JPS5818888Y2 - ワツクスパタ−ン連結スプル−線構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 要旨の解説 この考案は歯科治療において使用される印形転写の口腔
模型に多数配列して設けられている支台に嵌設する連結
鋳造体用のワックスパターンに対し石膏埋没過程に先立
って植設させるスプルー線の構造に関する考案であり、
特に、上記支台に装着されているワックスパターンに対
して少くとも１本の先細テーパ一連結部を湯道用に一体
的に形成するステム部を有し伸開自在にされ得る熱可塑
性高分子材から戒っているワックスパターン連結スプル
ー線構造に係る考案である。

従来技術 従来より、歯科治療においては歯の治療対象欠損部に対
する補填を行うため口腔内転写の可搬式模型を用い技工
により補填物形成の作業を患者と時間的、場所的に離隔
して正確に安全、且つ、能率的に行う歯科技術が広く採
用されている。

而して、該種歯科治療技術では当然のことながら患者の
口腔内歯部の印形転写像をシリコンゴム等の象形材を介
して模型化し、しかる後該模型の各支台に対して所謂ワ
ックスパターンを形成嵌装させ、後段連結鋳造体の基体
としている。

従来技術の問題点 そして、該ワックスパターンの技工面におけるテクニッ
クには２つの重要な点があり、１つには上記支台からの
ワックスパターンの無変形状態のま・での抽出と２つに
は該ワックスパターンに対するスプルー線の正確な植立
がある。

而して前者においては一般に上記支台に離形剤をコーテ
ィングしてはあるもの・、支台からのワックスパターン
の平行な引き抜きを行うべく所謂ダウェルピンの平行植
立を介して無変形に抽出するようにされてきている。

したがって、一部技工土間では家庭用のプラスチックス
のスクラップ等を適宜に利用しワックスパターンを軽く
抑える等してダウェルピンを介して抽出を行っているが
、基本的にワックス材が所定の軟性材であるため抽出に
伴う変形を避けることは極めて困難である難点があり、
就中、支台数が多く、又、前歯部の如く彎曲部での作業
になると相当の熟練を要する不具合があった。

一方、後者においてはスプルー線の植立はワックスを利
用した所謂ワックスアップタイプであるのがほとんどで
あり、その軟性のために該ワックスパターンに植立する
のに同じく高度の熟練を要し、支台数が多く、前歯部と
なるとその作業は極めて煩瑣であり、多くの時間を要す
る不利点があり、スプルーチクニラツクのミスや未熟度
から来る鋳造欠陥は歯科治療上本質的悪影響を与える欠
点があった。

考案の目的 この考案の目的は上述従来技術に基づくワックスパター
ンに対する植立スプルー線の問題点を解決すべき技術的
課題とし、常温での硬度は所定に保持され、又、弾性も
有し、しかも、熱可塑性を有し、焼成時にはガス逸散す
るにもが・わらず、有害ガスを発生しないようにし鋳造
体が正確に出来るようにして歯科治療機器産業における
ワックスパターン利用分野に益する優れたワックスパタ
ーン連結スプール線構造を提供せんとするものである。

考案の構成 上述目的に沿い先述実用新案登録請求の範囲を要旨とす
るこの考案の構成は、前述問題点を解決するために歯科
治療口腔模型の配列支台に装着されたワックスパターン
に対し所定高分子材料製のスプルー線を該ワックスパタ
ーンの配列に沿って加熱により同列形状に塑性変形させ
、その長さ方向同一径のステムに一体化され先細テーパ
ー状の連結部を適宜従来のワックスを介して各ワックス
パターンに連結させ、必要に応じダウェルピンを介して
平行裡に且つ無変形状態に支台より該ワックスパターン
を抽出し、石膏埋没プロセスを介して焼成させ、その際
該高分子材料のスプルー線、及び、ワックスパターンは
全体的にガス化し逸散して湯道が形成され、ワックスパ
ターンの跡に設計通り確実に連結鋳造体が形成されるよ
うにした技術的手段を講じたものである。

実施例−構成 次にこの考案の１実施例を図面に基づいて説明すれば以
下の通りである。

１はこの考案の要旨を威すスプルー線であり、そのステ
ム２の形状は断面円形の長さ方向同一径の線状、或は棒
状体であり、該ステム２の外周１側には軸方向均等間隔
を介して直角方向に同一平面上に配列されて複数のテー
パ一連結部３，３・・・・・・がその先細尖端部を我人
の各支台平均中心間距離に合わせ先延させて一体的に成
形されている。

而して、該スプルー線１は、例えば、適宜アクリル系樹
脂等の合成樹脂製のものであって、通常は所定の硬度と
弾性を有し、又、熱可塑性を有し、後記ワックスパター
ンに対してなじみ性を有し、焼成に際し無害ガス化して
逸散するものであって適宜射出成形等の手段により第１
ａ、ｌ ｂ図に示す様に成形され、上記テーパ一連結
部３は少くとも１つ形成されているものである。

実施例−作用 上述構成のスプルー線１において、植立、及び、埋没プ
ロセスを説明すると、第２図に示す様に所定の硬質石膏
により前述の如く周知の技術により成形された口腔模型
４には補填患歯の咬合成形のワックスパターン５，５・
・・・・・が臼歯部Ａ、前歯部で該ワックスパターン５
，５・・・・・・の下部の図示しない支台に対し離型剤
を介して装着されている。

