JPS5820834B2 - 鉱石運搬船 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は鉱石運搬船に関するものであり、大量の貨物輸
送を行い得るものでありながら、外洋以外の浅吃水制限
のある水路などの航行も可能なものの提供を目的とする
。

鉄鉱石などの海上輸送は鉱石運搬船にて行うが、−隻の
鉱石運搬船での一回の航海では輸送し得ないような大量
の鉄鉱石を輸送する手段を選定する場合には船価指数が
問題とされる。

かかる大量の鉄鉱石の輸送手段としては、数隻の鉱石運
搬船を用いる方法及び船体を大型化して一回の積荷量を
増大させる方法などが考えられ、いずれを選ぶかはそれ
ぞれの場合の船価指数の如何が決定の重要なポイントと
なる。

船体を大型化して大量の鉄鉱石の輸送を実現する場合、
海上輸送のみに限ればそれほど問題とはならないが、目
的地が臨海地区にのみあるとは限らず、河川等の浅吃水
制限のある水路に臨んでいる場合もある。

このように浅吃水制限のある水路へ外洋から、あるいは
同水路から外洋への貨物輸送は前記したような船体の大
型化だけでは大量輸送の目的を果すことができない。

なぜなら船体を大型化して大量の鉄鉱石を積荷すればそ
れだけ吃水が上がるため、外洋での航行には支障を来た
さないものの浅吃水制限のある水路の航行は不可能とな
り、また水路の幅などの関係上船幅も制限されるからで
ある。

たとえば５００００ ）ン程度の鉄鉱石を輸送する船体
で水深７〜９ｍの水路を航行しようとする場合には、通
常の船型では設計上無理であり、非現実的な船型となら
ざるを得す、また通常の船型で前記水路の航行を可能と
すれば高々１００００ ）ン程度の鉄鉱石しか積荷し得
ない規模となる。

本発明は叙述のような相反する矛盾点を巧みに解決した
ものであり、本発明によると一隻の鉱石運搬船によって
、従来であれば数隻の鉱石運搬船を要するような大量の
鉱石を輸送することができ、しかも外洋はもちろん河川
など浅吃水制限のある水路を経ての輸送をも可能となる
。

以下本発明の実施例を図面に基づき説明する。

第１図〜第４図において、１は本発明に係る鉱石運搬船
であり、この鉱石運搬船１は両側部にバラストタンク２
，２を有し、これらバラストメ２２２，２間下部にパー
ジ室３を、またこのパージ室３上に貨物倉４を有する。

パージ室３には二隻のバージ５Ａ、５Ｂを縦列状態で搭
載することができ、また該パージ室３の船尾部には海水
導入口６を形成しである。

海水導入口６に扉体７を設け、該扉体７を開放すること
でパージ室３内への海水導入が可能となる。

一方貨物倉４上部にはバッチ８を設けてあり、該貨物倉
４への積荷はバッチカバー９を開放して行なう。

以上において鉱石運搬船１に鉄鉱石を積荷する場合は、
バージ５Ａ、５Ｂｋパージ室３に搭載する前に、バッチ
８から貨物倉４に積荷する。

次にパージ室３の船尾部海水導入口６を開いて該パージ
室３へ海水を導入すると共にバラストタンク２へもバラ
スト水を注入して鉱石運搬船１を沈め、その吃水をＸｌ
とする。

このときの吃水Ｘ１は外洋航行中の吃水Ｘ２よりも上位
にあるように設計されている。

吃水Ｘ１まで鉱石運搬船１を沈めてから、前記海水導入
口６より、既に鉄鉱石の積荷を。

終えているバージ５Ａ、５Ｂｋパージ室３内に搬入する
。

かかるバージ５Ａ、５Ｂの搬入はバージ５Ａ、５Ｂを浮
上させて行い得るので作業は容易である（第４図実線で
示す。

）。バージ搬入後は海水導入口６の扉体７を閉じ、パー
ジ室３内の海。

水及びバラストタンク２，２内のバラスト水を排水して
鉱石運搬船１を浮上させ、その吃水をＸ２とする。

これによりバージ５Ａ、５Ｂは第５図仮想線の如くパー
ジ室３に搭載される。

この状態で外洋を航行するのであり、このときの鉄鉱石
輸送量は貨物倉４に積荷されたものとバージ５Ａ、５Ｂ
に積荷されたものとの和となり、通常の外洋航行専用の
鉱石運搬船での輸送量と大差ない。

鉱石運搬船１が吃水Ｘ２の状態では河川などの浅吃水制
限のある水路を航行することはできない。

したがって河口に到着後は、パージ室３の船尾部海水導
入口６の扉体７を開放して該パージ室３内に海水を導入
すると共にバラストタンク２，２にもバラスト水を注入
してバージ搬入時の吃水Ｘ１まで鉱石運搬船１を沈め、
次に海水導入口６からバージ５Ａ、５Ｂを船外へ浮上状
態で引き出す（第４図実線で示す。

）。この後扉体７を閉じて、パージ室３内の海水及びバ
ラストタンク２，２内のバラスト水を排水する。

このようにバージ５Ａ、５Ｂを船外を搬出しかつバラス
ト水及びパージ室３内の海水を排水することで鉱石運搬
船１の吃水は入まで下がり、この吃水Ｘ３では、鉱石運
搬船１は浅吃水制限のある水路の航行が可能である。

したがって河口から水路を通って陸揚地に向って航行す
るときは、搬出したバージ５Ａ、５Ｂを吃水Ｘ３の鉱石
運搬船１で曳行すればよい。

このようにすれば外洋航行を専用とする通常船型の鉱石
運搬船と同程度の量の鉄鉱石の輸送が可能となり、浅吃
水制限のある水路を経て大量の鉄鉱石を輸送することが
できる。

バージ５Ａ、５Ｂ及び貨物倉４からの鉄鉱石の陸揚後は
バージ５Ａ、５Ｂｔバージ室３に搭載しても吃水は水路
航行可能な範囲内となるので、鉱石運搬船１はバージ５
Ａ、５Ｂを搭載して水路、外洋を帰航することができる
。

以上は陸揚地が水路に臨んでいる場合であるが、出航地
が水路に臨んでいる場合には前記と逆の手順により容易
に輸送が可能となる。

以上実施例で説明した本発明によると、バージをパージ
室に搬入量する場合、該バージを浮上状態で移動させ得
るのでそのためのガンｌ−ＩＪ−クレーンなどの設備が
不要となり、しかも吃水制限のある水路を通しての大量
の貨物輸送が可能である。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示しており、第１図は全体側面
図、第２図は全体平面図、第３図は第１図のＩ−■矢視
図、第４図は横断面図である。 １・・・・・・鉱石運搬船、２・・・・・・バラストタ
ンク、３・・・・・・パージ室、４・・・・・・貨物倉
、５Ａ、５Ｂ・・・・・・バージ、６・・・・・・海水
導入口、７・・・・・・扉体、８・・・・・・バッチ、
９・・・・・・バッチカバー、Ｘｌ・・・・・・パージ
搬入出時の吃水、Ｘ２・・・・・・外洋航行の吃水、Ｘ
３・・・・・・水路航行の吃水。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 左右のバラストタンク間にパージを搭載可能なパー
   ジ室を形成し、このパージ室上に貨物倉を設け、前記パ
   ージ室は船尾部に海水導入口を有してなることを特徴と
   する鉱石運搬船。