JPS5817634Y2 - 油性スラツジ解砕装置

Info

【考案の詳細な説明】本考案は油性スラッジの解砕装置に関する。

油性スラッジとは、タンカーｍ上タンク等の槽底部に堆
積した重質油、鉄錆、混抄、水等の混合物を言い、修繕
や内部点検を行なう際に、取り出される。

従来、この油性スラッジは主として焼却処分されており
、この処分の際には一般にポリプロピレン製の袋に入れ
て搬出されている。

このポリプロピレン製袋の開袋および解砕は人為的ある
いは機械的に行なわれるが、油性スラッジの発生源がタ
ンカー１合には、スラッジ中に多種多様の夾雑物が含ま
れており、切断の際に切断刃を損耗させる等、その操作
を非常に困難なものにしている。

本考案は、含油率の高い上記油性スラッジを燃料化して
再利用しようとするプラントにおいて、その一工程であ
る溶融の前処理としての解砕に適用する装置に関するも
のである。

この解砕の目的は、主として次の２点である。

■ 油性スラツジヲ叡その熱伝導率が０．５〜１．５Ｋ
ｃａｌＡ、ｈ、’Ｃと小さい。

また、この熱伝導は、溶融過程における溶融速度の律速
になると考えられる。

従って、溶融を極力迅速に行なう（すなわち溶融装置を
小型化する）ためには油性スラッジの伝熱面積を増す必
要があり、このために油性スラッジの解砕を行なう。

２発生源がタンカーの場合には、上記したように油性
スラッジ中に多くの夾ｅを含む。

この夾雑物のうち後工程で支障のある粗大なものを分別
する必要があり、このために油性スラッジの解砕を行な
う。

本考案は、これらの目的を有する解砕を行なうための装
置であり、そσ特徴は、複数の水蒸気管を間隔をおいて
並列に配置して構成したことにある。

第１図Ａ、Ｂは本考案装置の一実施態様例を示す斜視図
で、第１図Ａは水蒸気管１を間隔をおいて並列に配置し
たものを２段平行に設置した例、第１図Ｂは同様に水蒸
気管１を間隔をおいて並列に配置したものを２段直交に
設置した例である。

なお、本考案では、第１図Ａ、Ｂのような２段設置に限
定するものではなく、１段、あるいは複数段を平行、直
交に設置してもよい。

第２図Ａ、Ｂは本考案装置の作用態様を示すもので、水
蒸気管１を間隔をおいて並列に配置したものの上に油性
スラッジＳを置き、場合によっては油性スラッジＳを上
から幾分加圧する。

これにより、油性スラッジＳは水蒸気管１壁に接した部
分が溶融し、解砕（切断）され、落下Ｓ′する。

この時、油性スラッジＳ中の夾雑物は格子状の上に残留
して分別される。

本考案における水蒸気管としては、通常の断面円形の管
も使用できるが、第３図に示すように、上部（すなわち
解砕前の油性スラッジＳと接触する部位）が断面三角形
、下部（すなわち解砕後の油性スラッジＳ′が落下して
行く部位）が断面半円形の管を使用することが好ましい
。

なお、本考案にお（・では、油性スラッジは前記したよ
うにポリプロピレン製袋を使用せず、容器等に直接充填
して搬入させることが好ましい。

実施例第３図に示す断面をもつ管を６５ｍのピッチで並列に配
置したものを１段だけ設置し、内部に３Ｋｇ／ｃＪＧの
飽和水蒸気を通して、タンカーで発生した油性スラッジ
の解砕を加圧なしで行なったところ、約２６ｗｔ％／ｈ
ｒの解砕速度が得られた。

なお、第３図中、１は水蒸気管、ａ＝３４ｍｍ、ｂ＝
５０ｍｍ、ｃ＝２．３ｍｍ、ｄ＝３．２ｒ
ｒａｎ、ｅ＝３０である。

以上説明したように、本考案装置では、複数の水素気管
を間隔をおいて並行に配置したものの上に油性スラッジ
を置き、自重もしくは幾らかの加圧下で、油性スラッジ
の水蒸気管壁に接した部分を溶融させて適当な大きさに
解砕（切断）するもので、次のような効果を奏すること
ができる。

（１）機械的な可動部分がないので、異物のかみ込
みや、切断刃の損耗等の不具合が起こり得ない。

（２）水蒸気管の適切なピッチ配列によって、油性スラ
ッジの中の夾雑物がその上に残留するため、油性スラッ
ジの解砕と同時に夾雑物の分別処理が行なえる。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａは本考案装置の一実施態様例、第１図Ｂは他の
例、第２図Ａ、Ｂは本考案装置の作用態様を説明するた
めの図、第３図は本考案の実施例で用いた水蒸気管の形
状寸法を示す図である。

【実用新案登録請求の範囲】