JPS5821925Y2 - 蝶ボルト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、蝶の羽根形に突出する手指による回転操作部
を有する基部部材と、該基部部材の中央部から前記回転
操作部の在る側とは反対側に突設されたねじ部材とから
戒る蝶ボルトに関する。

蝶ボルトは六角ボルト、丸ボルトやビスなどに比べてス
パナやドライバーなどの工具を要さず、手指で簡単に回
転し締付けおよび締付は解除できる利点を有するが、従
来の蝶ボルトにあっては、第３図イのように鋳造若しく
は一枚の板金をその板面に垂直に絞り込み底形した基部
部材Ａ′ に対し、中実棒状のねじ部材Ｂ′の基端部端
面を当て付けて溶接したり、挿入後にカシメ止めするか
、又は第３図口のように扁平板状の基部部材Ａ′を、ね
じ部材Ｂ′の基端部に形成した縦溝ｂ’１人し溶接又は
接着するかしていたが、前者のものでは単なる面接当溶
接又は挿入カシメであるため回転トルク伝達時に両部材
Ａ′、Ｂ′が剥がれ分離しやすく、又後者のものではね
じ部材Ｂ′の縦溝ｂ′両脇部分が拡開して折損したり或
いは扁平な基部部材Ａ部折れ曲がりやすく、何れにして
もトルク伝達上強度的に問題があった。

又、前者にあって基部部材が鋳造品の場合それ自身の強
度が小さいため余り太きいものは採用できず、また、た
とえ太きいものを採用したとしても重量が大きくなり、
絞り込み成形品の場合その製造手段そのものに起因して
大なるものは製造できないという制約がある。

これに対し後者にあっては基部部材が扁平板状であるか
らそれ自体としては太きいものを製作できはするものの
、大きくすればする程、前述の縦溝両脇部分の拡開折損
又は基部部材の折れ曲がりが大となるため、やはり大き
さに制約を受けていた。

はぼ平面形状の基部部材と、立体形状のねじ部材とを共
に板金加工により形成して、全体を軽量で加工しやすく
すると共に、基部部材の折れ曲がりを皆無にして全体と
して締付は性能の向上を図ると共に、大きさの制約を緩
和し、さらには製造工程を従来の方法に比し格段に簡単
化しうる蝶ボルトを提供せんとする目的を有す。

以下先ず、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

一般に蝶ボルトは、両端側に蝶の羽根形に突出する手指
による回転操作部を有している基部部材Ａと、この基部
部材Ａの中央部から回転操作部の在る側とは反対側にね
じ部材Ｂを固着突出して成るものであるが、本考案では
板金を用いて基部部材Ａとねじ部材Ｂとを構成する。

即ち基部部材Ａの肉厚方向で二分割された二つの板金製
部材１，１の中央部夫々に直交姿勢で短冊状板金帯３，
３を一体連設しておき、つまりそのような形状で板取り
を行ない。

この板金帯３゜３部分をプレスによって夫々半円筒状に
成形し、この半円筒状板金帯３，３の外周に雄ねじ３ａ
。

３ａを両者が一連の雄ねじを呈するように連続状態で形
成し、ついで板金製部材１，１と半円筒短冊状板金帯３
，３とを一体連設したもの同志を両者の外郭線同志がビ
ンタリと合致する状態で重合させ、スポット溶接２・・
・にて少なくとも板金製部材１，１の一部分を一体固着
させるのである。

ここで雄ねじ３ａ、３ａの形成は、板金帯３゜３をそれ
ぞれ半円筒状にプレスするとき同時にプレス形成するも
、又板金製部材１，１と半円筒短冊状板金帯３，３とを
一体連設したものを重合固着後、形成された円筒部分に
タンピング加工をもって形成するも倒れでも良い。

板金製部材１，１と半円筒短冊状板金帯３，３とを一体
連設したもの同志の重合固着は、板金製部材１，１同志
の一部分を重合固着すれば、板金帯３，３同志は重合固
着を必ずしも行う必要はない。