そして、該ワックスパターン５，５・・・・・・の成形
、及び、その装着後、前記スプルー線１を用意し、臼歯
部Ａに於ては各テーパ一連結部３，３・・・・・・を前
述の如くワックスパターン５，５・・・・・・の配列に
平均的に対応植設させであることによりその各テーパ一
連結部３の先端を適宜従来のワックスを介して対応する
該ワックスパターン５，５・・・・・・の所定位置に接
合し添着固定する。

又、前歯部Ｂに対しては同じく前述の如くその熱可塑性
を利用して歯科用バーナ等により適宜あぶり作用を与え
該前歯部Ｂに沿って所定に彎曲伸展させ、同じくテーパ
一連結部３，３・・・・・・の先端をワックス等の接着
剤を介して対応ワックスパターン５，５・・・・・・に
当接添着し、固定させる。

勿論、図示態様は臼歯部Ａ、前歯部Ｂの双方適用例であ
るが、一方のみの態様の場合もある。

そこで、各ワックスパターン５，５・・・・・・に対す
るスプルー線１の一体接合が終了すれば、該スプルー線
１の前記常温における硬度性を有する剛性を利用して口
腔模型４の図示しない支台がら該スプルー線１と一体に
前記離型剤を介して各ワックスパターン５，５・・・・
・・を平行に引き抜く。

この場合、該スプルー線１が各ワックスパターン５，５
・・・・・・に対して該スプルー線１のテーパ一連結部
３，３・・・・・・を介して一体連結されていることに
より該ワックスパターン５，５・・・・・・は相互に変
形、ずれ、姿勢変化することなく抜型されるが、前述の
如く図示しないダウェルピンを介して抜型することも可
能である。

その後抜型したスプルー線１と一体のワックスパターン
５，５・・・・・・に対して石膏流込みの型取り作業を
行い、次いで適宜歯科用ファーネスで第３図に示す様に
成形した石膏を所定に焼却すると、低融点のワックスパ
ターン５，５・・・・・・とスプルー線１は昇華し、ガ
ス化逸散し、該スプルー線１のステム２とテーパ一連結
部３，３・・・・・・は押湯７を介して湯道８，９を形
成する。

尚、逸散ガスが無公害のものであることは云うまでもな
い。

而して、該テーパ一連結部３，３・・・・・・は尖突状
であり、したがって、湯道９は湯の鋳造部１０に対する
注入状態を最も適正にするように形成されていることに
より、該石膏６の成形後所定金属を溶融注湯すると、溶
湯は押湯７を通り湯道８，９を介して確実に、且つ、完
全に鋳造部１０．１０・・・・・・に注湯されて連結鋳
造体に形威される。

他の実施例 尚、この考案の実施態様は上述実施例に限らず種々のも
のが採用可能であり、又、スプルー線の材質、ステム形
状、テーパ一連結部のピッチ、サイズ等適宜設計変更が
可能であることも勿論である。

考案の効果 以上この考案によれば、歯科治療口腔模型の支台に対す
るワックスパターンに植立するスプルー線において、該
ワックスパターンに対して少くとも１本の先細テーパ一
連結部を一体的に有するステム部を有して熱可塑性高分
子材料より威るものとしたことにより基本的にワックス
パターンに該テーパ一連結部を介してステム部が一体に
連結されることになり支台よりのワックスパターンの抽
出に際して該ワックスパターンを無理なく平行状態で抜
くことが出来、したがって、連続鋳造体成形に伴うワッ
クスパターンの変形が避けられ、正確に該鋳造体が形威
される優れた効果が奏される。

更に、ステム部は熱可塑変形自在にされていることによ
りワックスパターンの臼歯部のみならず、前歯部に対し
てもバーナあぶり等の手段により伸開自在に成形させて
連結することが出来、その点からも上記ワックスパター
ンの引抜きが容易且つ、正確に行える効果がある。

又、テーパ一連結部が先細尖突状に形成されてワックス
パターンに対してポイント接合され得るため、スプルー
線作業操作のテクニックミスが起らす焼成時の湯道が注
湯に対して設計通りに最適に形成され、連続鋳造体が設
計通りに形成出来、口腔内快適性、治療適性を損うこと
がない効果もある。

更に又、スプルー線のステムに予めテーパ一連結部を一
体に同一方向に形威しであることにより従来の如くワッ
クスパターンに対する植立テクニックの熟練や、煩瑣な
作業が不要となり、正確にワックスパターンに接合され
、作業時間も短縮され、技工能率が促進される利点もあ
る。

そして、ステム部は長さ方向同一径であるため作業中１
部で折れたり、より曲り易くならず、所望通りの作業が
出来る効果もある。

加えて、当該スプルー線は量産も可能であり、射出成形
等も容易であるため、低コストであり、成人用、小児用
、或は、臼歯用直線状、前歯用彎曲状物等品種も多様に
製品化可能である良さがある。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の１実施例を示すものであり、第１ａ図
はスプルー線の正面図、第１ｂ図は同側面図、第２図は
ワックスパターンに対するスプルー線接合説明斜視図、
第３図は鋳造石膏断面図である。 ４・・・・・・模型、５・・・・・・ワックスパターン
、１・・・・・・スプルー線、３・・・・・・テーパ一
連結部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 歯科治療口腔模型の配列支台に嵌設する連結鋳造体のワ
   ックスパターンに植設する連結スプルー線構造において
   、該ワックスパターンに対する少くとも１本の先細テー
   パ一連結部を一体的に同一側方に同一平面上に先延して
   成形されている全長同一径の棒状ステム部を有し、熱可
   塑性高分子材より成ることを特徴とするワックスパター
   ン連結スプルー線構造。