JPS582264B2 - 耐摩耗鋼およびその製造法 - Google Patents

耐摩耗鋼およびその製造法

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JPS582264B2
JPS582264B2 JP53066760A JP6676078A JPS582264B2 JP S582264 B2 JPS582264 B2 JP S582264B2 JP 53066760 A JP53066760 A JP 53066760A JP 6676078 A JP6676078 A JP 6676078A JP S582264 B2 JPS582264 B2 JP S582264B2
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JP
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wear
steel
ferrite
wear resistance
pearlite
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JP53066760A
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三宅日出男
篠田研一
松本千恵人
石井晴美
中本一成
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Steel Co Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、焼入れ焼戻しにより硬度を高めなくとも、圧
延ままの状態で土砂等に対して非常に優れた耐摩耗性を
示す新規な耐摩耗鋼およびその製造法に関するものであ
る。
鋼の摩耗は各種の要因に影響されるが、鋼の硬さが耐摩
耗性を順位づける1つの目安となり、また耐摩耗性は引
張強さにも一般に比例するので、土木鉱山機械などの土
砂等に対する摩耗部材として、高張力鋼の硬度を高めた
耐摩耗用高張力鋼が種々報告されている。
これらは、もともと溶接用高張力鋼として開発された鋼
に対して焼入れ焼戻し(焼戻し温度は通常より低くする
)を施して硬度を高め、これにより耐摩耗性を付与しよ
うとしたものが多い。
すなわち、表面硬さで耐摩耗性を保証しようとするもの
であった。
これらの処置は一面において正しいが、同一硬さであっ
ても組織によって耐摩耗性が異ることもよく知られた事
実である。
例えば、焼入れ焼戻しによって得られるマルテンサイト
組織はペイナイトf.ff織やフエライト・パーライト
組織に比べて耐摩耗性が劣ると言われている。
だが従来においては、耐摩耗性(特に土砂等に対する耐
摩耗性)の向上きいう観点に立って成分組織、ならびに
圧延加工条件などを検討した耐摩耗鋼は見当らず、もっ
ぱら焼入れ焼戻し処理による表面硬度の向上によって、
既存鋼に耐摩耗性を付与するといった対策が採られてき
た。
本発明者らは、鋼の摩耗に関して金属組織学的にその優
劣を検討し、数多くの耐摩耗試験を重ねた結果、特定の
成分系を選定し、その製造条係を規制することによって
特定の組織に調整するならば、従来の耐摩耗用に供され
ていた焼入れ焼戻し材とは全く異る耐摩耗鋼が得られる
ことが判明し、新規な耐摩耗鋼を開発することに成功し
た。
すなわち、本発明は、炭素0.20〜0.30%、シリ
コン0.85〜1.50%、マンガン0.85〜1.5
0%、クロム0.40%〜0,60%、バナジウム0.
05〜0.15%、残部鉄および不可避的不純物からな
り、細粒フエライト(好ましくはASTM41 0のフ
エライト粒度より細粒)と面積率30%以上のパーライ
トとのフエライト・パーライト組織を有する耐摩耗鋼を
提供するものである。
そして、この耐摩耗鋼を製造する方法として、該成分組
成の鋼を850〜950℃の最終加工温度で熱間圧延し
、この温度から550〜650℃の温度範囲に冷却し、
この550〜650℃の温度範囲でγ/α変態を行なわ
せることによって、上記のフエライト・パーライト組織
とする方法を提案する。
以下に本発明の詳細を述べる。
本発明は、C;0.20〜0.30%、S i ;0.
