JPS5820537B2 - ブラシレス回転機の回転子巻線温度計測装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はブラシレス回転機の回転子巻線温度計測装置
に関するものである。

従来この種の回転子巻線温度推定法として一般に知られ
ているものを第１図および第２図に示す。

第１図および第２図に於いて、１は同期発電機の固定子
、２は回転部分、２ａは交流励磁機の回転電機子巻線、
２ｂは交流励磁機電機子巻線２ａの出力を整流し、同期
発電機界磁巻線２ｃに直流励磁を与える回転整流器、２
ｄは通常のブラシ有り同期発電機の回転するスリップリ
ング、３は交流励磁機の界磁巻線、４はスリップリング
２ｄに接触するブラシ、５は界磁電圧計、６は界磁電流
計である。

次にその方法について説明する。

第１図に於いて、同期発電機界磁巻線２ｃは、回転整流
器２ｂ、交流励磁機電機子巻線２ａとともに、同期発電
機運転中は、常時回転しており、界磁界線２ｃに印加さ
れる界磁電圧、界磁電流を計測することが困難であり、
さらにその温度計測も困難であった。

従って従来用いられて来た第２図に示す様なブラシ有り
同期機の界磁巻線２ｃに印加される界磁電圧を界磁電圧
計５で読み、さらに界磁電流を界磁電流計６で読み、ブ
ラシ４の電圧降下を計測して、界磁巻線２ｃの抵抗値を
算出し、その温度変化による抵抗値変化から、逆に界磁
巻線２ｃの温度を推定する、いわゆる抵抗性温度推定方
法がブラシレス回転機の場合には適用出来ない。

その為あらかじめブラシレス同期発電機製作時に第１図
における交流励磁機２ａや回転整流器２ｂを直結せずに
、第２図に示す様なスリップリング２ｄとブラシ４とを
仮りに取り付けた状態で運転して温度試験を施行し、そ
の結果から同期発電機固定子１の出力電圧、出力電流、
出力電力、力率等のいわゆる同期発電機の各負荷状態に
対する界磁巻線２ｃの温度との関係を得ておき、第１図
に示す様なブラシレス同期発電機状態に製作完了してか
ら後は、ブラシレス同期発電機として運転中の同期発電
機固定子１の電圧、電流、電力、力率等の負荷状態から
界磁巻線２ｃの温度を推定していた。

従来のブラシレス同期発電機の界磁巻線温度は以上の様
な方法で推定している為に、温度を直読する事が出来ず
、また温度推定する手間がかかり、さらにブラシレス同
期発電機製作時にも、仮りのスリップリング等を付けて
運転する必要がある為に製作日数が多くなり、さらに刻
−割愛化する負荷状態に対応して、連続的に温度を知る
ことが困難で、誤差も大きく実用上は目安としての利用
価値しかないと言う欠点があった。

この発明は以上の様な従来の欠点を解消することを目的
としてなされたもので、界磁巻線温度検出用回転変圧器
を用いることにより；ブラシレス同期機の界磁巻線温度
を連続的にかつ精度良く直読出来る、界磁巻線温度計測
装置を提供するものである。

以下この発明の一実施例を図に基づいて説明する。

第３図において、７は交流励磁回転電機子巻線２ａに発
生する交流電圧を検出する為の電圧成分検出用回転変圧
器、７ａは電圧成分検出用回転変圧器７の回転子巻線、
７ｂは電圧成分検出用回転変圧器７の固定子巻線、８は
交流励磁機回転電機子巻線２ａに流れる電流を検出する
為の電流成分検出用回転変圧器、８ａは電流成分検出用
回転変圧器８の回転子巻線、８ｂは電圧成分検出用回転
変圧器８の固定子巻線、９は電圧成分検出用回転変圧器
固定子巻線７ａに発生する電圧と電流成分検出用回転変
圧器固定子巻線８ａに発生する電圧とを合成し計測装置
１０に導く為の変換器、２ｇは電圧成分検出用回転変圧
器回転子巻線７ａに適当な電圧を与える為の分圧抵抗、
２ｅは交流励磁機電機子巻線２ａに流れる電流と比例し
た電流を得る為の変流器、２ｆは変流器２ｅ二次側に配
置された変流器二次電流を電圧に変換する為の変流器二
次抵抗である。

