
ら成る布状耐大物を設けたことを特徴としている。

以下本考案の実施例を図示し説明すると、第２図は第１
図の従来例に対応するｌ実施例を表わし、図において１
は棒状鋳造品、２は押湯、３は鋳造品の一側に設けた発
熱または断熱保温材から成るバンドであり、４は鋳型を
示している。

バンド３は前述のように低融点の耐火物、金属等を含み
構成される。

５は鋳造品１とパッド３との接触面において両者の遮断
材として介設される布状耐火物であり、この布状耐火物
５はガラス繊維を化学的に処理するなどして得られる非
結晶質のシリカ繊維を素材として形成されるものであり
、平面的に密に構成されたものであれば、シリカ繊維の
糸条を編織して作られる各種編織布酸いはシリカ繊維を
布状に重合せしめてなる不織布とその種別を問わないか
、高融点を確保する上で（特に鋳造品が鋳鋼鋳物である
場合）、その組成中のＳｉＯ分が出来る丈高いものであ
ることが望ましい。

高ＳｉＯ含有量の布状耐火物を得るための一法として、
シリカ繊維の糸条を編織した後その織布全体に不純物抽
出処理を行いＳｉＯ含有量を高める方法がある。

而して、このようなパッド３を設ける鋳型４を造型する
に当っては、予め布状耐火物の生地から目的部位の大き
さ形状に適応する布状耐火物５を裁断しておき、これを
使用する鋳造用模型の所定位置に貼付し、この状態で布
状耐火物５上にバインダーを混合した発熱曾たは断熱保
温材を置き所定形状のパッド３を成型し、しかる後その
上から通常の手段により造型するのである。

すると、布状耐火物５はバンド３に混合されたバインダ
ーを接着剤としてパッド３に転移付着される。

なお、発熱または断熱保温材のバインダーとしては通常
水ガラスを用いるものが多く、ＣＯガスにより硬化させ
成型する。

昔た、予め成型済みの発熱または断熱保温材バンドを用
いる場合では、その目的表面にデンプンのり等の適宜接
着剤を用いて布状耐火物５を貼着しておき、この状態で
造型に供すればよい。

なお、上記例れの造型方法による場合でも、布状耐火物
５の鋳造品１と接する側の表面には、更に通常の塗型を
併用することもできる。

以上のように鋳造品と接する側に遮断材として布状耐火
物を設けてなる本考案の鋳造用バンドでは、シリカ繊維
から戚る処のその布状耐火物が、鋳造時に耐火度の高い
断熱性を有する好適な遮断材として作用し、これによっ
て発熱筐たは断熱保温材と鋳込溶湯との接触が完全に回
避され、発熱または断熱保温材に起因して鋳肌面にガス
欠陥が発生するのを確実に防止できるものとなる。

この効果は従来の塗型塗布手段による場合と比較すると
、確実性の点でこれを遥に上回るものである。

又布状耐火物はシリカ繊維を用い、これを機械的に相互
に連結せしめて構成されるものであるため、バインダー
により硬化させた耐火物に比較すると、その高温強度並
びに耐火度が高く、これがためアラワレ等の欠陥防止に
対して顕著に奏効するものとなる。

なお、布状耐火物は高温強度、耐火度に優れているため
、極く薄手のものを使用することができ、従って発熱ま
たは断熱保温材パッド本来の効果を損わないものである
。

本考案の鋳造用バンドは、以上の如く鋳造品の鋳肌に欠
陥が発生するのを簡単確実に防止できるものであり、特
に鋳鋼品鋳物への利用に最適なものであるが、その他ダ
クタイル鋳鉄鋳物やアルミ、鋼鋳物等の非鉄鋳物の鋳造
にも同様に利用できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を表わす側面図であり、第２図は本考案
の１実施例を表わす側面図である。 １・・・・・・鋳造品、２・・・・・・押湯、３・・・
・・・発熱または断熱保温材から戚るバンド、４・・・
・・・鋳型、５・・・・・・布状耐火物。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 発熱ｌたは断熱保温材から成る鋳造用パッドにおいて、
   その鋳造品と接する側に遮断材としてシリカ繊維から戊
   る布状耐火物を設けたことを特徴とする鋳造用バンド。