JPS5819Y2 - 空気調和機の通風制御構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、暖房機能を有する空気調和機の改良に関する
もので、暖房時の温風吹出しを上下方向となすことによ
り、温度分布を良好にして効果的な暖房作用が得られる
ようにすることを目的の一つとするものである。

従来、この種の空気調和機は、主に第７図イ９口に示す
如く、空気調和機本体ａの前面に吸込口すを設け、また
前面上部に吹出口Ｃを設けた構成が採用されている。

ところが、このような構成は、前記吹出口Ｃが上方に設
けられているため、暖房時の温風が居住空間の上部に吹
出されてしまい、床面まで到達せず、居住者の足もとが
寒く感じられる等の問題があり、充分な暖房効果が得ら
れなかった。

また第８図イ９口に示す如く空気調和機本体ａの前面に
吸込口すを設け、前面の上下に吹出口ｃｄを設けて、上
方の吹出口Ｃをダンパーｅにより冷房時は開き、暖房時
は閉じるといった制御を行う構成も採用されている。

ところが、このような構成では、暖房時において上方の
吹出口Ｃが完全に閉じてしまわなければ風が下方の吹出
口ｄまで到達せず、さらに風の流れにおいて１８０°の
方向転換をすることから通風抵抗も大きく、通風回路も
複雑になって騒音の問題あるいは風量の減少等の問題が
生じるものであった。

本考案は、暖房時の温風吹出しを上下方向より同時に行
う構成とすることにより、上記従来の空気調和機にみら
れる問題点を解消するものである。

以下、本考案をその一実施例を示す添付図面の第１図〜
第６図を参考に説明する。

同図において、１は空気調和機の本体で、前面に吸込口
２、上端および下端にファンケーシング３に連通ずる吹
出口４．５をそれぞれ設けている。

６は前記ファンケーシング３の前方（上流）に設けられ
た室内側熱交換器、６ａは円心ファン等からなる送風機
、７は前記吸込口２より吸込まれ、さらに室内側熱交換
器６を通ってファンケーシング３に入った室内空気を開
口３ａより前記上、下の両次出口４，５へ分配するダン
パーである。

このファンケーシング３の中に設けられたダンパー７は
第４図に示すごとく冷凍サイクルの暖房時高圧側となる
３部より導入された圧力を検知して伸縮動作する作動装
置８によって軸９を中心に回転する。

また、この作動装置８は上述の圧力のみならず、第６図
に示すごとく、通風路内に設けた感温部すあるいは熱交
換器６に設けた感温部Ｃによって作動する構成としても
よい。

ここで前記作動装置８は本体側板１０にねじ等により、
固定されている。

１１は前記本体１の前面下部に設けられたダンパー操作
部で、左右方向に延びる摺動溝１２と、この溝１２に沿
って左右に移動する操作レバー１３とからなり、この操
作レバー１３は図中右方端で左方向へ通常移動しないよ
うに仮固定される構成となっている。

その構成については従来周知の構成でよいため、その説
明を省略する。

１４は一端が前記ダンパー７に連結されたひもで、ナイ
ロンロープ等の如く耐寿命性がよく、かつ延びが少ない
材料が好ましい。

１５は一端が前記操作レバー１３に連結されかつ他端が
前記ひも１４に連結されたワイヤーで、これらひも１４
とワイヤー１５には張架プーリ（図示せず）等が設けら
れ、前記操作レバー１３を図中右方端に移動したときに
前記ダンパー７が下吹出口５への通風を遮断するように
移動する如く調節されている。

次に、本空気調和機を構成する冷凍サイクルについて第
６図をもとに説明する。

同図において２１は室外側熱交換器、２２は室外送風機
、２３は室外送風機用電動機、２４は圧縮機、２５は冷
媒切換え用四方弁、２６はアキュムレータ、２７は室内
送風機、２８は室内送風機用電動機、２９は冷媒制御用
キャピラリチューブ、３０は暖房時の高圧側に設けられ
た圧力検出端で第３図に示すダンパー７を駆動する作動
装置８に連結されている。

なお圧力検出端２０の代わりに上述の如く室内通風路の
熱交換器６の下流に感温部すを設け、風の温度によって
、ダンパー作動装置６を動かす構成としている。

さらに温度検出部Ｃを室内側熱交換器６に密着させ、同
様に温度検知させてもよい。

なおＡ、Ｂは吹出口４，５に連通している通風路である
。

上記構成において、圧力検出端ａを冷凍サイクルの暖房
時高圧となるところに設け、設定値を上げることによっ
て、冷房、除霜時とともに圧力検知部ａが低圧になるた
め、ダンパー７は駆動されないで下方の吹出口５から冷
風は吹出されない。

なお、温度検知の場合も暖房時のみ前記ダンパー７が開
閉するようにその設定値を決めておけばよい。

すなわち、ダンパー７は作動装置８の圧力、あるいは温
度による伸縮によって作動するものである。

したがって、特に暖房時は下吹出しによって足もと近傍
の温度分布が改善されるため、暖房効果を著しく向上さ
せることができる。

しかも送風機９を中央に配設しているため、通風路Ａ、
Ｂが短かくなって構造が簡単になり、通風音も少ないも
のとなる。

さらに冷凍サイクルからの圧力検知、または通風温度、
あるいは室内側熱交換器６の温度検知を行うことにより
、ダンパー７が開閉し、下吹出し風量が自動的に制御さ
れるため、能力低下時や低外気温時に適格に対処できる
。

