JPS5820892Y2 - 静電容量式レベル計 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は静電容量式レベル計の改良に関する。

従来の静電容量式レベル計は第１図に示すように電源１
内のインダクタンス成分りとブリッジ回路２の一辺のコ
ンデンサＣｘとで発振回路を構成し、かつコンデンサＣ
ｘは棒状の如き電極を形成して池等に吊下し、その池等
の水位変化によるコンテ゛ンサＣｘの変化をとらえて池
等の水位を測定している。

３は信号変換器である。また、静電容量式レベル計とし
て第２図のような構成のものがある。

これは電源１の出力電圧を変圧器４によって所定電圧に
変成し、かつ変圧器４の２次巻線間に水位変化によって
容量変化をもたらすコンデンサＣｘを接続したものであ
る。

この場合、変圧器巻線のインダクタンス成分りとコンテ
゛ンサＣｘとで発振回路を構成している。

しかるに、以上のようなＬＣｘ発振回路を有する静電容
量式レベル計では、容量変化を検出する棒状電極が外来
電波を受けて正確な水位を測定することができない。

この場合、ＬＣｘ発振周波数によって異なるが、一般に
放送局から中波、短波、携帯用無線機から送出される超
短波等の影響を受けやすい。

そこで、以上のような電波の影響を除去するために、静
電容量式レベル計として第３図のような手段を施してい
る。

即ち、電源１、ブリッジ回路２等の電子回路をシールド
ケース５で囲み、かつ容量変化を検出する棒状電極６の
外側をＳＵＳ ３１６ステンレス鋼等のシールドパイプ
７で覆っている。

このシールドパイプ７はシールドケースと接続され、か
つ電子回路のアース電極ともなっている。

６ａは金属性電極、６ｂは絶縁性ライニングである。

しかし、大スパンのレベル計等にシールドパイプを使用
するような場合、そのパイプ７の長さが非常に長くなり
、このため組立や取扱いが非常に煩雑になり、価格的に
も高いものとなってしまう欠点がある。

本考案は上記実情にかんがみてなされたもので、容量変
化を検出して電気的信号として出力する回路に１対の容
量変化検出電極部を設け、これらを差動増幅器に接続し
、これにより電波の誘導を受けてもこれによる影響を相
殺して本来の容量変化検出信号のみ取り出せるようにし
て電極にシ−ルドパイプを施すことなしに正確にレベル
を測定する静電容量式レベル計を提供するものである。

以下、本考案の一実施例について図面を参照して説明す
る。

第４図はブリッジ回路を用いた静電容量式レベル計の基
本構成を示す図であって、これは２個のブリッジ回路１
１．１１’を有し、これら第１、第２のブリッジ回路１
１．１１’にそれぞれ電源１２゜１２′を接続している
。

この第１のブリッジ回路１１は一辺りを容量変化検出用
電極とし、第２のブリッジ回路１１′は一辺Ｂ′を容量
変化検出用電極としている。

そして、第１のブリッジ回路１１の２辺Ｃ９Ｄの接続点
と第２のブリッジ回路１１′の２辺Ａ′。

Ｂ′の接続点とを共通接続して差動増幅器１３のアース
端子に接続している。

さらに、ブリッジ回路１１の２辺Ａ、Ｂ共通接続部は差
動増幅器１３の一方入力部に、もう一方のブリッジ回路
１１′の２辺Ｃ’、Ｄ’共通接続部は差動増幅器１３の
他方入力部に接続される。

而して、以上のような構成にすると、第１のブリッジ回
路１１の出力信号ｅｓと第２のブリッジ回路１１′の出
力信号ｅ５′とはアース電位を基準に逆極性の信号状態
で差動増幅器１３の両入力部に加わるので、同増幅器１
３の出力端からはｅＳ＋ｅＳ’−２ｅｓ（但し、１ｅ５
１ ＝ ｌｅ、ｉ）の電圧信号が得られる。

この電圧信号は容量変化に即ち水位に対応する信号であ
る。

一方、電波によって生ずる雑音成分はアース電位と他の
信号線等との関係では共にｅＮ、ｅＮ′といった同極性
の電圧として現われる。

従ってこれらの雑音電圧ｅＮ、ｅＮ′を差動増幅器１３
に供給すれば、演算処理によってｅＮ−ｅＮ′＝Ｏ（但
し、１ｅＮ１＝ｌｅ Ｎ’ｌ ）となる。

即ち、完全に相殺されて電波の影響を無視することが可
能となる。

次に、第５図は第４図に示す基本構成を基にして具体化
した一例である。

本レベル計の構成は、第１のブリッジ回路１１のＤ辺と
第２のブリッジ回路１１′のＢ′辺に例えばＳＵＳ ３
１６ステンレス鋼等の棒状金属性電極１４ ａ 、１４
ｂをそれぞれ接続するとともに、これらの金属性電極
１４ ａ 、１４ ｂを等間隔に保持するように両電極
外側に例えばプラスチックスやポリエチレン等の絶縁材
料で絶縁性ライニング１４ Ｃを施して一体化し、これ
を容量変化検出用電極１４としている。

