JPS5817942Y2 - 大形クラッチ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はクラッチ装置に係り、特に大形船等の減速機、
逆転機に使用される大形の多板摩擦クラッチの改良に関
するものである。

従来、大形船舶等に使用される大形の多板摩擦クラッチ
は第１図に示すようなものである。

すなわち主軸１にベアリング２，３を介してベアリング
キャリア４，５を回動自在に嵌着し、この両キャリア４
，５の外周部間にアウターリング６を固着し、一方上記
主軸１に・・ブ７を固定し、このハブ７のスプライン溝
８と上記アウターリング６のスプライン溝９とに駆動側
の摩擦板１０と従動側の摩擦板１１とを交互に摺動可能
に嵌着し、これら摩擦板１０，１１を前記ハブγの一端
面に固着したクラッチキャリア１２のピストン１３と上
記ハブ７の他端面に固着したバッキングプレート１４と
によって挟圧するようにし、さらに前記主軸１、ハブ７
、クラッチキャリア１２に前記ピストン１３の作動流体
を供給する通孔１５を穿設する構造であった。

このように従来の大馬力用の多板摩擦クラッチに釦いて
は、ハブＩに固着されたクラッチキャリア１２トよびバ
ッキングプレート１４の外側に、アウターリング６を支
持するベアリングキャリア４．５を設けるという２重構
造をとっている。

このため従来のクラッチ装置では全体形状が大型化し、
オた部品点数が多いため分解、組立、点検に手数と時間
を要するという欠点があった。

またこのような２重構造をとることにより、駆動側のク
ラッチキャリア１２に装着された前記ピストン１３は従
動側のアウターリング６に対し相対的に回動することに
なり、このためピストン１３と一体の目印部材をアウタ
ーリング６の外部に引出すことができず、上記ピストン
１３の作動を確認することが困難であった。

捷たこの従来装置ではベアリングキャリア４とクラッチ
キャリア１２との間に十分なスペースがとえず、そのた
めピストン１３に作動流体を供給するための複雑な通孔
１５を上記クラッチキャリア１２に加工しなげればなら
なかった。

本考案はこのような点を改良しようとするもので、アウ
ターリングの両端をクラッチキャリアとバッキングプレ
ートとにそれぞれ固着し、このクラッチキャリアおよび
バッキングプレー１・によって上記アウターリングを主
軸に支持することにより、大形クラッチ装置にむいて全
体形状の小形化を図り、捷た装置の分解、組立、保守、
点検が容易にできるようにし、きたピストンの作動を外
部から容易に確認できるようにするものである。

本考案の一実施ψ１１を第２図ないし第４図に基づいて
説明する。

なお第１図の従来例と同一の部材には同一符号を附す。

主軸１にベアリング２，３を介してクラッチキャリア１
２トよひバッキングプレート１４を回動自在に嵌着し、
これらの外周部間にアウターリング６をボルトなどで固
着し、一方上記主軸１に・・ブ７を固着し、このハブ７
のスプライン溝８と上記アウターリング６のスプライン
溝９とに、駆動側の摩擦板１０と従動側の摩擦板１１と
を交互に摺動自在に嵌着し、これら摩擦板１０，１１を
前記クラッチキャリア１２の内側面に進退自在に嵌着し
たピストン１３と前記バッキンググレート１４とによっ
て挟圧するようにする。

また前記ベアリング２の外側に耘いて主軸１に内側オイ
ルシールリング１γを液密に固着し、一方前記クラッチ
キャリア１２の外側面に外側オイルシールリング１８を
液密に固着し、この外側オイルシールリング１８の内周
面を上記内側オイルシールリング１７の外円面に液密に
摺動自在に嵌着する。

そして上記主軸１、内側オイルシールリング１７、外側
オイルシールリング１８、トよびクラッチキャリア１２
に前記ピストン１３の作動流体の通孔１５を＝連伏に穿
設する。

なト上記内側オイルシールリング１７と外側オイルシー
ルリング１８との摺擦部ではどちらか一方の円周面に環
状の溝（図示せず）を穿設し、もって相互の回動によっ
て上記作動流体の供給が断たれないようにする。

オた第３図ないし第４図に示すように前記アウターリン
グ６の一端部に点検窓１９を穿設し、この点検窓１９に
前記ピストン１３０目印部材２０を嵌合し、この目印部
材２０を見ることによってピストン１３の作動状態を外
部から確認できろようにする。

なト図中２１はキー溝、２２は前記−・ブ７とベアリン
グ２，３との間隔を一定に保つスペーサ、捷た前記バッ
キングプレート１４の外周面に形成された２３は負荷側
と噛合うギヤである。

そうして前記主軸１、ハブ７、一方の摩擦板１０トよび
内側オイルシールリング１１により構成される１駆動側
から、前記アウターリング６、クラッチキャリア１２、
ピストン１３、バッキングプレート１４、他方の摩擦板
１１、釦よひ外側オイルシールリング１８により構成さ
れる従動側に対して、上記ピストン１３の進退によって
適宜の動力を伝達する。

本考案によれば、アウターリングの両端をクラッチキャ
リアとバッキングプレートとにそれぞれ固着し、このク
ラッチキャリアとバッキングプレートによって上記アウ
ターリングを主軸に支持するようにしたので、大形クラ
ッチ装置に釦いて全体形状の小形化を図ることができ、
斗り装置の分解、組立、保守、点検が容易にできるよう
になった。

捷たアウターリングとクラッチキャリアとを固着するこ
とにより、クラッチキャリアに装着されたピストンをア
ウターリングと一体的に回転させることができ、したが
ってピストンの作動を外部から容易に確認できるように
細工することが可能である。

さらにクラッチキャリアとバッキングプレートとでアウ
ターリングを支持するようにし、従来装置で用いられて
いたベアリングキャリアを不要とする構造にしたので、
クラッチキャリアの外側部にオイルシールリングなどを
設けるス／＜−スが確保でき、したがってクラッチキャ
リアに装着されたピストンの作動流体の通孔を容易に設
けることが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の大形クラッチ装置の縦断面図、第２図は
本考案の大形クラッチ装置の一実施例を示す縦断面図、
第３図はその一部の平面図、第４図はその一部の縦断面
図である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 主軸に軸方向の間隔をトいて嵌着した２個のベアリング
   を介してクラッチキャリアとバッキングプレートとをそ
   れぞれ回動自在に嵌着し、クラッチキャリアの外周部と
   バッキングプレートの外周部とノ間にアウターリングを
   固着し、このアウターリングのスプライン溝に摺動自在
   に嵌着した摩擦板と主軸の上記２個のベアリングの間に
   固着した・・ブのスプライン溝に摺動自在に嵌着した摩
   擦板とを交互に配列し、クラッチキャリヤに主軸側の摩
   擦板とアウターリング側の摩擦板とを嵌脱する環状のピ
   ストンを進退自在に嵌着し、主軸により摩擦板を介して
   駆動されるアウターリングから動力を取出すギヤをバッ
   キングプレートに一体的に設けたことを特徴とする大形
   クラッチ装置。