85〜1.50%、Mn : 0.8 5〜1.5 0
%、Cr;0,40%〜0.60%、V;0.05〜0
.15%の化学成分値とした上で、フエライトを細粒化
し、パーライトの面積率を30%以上に高めたフエライ
ト・パーライト組織を得ることによって、土砂等に対す
る摩耗抵抗を高め得たものである。
フエライト・パーライト組織がマルテンサイト組織より
も耐摩耗性に優れた面があることは先にも述べたように
知られている。
本発明は、このフエライト・パーライト組織に着目した
ものであるが、幾種もの実験を行なってみると、このフ
エライト・パーライト組織において、フエライト粒度の
微細化とパーライト面積率の増加が耐摩耗性の向上に大
きく寄与することがわかった。
そして、このフエライト粒度の微細化とパーライト面積
率の増加は、C, S i ,Mn , Cr ,Vに
よる成分調整と熱間圧延条件およびγ/α相の変態温度
の規制によって好適に達成し得ること、ならびに製造上
も非常に有利な条件下で良好な耐摩耗鋼が得られること
が明らかとなった。
本発明鋼は、その表面硬度がピツカース硬さでHv21
0〜300と比較的低いものであり、従来の表面硬度の
向上により耐摩耗性を付与するという材料とは基本的に
異なるものである。
本発明鋼の成分組成の選定ならびに組織状態や製造条件
は、後述の実施例で示すように実験結果を基として定め
られたものであり、その用途から溶接性や諸機械的性質
も考慮されている。
各要素別にその選定理由の概要を述べると次のとおりで
ある。
炭素量0.20〜0.30%について;炭素量の下限は
パーライト面積率を30%以上とし、これにより、耐摩
耗性を確保するための必要最小限の量である。
上限は溶接性を維持するに必要な最大限の量である。
シリコン0.85〜1.50%について;シリコンはフ
エライト地を強化し土砂等に対する耐摩耗性を著しく改
善する。
第1図は、Si以外の成分は本発明範囲としてSi量と
耐摩耗性の関係を調べた実験結果図である。
試験は後述の実施例と同様の試験法に従った。
第1図から明らかなように、Si量の増加につれて鋼の
摩耗減量は急激に減少し、本発明範囲のSi量で十分な
耐摩耗性が確保できる。
また、Siは変態点を高めるので、γ/α相変態温度(
本発明では550〜650℃に規制する)までの過冷度
が大きくなり、パーライト面積率を増加させるのにも大
きく寄与する。
このパーライト面積率増加効果と第1図の実験結果とか
らSi含有量を0,85〜1.50%の範囲に定めたも
のであり、このSi量は本発明の重要な特徴の1つであ
る。
マンガン0.85〜1.50%について;マンガンは、
パーライト面積率を増加させ強度を得るために0,85
%以上の添加が必要である。
しかし、1.50%を越える量の添加は、ベイナイト状
組織となって耐摩耗性を損うことになる。
クロム0.40%〜0.60%について;クロムはマン
ガンと同様にパーライト面積率の増加とその強化に寄与
する。
0.40%以下の添加ではその効果が顕著ではない。
しかし、0,60%を越える量ではベイナイト状組織と
なって耐摩耗性を損う。
バナジウム0.05〜0.15%について;バナジウム
は圧延時における細粒化作用および析出強化作用に少量
で効果があるが、0、05%未満ではその効果が十分で
はなく、また0.15%を越える量では延性、靭性の劣
化が著しくなる。
フエライト・パーライト組織および製造条件について;
第2図は、下記の表1に示したMn−Cr鋼(比較鋼)
と本発明鋼について、熱延時の最終加工温度とγ/α相
変態温度とによる変態組織の生成領域を示したものであ
る。
第2図において、上欄AはMn−Cr鋼、下欄Bは本発
明鋼であり、(●)印はフエライト・パーライト組織、
(×)印はベイナイト状組織の生成領域を表わし、図中
の数字の上段はパーライト面積率、下段はASTM,1
6によるフエライト粒度である。
いづれのデータも、オーステナイト粒がASTMA7.