以上が、下吹出口５の自動制御についての動作である。

次に下吹出口５の手動制御について説明する。

この手動制御は、ひも１４とワイヤー１５を使用してい
るため、ダンパー７を閉じることのみの操作ができ、前
記ダンパー７の開閉は作動装置８による動作となる。

すなわち、操作レバー１３を矢印右方向へ摺動するこ七
によりダンパー７が自重で下方へ回動してファンケーシ
ング３と吹出口５との連通を遮断し、また操作レバー１
３を反対方向へ摺動することにより、ダンパー７は上述
の如く作動装置８によって自動的に開閉される。

したがって、ダンパー７の閉塞動作を手動可能とする場
合において、ひも１４とワイヤー１５の両者を使用して
いるため、長期使用においてひも１４の延びによるダン
パー７の不確実な閉動作が防止でき、またワイヤー１５
の使用により温風吹出しによる伸びが極力抑制でき、運
転中におけるダンパー７の確実な閉動作が得られる。

すなわち、前記ひも１４とワイヤー１５の両者の使用に
より、信頼性の向上および品質の安定化がはかれるもの
である。

上記実施例より明らかなように、本考案における空気調
和機の通風制御構造は、送風機、熱交換器、ファンケー
シング等をそれぞれ具備し７た空気調和機本体に、前記
熱交換器と対向した吸込口および前記ファンケーシング
の上部と下部にそれぞれ連通しかつ前記空気調和機本体
の上部と下部に位置した上吹出口と下吹出口をそれぞれ
設け、さらに前記ファンケーシングもしくは本体に、前
記下吹出口への通風を制御するダンパーを設け、さらに
前記本体に、前記ダンパーを開閉操作する操作部を設け
、この操作部を、本体の壁面に沿って上下もしくは左右
移動する操作レバーと、一端が前記ダンパーに連結され
た柔軟なひもと、一端が前記操作レバーに連結されかつ
他端が前記ひもに連結されたワイヤーを設け、さらに前
記ダンパーに、冷凍サイクルの高圧側圧力もしくは室内
の吸込空気温度を検出して伸縮動作する作動装置を設け
、この作動装置によって前記ダンパーを開閉する構成と
したもので、特に暖房時上方と下方からの吹出しが行え
るため、理想的な頭寒足熱の空調効果が得られ、さらに
、通風路に上方と下方への通風量を制御する制御装置を
設けることにより、冷房、暖房に応じて上方および下方
からの吹出しが制御できるため、より効果的な空気調和
が行え、またダンパーを閉動作させる操作部にワイヤー
とひもを使用することにより、長期使用および熱的影響
による伸びが防止でき、手動による確実な閉動作が得ら
れ、信頼性の向上および品質の安定化がはかれる等、種
々の利点を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例における通風制御構造を具備
した空気調和機の要部を分解した斜視図、第２図は同空
気調和機の内部構造を示す正面図、第３図は同空気調和
機の側面からの断面図、第４図は第２図の要部拡大図、
第５図は同空気調和機におけるファンケーシングの平面
からの断面図、第６図は同空気調和機の冷凍サイクル図
、第７図イ９口および第８図イ２口はそれぞれ従来例に
おける空気調和機の内部構造を示す正面図および側面図
で゛ある。 １・・・・・・空気調和機本体、２・・・・・・吸込口
、３・・・・・・ファンケーシング、４，５・・・・・
・吹出口、６・・・・・・室内側熱交換器、７・・・・
・・ダンパー、８・・・・・・作動装置、１１・・・・
・・ダンパー操作部、１３・・・・・・操作レバー、１
４・・・・・・ひも、１５・・・・・・ワイヤー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 送風機、熱交換器、ファンケーシング等をそれぞれ具備
   した空気調和機本体に、前記熱交換器と対向した吸込口
   および前記ファンケーシングの上部と下部にそれぞれ連
   通しかつ前記空気調和機本体の上部と下部に位置した上
   吹出口と下吹出口をそれぞれ設け、さらに前記ファンケ
   ーシングもしくは本体に、前記下吹出口への通風を制御
   するダンパーを設け、さらに前記本体に、前記ダンパー
   を開閉操作する操作部を設け、この操作部を、本体の壁
   面に沿って上下もしくは左右移動する操作レバーと、一
   端が前記ダンパーに連結された柔軟なひもと、一端が前
   記操作レバーに連結されがっ他端が前記ひもに連結され
   たワイヤーを設け、さらに前記ダンパーに、冷凍サイク
   ルの高圧側圧力もしくは室内の吸込空気温度を検出して
   伸縮動作する作動装置を設け、この作動装置によって前
   記ダンパーを開閉する構成とした空気調和機の通風制御
   構造。