JPS5820656B2 - 真空衝撃粉砕機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、遠心式真空衝撃粉砕機の改良に関する。

遠心式真空衝撃粉砕機は、既に、例えば米国特許第２６
０９９９３号で提案されているように、放射状に延びた
翼板が形成されたロータと、該ロータを収納する、真空
・・ウジングを有する。

この真空衝撃粉砕機において、粉砕される原料（以下砕
料と称する）は、前記ロータの回転軸に沿って導入され
、該ロータにより、遠心噴流状となって投射され、・・
ウジング内面に間隔を置いて配設された衝突ターゲット
に衝突する。

該衝突ターゲットとの衝撃力により粉砕された粉末（以
下砕製物と称する）は、微粒子の雲状体となり、・・ウ
ジング内に充満し、重力によって徐々に落下してハウジ
ング下端で集められる。

このような真空衝撃粉砕機は、多くの分野で興味を持た
れており特にセメント製造業においては、関心が高い。

この真空衝撃粉砕機は従来の典型的なボールミルに比べ
て、粒子のサイズが一様で、且つより微細な砕製物を製
造でき、同時にエネルギー消費量も非常に少ないという
利点を有する。

しかし、従来の真空衝撃粉砕機は、発生した砕製物がロ
ータ表面に当たるため、ロータが摩滅し、ロータの痛み
が早いという欠点を有する。

この欠点により、粉砕機の運転費用が非常に増大し、又
ロータ、保守のための粉砕機停止期間も長くなるという
問題がある。

第１図を参照して、米国特許第２６０９９９３号に記述
されている型の遠心式真空衝撃粉砕機の動作原理につい
て説明する。

この粉砕機は、カバー１１により密閉されるハウジング
１０を有し、該ハウジング内は、その側壁に固着される
パイプ１２と接続された真空ポンプ（図示せず）により
真空状態に保たれている。

又、該・・ウジング１０の内側には、遠心式通風機で使
用されていると同様なロータ１３が配設されており、該
ロータは、砕料を遠心力によりい（つかの噴流状態ｊに
分配するための半径方向に延びた翼板を有する。

一方、該砕料は、カバー１１を貫通しているロータ軸上
の導管１４により・・ウジング内に導入される。

又、前記ロータは、・・ウジング１０を貫通する連通管
１７により大気解放されているケーシング１６内に配設
されたモータ１５により回転される。

ハウジング１０の内面には、ロータ１３の中心平面とほ
ぼ一致する中心平面を有する衝突リング１８が配設され
、該衝突リング１８の表面には、砕料が衝突して粉砕さ
れる衝突ターゲット１９が形成されている。

砕製物は、ハウジング１０内において微細粒子の雲状体
すとなり、重力によりハウジング下端の排出口２０に向
かって落下する。

落下した砕製物は、該ハウジング下端の排出口より、図
示されていない手段により抜き出される。

なお、モータ１５の回転軸２２が、ケーシング１６を貫
通する箇所には、密封シール２１が配設されている。

このような、何ら特別な摩耗予防策が取られていない従
来の真空衝突粉砕機においては、衝突ターゲット１９で
発生した微細粒子の雲状体すが、直接ロータ方向に向か
って流れるだけでなく、ハウジング１０の内壁や、カバ
ー１１に衝突した後ロータ方向に向かって流れることが
ある。

すると、該微細粒子の雲状体により、ロータ表面が強力
なサンドブラスト作用を受け、ロータが非常に早（摩耗
することとなる。

このサンドブラスト作用ハ、ロータが非常に速く回転し
ているため、前記微細粒子の飛来速度によらず発生する
。

本発明は前記従来の欠点を解消するべ（なされたもので
、ロータが砕製物によって摩滅することのない、真空衝
撃粉砕機を提供することを目的とする。

本発明は、ハウジングと、該ハウジングを密閉するカバ
ーと、該ハウジング内に配設されたロータと、該ロータ
を回転する駆動手段と、該ロータと対向するよう周囲の
ハウジングに固着された衝突ターゲットと、砕料を前記
ロータのほぼ軸に沿って導入する供給手段と、前記ハウ
ジング内を真空に保つ手段とを備えた真空衝撃粉砕機に
おいて、前記衝突ターゲットで発生し、直接又は間接的
にロータに到達する砕製物から、前記ロータの表面を保
護する円環状の遮蔽体を有する保護手段を備えることに
より、前記目的を達成したものである。