なおその他の構成は従来と同様であるから説明を省略す
る。

この発明は以上の様に構成されている為、元来、同期発
電機界磁巻線２ｃに印加される界磁電圧と比例関係にあ
る交流励磁機回転電機子巻線２ａの線間電圧は、分圧抵
抗２ｇによって適当に分圧されて、電圧成分検出用回転
変圧器回転子巻線７ａに印加される。

その結果、電圧成分検出用回転変圧器固定子巻線７ｂに
は結局界磁巻線２ｃに印加される界磁電圧と比例関係を
持つ出力電圧が得られる。

一方、同期発電機界磁巻線２ｃに流れる界磁電流は交流
励磁機着払電機子巻線２ａに流れる電流と比例関係にあ
るので、その電流を変流器２ｅと、変流器二次抵抗２ｆ
で検出し、得られた電圧で、電流成分検出用回転変圧器
回転子巻線８ａを励磁すれば電流成分検出用回転変圧器
固定子巻線８ｂには結局同期発電機界磁巻線２ｃに流れ
る界磁電流と比例した電圧を得ることが出来る。

また同期発電機界磁巻線２ｃの温度に比例してその抵抗
値が変化する為、その界磁電流と抵抗値で決定される界
磁電圧は同期発電機界磁巻線２ｃの温度変化と界磁電流
との関数になる事は明らかである。

従って電圧成分検出回転変圧器固定子巻線７ｂと電流成
分回転変圧器固定子巻線８ｂに得られる電圧を変換器９
に於いて互に相殺し、同期発電機界磁巻線２ｃの温度変
化に比例した電圧を得て計測装置１０で計測すれば容易
に同期発電機界磁巻線２ｃの温度を知る事が出来る。

なお、この実施例ではブラシレス同期発電機適用した例
を示したが、ブラシレス同期電動機にも、そのまま適用
できることは言うまでもない。

以上の様にこの発明によれば回転変圧器を用いて界磁巻
線温度を検出、測定する様に構成した為、温度を直続す
ることが出来、温度測定の必要がなく、刻−割愛化する
負荷状態に対応して連続的に温度を知ることが出来る。

精度の良いブラシレス回転機の界磁巻線温度計測装置を
得ることが出来るので機械の運転、保守、整備上置する
ところ大である。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は従来のブラシレス回転機の界磁巻
線温度を推定する方法を説明する為の結線で、第１図は
ブラシレス同期機の結線図、第２図は従来のブラシ有り
同期機の結線図である。 第３図はこの発明の一実施例を示すブラシレス同機期回
転子巻線温度計測装置の結線図である。 図中、１は同期発電機の固定子、２は回転部分、２ａは
交流励磁機回転電機子巻線、２ｂは回転整流器、２ｃは
同期発電機界磁巻線、２ｄはスリラフリング、２ｅは変
流器、２ｆは変流器二次抵抗２ｇは分圧抵抗、３は交流
励磁機界磁巻線、７は電圧成分検出用回転変圧器、７ａ
は電圧成分検出用回転変圧器回転子巻線、７ｂは電圧成
分検出用回転変圧器固定子巻線、８は電流成分検出用回
転変圧器、８ａは電流成分検出用回転変圧器回転子巻線
、８ｂは電流成分検出用回転変圧器固定子巻線、９は変
換器、１０は計測装置である。 なお、各図中、同一符号は同−又は相当部分を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 回転整流器を有するブラシレス回転機の回転子巻線
   に発生する電圧を検出する電圧成分検出用回転変圧器、
   上記回転子巻線に流れる電流成分検出用回転変圧器、上
   記電圧成分検出用回転変圧器の固定子巻線に発生する電
   圧と上記電流成分検出用回転変圧器の固定子巻線に発生
   する電圧とを互いに相殺して合成する変換器、この変換
   器の出力を計測する計測装置を備えて成るブラシレス回
   転機の回転子巻線温度計測装置。