JPS5819920B2 - ド−ムヤネタンクコウゾウ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 く要旨の解説ン この発明はＬＰＧ、石油等の液体を貯蔵するドーム屋根
付の独立剛性タンクを基礎地盤に予め建設したコンクリ
ート躯体内に構築する構造において、そのドーム屋根を
該コンクリート躯体上部に取付けて諸応力を該コンクリ
ート躯体に支持させる如くしたタンク構造に関する発明
であり、特に、独立剛性タンク側板に１本の外方張り出
しリング状摺曲部を形成したドーム屋根を有する独立剛
性タンク構造に係る発明である。

〈従来技術〉 従来、ＬＰＧ等の低温液化ガスや石油等の液体を貯蔵す
るタンクは種々のタイプのものがあるが、強度、材質、
工期、コスト、運転能率、メンテナンス等の点で平底円
筒式ドーム屋根構造のものが多く採用されている。

ところで、該ドーム屋根構造タンクを基礎地盤上に建設
する場合これまで外側に防液堤等を設けて来たが、タン
ク破壊時の貯液の流出の問題から第１図に示す様に基礎
地盤１に対して平底円筒コンクリート躯体２を予め建設
し、その後肢コンクリート躯体２内に前記内底円筒ドー
ム屋根タンク３を構築していた。

又、設計によっては第２図に示す様にコンクリート躯体
２を半地下式にして基礎地盤１に埋設し、更に場合によ
っては土盛４をすることもある。

そして、該コンクリート躯体を第３図に示す様に地上式
にすることもある。

〈従来技術の問題点〉 しかしながら、上記在来タイプのドーム屋根タンクに於
ては風雪、砂等の変位荷重や配管その他の付属品の荷重
がか−り、したがってタンク側板の支持する荷重が多く
力ちるため、相当強度の材質、及び、板厚の厚い側板を
用いなければならない不具合があった。

又、タンク内の負圧等の下向荷重がか＼る場合も同じ問
題があった。

更に、一般にタンク底部では第４図に示す様に側板と底
板との取合部５でアンカーを行なっているため内圧増大
時や地震時等に生ずるアブリフト作用時に上記取合部が
強度上剥いため底板が浮上る欠点があった。

又、地震発生時にはタンクに作用する転倒モーメントが
現出する難点があった。

〈発明の目的〉 この発明の目的は上述在来技術に基づ（ドーム屋根タン
クの問題点を解決すべき技術的課題とし、ドーム屋根タ
ンクのドーム屋根端部なコンクリート躯体上部にアンカ
ーすることにより前記側板に対する荷重と地震時の転倒
モーメントに係る事項を一挙に解決し又該コンクリート
躯体と該側板間にスペースを設け、該側板の適宜位置に
全周にわたって１本のリング状の外方張り出しの摺曲部
を形成させることにより、建設時、運転時を通じての該
コンクリート躯体と該側板の相互の熱変形差を円滑に吸
収することが出来るようにしてエネルギー産業における
タンク利用分野に益する優れたドーム屋根を有する独立
剛性タンク構造を提供せんとするものである。

〈発明の構成〉 上述目的に沿い、先述特許請求の範囲を要旨とするこの
発明の構成は前述問題点を解決するためにドーム屋根タ
ンクのドーム屋根端部をブラケット或は張出骨材を介し
てコンクリート躯体上端、域は、上端近傍に固定して独
立剛性タンクの側板にか＼る常時の下向き荷重を支持さ
せるようにし、内圧増大時や短期には地震時等の剛性に
よるアブリフト力を拘束し、側板と底板取合部の浮上り
を防止し、更に、地震時のタンク転倒モーメントを可及
的に生じないようにし、又、建設時、運転時に必然不可
欠に生じるコンクリート躯体と側板の鉛直方向の熱変形
差に対しても側板に外方張り出しの１本のリング状摺曲
部を設けることにより熱応力発生に伴う変形を防止する
ようにした技術的手段を講じたものである。

〈実施例−構成〉 次にこの発明の１実施例を第５図に基づいて説明すれば
以下の通りである。

尚、第１図と同一態様部分については同一符号を付して
説明するものとする。

基礎地盤１に対して予め建造した平底円筒型コンクリー
ト躯体２内に独立剛性タンク３を円形底板６、円筒側板
７、ドーム屋根８の適宜施工順に構築し、また工法によ
ってはドーム屋根８を該円筒側板７より早く構築する。

