JPS5817575B2 - 親水性焼穀類 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、焙煎した穀類に水または湯を加えた時に、
それが容易に水を吸収し、膨潤に要する時間が著しく短
かい親水性を有する焼穀類（やきこくるい）にか５わる
ものである。

穀類の焙煎したものは、その最外層が穀類の含有する脂
肪類におおわれていることに加えて、その構造の中に気
体が蔵されているため、これに水、湯を加えた時に水を
はじき、且、包含する気体のために水面に浮んで水を吸
収し難い。

換言すれば水で膨潤させるのに長時間を要する。

この発明はこの吸水膨潤を妨げる因子を予め除いている
ことに特長がある。

即ち、焙煎した穀類中の気体を減圧下で急速に除いてそ
こに生じた空間隙を親水性の気体をもって飽充してこの
親水性気体で吸着置換させることによって、焙煎した穀
類の表面の親水化（物理的結合による）と構造生気体の
親水性ガスによる置換が行われた焼穀類は容易に水にぬ
れて沈み吸水する。

親水化のために使用出来る物質は、食料として毒性がな
い減圧下で容易にガス体となる蒸気圧が大きい物質であ
れば、その種類は無機物質でも有機物質のいづれでもよ
く、水によく溶ければよい。

実施例の代表的なものを列挙する。

実施例 ■ 玄米を数分間焙煎したものを、無水アルコールを底部に
予めいれておいた容器に投入し蓋をほどこして冷却する
。

この時、アルコールは蒸発し今後凝縮して微弱な圧力低
下か容器内に生じ、玄米中のガス体は放出され玄米中の
空隙はアルコール蒸気により除々に置換飽充されるので
焙煎玄米は親水性焼玄米となる。

実施例 ■ 数分間焙煎した玄米を耐圧性容器にいれ直ちに真空ポン
プを以て容器内の圧力を下げ真空度が１％近くに達した
とき、容器内にアルコール（エチル）を送入する。

送入されたアルコールは直ちに気化し、焙煎玄米中の瓦
斯体の放出により生成した空間隙を飽充し容器中の圧力
は上昇する。

数時間この飽充置換を行うことを続けて親水性焼玄米と
する。

実施例 ■ 実施例■のエチルアルコールの代りに、炭酸アンモニア
を用いて実施例■と仝様にして親水性玄米を得る。

この際は、玄米中の空隙は、アンモニアガス、炭酸ガス
、及び炭酸アンモニアガスで飽充置換された親水性焼玄
米である。

この親水化された穀類は、水により膨潤した時その触感
が肉様で直ちに食用に供することが出来；るものである
。

実施例には玄米のみを挙げたが、玄米以外の穀類におい
てもこの親水性焼穀類を得ることが出来ることは勿論で
あり、これが直ちに食料とすることが出来ることは云う
までもない。

記載の重複煩雑を避けるために他の穀類について１実施
例を示すことを省略したが、これ等について権利を放棄
する・ものではない。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 焙煎した穀類を減圧下においた際に焙煎穀類中に包
   含されていた気体が放出されて出来る焙煎穀類中の空間
   隙を、親水性のガス体で飽充、吸着させて得られる親水
   性焼穀類。