0のものを熱延最終加工で20%の圧下を加え、ただち
に表示の最終加工温度から表示の相変態温度に冷却して
得たものである。
第2図から明らかなように、本発明鋼は最終加工温度が
高くかつγ/α相変態温度が低い範囲でもフエライト・
パーライト組織が得られ、フエライト粒の細粒化と高い
パーライト面積率が維持でき、特に、熱延時の最終加工
温度を850〜950℃、γ/α相変態温度を550〜
650℃とした場合に、フエライト結晶粒度がASTM
No.10のものより微細となりかつパーライト面積率
も30%以上の高い水準を維持することができる。
この結果、従来の如く、焼入れ焼戻し等の熱処理を要せ
ずして、圧延ままで後記実施例に示す如く高い耐摩耗性
を示す鋼が得られる。
本発明鋼の製造にあたっては、本発明に従う成分組成の
鋼を、静的再結晶温度域にある通常の例えばタンデムミ
ル圧延で熱間圧延し、その最終加工温度を850〜95
0℃の範囲とし、ランアウトテーブル上で急水冷して5
50〜650℃の温度範囲でγ/α相変態を行なわせる
ようにすればよい。
このタンデム圧延では、漸進的にオーステナイト粒が微
細化され、細粒オーステナイトからは微細なフエライト
粒が形成されるので、フエライト粒の微細化が助成され
、有利である。
本発明鋼は、特に土砂、砕石などに対しての耐摩耗性を
示し、溶接性も兼ね備えており、農業機械、土木鉱山機
械用の耐摩耗部材として新材料を提供するものであるが
、製銑製鋼や窯業関係設備の耐摩耗強度部材としても好
適である。
以下に実施例を示す。
表2に、本発明鋼と比較鋼の化学成分値ならびに摩耗性
質を総括して示した。
比較鋼は耐摩耗部材として一般に使用されている溶接用
高張力鋼であり、比較鋼A−Cは圧延ままの状態、比較
鋼D〜Fは焼入れ焼戻しを施したものでの摩耗性質を示
している。
表2中の摩耗減量の測定は、5.Omm× 5 0mm
×5 0mmの板状試験片を5〜10mmの大きさの川
砂利(水の中に入れてある)の中を伏角30°速度2.
5 mで、17時間運動させたときの摩耗原量を調べた
ものである。
また表中の本発明鋼はそれぞれ熱延での最終加工温度を
900℃とし、ただちに600〜620℃でγ/α相変
態を行なわせた圧延ままのものである。
表2の結果から、焼入れ焼戻しによって硬度を高めた比
較鋼D−Fは、圧延ままのA−Cに比較して確かに耐摩
耗性は改善されているが、その耐摩耗性はSS41材の
1.2倍程度である。
これに対し、本発明鋼の硬度は焼入れ焼戻し材D−Fと
同程度であるが、摩耗減量は著しく低く、SS4 1材
の1.7〜2.1倍の耐摩耗性を示しており、耐摩耗性
が一段と優れていることが明らかである。
下記の表3は、Si,Cr,Vが本発明範囲外の類似鋼
G,H,Iに対して本発明法で規定する製造条件を付与
した場合と本発明鋼とを比較したものであり、表2の場
合と同様の試験法に従って摩耗減量を測定した。
表3の結果から明らかなように、Si,Cr,■が本発
明の規定する範囲を外れる場合には、本発明の製造条件
によっても十分な耐摩耗性が得がたい。
このように、成分組成と組織ならびに製造条件が本発明
で規定する範囲にあるときに、優れた耐摩耗性が得られ
ることが明らかである。
【図面の簡単な説明】
第1図はSi含有量と摩耗減量との関係図、第2図は熱
延時の最終加工温度とγ/α相変態温度がフエライト・
パーライト組織の生成領域に及ぼす鋼成分の影響(Aは
比較鋼、Bは本発明鋼)を示す関係図である0

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 炭素0.20〜0.30%、シリコン0,85〜1
    .50%、マンガン0.85〜1.50%、クロム0,
    40超〜0.60%、バナジウム0,05〜0.15%
    、残部鉄および不可避的不純物からなり、細粒フエライ
    トと面積率30%以上のパーライトとのフエライト・パ
    ーライト組織を有する耐摩耗鋼。 2 細粒フエライトはASTMAIOのフエライト粒度
    より細粒である特許請求の範囲第1項記載の耐摩耗鋼。 3 炭素0.20〜0.30%、シリコン0.85〜1
    .50%、マンガン0.85〜1.50%、クロム0.
    40超〜0.60%、バナジウム0.05〜0.15%
    、残部鉄および不可避的不純物からなる鋼を850〜9
    50℃の最終加工温度で熱間圧延し、この温度から55
    0〜650℃の温度に急冷し、この550〜650℃の
    温度範囲でγ/α相変態を行なわせることを特徴とする
    フエライト・パーライト組織の耐摩耗鋼の製造法。
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