尚、該円筒側板７は図示する様に適宜位置に全周にわた
って１本の外側張出形のリング状摺曲部９を形成させで
ある。

又、該円筒側板Ｉとコンクリート躯体２の間にはタンク
施工時の作業や検査に供するスペース１０を設け、該ス
ペース１０の下端には雨水等の排水ピット１１を設ける
。

そして上記円筒側板Ｉの上端、或は、ドーム屋根８の外
端縁に所定間隔で設けたブラケット１２を予め設けてお
き、該ブラケット１２を上述同様子め前記コンクリート
躯体２上端に植設しておいたアンカーボルト１３にナツ
トで固定することによりドーム屋根８をコンクリート躯
体２に支持させる。

尚、上記固定手段はドーム屋根の骨材等を張出し設計に
しておいて該骨材を用いてアンカー取付けしても良い。

又、アンカーボルト１３はコンクリート躯体２の上端で
なくともその近傍であれば実質的に支障はない。

〈実施例−作用〉 上述構成の独立剛性タンク３内に例えば、石油１４を貯
蔵して運転すると、まずドーム屋根８の自重に加えて、
図示しない配管、付属設備の荷重、及び、場合によって
は生じるガス負圧等の下向荷重が該ドーム屋根８にか〜
るが、該荷重はブラケット１２、アンカーボルト１３を
介してコンクリート躯体２にか〜るため、円筒側板７に
か〜る圧縮力が軽減されることになる。

したがって、座屈によるタンク３の破壊等の現象も生ぜ
ず、円筒側板Ｉの材質を安価に又、板厚が薄くできるた
め軽量化が出来る。

又、アブリフト作用時にはドーム屋根８にか又る上向力
はコンクリート躯体２上部のアンカーボルト１３で拘束
され、そしてコンクリート躯体２と側板７との間に熱変
形差が生じる時には円筒側板７に設けた１本のリング状
の外張り出し摺曲部９を介して側板７が鉛直方向に伸び
、これにより底板６が常時ガス圧及び液圧によるコンク
リート躯体２の床上に押圧されているため取合部が安定
し、浮上り等の現象も生じない。

そして、上記摺曲部９は外張り出しのため上下方向の伸
縮において貯溜石油やガスの貯留能力を減少させるよう
には働かない。

更に、地震発生時にはドーム屋根８に働く水平力はアン
カーボルト１３によるアンカー止めにより支えられるた
め、転倒モーメントは該水平力によっては生じない。

−〈発明の効果〉 以上この発明によれば、コンクリート躯体内にドーム屋
根を構築することによる独立剛性タンク破壊時の内容物
流失防止等の利点が生かせるのみならず、ドーム屋根を
コンクリート躯体にアンカー止めにし、側板に１本の外
張り出し状のリング状摺曲部を設けることにより上述の
如き優れた効果を奏する。

加えて、コンクリート躯体と側板間にスペースを設け、
該側板の適宜位置に全周にわたってリング状摺曲部を形
成させることにより、該コンクリート躯体と該側板の作
業、検査を行うことが出来、又、建設時、運転時の該コ
ンクＩＪ −ト躯体と該側板の相互の熱変形差を円滑に
吸収することが出来る利点がある。

そして、独立剛性タンクの円筒側板の１本の外張り出し
状のリング状摺曲部があることによって圧縮、浮き上り
を吸収出来、独立剛性タンクの破壊を防止出来る効果が
ある上に、貯液能力も削減しない利点もある。

【図面の簡単な説明】

第１，２，３図はコンクリート躯体内にドーム屋根タン
クを設けたもの一態様説明断面図、第４図は通常のドー
ム屋根タンクのアブリフト時の取合部浮上り概略説明断
面図、第５図はこの発明の１実施例の説明部分断面図で
ある。 １・・・・・・基礎、２・・・・・・コンクリート躯体
、３・・・・・・独立剛性タンク、１２，１３・・・・
・・連結部材、１３・・・・・・アンカー、８・−・・
・・ドーム屋根、７・・・・・・円筒側板。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 基礎に設けたコンクリート躯体内に設置したドーム
   屋根タンクの該ドーム屋根端部を上記コンクリート躯体
   に取付けたドーム屋根を有する独立剛性タンクの構造に
   おいて、上記ドーム屋根を該ドーム屋根端部と前記コン
   クリート躯体上部との間に設けた連結部材を介して該コ
   ンクリート躯体と円筒側板間にスペースを設けるように
   該コンクリート’ＱＩＭ体上部にアンカーし、而して該
   側板に１本のリング状摺曲部を外向きに張り出して設け
   たことを特徴とするドーム屋根を有する独立剛性タンク
   構造。