なお、ロータ構造自体を改良して、ある一定数以上の翼
板を有するようにし、ロータの摩滅を減少させることが
できる。

この場合は、該翼板により、砕料がある一定数以上の密
度の濃い投射噴流となって衝突ターゲットに衝突する。

本発明の保護手段としては、ハウジング内に配設したせ
き板又は遮へい体によりロータを保護したものである。

これらの遮へい体は、衝突ターゲットに自力づ砕料の噴
流に対しては、その流れを妨害することなく、又同時に
、衝突ターゲットで発生した砕製物に対しては、ロータ
上に戻るのを防止するよう、ハウジング内に配設されて
いる。

従って、砕製物が、衝突ターゲットにおいて入射方向と
異なる方向に変えられたり、あるいは、更に粉砕機ハウ
ジングの壁に一回又は数回衝突して方向を変えられても
、ロータと衝突することはない。

まず、ロータの構造自体を改良してロータの摩滅を減少
させる場合について説明する。

前記ロータ１３は、ロータから投射される砕料噴流の数
が、粉砕機の構造により定まる一定値よりも犬となるよ
うに形成されて℃・る。

従って、衝突ターゲット１９で発生した砕製物は、前記
砕料噴流と衝突して停止され、ロータは砕製物から保護
される。

Ｒを衝突ターゲット１９とロータ中心との最小距離とし
、ｒをロータ半径とした場合、ロータ翼板の数Ｎが 以上である時に、望ましい結果が得られることがわかっ
た。

粉砕機ロータ形状が、前記条件を満足している時、該ロ
ータの摩滅はかなり減少する。

しかし、衝突ターゲット１９で発生した後、ハウジング
１０の内壁あるいはカバー１１に衝突してはね返った砕
製物により、ロータが摩耗される可能性は、まだ存在す
る。

第２図から第５図に示す本発明に係る実施例は、前記の
ような砕製物からロータを保護するための保護手段を備
えたものである。

なお、前記従来例において説明した部分に対応する部分
については、同一の符号を付しその説明を省略する。

第２図に示す第１実施例においては、円環状の遮へい体
２７及び２８が、ロータ上面２５及びロータ下面２６の
両側に配設され、それぞれカバー１１及びケーシング１
６に固定されている点が前記従来例と異なる。

下側遮へい体２７は、ロータ上面２５と僅かな距離をお
いて平行な下面２９を有する。

該下側遮へい体２７の、２個の円筒状の内周壁３０及び
外周壁３１は、導管１４と同軸上に配設されており、内
周壁３０の内径は、該導管１４の外径よりも若干大とさ
れ、外周壁３１の外径は、ロータ外径とほぼ一致するよ
うにされている。

同様に、下側遮へい体２８は、ロータの下面２６と僅か
な距離をおいて平行な上面３２を有する。

又、その円筒状内周壁３３は、該下側遮へい体２８をケ
ーシング１６に固着するのに使用され、同じ（同筒状の
外周壁３４は、前記外周壁３１と同様に、ロータ外径と
ほぼ同一な外径とされている。

本実施例において、ロータの上面２５及び下面２６に対
する、雲状体すによる摩耗作用は殆んど防止され、ロー
タの周縁部３５のみ、損傷される可能性が残っている。

第３図に示す本発明の第２実施例は、このロータ周縁部
の損傷を防止するためのもので、前記第１実施例の遮へ
い体２７及び２８に、更に、前記遮へ（・体２７及び２
８と一体であるか、又は、これらに固定できるようにさ
れた円環状の補助遮へい体３６及び３７を追加したもの
である。

このうち、下側補助遮へい体３６は、円筒状の内周壁３
８及び外周壁３９を有し、その下端は、砕料噴流ｊの上
側境界面と、はぼ一致する形状の下面４０により結合さ
れている。