また、この容量変化検出用電極１４としては、フィーダ
線または絶縁した２本の信号線を撚り合せて使用しても
よい。

１５はシールドケースである。

一方、第１および第２のブリッジ回路１１．１１’の共
通接続部にアース線１６を接続している。

而して、以上のような静電容量式レベル計を池等に設置
する場合、図示していないが池１７の縁部より突出させ
た支持部材等に容量変化検出用電極１４とアース線１６
を適宜な間隔でもって吊下する。

この時、金属性電極１４ ａとアース線１６との間に第
１のブリッジ回路１１のＤ辺の容量が現われ、また金属
性電極１４ｂとアース線１６との間に第２のブリッジ回
路１１′のＢ′辺の容量が現われる。

そして、これらの容量変化はアース線１６に対して対称
に現われるので゛、ブリッジ回路１１．１１’から出力
される電圧信号ｅ５．ｅ５′はその絶対値が等しくなり
、差動増幅器１３の出力端から２ｅ５の電圧信号が出力
する。

一方、外来電波の誘導により、それぞれの金属性電極１
４ ａ 、１４ ｂにも電圧ｅＮ、ｅＮ′が現われるが
、これらは前述したように差動増幅器１３で相殺して零
化される。

従って、第５図のようなレベル計を用いれば容量変化検
出用電極１４とアース線１６を池１７に吊下しておくだ
けで正確に水位を測定することができ、特に従来のよう
にシールドパイプを用いる必要はない。

第６図は変圧器を用いた静電容量式レベル計について実
現したものである。

即ち、変圧器２１の２次側巻線の中間端子と巻線両端と
の間に静電容量検出用電極１４’、１４“を設けたもの
であって、その動作原理は第４図と同様であるのでここ
では省略する。

また、第７図は本考案レベル計の他の実施例を示すもの
であって、これは−個のブリッジ回路を用いて同様の機
能を行なわせるものである。

即ち、ブリッジ回路１１の信号出力端子間に可変抵抗２
２を設けてこれの摺動端子を差動増幅器１３の零電位端
子に接続し、また摺動端子にアース線１６を接続してい
る。

さらに、ブリッジ回路１１の０辺とＤ辺とを直接接続せ
ずにこのＤ辺に金属性電極１４ ａを、またＡ、Ｂ辺の
共通接続部に金属性電極１４ｂを接続した構成である。

この場合も同様に電波の誘導に伴なって生ずる雑音電圧
のみ除去することができる。

以上詳記したように本考案によれば、一対の容量検出用
金属性電極を有する容量変化検出用電極を持ち、かつこ
の容量変化を電気信号に変換する回路の２つの出力信号
を差動増幅器で差動的に信号処理するようにしたので、
これらの２つの信号線に現われる外来電波による同極性
の誘導電圧ｅＮ、ｅＮ′のみ差動増幅器によって除去で
きる。

従って、従来のように容量変化検出用電極にシールドパ
イプを被せることなく電波の影響を除去することができ
、レベル計の組立や取扱等に関しても容易である。

また、回路構成を完全に対称的に作ると、回路のシール
ドケースも不要となって雑音トラブルに対する設計上の
苦労をなくすことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図はそれぞれ従来の静電容量式レベル
計の構成国、第３図は第１図のレベル計を具体化した構
成国、第４図は本考案に係る静電容量式レベル計の基本
構成図、第５図は第４図を具体化した構成国、第６図お
よび第７図はそれぞれ本考案レベル計の他の例を説明す
る構成国である。 １１．１１’・・・・・・ブリッジ回路、１２．１２’
・・・・・・電源、１３・・・・・・差動増幅器、１４
・・・・・・容量変化検出用電極、１４ａ、１４ｂ・・
・・・・金属性電極、１５・・・・・・アース電極、２
１・・・・・・変圧器、２２・・・・・・可変抵抗器。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）一対の金属性電極を平行かつ一体に構成し容量変
   化を検出する容量変化検出用電極と、共通のアース電極
   を有し、かつ前記各金属性電極を互いに異なる一辺とし
   て構成じ、前記容量変化検出用電極によって検出した容
   量に対応する測定信号をアース電位を基準に逆極性で出
   力し、外来雑音信号をアース電位を基準に同極性で出力
   する第１および゛第２のブリッジ回路と、これらのブリ
   ッジ回路の出力側に接続された差動増幅器と、この差動
   増幅器および第１、第２のブリッジ回路を収納してなる
   シールドケースとを備え、外来電波によって前記２つの
   金属性電極に現われる外来雑音信号成分のみを前記差動
   増幅器により除去するようにした静電容量式レベル計。
2. （２）一対の金属性電極としてフィーダ又は絶縁撚線を
   用いる実用新案登録請求の範囲第（１）項記載の静電容
   量式レベル計。