重合固着は、スポット溶接２・・に代え、高強度の接着
剤で行うも良い。

図面中１ｂ、１ｂは、板金製部材１，１の手指による回
転操作部の手指当て部相当箇所において、前記板金製部
材１，１どうしを重合した時に、夫夫外方に向けて円弧
状もしくは球面状の実開する外面を呈するように前述プ
レス加工時に実間形成した膨出部であり、回転操作時に
はこの膨出部Ｉｂ、ｌｂに押し当てることで手指の滑り
を防止し、また、はぼ平面形状の基部部材Ａの強度を軽
量な構造で大きくしである。

更にねじ部材Ｂとして、図示のようにボ、ルト状態とす
るも、先細りの木ねじ状態とするも良い。

以上要するに本考案による蝶ボルトは、冒記したものに
おいて、前記基部部材Ａを、その肉厚方向で二分割され
、且つ、手指当て部に相当する箇所には夫々一方の板面
側に実開する膨出部１ｂ。

１ｂを板金加工により一体形成した二つの板金製部材１
，１から構成すると共に、前記ねじ部材Ｂを、その径方
向で二分割された半円筒短冊状板金帯３，３から構成し
て、前記二つの板金製部材１゜１どうしを前記膨出部１
ｂ、１ｂの実開する方向が夫々外方に向く状態、及び、
前記二つの半円筒短冊状板金帯３，３どうじをそれらに
よって円筒を形成する状態に夫々重合して固着し、かつ
、前記半円筒短冊状板金帯３，３から形成された円筒部
分の外周には、雄ねじ３ａ、３ａを連続状態で形成しで
あることを特徴とするものであって、次の利点がある。

即ち、次の作用効果を得られる。

■ 基部部材Ａとねじ部材Ｂとを共に板金加工により形
成されるので、大型で軽量な蝶ボルトを容易に製作でき
る。

＠ はぼ平面形状の基部部材Ａと、立体形状のねじ部材
Ｂとを共に板金加工によって製作するために、夫々、肉
厚方向及び径方向に二つの板金製部材１，１どうし、及
び二つの半円筒短冊状板金帯３，３どうしを重合させる
ことによって形成するから、複雑で互いに性質の異なっ
た形状の部材Ａ、Ｂでも至って容易に製作できる。

６ 基部部材Ａがほぼ平面形状であることにより折れ曲
る虞れのあるという形状による欠点を、２板の板金帯３
，３を重合固着することによって強度を高めることがで
きると同時に、手指当て部に相当する箇所に、板金加工
による膨出部ｌｂ、ｌｂを一体形成しであるので、軽量
な構造で一層強度を高め、手指のすべり防止にも役立つ
。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の蝶ボルトの→りを示した正面図、第２
図はその平面図、第３図イ２口は従来例の斜視図である
。 Ａ・・・・・・基部部材、Ｂ・・・・・・ねじ部材、１
・・・・・・板金製部材、１ｂ・・・・・・膨出部、２
・・・・・・スポット溶接、３・・・・・・半円筒短冊
状板金帯、３ａ・・・・・・雄ネジ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 蝶の羽根形に突出する手指による回転操作部な有する基
   部部材Ａと、該基部部材Ａの中央部から前記回転操作部
   の在る側とは反対側に突設されたねじ部材Ｂとから成る
   蝶ボルトにおいて、前記基部部材Ａを、その肉厚方向で
   二分割され、且つ、手指当て部に相当する箇所には夫々
   一方の板面側に突曲する膨出部１ｂ、１ｂを板金加工に
   より一体形成した二つの板金製部材１，１ から構成
   すると共に、前記ねじ部材Ｂを、その径方向で二分割さ
   れた半円筒短冊状板金帯３，３から構成して、前記二つ
   の板金製部材１，１どうしを前記膨出部１ｂ、ｌｂの突
   曲する方向が夫々外方に向く状態、及び、前記二つの半
   円筒短冊状板金帯３，３どうしをそれらによって円筒を
   形成する状態に夫々重合して固着し、かつ、前記半円筒
   短冊状板金帯３゜３から形成された円筒部分の外周には
   、雄ねじ３ａ、３ａを連続状態で形成しであることを特
   徴とする蝶ボルト。