同様に、下側補助遮へい体３７は、円筒状の内周壁４１
及び外周壁４２を有し、その上端は、砕料噴射ｊの下側
境界面とほぼ一致する形状の上面４３により結合されて
いる。

これらの下側補助遮へい体３６及び下側補助遮へい体３
７は、その下面４０及び上面４３が、それぞれ、ロータ
１３から衝突ターゲット１９に向かって広がりつつ投射
される砕料噴流ｊの通過する円環状空間を形成するよう
に、前記粉砕機内に組込まれている。

前記円環状の空間により、噴流ｊは妨害されることね（
ターゲットに到達し、一方、ターゲットで発生した砕製
物は、ロータの周縁部３５周辺に配設された内周壁３８
及び４１のため、ロータ周縁部３５に衝突することは殆
んど無い 第４図に示す第３実施例においては、前記第２実施例に
、更に、２重同心円筒からなる２個の第２の補助遮へ（
・体４５及び４６を、それぞれ、噴流ｊの流路の上側及
び下側に追加配置し、第２の下側補助遮へい体４５は、
カバー１１及び、あるいは前記下側補助遮へい体３６に
固定し、第２の下側補助遮へ℃・体４６は、ハウジング
１０及び、あるいは前記下側補助遮へい体３７に固定す
るようにしたものである。

該第２の補助遮へい体４５゜４６は、いずれも、互いに
反対の傾斜の螺旋状表面を有する仕切り材により連結さ
れた、２個の２重円筒（第２の下側補助遮へい体４５に
ついては記号４７，４８で示され、第２の下側補助遮へ
い体については記号４９，５０で示される）により構成
されている。

従って、微細粒子の雲状体すにおける乱流現象が防止さ
れ、砕製物の、・・ウジングの排出口２０方向への導出
が促進される。

第５図に示す第４実施例においては、前記第３実施例に
おける第２の上側補助遮へい体４５が、変形されている
。

この第２の補助遮へい体４５の外側円筒４７及び内側円
筒４８下端には、砕料噴流ｊの流路近傍上側を完全に覆
う下面５１が形成されており、該下面５１は、下面４０
の延長線上に、その一部をなすようにされている。

前記下面５１は、外側円筒４７に接続され、衝突ターゲ
ット１９の近傍において、衝突ターゲットと対向する凹
面を有する凹面部５２が形成されている。

この凹面部５２は、下面５１と対向する端部５４を有し
、且つ好ましくは非常に硬い部材でライニングされた衝
突ターゲット上の溝を支承するようにされている。

前記のような形状により、砕製物の雲状体すのハウジン
グ内における体積を減少できるだけでなく、衝突ターゲ
ットで発生した砕製物のうち、当初はカバ一方向に向か
う速度成分を有する砕製物を、下方に向かわせることが
できる。

なお、ロータ保護手段と、砕製物のハウジング下方への
導出を促進する手段は、２個の一体物であっても構わな
い。

この場合、表面形状２９、表面形状４０、外周壁４７及
び下面５１．５２を有する一方の一体物は、砕料噴流の
上側に配設され、表面形状３２，４３、部材４６からな
る他方の一体物は、前記噴流の下側に配設される。

本発明の範囲内において、前記実施例を、更に変形、変
更することも勿論可能である。

例えば、ロータを駆動するモータを、大気中に配設する
代わりに、油供給手段と接続された油容器中に浸すこと
もできる。

同様に、ハウジング及びカバーの内面を、伝えばガス燃
焼炎あるいはプラズマジェットを用いて溶射した酸化ア
ルミニウムの被膜により、ライニングすることも可能で
ある。

この場合は、摩耗及び砕製物の変色を防止することもで
きる。

このような変色防止は、例えば、ある種の特殊セメント
を製造する際に要求されるものである。

以上説明した通り、本発明は、・・ウジングと、該ハウ
ジングを密閉するカバーと、該ハウジング内に付設され
たロータと、該ロータを回転する駆動手段と、該ロータ
と対向するよう周囲のハウジングに固着された衝突ター
ゲットと、砕料を前記ロータのほぼ軸に沿って導入する
供給手段と、前記・・ウジング内を真空に保つ手段とを
備えた真空衝撃粉砕機において、前記衝突ターゲットで
発生する砕製物から、前記ロータの表面を保護する手段
を設けたので、ロータの摩耗が少な（、粉砕機の運転経
費あるいは保守のための停止期間が短か（て済むという
優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の遠心式真空衝撃粉砕機を示す断面図、第
２図は本発明に係る遠心式真空衝撃粉砕機の第１実施例
の一部を示す断面図、第３図は同じ（第２実施例の一部
を示す断面図、第４図は同じ（第３実施例の一部を示す
断面図、第５図は同じ（第４実施例のＬ部を示す断面図
である。 １０・・・・・・ハウジング、１１・・・・・・カバー
、１２・・・・・・真空パイプ、１３・・・・・・ロー
タ、１４・・・・・・導管、１５・・・・・・モータ、
１９・・・・・・衝突ターゲット、２７゜２８・・・・
・・遮へい体、３６，３７・・・・・・補助遮へい体、
４５．４６・・・・・・第２の補助遮へい体、５２・・
・・・・凹面部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ハウジングと、該ハウジングを密閉するカバーと、
   該・・ウジング内に配設されたロータと、抜口＝りを回
   転する駆動手段と、該ロータと対向するように周囲のハ
   ウジングに固着された衝突ターゲットと、砕料を前記ロ
   ータのほぼ軸に沿って導入する供給手段と、前記・・ウ
   ジング内を真空に保つ手段とを備えた真空衝撃粉砕機に
   おいて、前記衝突ターゲットで発生する砕製物から、前
   記ロータの表面を保護するこのロータの上面と下面とに
   それぞれ近接して設けたロータ軸と同軸な円環状体を有
   する保護手段を備えたことを特徴とする真空衝撃粉砕機
   。 ２ 前記保護手段が、ロータ径とほぼ等しい径の円筒状
   外周壁及びロータ上面と僅かな距離をおし・て平行な下
   面を有する上側遮へい体と、同じ（ロータ径とほぼ等し
   い径の円筒状外周壁及びロータ下面と僅かな距離をおい
   て平行な上面を有する■。 側遮へい体と、からなる特許請求の範囲第１項記載の真
   空衝撃粉砕機。 ３ 前記保護手段力瓢更に、ロータ周縁部近傍から砕料
   噴流の上側境界面と僅かな距離をおいて平行に延びる環
   状下面が形成された、ロータと同軸な上側補助遮へい体
   と、同じく、ロータ周縁部近傍から前記砕料噴流の下側
   境界面と僅かな距離をおいて平行に延びる環状上面が形
   成された、ロータと同軸な下側補助遮へい体と、を有す
   る特許請求の範囲第２項記載の真空衝撃粉砕機。 ４ 前記保護手段が、更に、互いに反対の傾斜を有する
   螺旋状表面によりその内部を仕切られ、砕料噴流を妨げ
   ないようハウジング内の砕料噴流上下にそれぞれ配設さ
   れている、２個の円筒からなる、ロータ軸と同軸な、第
   ２の補助遮へい体を有する特許請求の範囲第３項記載の
   真空衝撃粉砕機。 ５ 前記砕料噴流の上側に配設される第２の補助遮へい
   体が、更に、砕料噴流の上側境界面と僅かな距離をおい
   て平行な環状下面と、該環状下面の衝突ターゲット近傍
   に形成された、衝突ターゲットから生じた上方への速度
   成分を有する砕製物をハウジング下端へ集めるための、
   衝突ターゲットと対向する硬質層でライニングされた凹
   面とを有する特許請求の範囲第４項記載の真空衝撃粉砕
   機。 ６ 砕料噴流の上側に配設された遮へい体及び、砕料噴
   流の下側に配設される遮へい体がそれぞれ共に一体物か
   らできている特許請求の範囲第４項記載の真空衝撃粉砕
   機。